肺炎、気胸
*呼吸器
頻度不明
咽頭痛
精神神経系
0.1~5%未満
頭痛、手足のしびれ、末梢・知覚神経障害
精神神経系
頻度不明
頭重※1)、めまい・ふらつき、不眠
過敏症
0.1~5%未満
皮疹、発疹
その他
5%以上
脱毛(70%以上)、発熱(20%以上)、白血球分画異常(30%以上)、血清総蛋白低下(20%以上)、血沈亢進(20%以上)、血清アルブミン低下(10%以上)、A/G比異常(10%以上)、電解質異常(Na、K、Cl、Ca)、尿潜血
その他
0.1~5%未満
全身けん怠、飛蚊症、尿糖陽性、鼻出血、体力喪失、静脈炎、注射部反応、色素沈着
*その他
頻度不明
耳鳴※1)、出血傾向※1)、浮腫、胸内苦悶感※1)、感染※1)、血管痛※1)、尿沈渣白血球陽性※1)、血清アミラーゼ上昇※2)、CRP上昇※2)、吃逆、味覚異常、血小板増加、体重減少、背部痛、白血球増加
※1)承認外の用法(単回投与等)においてのみ報告された副作用のため頻度不明
※2)臨床試験において評価項目として設定していなかったため頻度不明
高齢者への投与
本剤の動物における主要消失経路は胆汁排泄1)及び代謝2)であり、またヒトにおいても尿中排泄率が低いことから、本剤の消失には肝臓の寄与が大きいと考えられる。高齢者では肝機能等の生理機能が低下していることが多いため消失が遅れ高い血中濃度が持続するおそれがあるので、用量に留意して患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。骨髄機能抑制等の副作用に注意し、異常が認められた場合には、回復を十分に確認してから投与を行うなど、投与間隔及び用量に留意すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。また、妊娠する可能性のある婦人には避妊を指導すること。〔動物実験で、胎児への移行(妊娠ラット)及び催奇形性(ラット、ウサギ)が認められている。〕
2.
授乳婦に投与する場合には、授乳を中止させること。〔動物実験(ラット)で乳汁中への移行が認められ、生殖発生毒性試験で出生児の精巣の発育阻害が認められている。〕
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。〔使用経験がない。〕
適用上の注意
1. 投与経路
静脈内投与にのみ使用すること。
2. 調製時
本剤は溶解時のpHにより力価の低下及び濁りを生じることがある。特にpHが3を超えると、力価の低下や経時的に濁りを認めることがあるので、他の薬剤との混注を避け、日局生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液に溶解して投与すること。なお、注射用水は溶解時の生理食塩液に対する浸透圧比が約0.2であり、投与時に疼痛などの刺激性が懸念されるため、溶解液としては望ましくない。
3. 溶解後
溶解後は速やかに使用すること。濁りが認められた場合は使用しないこと。
(参考)
溶解後の安定性が確認されている時間
5℃ 24時間
25℃ 3時間
30℃ 1.5時間
4. 投与時
(1)
静脈内投与により、ときに血管痛、静脈炎等を起こすことがあるので、注射部位、注射方法等に十分注意すること。
(2)
静脈内投与に際し、薬液が血管外に漏れると、注射部位に硬結、壊死、炎症を起こすことがあるので、点滴を避け、薬液が血管外に漏れないように投与すること。
その他の注意
1.
ラットに6ヵ月間静脈内投与した実験で、0.5mg/kg投与群の皮膚、皮下及び外耳道に悪性腫瘍が発生したとの報告がある。
2.
本剤投与後、未変化体及び活性代謝物の尿中排泄により尿が赤色になることがある。
薬物動態
1. 血中濃度
非小細胞肺癌の患者に、本剤45mg/m2/日を3日間連日静脈内投与したときの未変化体(アムルビシン)と活性代謝物(アムルビシノール)の血中濃度は以下のとおりであり、アムルビシンは血漿、血球のいずれにおいても速やかに消失したが、アムルビシノールは血漿、血球中とも持続的な推移を示した。また、アムルビシノールの濃度は、血漿に比べて血球中で高かった。3)
(表1参照)
2. 分布
(参考)
ラットに14C標識体を10mg/kg単回静脈内投与し臓器中放射能濃度を測定した。放射能は投与直後から全身に分布し、投与後1~4時間において、骨髄、消化管壁、皮膚、副腎、脾臓、肺、ハーダー氏腺、顎下腺、腎臓及び肝臓に高く分布した。中枢神経系への移行は血漿と同レベルかそれ以下であった。心臓への分布は副腎、骨髄等と比較して低濃度であった。1)
3. 蛋白結合率
ヒト血漿及び4%ヒト血清アルブミン溶液中に本薬(2μg/mL,20μg/mL)を添加し、平衡透析法により測定した蛋白結合率は表2のとおりであった(in vitro)。1)
(表2参照)
4. 代謝
(参考)
ラットに14C標識体を10mg/kg単回静脈内投与した場合の血漿及び血球中の主要成分は、未変化体と活性代謝物アムルビシノールであった。その他に、比較的低濃度のアグリコン体及び脱アミノ体が検出されたが、24時間後には定量限界未満(<0.005μg/mL)となった。1)
ヒト肝ミクロソーム及びサイトゾルを用いたin vitro試験において、本剤の消失はNADPH-P450還元酵素、NAD(P)H-キノン還元酵素及びケトン還元酵素それぞれの阻害剤によって阻害された。
5. 排泄
各種悪性腫瘍患者に、本剤20mg/m2/日(2例)又は25mg/m2/日(2例)を5日間連日静脈内投与したときの5日目の24時間までの尿中排泄率は、未変化体が0.22~1.71%、アムルビシノールが2.1~17.8%であった。
注)本剤の承認された用法・用量は、「通常、成人にはアムルビシン塩酸塩として45mg(力価)/m2(体表面積)を約20mLの日局生理食塩液あるいは5%ブドウ糖注射液に溶解し、1日1回3日間連日静脈内に投与し、3~4週間休薬する。これを1クールとし、投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。」である。
(参考)
ラットに、本剤の14C標識体を10mg/kg単回静脈内投与した場合の投与72時間後までの胆汁中への放射能排泄率は、投与量の58.3%であった。また、同時に採取した尿及び糞中への放射能排泄率は、それぞれ投与量の17.5%及び12.8%であった。1)
薬物動態の表
表1 アムルビシン、アムルビシノールの薬物動態学的パラメータ(n=3)
アムルビシン(塩酸塩換算)&nbs