本剤の使用を中止すること。
注2)このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
高齢者への投与
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一般に高齢者では生理機能が低下しているので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
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妊婦、産婦、授乳婦等への投与
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妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には大量又は長期使用を避けること。[妊娠中の使用に関する安全性は確立していない。]
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適用上の注意
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1. 投与経路
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本剤は口腔内粘膜付着剤(外用剤)であるので、本剤を内服しないこと。
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2. 使用方法
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・貼付後数時間で本剤は徐々に溶解し口腔内から消失する。
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・付着している本剤を無理にはがさないこと。無理にはがすと患部を傷つけるおそれがある。
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5. 乳幼児への使用時
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乳幼児への使用においては、貼付後指ではがしとるおそれがあるので注意すること。
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PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して使用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
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6. 薬剤交付時
薬物動態
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ラットの舌粘膜に標識化した主薬3H-トリアムシノロンアセトニドを含む本品錠剤を付着させ、舌組織への吸収性を検討した結果、組織中に存在する3H-トリアムシノロンアセトニドの量は15分でピークに達し、以後極めてゆるやかに減少した1)。また、ミクロオートラジオグラフィーにより分布を経時的に測定した結果、3H-トリアムシノロンアセトニドが持続的に浸透することによって、結合組織及び筋層における3H-トリアムシノロンアセトニドの濃度の上昇と持続が認められた2)。
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口腔内分布・付着滞留性
臨床成績
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承認時までに実施された国内延べ38施設、総計387例のアフタ性口内炎を対象にした二重盲検試験を含む臨床試験において、痛み、大きさ、発赤等を指標にした有効(中等度改善)以上の有効率は、87.0%(334例/384例)であった3),4)。
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臨床効果
薬効薬理
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1. 主薬トリアムシノロンアセトニドの薬効
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トリアムシノロンアセトニドは糖質コルチコイド作用を主とする作用持続性のトリアムシノロン誘導体であり、抗炎症作用、抗アレルギー作用を有する5)。
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本剤の基剤はヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシビニルポリマーを主成分とする高分子基剤からなり、口腔内などの粘膜に対する付着性が大で、かつ唾液により膨潤し、柔軟な薄層となって病巣患部を被覆保護(患部被覆保護性)し、接触痛を緩和する。しかも、物理的な摩擦によっても容易に剥離せず(創面付着性)、徐々に溶解し長時間局所に付着・滞留する(局所徐放性)特性を有している。
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2. 基剤の特性
有効成分に関する理化学的知見
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一般名
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トリアムシノロンアセトニド(Triamcinolone Acetonide)
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*化学名
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9-Fluoro-11β,21-dihydroxy-16α,17-(1-methylethylidenedioxy)pregna-1,4-diene-3,20-dione
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化学構造式
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分子式
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C24H31FO6
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分子量
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434.50
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融点
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約290℃(分解)
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白色の結晶性の粉末でにおいはない。
エタノール(99.5)、アセトン又は1,4-ジオキサンにやや溶けにくく、メタノール又はエタノール(95)に溶けにくく、水又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
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性状
包装
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PTP:100錠(10錠×10)
主要文献及び文献請求先
主要文献
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1)
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久保順嗣ほか:基礎と臨床, 16(9)4599, 1982
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2)
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久保順嗣ほか:基礎と臨床, 16(9)4603, 1982
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3)
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大谷隆俊ほか:新薬と臨牀, 29(8)1327, 1980
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4)
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西山茂夫ほか:薬物療法, 13(8)515, 1980
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*日本薬
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