、咳嗽61例(23.6%)、咽頭炎31例(12.0%)、鼻炎27例(10.5%)、胸痛18例(7.0%)、喀血17例(6.6%)、喀痰増加17例(6.6%)、味覚異常16例(6.2%)、肺機能検査値低下16例(6.2%)、発声障害15例(5.8%)、肺障害(ラ音)13例(5.0%)、無力症13例(5.0%)等であった。 (承認時までの集計)
重大な副作用
1. 急性腎不全(頻度不明)
注射用アミノグリコシド系抗生物質製剤を投与した患者において、急性腎不全等の重篤な腎障害が発現したとの報告があるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し適切な処置を行うこと。
2. 第8脳神経障害(頻度不明)
注射用アミノグリコシド系抗生物質製剤を投与した患者において、眩暈、耳鳴、難聴等の第8脳神経障害が発現したとの報告があるので、観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には投与を中止することが望ましいが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には慎重に投与すること。
その他の副作用
1. 皮膚
(頻度不明注))
過敏症状、そう痒症、蕁麻疹、発疹
2. 呼吸器
(頻度不明注))
口腔咽頭痛
3. 呼吸器
(5%以上)
ラ音、発声障害、鼻炎、肺機能低下、咳嗽、喀血、喀痰増加
4. 呼吸器
(1~5%未満)
変色痰、気管支痙攣、喘息、呼吸困難
5. 筋骨格系
(1~5%未満)
筋肉痛、背部痛
6. 感染症
(5%以上)
咽頭炎
7. 感染症
(1~5%未満)
喉頭炎
8. 神経系
(頻度不明注))
失声症
9. 神経系
(5%以上)
味覚異常
10. 神経系
(1~5%未満)
頭痛、浮動性めまい
11. 全身症状
(5%以上)
胸痛、無力症
12. 全身症状
(1~5%未満)
けん怠感、発熱、疼痛
13. 消化器
(1~5%未満)
腹痛、悪心、嘔吐、食欲減退
注)外国の自発報告でのみ発現した副作用は頻度不明とした。
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので注意すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。〔妊婦に投与すると新生児に第8脳神経障害があらわれるおそれがある。〕
2.
授乳中の婦人には投与することを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。〔注射剤において、乳汁中へ移行することが報告されている。〕
小児等への投与
6歳未満の小児に対する有効性及び安全性は確立していない(使用経験がない)。
過量投与
徴候、症状
本剤のヒトにおける最大耐量は確立されていない。本剤の吸入投与による過量投与時にみられる主な症状として重度の嗄声が考えられる。
処置
過量投与による急性中毒が認められた場合には、本剤の投与を中止し適切な処置を行うとともに、腎機能検査を実施すること。また、血中濃度のモニタリングが有用と考えられる。
本剤の除去には、血液透析が有用であることが示唆されたとの報告がある。
適用上の注意
1.
1アンプル全量を、パリ・LC プラスネブライザーに移し、プロモエイドコンプレッサーを用いて約15分間かけて吸入する。
2.
座位もしくは直立の姿勢で、ネブライザーのマウスピースを歯でくわえて舌の上に置き、通常呼吸をしている状態で吸入する。
3.
本剤の希釈又は他剤との混合は避けること。
4.
アンプルを使用直前に開封し、1回で使い切ること。開封後のアンプルを保管して再利用しないこと。
その他の注意
ラットに連日長期間吸入投与した試験において、呼吸器系に本薬の刺激性に起因すると考えられる軽度の変性、炎症又は過形成がみられた。より長期間投与したラットの試験では、低用量から過形成の発現が確認された。
薬物動態
1. 吸収
トブラマイシンは陽イオン性の極性分子であり、上皮細胞膜の透過性は低い。トブラマイシンを経口投与した場合、ほとんど吸収されないため、本剤を噴霧吸入投与したときの全身暴露は経肺吸収に由来すると考えられる。1)本剤を噴霧吸入投与したときのバイオアベイラビリティは、ネブライザーの性能や気道の状態により異なることがある。2) (外国人のデータ)
(1) 喀痰中濃度
1) 単回投与3)
嚢胞性線維症患者に本剤300mgを単回噴霧吸入投与したとき、喀痰中のトブラマイシンは投与開始後0.5時間(最初の採取時点)で最高濃度を示した。喀痰中からの平均消失半減期は1.7時間であった。 (外国人のデータ)
本剤300mgを単回噴霧吸入投与したときの平均喀痰中トブラマイシン濃度推移(n=18~20、平均値+標準偏差)
本剤300mgを単回噴霧吸入投与したときの喀痰中薬物動態パラメータ
Cmax(μg/g)
737±1,028
Tmax(h)
※0.5(0.5~2)
AUC0-12h(μg・h/g)
974±1,143
AUCinf(μg・h/g)
1,302±1,127
T1/2(h)
1.7±1.6
n=14~20、平均値±標準偏差、※:中央値(最小値~最大値)
2) 反復投与2)
嚢胞性線維症患者に本剤300mg1日2回、4週間反復噴霧吸入投与したのち4週間休薬を1サイクルとし、3回繰り返したとき、初回噴霧吸入投与後10分の喀痰中トブラマイシン濃度の平均値(n=240)は1,237μg/g(範囲:35~7,414μg/g)であった。最終噴霧吸入投与後10分の喀痰中トブラマイシン濃度の平均値(n=201)は1,154μg/g(範囲:定量下限値(20μg/g)未満~8,085μg/g)であった。喀痰中トブラマイシン濃度のばらつきは大きかった。 (外国人のデータ)
(2) 血清中濃度
1) 単回投与3)
嚢胞性線維症患者に本剤300mgを単回噴霧吸入投与したとき、肺からのトブラマイシンの吸収は速やかで、血清中のトブラマイシンは投与開始後1時間で最高濃度を示した。平均消失半減期は3時間であった。 (外国人のデータ)
本剤300mgを単回噴霧吸入投与したときの平均血清