色素沈着、爪の変色、皮膚疾患
9. その他
(頻度不明)
無力症、尿酸上昇、悪寒、脱水、体重減少、アルブミン低下、呼吸困難、全身倦怠感、発熱、浮腫、疼痛、潮紅、ほてり、胸部不快感、吃逆、注射部位反応(発赤、腫脹、疼痛、壊死、硬結等)、低蛋白血症
その他の副作用の注意
注1)処置として制吐剤等の投与を行う。
注2)このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
高齢者への投与
高齢者では、一般に生理機能(骨髄機能、肝機能、腎機能等)が低下しているので、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。〔動物実験(ラット)において催奇形性作用、胎児致死作用が報告されている。〕
2.
授乳婦に投与する場合には授乳を中止させること。〔動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。〕
小児等への投与
小児悪性固形腫瘍(神経芽腫・網膜芽腫・肝芽腫・中枢神経系胚細胞腫瘍、再発又は難治性のユーイング肉腫ファミリー腫瘍・腎芽腫)に対する他の抗悪性腫瘍剤との併用療法においては、骨髄抑制、聴器障害、ファンコニー症候群等の腎障害の発現に特に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。なお、外国で、本剤を高用量で他の聴器毒性を有する薬剤と併用した場合、臨床上有意な聴力低下が小児患者に発現するとの報告がある。
過量投与
本剤を高用量で投与した際に、失明を含む視覚障害があらわれたとの報告がある。
適用上の注意
1. 調製時
(1)
本剤は、イオウを含むアミノ酸(メチオニン及びシスチン)輸液中で分解が起こるため、これらのアミノ酸輸液との配合を避けること。
(2)
本剤は、アルミニウムと反応して沈殿物を形成し、活性が低下するので、使用にあたってはアルミニウムを含む医療器具を用いないこと。
(3)
本剤は、錯化合物であるので、他の抗悪性腫瘍剤とは混注しないこと。
(4)
本剤は細胞毒性を有するため、調製時には手袋を着用することが望ましい。皮膚に薬液が付着した場合は、直ちに多量の流水でよく洗い流すこと。
2. 投与時
(1)
本剤は、生理食塩液等の無機塩類(NaCl、KCl、CaCl2等)を含有する輸液に混和するときは、8時間以内に投与を終了すること。
(2)
静脈内投与に際し、薬液が血管外に漏れると、注射部位に硬結・壊死等を起こすことがあるので、薬液が血管外に漏れないように慎重に投与すること。
3. 保存時
本剤は、光及び熱により分解するので、直射日光や高温を避けること。
その他の注意
1.
本剤は、シスプラチン投与で効果が認められなかった症例に対しては、有効性が認められていない。
2.
本剤は、細菌及びヒトリンパ芽球細胞に対し変異原性が認められており、また、ハムスターに対する染色体異常誘起性が認められている。
3.
ラットの慢性毒性試験(静脈内投与)により耳下腺及び乳腺の腺癌、前立腺の前癌病変が発生したとの報告がある。
4.
本剤と他の抗悪性腫瘍剤の併用により、急性白血病(前白血病相を伴う場合もある)、骨髄異形成症候群(MDS)が発生したとの報告がある。
5.
※※本剤の投与回数を重ねると、ショック、アナフィラキシーの発現頻度が高くなる傾向がみられ、特に白金製剤の投与回数が8回を超えるとその傾向は顕著となるとの報告がある。
薬効薬理
プラチナ系抗がん薬。DNAと共有結合することによりDNA合成を阻害し、これに続いてアポトーシスが引き起こされることにより抗腫瘍効果を示すと考えられている。2)
有効成分に関する理化学的知見
一般名:
〔日局〕カルボプラチン(Carboplatin)
化学名:
(SP-4-2)-Diammine[cyclobutan-1,1-dicarboxylato(2-)-O,O']platinum
分子式:
C6H12N2O4Pt
分子量
371.25
構造式:

性状:
本品は白色の結晶又は結晶性の粉末である。
水にやや溶けにくく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくい。
融点
約200℃(分解)
取扱い上の注意
1.
本剤は輸液と混和した後、できるだけ速やかに使用すること。
2.
包装開封後もバイアルを箱に入れて保存すること。
3.
冷蔵庫保存では、結晶が析出することがある。
4.
安定性試験:長期保存試験(25℃、相対湿度60%、2年間)の結果、外観及び含量等は規格の範囲内であり、カルボプラチン点滴静注液50mg「NK」、カルボプラチン点滴静注液150mg「NK」及びカルボプラチン点滴静注液450mg「NK」は通常の市場流通下において2年間安定であることが確認された。3)-5)
包装
カルボプラチン点滴静注液50mg「NK」 5mL×1バイアル
カルボプラチン点滴静注液150mg「NK」 15mL×1バイアル
カルボプラチン点滴静注液450mL「NK」 45mL×1バイアル
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
F.Pein,et al.:J.Clin.Oncol. 1994;12(5):931-936
2)
第十六改正日本薬局方第一追補解説書:C-103,廣川書店,2012
3)
社内資料 (50mg:安定性試験資料)
4)
社内資料 (150mg:安定性試験資料)
5)
社内資料 (450mg:安定性試験資料)
文献請求先
「主要文献」に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。
ファイザー株式会社 製品情報センター
〒151-8589 東京都渋谷区代々木3-22-7
学術情報ダイヤル 0120-664-467
FAX 03-3379-3053
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
製造販売元
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大阪市中央区本町2丁目6番8号
販売
ファイザー株式会社
東京都渋谷区代々木3-22-7