ること.
5.
本剤は制吐作用を有するため,他の薬剤に基づく中毒,腸閉塞,脳腫瘍等による嘔吐症状を不顕性化することがあるので,注意すること.
6.
*抗精神病薬において,肺塞栓症,静脈血栓症等の血栓塞栓症が報告されているので,不動状態,長期臥床,肥満,脱水状態等の危険因子を有する患者に投与する場合には注意すること.〔「重大な副作用」の項参照〕
相互作用
ハロペリドールは主として薬物代謝酵素CYP2D6およびCYP3A4で代謝される.〔「薬物動態」の項参照〕
併用禁忌
(併用しないこと)
1.
薬剤名等
アドレナリン(ボスミン)
臨床症状・措置方法
アドレナリンの作用を逆転させ,重篤な血圧降下を起こすことがある.
機序・危険因子
アドレナリンはアドレナリン作動性α,β-受容体の刺激剤であり,本剤のα-受容体遮断作用により,β-受容体刺激作用が優位となり,血圧降下作用が増強される.
2.
薬剤名等
クロザピン(クロザリル)
臨床症状・措置方法
クロザピンは原則単剤で使用し,他の抗精神病薬とは併用しないこととされている.本剤は半減期が長いため,本剤が体内から消失するまでクロザピンを投与しないこと.
機序・危険因子
本剤が血中から消失するまでに時間を要する.
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等中枢神経抑制剤(バルビツール酸誘導体等)
臨床症状・措置方法
中枢神経抑制作用が増強することがあるので,減量するなど注意すること.
機序・危険因子
本剤およびこれらの薬剤の中枢神経抑制作用による.
2. 薬剤名等アルコール
臨床症状・措置方法
相互に作用を増強することがある.
機序・危険因子
アルコールは中枢神経抑制作用を有する.
3. 薬剤名等リチウム
臨床症状・措置方法
類似化合物(ハロペリドール)で,リチウムとの併用により,心電図変化,重症の錐体外路症状,持続性のジスキネジア,突発性の悪性症候群(Syndrome malin),非可逆性の脳障害を起こすことが報告されているので,観察を十分に行い,このような症状があらわれた場合には投与を中止すること.
機序・危険因子
機序は不明であるが,併用による抗ドパミン作用の増強等が考えられている.
4. 薬剤名等抗コリン作用を有する薬剤(抗コリン作動性抗パーキンソン剤,フェノチアジン系化合物,三環系抗うつ剤等)
臨床症状・措置方法
腸管麻痺等の抗コリン系の副作用が強くあらわれることがある.また,類似化合物(ハロペリドール)で精神症状が悪化したとの報告がある.
機序・危険因子
併用により抗コリン作用が強くあらわれる.
5. 薬剤名等抗ドパミン作用を有する薬剤(ベンザミド系薬剤(メトクロプラミド,スルピリド,チアプリド等),ドンペリドン等)
臨床症状・措置方法
内分泌機能異常,錐体外路症状が発現することがある.
機序・危険因子
併用により抗ドパミン作用が強くあらわれる.
6. 薬剤名等タンドスピロンクエン酸塩
臨床症状・措置方法
錐体外路症状を増強するおそれがある.
機序・危険因子
タンドスピロンクエン酸塩は弱い抗ドパミン(D2)作用を有する.
7. 薬剤名等ドパミン作動薬(レボドパ製剤,ブロモクリプチンメシル酸塩等)
臨床症状・措置方法
これらの薬剤のドパミン作動薬としての作用が減弱することがある.
機序・危険因子
ドパミン作動性神経において,作用が拮抗することによる.
8. 薬剤名等薬物代謝酵素(主にCYP3A4)を誘導する薬剤(カルバマゼピン,リファンピシン等)
臨床症状・措置方法
本剤の作用が減弱することがある.
機序・危険因子
薬物代謝酵素誘導作用により,ハロペリドールの血中濃度が低下する.
9. 薬剤名等 **CYP3A4を阻害する薬剤(イトラコナゾール等)
臨床症状・措置方法
本剤の作用が増強し,副作用が発現するおそれがある.
機序・危険因子
薬物代謝酵素阻害作用により,ハロペリドールの血中濃度が上昇する.
10 . 薬剤名等 **CYP2D6を阻害する薬剤(キニジン,プロメタジン,クロルプロマジン等)
臨床症状・措置方法
本剤の作用が増強し,副作用が発現するおそれがある.
機序・危険因子
薬物代謝酵素阻害作用により,ハロペリドールの血中濃度が上昇する.
副作用
副作用等発現状況の概要
承認までの臨床試験620例および使用成績調査1,965例の合計2,585例中809例(31.3%)に副作用がみられた.主なものはアカシジア(8.4%),振戦(6.0%),パーキンソニズム(2.8%)等の錐体外路症状,倦怠感(4.8%),睡眠障害(3.1%),注射部硬結,注射部疼痛等の注射部位障害(5.5%)等であった.(再審査終了時)
重大な副作用
1. 悪性症候群(Syndrome malin)
0.1%未満
無動緘黙,強度の筋強剛,嚥下困難,頻脈,血圧の変動,発汗等が発現し,それにひきつづき発熱がみられる場合は,投与を中止し,体冷却,水分補給等の全身管理とともに適切な処置を行うこと.本症発症時には,白血球の増加や血清CK(CPK)の上昇がみられることが多く,また,ミオグロビン尿を伴う腎機能の低下や,筋強剛を伴う嚥下困難から嚥下性肺炎が発現することがある.
なお,高熱が持続し,意識障害,呼吸困難,循環虚脱,脱水症状,急性腎不全へと移行し,死亡した例が報告されている.〔「用法・用量に関連する使用上の注意」,「慎重投与」の項参照〕
2. **心室細動,心室頻拍
頻度不明
心室細動,心室頻拍(Torsades de pointesを含む),QT延長があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,減量または投与を中止するなど適切な処置を行うこと.
3. 麻痺性イレウス
0.1%未満
腸管麻痺(食欲不振,悪心・嘔吐,著しい便秘,腹部の膨満あるいは弛緩および腸内容物のうっ滞等の症状)をきたし,麻痺性イレウスに移行することがあるので,腸管麻痺があらわれた場