;
(平均±標準偏差)
表2 本剤375mg及びフェニトインナトリウム注射液250mgを30分間で静脈内投与した時の薬物動態パラメータ
薬物濃度 投与薬剤 Cmax
(μg/mL) AUCt
(μg・h/mL) tmax
(h) t1/2
(h)
総フェニトイン 本剤
PHT 5.97±0.70
7.60±1.99 104±27
118±32 0.82±0.17
0.45±0.11 12.6±2.9
16.0±3.8
非結合型フェニトイン 本剤
PHT 0.46±0.08
0.55±0.16 5.36±1.72
6.93±2.45 0.77±0.16
0.43±0.09 15.9±3.8
17.7±5.5
PHT:フェニトインナトリウム注射液
(平均±標準偏差)
表3 肝機能障害及び腎機能障害患者の薬物動態(外国人)9)
パラメータ 健康成人 肝硬変 腎不全
Cmax(μg/mL) 4.20±0.62 4.41±1.33 4.59±1.20a
t1/2(h) 21.3±4.8 26.5±11.2 17.6±5.0
AUCt(μg・h/mL) 62.2±9.4 50.4±11.1 59.9±17.4
a:n=3、(平均±標準偏差)
臨床成績
国内における第III相試験(非盲検試験)5)
(1)
てんかん重積状態
てんかん重積状態の患者26例を対象に、非盲検下で、本剤18又は22.5mg/kgを3mg/kg/分(150mg/分を超えない)の速度で静脈内投与(初回投与)し、必要な場合には1日1~2回、5又は7.5mg/kgを1mg/kg/分の速度で維持投与した。初回投与日における本剤投与前後、初回投与前後2日間での発作消失又は50%以上の発作回数減少を認めた症例の割合は、それぞれ64.0%(16/25例)及び65.4%(17/26例)であった。
(2)
脳外科手術又は意識障害(頭部外傷等)時のてんかん発作の発現抑制
脳外科手術又は頭部外傷の患者21例を対象に、非盲検下で、本剤15又は18mg/kgを1mg/kg/分の速度で静脈内投与(初回投与)し、必要な場合には1日1~2回、5又は7.5mg/kgを1mg/kg/分の速度で維持投与した。初回投与前後7日間において、14/21例においては投与前後ともにてんかん発作は認められず、6/21例ではてんかん発作の消失又は減少が認められた。また、投与前にてんかん発作が認められなかった1例において、本剤投与後にてんかん発作の発現が認められた。
薬効薬理
ホスフェニトインは、生体内でアルカリホスファターゼにより活性代謝物(フェニトイン)に加水分解されるプロドラッグである。
フェニトインはマウス、ラット等の最小電撃けいれん閾値やペンテトラゾールけいれん閾値に対してほとんど作用を及ぼさないが、最大電撃けいれんに対してそのパターンを変える作用があり、最大電撃けいれんの強直相を強く抑制する12~15)。
また、フェニトインは神経膜を安定化し16)、シナプスにおけるpost-tetanic potentiation(PTP)を抑制する17)。
これらのことから、フェニトインの抗けいれん作用は、けいれん閾値を上昇させることによってもたらされるのではなく、発作焦点からのてんかん発射のひろがりを阻止することによるものと考えられている15、18)。
フェニトインをマウスに静脈内投与すると、最大けいれん抑制作用は約30分後にピークとなり、その値は1.5時間持続し、以降徐々に減少する19)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名:
ホスフェニトインナトリウム水和物
(Fosphenytoin Sodium Hydrate)
化学名:
Disodium(2,5-dioxo-4, 4-diphenylimidazolidin-1-yl)methyl phosphate heptahydrate
分子式:
C16H13N2Na2O6P・7H2O
分子量:
532.34(無水物として406.24)
構造式:
性 状:
ホスフェニトインナトリウム水和物は白色~微黄色の固体である。水に溶けやすく、エタノール(99.5)に極めて溶けにくい。
包装
ホストイン静注750mg 2バイアル
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
Veronese ME, et al. Biochem Biophys Res Commun. 1991;175:1112-8 FOS-0001
2)
Bajpai M. Drug Metab Dispos. 1996;24:1401-3 FOS-0002
3)
Faucette SR, et al. Drug Metab Dispos. 2004;32: 348-58 FOS-0003
4)
社内資料:第I相試験(臨床薬物動態試験) FOS-0004
5)
社内資料:第III相試験(安全性、有効性及び薬物動態の検討) FOS-0005
6)
Hussey EK, et al. Pharm Res. 1988:S-214(PP1463) FOS-0006
7)
Hussey EK, et al. Pharmacotherapy. 1989 ACCP ABSTRACTS:195-6(151E, 152E) FOS-0007
8)
Hussey EK, et al. Pharm Res. 1990;7:1172-6 FOS-0008
9)
Aweeka F, et al. Am Soc Clin Pharm Ther. 1989:152(PIIK-2) FOS-0009
10)
社内資料:漸増投与臨床薬物動態試験(RR744-00086) FOS-0010
11)
社内資料:フェニトイン対照臨床薬物動態試験(RR744-00152) FOS-0011
12)
Swinyard EA. J Am Ph