Fibrinogen HT I.V.1g-BENESIS フィブリノゲンHT静注用1g「ベネシス」
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作成又は改訂年月
** 2010年7月改訂(第18版)D15
* 2009年10月改訂
日本標準商品分類番号
876343
日本標準商品分類番号等
再評価結果公表年月(最新)
1998年3月
薬効分類名
血漿分画製剤(血液凝固剤)
承認等
フィブリノゲンHT静注用1g「ベネシス」
販売名コード
6343411X1040
承認・許可番号
承認番号
22000AMX02345
商標名
Fibrinogen HT I.V.1g-BENESIS
薬価基準収載年月
1987年4月
販売開始年月
1987年6月
貯法・使用期限等
貯法
凍結を避け10℃以下に保存
有効期間
検定合格の日から3年(最終有効年月日は瓶ラベル及び外箱に表示)
基準名
生物学的製剤基準
乾燥人フィブリノゲン
規制区分
特定生物由来製品
処方せん医薬品注)
注)注意-医師等の処方せんにより使用すること
組成
有効成分〔1瓶中〕
凝固性たん白質 1g
添加物〔1瓶中〕
クエン酸ナトリウム水和物 588mg,L-アルギニン塩酸塩 800mg,水酸化ナトリウム 適量,塩酸 適量
添付溶剤
日局 注射用水 50mL
備考
凝固性たん白質は,ヒト血液に由来する.
(採血国:日本,採血の区別:献血)
性状
性状・剤形
本剤を添付溶剤で溶解するとき,ほとんど無色でわずかに混濁した液剤となる.
pH※
6.0~7.3
浸透圧比※
約0.7(生理食塩液に対する比)
※本剤1瓶を添付溶剤に溶かした水溶液
特殊記載項目
本剤は,貴重な人血液を原料として製剤化したものである.原料となった血液を採取する際には,問診,感染症関連の検査を実施するとともに,製造工程における一定の不活化・除去処理を実施し,感染症に対する安全対策を講じているが,人血液を原料としていることによる感染症伝播のリスクを完全に排除することはできないため,疾病の治療上の必要性を十分に検討の上,必要最小限の使用にとどめること.(「使用上の注意」の項参照)
効能又は効果
先天性低フィブリノゲン血症の出血傾向
用法及び用量
注射用水に溶解し,静脈内に注入する.通常1回3gを用いる.なお,年齢・症状により適宜増減する.
用法及び用量に関連する使用上の注意
輸注速度が速すぎるとチアノーゼ,心悸亢進又は血管内凝固による栓塞を起こすおそれがあるのでゆっくり注入すること.
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
溶血性・失血性貧血の患者〔ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない.感染した場合には,発熱と急激な貧血を伴う重篤な全身症状を起こすことがある.〕
2.
免疫不全患者・免疫抑制状態の患者〔ヒトパルボウイルスB19の感染を起こす可能性を否定できない.感染した場合には,持続性の貧血を起こすことがある.〕
重要な基本的注意
患者への説明:本剤の使用にあたっては,疾病の治療における本剤の必要性とともに,本剤の製造に際し感染症の伝播を防止するための安全対策が講じられているが,血液を原料としていることに由来する感染症伝播のリスクを完全に排除することができないことを,患者に対して説明し,理解を得るよう努めること.
1.
本剤の原材料となる献血者の血液については,HBs抗原,抗HCV抗体,抗HIV-1抗体,抗HIV-2抗体,抗HTLV-I抗体陰性で,かつALT(GPT)値でスクリーニングを実施している.更に,プールした試験血漿については,HIV-1,HBV及びHCVについて核酸増幅検査(NAT)を実施し,適合した血漿を本剤の製造に使用しているが,当該NATの検出限界以下のウイルスが混入している可能性が常に存在する.本剤は,以上の検査に適合した血漿を原料として,Cohnの低温エタノール分画で得た画分から人フィブリノゲンを濃縮・精製した製剤であり,ウイルス不活化・除去を目的として,製造工程においてリン酸トリ-n-ブチル(TNBP)/ポリソルベート80処理,ウイルス除去膜によるろ過処理,凍結乾燥の後,60℃,72時間の加熱処理を施しているが,投与に際しては,次の点に十分注意すること.
(1)
血漿分画製剤の現在の製造工程では,ヒトパルボウイルスB19等のウイルスを完全に不活化・除去することが困難であるため,本剤の投与によりその感染の可能性を否定できないので,投与後の経過を十分に観察すること.
(2)
肝炎ウイルス感染のリスクを完全には否定できないので,観察を十分に行い,症状があらわれた場合には適切な処置を行うこと.
(3)
現在までに本剤の投与により変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)等が伝播したとの報告はない.しかしながら,製造工程において異常プリオンを低減し得るとの報告があるものの,理論的なvCJD等の伝播のリスクを完全には排除できないので,投与の際には患者への説明を十分行い,治療上の必要性を十分検討の上投与すること.
2.
本剤の使用は先天性低フィブリノゲン血症でフィブリノゲン値が著しく低下している患者に対するものであることに留意して投与すること.
副作用
副作用等発現状況の概要
本剤は,使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない.
重大な副作用
1. アナフィラキシーショック(頻度不明)
本剤の投与によりアナフィラキシーショックを起こすことがあるので,観察を十分に行い,呼吸困難,喘鳴,胸内苦悶,血圧低下,脈拍微弱,チアノーゼ等が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
2. 血栓塞栓症(頻度不明)
血栓塞栓症(深部静脈血栓症,腸間膜血栓症,肺塞栓症等)があらわれることがあるので,血中フィブリノゲン濃度,血小板数,血液凝固能(プロトロンビン時間等)等の血液検査を行うなど,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,適切な処置を行うこと.
その他の副