使用すること。[妊娠中の使用に関する安全性は確立していない。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。[使用経験がない。]
適用上の注意
使用部位
(1)
眼科用として角膜、結膜には使用しないこと。
(2)
著しいびらん面には使用しないこと。
(3)
亀裂、びらん面には注意して使用すること。(液のみ)
その他の注意
1.
クリーム及び液において、アジュバントを用いて感受性を高めた動物実験(モルモット)を実施した結果、皮膚感作性が認められている。また、クリーム、液及び軟膏において、アジュバントを用いて感受性を高めた動物実験(モルモット)を実施した結果、液及び軟膏で皮膚光感作性が認められている。
2.
損傷皮膚を用いた動物実験(ラット、ODT条件)において、クリームに比較して液の経皮吸収性が高くなることが認められている。
薬物動態
1.
ヒトにおける吸収・排泄1)
健康成人男子の上背部皮膚にルリコンクリーム1%5g又はルリコン液1%5mLを24時間単回塗布したとき、塗布12~24時間後に低濃度の未変化体が血漿中に認められたが、薬剤除去後24時間目には定量限界未満となった。尿中に未変化体は検出されなかった。また、健康成人男子の上背部皮膚にルリコンクリーム1%5g又はルリコン液1%5mLを7日間反復塗布したとき、初回投与後6時間以降及び各回投与22時間後に低濃度の未変化体が血漿中に認められたが、薬剤除去後24時間目には定量限界未満ないし定量限界をわずかに上回る程度にまで低下した。薬剤塗布後24時間目の血漿中未変化体濃度は、最終塗布時には初回塗布時の約1.9倍(クリーム)、約1.4倍(液)に上昇したが、塗布3回目以降ほぼ一定に推移し、また、反復塗布後の血漿中未変化体濃度の消失も速やかであったことより、反復塗布による蓄積性はないものと考えられた。尿中に未変化体は検出されなかった。
2.
ヒト角層中薬物濃度2)
健康成人男子24名を対象に、同一被験者の背部にルリコンクリーム1%及びルリコン軟膏1%を単回塗布した時、角層中薬物濃度(平均値±標準偏差)は投与後12時間においてそれぞれ225.48±72.06ng/cm2及び267.83±112.24ng/cm2、投与後24時間においてそれぞれ262.00±88.69ng/cm2及び234.52±100.92ng/cm2であった。
臨床成績
比較試験及び一般臨床試験での合計874例の臨床効果の概要は次のとおりであった。1),3),4)
クリーム768例の直接鏡検による真菌消失率及び皮膚症状改善率は下表のとおりであった。
疾 患 名
白癬:足白癬
真菌消失率
(菌陰性化症例数/症例数)
74.6% (419/562)
皮膚症状改善率
(中等度改善以上症例数/症例数)
91.5% (514/562)
疾 患 名
白癬:体部白癬
真菌消失率
(菌陰性化症例数/症例数)
89.6% (69/77)
皮膚症状改善率
(中等度改善以上症例数/症例数)
97.4% (75/77)
疾 患 名
白癬:股部白癬
真菌消失率
(菌陰性化症例数/症例数)
100% (14/14)
皮膚症状改善率
(中等度改善以上症例数/症例数)
85.7% (12/14)
疾 患 名
カンジダ症:指間びらん症
真菌消失率
(菌陰性化症例数/症例数)
84.0% (21/25)
皮膚症状改善率
(中等度改善以上症例数/症例数)
69.2% (18/26)
疾 患 名
カンジダ症:間擦疹
真菌消失率
(菌陰性化症例数/症例数)
93.8% (30/32)
皮膚症状改善率
(中等度改善以上症例数/症例数)
100% (32/32)
疾 患 名
白癜風
真菌消失率
(菌陰性化症例数/症例数)
84.2% (48/57)
皮膚症状改善率
(中等度改善以上症例数/症例数)
96.5% (55/57)
また、液106例の足白癬に対する直接鏡検による真菌消失率及び皮膚症状改善率は、それぞれ65.1%(69/106)、90.6%(96/106)であり、クリームとほぼ同様の成績を示した。
薬効薬理
1. 抗真菌作用5)~10)
(1)
ルリコナゾールは、皮膚糸状菌(Trichophyton属、Microsporum属、Epidermophyton属)、Candida属真菌及びMalassezia属真菌に対して優れた抗真菌活性を有する。皮膚糸状菌の臨床分離株に対するMICは0.00012~0.004μg/mLであり、殺真菌活性も低濃度で発現した。
(2)
ルリコナゾールは、他の病原性真菌(酵母様真菌、Aspergillus属真菌及び黒色真菌)にも強い抗真菌活性を示した。
(3)
モルモット足白癬モデルに対し、1%ルリコナゾールクリーム及び液は1日1回、2日間塗布により、いずれも感染局所の菌の陰性化を示し、治療効果は同程度であった。また、モルモット体部白癬モデルにおいてもクリーム及び液は1日1回、6日間の塗布により、いずれも感染局所の菌の陰性化と感染症状の改善が認められ、治療効果は同程度であった。
(4)
モルモット足底部皮膚に1%ルリコナゾールクリームを単回及び反復塗布したときのモルモット皮膚角層中の薬物濃度は全ての塗布期間で高濃度を保持した。
2. 作用機序11)
ルリコナゾールは真菌の細胞膜の構成成分であるエルゴステロールの合成阻害作用により抗真菌作用を示す。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
ルリコナゾール[JAN]
Luliconazole [JAN, INN]
化学名
(-)-(E)-[(4R)-4-(2,4- dichlorophenyl)-1,3-dithiolan-2-ylidene](1H-imidazol-1-yl)acetonitrile
分子式
C14H9Cl2N3S2
分子量
354.28
融 点
150~153℃
性 状:
微黄色から淡黄色の結晶又は結晶性の粉末で、においはない。
本品はN,N-ジメチルホルムアミド又はアセトンに溶けやすく、アセトニトリル又はメタノールにやや溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けにくく、水にほとんど溶けない。
構造式:
取扱い上の注意
1.
小児の手の届か