らわれた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
9.
悪性リンパ腫、リンパ節腫脹
観察を十分に行い、このような症状があらわれた場合には、減量するなど適切な処置を行うこと。
10.
小脳萎縮
長期投与例で、小脳萎縮があらわれることがあり、持続したフェニトインの血中濃度上昇との関連が示唆されているので、小脳症状(眼振、構音障害、運動失調等)に注意し、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.
横紋筋融解症
横紋筋融解症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等があらわれた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎不全の発症に注意すること。
12.
急性腎不全、間質性腎炎
急性腎不全、間質性腎炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
13.
悪性症候群
悪性症候群があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、意識障害、筋強剛、不随意運動、発汗、頻脈等があらわれた場合には、本剤の投与中止、体冷却、水分補給、呼吸管理等の適切な処置を行うこと。本症発症時には、白血球の増加や血清CK(CPK)の上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下がみられることがある。
その他の副作用
次のような副作用が認められた場合には、必要に応じ、減量、休薬、投与中止等の適切な処置を行うこと。
その他の副作用の表
分類/頻度 5%以上
(注1) 0.1~5%未満
(注1) 頻度不明
(注2)
過敏症 アレルギー反応 蕁麻疹、中毒性皮疹
感染症 敗血症
血液及びリンパ系 白血球増加症 貧血、白血球減少症
内分泌系 尿崩症
代謝及び栄養 血糖値上昇 低カルシウム血症、アシドーシス
精神神経系 眼振、めまい、ふらつき、傾眠、失調性歩行 頭痛、片頭痛、昏睡、落ち着きのなさ、気分不良、浮遊感、倦怠感、睡眠障害、意識レベル低下、振戦、錯乱状態、失神、協調運動異常、反射亢進、頭蓋内圧上昇、動作緩慢、歩行障害、構語障害、反射減弱、多幸感、感覚鈍麻、神経過敏、うつ病、感情不安定、人格障害、運動過多、ニューロパシー、ミオクローヌス、錯感覚、不安、嗅覚錯誤、錐体外路障害、伸展性足底反応 脳症、せん妄
眼 複視、弱視
耳 耳鳴、難聴 聴覚過敏
心及び血管系 血圧低下 心拍数増加、血圧上昇、頻脈、動悸、徐脈、チアノーゼ、不整脈、血管炎 心不全、ショック、心房細動、房室ブロック、播種性血管内凝固、心筋梗塞、血栓症
呼吸器 呼吸数増加、呼吸数減少、過換気、咳嗽、しゃっくり 呼吸不全、無呼吸、肺炎、慢性閉塞性肺疾患
胃腸 悪心、嘔吐、下痢、腹痛、便秘、味覚異常 嚥下障害
肝胆道系 肝機能異常 ALT(GPT)上昇 AST(GOT)上昇、γ-GTP上昇、胆汁うっ滞
皮膚及び皮下組織 そう痒症 水疱、発疹、斑状丘疹状皮疹、皮膚変色、斑状出血、多汗症、口唇炎 紅斑性皮疹、紅斑、血管浮腫
筋骨格系 筋痛、関節痛、背部痛、筋力低下、筋痙攣 CK(CPK)上昇
腎及び尿路 尿蛋白陽性 乏尿、血尿
全身及び投与局所 発熱 疼痛、浮腫、無力症、胸痛、口渇、注射部位腫脹、注射部位紅斑、注射部位疼痛、注射部位硬結、注射部位内出血、擦過部位腫脹 多臓器不全、溢血
その他の副作用の注意
注1:承認時の国内及び海外の臨床試験成績に基づき記載した。
注2:海外の市販後の自発報告に基づく記載のため、頻度不明とした。
高齢者への投与
本剤の初回投与量の減量又は投与速度の減速を考慮し、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。〔高齢者では、心抑制、呼吸抑制が起こりやすいので、投与速度を減速するなど、患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。「用法・用量に関連する使用上の注意」、「慎重投与」、「重要な基本的注意」の項参照〕
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性(母体のてんかん発作頻発を防ぎ、胎児を低酸素状態から守る)が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
(1)
妊娠中にフェニトインを投与された患者の中に、奇形を有する児(口唇裂、口蓋裂、心奇形等)を出産した例が多いとの疫学的調査報告がある。
(2)
妊娠中のフェニトイン投与により、児に腫瘍(神経芽細胞腫等)がみられたとの報告がある。
(3)
妊娠中のフェニトイン投与により、新生児に出血傾向があらわれることがある。
(4)
本薬をラットの交配前から妊娠期間中に投与した場合、胎児の脳及び心血管系等に奇形がみられた。また、周産期の投与では、母動物に分娩の遅延、致死量の低下がみられ、新生児に回避行動の増加傾向がみられた。
(5)
妊娠期間中にフェニトインを投与されたラットの新生児においては、行動発達の抑制、自発運動の増加あるいは減少、異常回転運動、迷路学習の抑制等の報告がある。
2.
妊娠中にやむを得ず本剤を投与する場合には、可能な限り単独投与することが望ましい。
(1)
妊娠中に他の抗てんかん剤(特にプリミドン)と併用してフェニトイン投与された患者群に、奇形を有する児を出産した例がフェニトイン単独投与群と比較して多いとの疫学的調査報告がある。
(2)
妊娠中のフェニトイン投与により、血中葉酸低下が生じるとの報告がある。
3.
**授乳中の婦人に投与する場合は、授乳を避けさせること。〔ラット及びウサギにおいて、乳汁中へ移行することが報告されている。〕
小児等への投与
2歳未満の小児に対する有効性及び安全性は確立していない。〔使用経験がない。〕
臨床検査結果に及ぼす影響
本剤投与後2時間は免疫分析法による血中フェニトイン濃度測定を行わないこと