聴が起こる場合もある。
6. 薬剤名等シスプラチン
臨床症状・措置方法
聴覚障害が増強するおそれがある。
機序・危険因子
シスプラチンの内耳外有毛細胞内濃度が上昇し、最終的には外有毛細胞の壊死を引き起こし、永続的な難聴が起こる場合もある。
7. 薬剤名等アミノグリコシド系抗生物質
ゲンタマイシン硫酸塩
アミカシン硫酸塩
セファロスポリン系抗生物質
セファロチンナトリウム
臨床症状・措置方法
腎毒性を増強するおそれがある。
機序・危険因子
近位尿細管でのナトリウム再吸収の増加に伴い、抗生物質の再吸収も増加することにより、組織内濃度が上昇し腎毒性が増強する。
8. 薬剤名等ジギタリス剤
ジギトキシン
ジゴキシン
臨床症状・措置方法
ジギタリスの心臓に対する作用を増強するおそれがあるので、血清カリウム値及び血中ジギタリス濃度に注意すること。
機序・危険因子
利尿剤による血清カリウム値の低下により、多量のジギタリスが心筋Na+-K+ ATPaseに結合し、心収縮力増強と不整脈が起こる。
9. 薬剤名等糖質副腎皮質ホルモン剤
ヒドロコルチゾン
ACTH
グリチルリチン製剤
強力ネオミノファーゲンC
甘草含有製剤
臨床症状・措置方法
過剰のカリウム放出により、低カリウム血症が発現するおそれがある。
機序・危険因子
共にカリウム排泄作用を有する。
10. 薬剤名等糖尿病用剤
スルホニルウレア剤
インスリン
臨床症状・措置方法
糖尿病用剤の作用を著しく減弱するおそれがある。
機序・危険因子
細胞内外のカリウム喪失がインスリン分泌の抑制、末梢でのインスリン感受性の低下をもたらす。
11. 薬剤名等リチウム
炭酸リチウム
臨床症状・措置方法
リチウム毒性を増強するおそれがあるので、血中リチウム濃度等に注意する。
機序・危険因子
リチウムの腎での再吸収を促進し、リチウムの血中濃度が上昇する。
12. 薬剤名等サリチル酸誘導体
サリチル酸ナトリウム
アスピリン
臨床症状・措置方法
サリチル酸誘導体毒性が発現するおそれがある。
機序・危険因子
腎の排泄部位において両剤の競合が起こり、サリチル酸誘導体の排泄が遅れサリチル酸中毒が起こる。
13. 薬剤名等非ステロイド性消炎鎮痛剤
インドメタシン
臨床症状・措置方法
本剤の利尿作用を減弱するおそれがある。
機序・危険因子
非ステロイド性消炎鎮痛剤が腎でのプロスタグランジン合成を阻害し、水、塩類の体内貯留を引き起こし利尿剤の作用と拮抗する。
14. 薬剤名等尿酸排泄促進剤
プロベネシド
臨床症状・措置方法
尿酸排泄促進剤の尿酸排泄作用を減弱するおそれがある。
機序・危険因子
尿酸再吸収の間接的増大により、尿酸排泄促進剤の作用が抑制される。
15. 薬剤名等カルバマゼピン
臨床症状・措置方法
症候性低ナトリウム血症が発現するおそれがある。
機序・危険因子
ナトリウム排泄作用が増強され、低ナトリウム血症が起こる。
16. 薬剤名等その他の強心剤
コルホルシンダロパート塩酸塩
臨床症状・措置方法
心室性期外収縮等の不整脈の発現を助長させるおそれがある。
機序・危険因子
本剤により電解質失調が引き起こされ、併用により不整脈が発現する可能性がある。
17. 薬剤名等シクロスポリン
臨床症状・措置方法
痛風性関節炎を起こすおそれがある。
機序・危険因子
フロセミドによって引き起こされる高尿酸血症とシクロスポリンによる尿酸塩排泄阻害により、副作用が悪化する。
18. 薬剤名等V2‐受容体拮抗剤
モザバプタン塩酸塩
臨床症状・措置方法
利尿作用が増強するおそれがある。血圧、脈拍数、尿量、血清ナトリウム濃度等を頻回にチェックし、脱水症状の発現に注意すること。
機序・危険因子
利尿作用を増強させる。
副作用
副作用等発現状況の概要
本剤は、使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
重大な副作用
1. ショック、アナフィラキシー様症状
ショック、アナフィラキシー様症状を起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2. 再生不良性貧血、汎血球減少症、無顆粒球症、赤芽球癆
再生不良性貧血、汎血球減少症、無顆粒球症、赤芽球癆があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
3. 水疱性類天疱瘡
水疱性類天疱瘡があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
4. 難聴
難聴をきたすことがあるので、静脈注射する場合は、毎分4mg以下となるよう投与速度を調節すること。このような症状があらわれた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
5. *中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens‐Johnson症候群)、多形紅斑、急性汎発性発疹性膿疱症
中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、多形紅斑、急性汎発性発疹性膿疱症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
6. 心室性不整脈(Torsades de pointes)
低カリウム血症を伴う心室性不整脈があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
7. 間質性腎炎
間質性腎炎があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
その他の副作用
1. 血 液注1)
頻度不明
貧血、白血球減少、血小板減少、好酸球増加、溶血性貧血
2. 代謝異常注2)
頻度不明
低ナトリウム血症、低カリウム血症、低カルシウム血症、代謝性アルカローシス、高尿酸血症、高血糖症、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症
3. 皮 膚注1)
頻度不明
発疹、蕁麻疹、発赤