承認時における安全性評価対象例558例中,副作用は18例(3.2%)に認められた。
また,臨床検査値の異常変動は,検査を実施した安全性評価対象例309例中,19例(6.1%)に認められた 1)。
再審査終了時における安全性評価対象例3047例中,臨床検査値の異常変動を含む副作用は131例(4.30%)に認められた。
(副作用の発現頻度は承認時,再審査終了時の成績に基づく。)
重大な副作用
(いずれも自発報告等で認められたものであるため発現頻度は不明である。)
1. ショック,アナフィラキシー様症状:ショック,アナフィラキシー様症状があらわれることがあるので,観察を十分に行い,不快感,口内異常感,喘鳴,眩暈,便意,耳鳴,発汗,呼吸困難,血圧低下等があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
2. 急性腎不全:急性腎不全等の重篤な腎障害があらわれることがあるので,定期的に検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
3. 無顆粒球症,血小板減少,溶血性貧血:無顆粒球症,血小板減少,溶血性貧血があらわれることがあるので,定期的に検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
4. 偽膜性大腸炎,出血性大腸炎:偽膜性大腸炎,出血性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがあるので,腹痛,頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
5. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN),皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),紅皮症(剥脱性皮膚炎):中毒性表皮壊死融解症,皮膚粘膜眼症候群,紅皮症(剥脱性皮膚炎)があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
6. 間質性肺炎,好酸球性肺炎:間質性肺炎,好酸球性肺炎があらわれることがあるので,発熱,咳嗽,呼吸困難等の症状があらわれた場合には投与を中止し,速やかに胸部X線検査,血液検査等を実施し,副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
7. 劇症肝炎,肝機能障害,黄疸:劇症肝炎等の重篤な肝炎,AST(GOT),ALT(GPT),Al-P等の上昇を伴う肝機能障害,黄疸があらわれることがあるので,定期的に検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
8. 横紋筋融解症:筋肉痛,脱力感,CK(CPK)上昇,血中及び尿中ミオグロビン上昇を特徴とする横紋筋融解症があらわれることがあるので,このような場合には,直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
9. 低カルニチン血症に伴う低血糖:低カルニチン血症に伴う低血糖が,小児(特に乳幼児)に対してピボキシル基を有する抗生物質を投与した症例であらわれることがあるので,痙攣,意識障害等の低血糖症状が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。[「重要な基本的注意」の項参照]
その他の副作用
過敏症注1:
0.1~3%
発疹
過敏症注1:
0.1%未満
蕁麻疹,そう痒感,発赤,紅斑,腫脹,発熱
過敏症注1:
頻度不明※
関節痛
血液:
0.1~3%
好酸球増多,顆粒球減少
血液:
0.1%未満
貧血(赤血球減少,ヘモグロビン減少,ヘマトクリット減少),血小板減少
肝臓:
0.1~3%
ALT(GPT)上昇,AST(GOT)上昇,LDH上昇
肝臓:
0.1%未満
Al-P上昇,γ-GTP上昇
肝臓:
頻度不明※
黄疸
腎臓:
0.1~3%
BUN上昇
腎臓:
0.1%未満
蛋白尿,血尿,クレアチニン上昇,浮腫
消化器:
0.1~3%
下痢,腹痛,胃不快感,胃痛,嘔気
消化器:
0.1%未満
嘔吐,食欲不振,便秘,口渇,口内しびれ感
菌交代症:
0.1%未満
口内炎
菌交代症:
頻度不明※
カンジダ症
ビタミン欠乏症:
頻度不明※
ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症,出血傾向等),ビタミンB群欠乏症状(舌炎,口内炎,食欲不振,神経炎等)
その他:
0.1~3%
CK(CPK)上昇
その他:
0.1%未満
めまい,頭痛,アルドラーゼ上昇,倦怠感,眠気,心悸亢進
その他:
頻度不明※
四肢しびれ感,筋肉痛
注1:症状があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
※:自発報告等で認められたものであるため発現頻度は不明である。
高齢者への投与
高齢者には,次の点に注意し,用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
1. 本剤は腎排泄型の薬剤であり,高齢者では一般に生理機能が低下していることが多く,高齢者を対象としたセフカペン ピボキシル塩酸塩錠の薬物動態の検討において,副作用は認められなかったが,健康成人に比べ尿中回収率はやや低く,血中半減期も延長する傾向が認められている。
2. 高齢者ではビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。また,妊娠後期にピボキシル基を有する抗生物質を投与された妊婦と,その出生児において低カルニチン血症の発現が報告されている。]
小児等への投与
低出生体重児,新生児に対する安全性は確立していない。[使用経験がない。]
臨床検査結果に及ぼす影響
1. テステープ反応を除くベネディクト試薬,フェーリング試薬,クリニテストによる尿糖検査では偽陽性を呈することがあるので注意すること。
2. 直接クームス試験陽性を呈することがあるので注意すること。
適用上の注意
服用時
1. 本剤は主薬の苦みを防ぐ製剤になっているので,細粒をつぶしたり,溶かしたりすることなく,水等で速やかに服用すること。
2. 服用にあたって,やむを得ず本剤を牛乳,ジュース,水等に懸濁する必要がある場合には速やかに服用すること。(時間の経過とともに力価が低下する。)
その他の注意
動物試験(イヌ)でCK(CPK)の上昇を伴う筋細胞障害(骨格筋の病理組織学的検査)が認められている。
薬物動