SALINHES fluid solution 6%(Hydroxyethylated Starch)中分子羟乙基淀粉 ,,,サリンヘス輸液6%
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作成又は改訂年月
** 2013年10月改訂 (第6版)
* 2013年10月改訂 (第5版、販売業者の変更に伴う改訂)
日本標準商品分類番号
873319
薬効分類名
代用血漿・体外循環希釈剤
承認等
販売名
サリンヘス輸液6%
販売名コード
3319400A2046
承認・許可番号
承認番号
22100AMX01468000
商標名
SALINHES fluid solution 6%
薬価基準収載年月
2009年9月
販売開始年月
1987年12月
貯法・使用期限等
貯 法:
室温保存
使用期限:
外箱、容器に表示
注 意:
取扱い上の注意の項参照
規制区分
処方せん医薬品注)
注)注意-医師等の処方せんにより使用すること
組成
成分・含量(g/100mL)
ヒドロキシエチルデンプン70000 6.0
添加物(g/100mL)
日局 塩化ナトリウム 0.9
添加物(g/100mL)
pH調整剤 適量
電解質組成(mEq/L)
Na+ 154.0
電解質組成(mEq/L)
Cl- 154.0
性状
剤形
注射剤
色調
無色澄明
pH
5.0~7.0
浸透圧比
約1(生理食塩液に対する比)
コロイド浸透圧(mmHg)
18.6
溶血性
(-)
その他
わずかに粘性がある
本剤に使用のポリエチレン製バッグの全満量は次のとおりである。
製品の液量
500mL
平均全満量
700mL
警告
組織残留性が認められるので、投与は緊急時に短期間にとどめること1)。
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
1. うっ血性心不全のある患者
[循環血流量の増加によりうっ血性心不全を悪化させるおそれがある。]
2. 乏尿等を伴う腎障害又は脱水状態のある患者
[腎不全を起こすおそれがある。]
原則禁忌
(次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与すること)
1. 線維素原減少症又は血小板減少症等の出血傾向のある患者
[大量投与により出血傾向が助長されるおそれがある。]
2. 発疹等過敏症の既往歴のある患者
効能又は効果
効能又は効果/用法及び用量
各科領域における出血多量の場合
体外循環における血液希釈液
効能又は効果に関連する使用上の注意
**重症敗血症等の重症患者管理における相対的な循環血液量低下には使用しないこと(「その他の注意」の項参照)。
用法及び用量
成人は1回100~1,000mLを静脈内に注射する。小児は通常体重kg当り、10mL以内を用いる。症状に応じ、適宜増減する。体外循環における血液希釈液としては、通常体重kg当り10~20mLを用いる。
使用上の注意
重要な基本的注意
患者の血液粘度、酸塩基平衡及び電解質バランスに注意すること。
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
薬剤名等
アミノ糖系抗生物質(カナマイシン、ゲンタマイシン等)
臨床症状・措置方法
併用薬の腎毒性を増強させるおそれがある。腎障害が発生した場合には投与を中止し、透析療法等適切な処置を行うこと。
機序・危険因子
機序は明確ではないが、併用によりアミノグリコシド系抗生物質の血中への蓄積、近位尿細管上皮の空胞変性が生じるという報告がある。
副作用
総症例2,581例中、6例(0.23%)に副作用がみられた〔鼻充血1例(0.04%)、蕁麻疹1例(0.04%)、悪寒4例(0.16%)〕。また、臨床検査値には一定の変動は認められなかった。〔ヒドロキシエチルデンプン製剤(ヘスパンダー輸液)の承認時から昭和51年10月31日迄の集計を準用〕
以下の副作用は、ヘスパンダー輸液及び頻度が算出できない副作用報告を含む。
重大な副作用
**ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、喘鳴等)
ショック、アナフィラキシー(呼吸困難、喘鳴等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
重大な副作用(類薬)
**腎機能障害
類薬(分子量及び置換度等の異なるHES製剤)において、急性腎不全等の腎機能障害があらわれるとの報告があるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
その他の副作用
過敏症注)
頻度不明
発疹、そう痒感等
血液注)
頻度不明
出血時間の延長、出血傾向
消化器
頻度不明
悪心、嘔吐
その他
0.1~5%未満
悪寒
その他
頻度不明
発熱、頭痛
注)投与を中止するか、又は適切な処置を行うこと。
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意すること。
臨床検査結果に及ぼす影響
血液型の判定又は交叉試験を妨害することは現在のところ経験されていないが、その可能性が考えられるので、これらの試験を行う必要がある場合には、本剤の投与前に実施することが望ましい。
適用上の注意
1. 投与速度:
急速注入により循環不全及びそれによる組織障害の可能性も考えられるので、通常成人で本品500mLを、小児で10mL/kgを30分以上かけて点滴静注することが望ましい。
2. 投与時:
(1) ゴム栓部のシールフィルムを開封後直ちに使用し、一部使用して放置した残液や、万一浮遊物の認められるもの、不透明な液は使用しないこと。
(2) 連結管による混合投与の場合、Y字管連結にして使用する(U字管連結はしないこと)。
その他の注意
1. 組織残留性
(1) 本剤に使用しているヒドロキシエチルデンプン〔置換度0.50~0.55、重量平均分子量(Mw)約70000〕を家兎に20mL/kg/回を1回投与した結果、体内残留率は、10日後4.6%、60日後1.6%、また、10日間連続投与では、10日後3.2%、30日後2.5%、60日後1.5%、120日後0.8%であった2)。
(2) 高分子ヒドロキシエチルデンプン〔置換度0.6~0.66、重量平均分子量(Mw)200000〕を家兎に5日間静注した結果、120日後でも約14%が体内に残留していたとの動物実験が報告されている3)。
2.
**海外臨床試験において、重症敗血症患者にHES製剤注)を使用した場合、酢酸リンゲル液を使用した場合と比較して投与後90日時点での死亡のリスクが増加し腎代替療法を要した患者の割合が高かったとの報告がある4)。また、敗血症患者を含むICUの入院患者にHES製剤を使用した場合、生理食塩液を使用した場合と比較して投与後90日までの死亡のリスクは増加しなかったが、腎代替療法を要した患者の割合が高かったとの報告がある5)(<効能・効果に関連する使用上の注意>の項参照)。
3.
**海外臨床試験において、成人の人工心肺を使用した心臓手術時の輸液管理にHES製剤注)を使用した場合、アルブミンを使用した場合と比較して輸血が必要となる術後出血及び出血による再手術のリスクが高かったとの報告がある6)。
**注)本剤とは分子量及び置換度等の異なるもの。
薬物動態
**本剤を術後患者に投与した結果、ヒドロキシエチルデンプンの低分子部分から尿中へ排泄され、高分子部分は血中に留まった。しかし、高分子部分もα-アミラーゼにより徐々に低分子化され、尿中へ排泄された7)。
臨床成績
1. **循環血液量維持効果8)
平均出血量370mLの手術患者に対し、本剤を出血量の1.5倍投与(乳酸リンゲル液併用)した結果、循環血液量は術後2時間まで術前の値を維持し、その間、血圧、中心静脈圧に著変を認めなかった。
2. **体外循環希釈効果9)
希釈体外循環の充てん液として本剤を使用(乳酸リンゲル液及び新鮮血液を併用)した結果、本剤の使用量は体外循環中の循環血液量の10~15%で十分であった。
薬効薬理
1. **血漿増量作用10)
41.5mL/kgを脱血後のイヌに、ヒドロキシエチルデンプン〔重量平均分子量(Mw)70000〕を脱血量と等量投与した場合、ヒドロキシエチルデンプン投与後3~4時間にわたって良好な血漿増量効果が得られた。
2. **血圧保持作用及び血液粘度低下作用11)
30mL/kgを脱血後のイヌに、脱血液を用いて作製した赤血球濃厚液(以下CRCと略)を本剤又は生理食塩液で希釈し(1:1)、点滴注入した結果、本剤で希釈したCRCは生理食塩液で希釈したCRCに比較して脱血後の血圧の低下や血流の減少を速やかに回復するとともに血液粘度に対しても有意な低下を示した。
有効成分に関する理化学的知見
一般名:
ヒドロキシエチルデンプン70000(Hydroxyethylated Starch)[JAN]
極限粘度:
0.09~0.14
置換度:
0.50~0.55
**重量平均分子量(Mw):
約70000(GPC-LALLS法)12)
取扱い上の注意
(使用前の注意)
・薬液が漏出したり、混濁・浮遊物などの異物が認められるもの、あるいは包装内に水滴が認められるものは使用しない。
・ゴム栓部のシールフィルムが万一はがれているときは使用しない。
(調製時の注意)
・通気針(エアー針)は不要である(軟らかいバッグなので、大気圧で自然に輸液剤が排出される)。
・注射針は無菌的操作により、ゴム栓部にまっすぐ刺すこと。斜めに刺すと注射針が容器頸部を貫通し、液漏れの原因となることがある。
なお、輸液セットの針はゴム栓部のOUTに、薬剤添加時(混注)にはINと表示した○印の位置に刺すこと。
・薬剤添加後はよく転倒混和して速やかに使用し、貯蔵は避けること。
・容器の液目盛りはおよその目安として使用すること。
(個包装袋及びバッグの取扱い上の注意)
・軟らかいポリエチレン製のバッグなので、鋭利なもの等で傷をつけないこと(液漏れの原因となる)。
・個包装袋を開封したまま保管すると、内容液が蒸散することがあるので、速やかに使用すること。
**<安定性試験>13)
最終包装製品を用いた長期保存試験(25℃、60%RH、3年)の結果、サリンヘス輸液6%は通常の市場流通下において3年間安定であることが確認された。
包装
**サリンヘス輸液6% 500mL 20袋 ソフトバッグ入り
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
佐々木なおみ,他,医学のあゆみ,123,1013(1982).
2)
フレゼニウス カービ ジャパン(株),生体内動態並びに残留性比較試験(社内資料)
3)
フレゼニウス カービ ジャパン(株),生体内動態に関する研究(社内資料)
4)
**Perner A. et al.,N Engl J Med.,367(2),124(2012).
5)
**Myburgh JA. et al.,N Engl J Med.,367(20),1901(2012).
6)
**Navickis RJ. et al.,J Thorac Cardiovasc Surg,144,223(2012).
7)
**小田 彰,他,麻酔,21,747(1972).
8)
**中川 洵,他,麻酔と蘇生,9,235(1973).
9)
**松井完治,他,臨牀と研究,51,1361(1974).
10)
**Hartung, H. J., et al., Infusionstherapie,6,231(1979).
11)
**百々研次郎,他,診療と新薬,24,2324(1987).
12)
**フレゼニウス カービ ジャパン(株),重量平均分子量の測定結果(社内資料)
13)
**フレゼニウス カービ ジャパン(株),安定性試験結果(社内資料)
文献請求先
主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。
*株式会社大塚製薬工場 輸液DIセンター
*〒101-0048 東京都千代田区神田司町2-2
*TEL:0120-719-814
*FAX:03-5296-8400
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
*販売提携
大塚製薬株式会社
東京都千代田区神田司町2-9
*販売提携
株式会社大塚製薬工場
徳島県鳴門市撫養町立岩字芥原115
製造販売元
フレゼニウス カービ ジャパン株式会社
東京都品川区北品川四丁目7番35号 御殿山トラストタワー
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