**ムコソルバン内用液0.75%
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作成又は改訂年月
**2009年9月改訂(第11版、販売名変更等に伴う改訂)
*2007年11月改訂
日本標準商品分類番号
872239
日本標準商品分類番号等
再審査結果公表年月(最新)
1991年3月
各種疾患の去痰の再審査結果
効能又は効果追加承認年月(最新)
2002年12月
慢性副鼻腔炎の排膿の効能追加
薬効分類名
気道潤滑去痰剤
承認等
販売名
**ムコソルバン内用液0.75%
販売名コード
2239001S1112
承認・許可番号
承認番号
**22100AMX01491000
商標名
**Mucosolvan Solution 0.75%
薬価基準収載年月
**2009年9月
販売開始年月
1988年6月
貯法・使用期限等
貯法
遮光した気密容器にて室温保存
使用期限
製造後3年6ヵ月(外箱に表示)
組成
*有効成分・名称
アンブロキソール塩酸塩
有効成分・含量(1mL中)
7.5mg
添加物
クエン酸
リン酸水素ナトリウム
塩化ナトリウム
パラオキシ安息香酸メチル
パラオキシ安息香酸エチル
性状
剤形
液剤
pH
5.0~6.0
色調・性状
無色~微黄色澄明の液剤で、においはなく味は苦い
一般的名称
*アンブロキソール塩酸塩製剤
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能又は効果
1.
下記疾患の去痰
急性気管支炎、気管支喘息、慢性気管支炎、気管支拡張症、肺結核、塵肺症、手術後の喀痰喀出困難
2.
慢性副鼻腔炎の排膿
用法及び用量
*通常、成人には1回2mL(アンブロキソール塩酸塩として15.0mg)を1日3回経口投与する。
なお、年齢・症状により適宜増減する。
使用上の注意
副作用
副作用等発現状況の概要
承認時及びその後の使用成績調査での安全性評価対象347例中8例(2.3%)に11件の副作用が認められた。
主な症状は嘔気3件(0.9%)、嘔吐2件(0.6%)、腹痛2件(0.6%)等であり、副作用とされた臨床検査値の変動はなかった。
なお、錠、液、シロップ及びLカプセルを併せた総症例33,196例中副作用(臨床検査値の異常変動を含む)が報告されたのは221例(0.7%)であり、主な副作用は、胃不快感34件(0.10%)、嘔気27件(0.08%)等の消化器症状で、副作用全体の約60%であった(全剤形共に、承認時及び再審査終了時までの集計)。
重大な副作用
1. ショック、アナフィラキシー様症状(頻度不明)
ショック、アナフィラキシー様症状(発疹、顔面浮腫、呼吸困難、血圧低下等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2. 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
1. 消化器
0.1~5%未満
胃不快感
2. 消化器
0.1%未満
胃痛、腹部膨満感、腹痛、下痢、嘔気、嘔吐、便秘、食思不振、消化不良(胃部膨満感、胸やけ等)
3. 過敏症注)
頻度不明
血管浮腫(顔面浮腫、眼瞼浮腫、口唇浮腫等)
4. 過敏症注)
0.1%未満
発疹、蕁麻疹、蕁麻疹様紅斑、そう痒
5. 肝臓
0.1%未満
肝機能障害〔AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇等〕
6. その他
頻度不明
めまい
7. その他
0.1%未満
口内しびれ感、上肢のしびれ感
その他の副作用の注意
上記のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。
注)このような症状があらわれた場合には、投与を中止すること。
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
2.
授乳中の婦人には本剤投与中は授乳を避けさせること。[動物実験(ラット)で母乳中へ移行することが報告されている。]
薬物動態
1. 吸収
健康成人男子にムコソルバン錠を単回経口投与したとき、消化管から速やかかつ良好に吸収された。血漿中の未変化体濃度は、投与後2~4時間でピークに到達し半減期は約5時間であり、その後比較的速やかに減少した1),2)。
連続的に経口投与したときの血漿中未変化体濃度の推移は、単回投与の場合とほぼ一致し、連続投与によっても血中薬物動態の変化は認められなかった1),2)。
2. 代謝
健康成人男子にムコソルバン錠を単回経口投与したとき、血漿中では未変化体、未変化体のβ-グルクロン酸抱合体及びN-脱アルキル化代謝物が認められ、尿中では主として未変化体のβ-グルクロン酸抱合体及びN-脱アルキル化代謝物が認められた。また、血漿中及び尿中共にホルミル化閉環代謝物が微量検出された1),2)。
3. 排泄
健康成人男子にムコソルバン錠を単回経口投与したとき、投与後72時間までに尿中へ未変化体及びその抱合体が50~70%、脱アルキル化体が5%排泄された1),2)。
臨床成績
臨床効果
国内延べ276施設で実施された二重盲検試験を含む臨床試験の効果判定症例953例における有効率は下記のとおりであった(錠及び液)3)~5)。
臨床成績の表
疾患名\有効率(%) 有効以上
急性気管支炎 75.3%(55/73)
気管支喘息 51.5%(51/99)
慢性気管支炎 54.2%(147/271)
気管支拡張症 43.7%(38/87)
肺結核 43.2%(32/74)
塵肺症 54.1%(59/109)
手術後の喀痰喀出困難 41.4%(46/111)
慢性副鼻腔炎の排膿 45.7%(59/129)
薬効薬理
1. 気管・気管支に対する作用
(1)
肺表面活性物質の分泌促進作用(正常ラット、レセルピン処理ラット、未熟ウサギ胎児、病態マウス、珪肺患者)6)~12)
(2)
気道液の分泌促進作用(病態ウサギ、正常ウサギ)13)
(3)
線毛運動亢進作用(正常ハト、病態ウサギ)6),13)
これらが総合的に作用して喀痰喀出効果を示すものと考えられる。この際、肺表面活性物質の役割としては、線毛の存在しない肺胞や呼吸細気管支を含め気道中の粘性物質を排出しやすくするものと考えられている6)。
2. 副鼻腔に対する作用
(1)
病的副鼻腔分泌の正常化作用(病態ウサギ)14)
(2)
線毛運動亢進作用(病態モルモット)15)
これらが総合的に作用して慢性副鼻腔炎の排膿を促進するものと考えられる。
有効成分に関する理化学的知見
*一般名
アンブロキソール塩酸塩(Ambroxol Hydrochloride)
化学名
trans-4-[(2-amino-3,5-dibromobenzyl)amino]cyclohexanol hydrochloride
化学構造式
分子式
C13H18Br2N2O・HCl
分子量
414.56
融点
約235℃(分解)
性状
白色の結晶性の粉末で、においはなく、わずかに特異な味がある。メタノールにやや溶けやすく、水又はエタノール(99.5)にやや溶けにくく、酢酸(100)に溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
包装
40mL(褐色ガラス瓶入り)
250mL(褐色ガラス瓶入り)
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
関 隆ほか:臨床薬理,8(1)25,1977
2)
日本ベーリンガーインゲルハイム(株)社内報告:薬物動態(健康成人),1981
3)
長野 準ほか:臨床と研究,59(2)583,1982
4)
長野 準ほか:臨床と研究,59(1)262,1982
5)
大山 勝ほか:耳鼻臨床,82(11)1649,1989
6)
長岡 滋ほか:薬理と治療,9(5)1845,1981
7)
社内報告:肺表面活性物質の分泌促進作用(ラット),1981
8)
社内報告:肺表面活性物質の分泌促進作用(ラット、用量相関性),1981
9)
千田勝一ほか:薬理と治療,9(2)483,1981
10)
前多治雄ほか:薬理と治療,9(2)487,1981
11)
Curti, P. C.:Pneumonologie,147(1)62,1972
12)
Curti, P. C. et al.:Arzneim.-Forsch.,28(5a)922,1978
13)
加瀬佳年ほか:熊本大学薬学部報告(未公表):気道液分泌促進作用(ウサギ)、線毛運動亢進作用(ハト),1980
14)
金 春順ほか:薬理と治療,19(6)2151,1991
15)
大橋淑宏ほか:薬理と治療,19(6)2159,1991
文献請求先
主要文献に記載の社内報告につきましても下記にご請求ください。
帝人ファーマ株式会社 学術情報部
*〒100-8585 東京都千代田区霞が関3丁目2番1号
電話番号 03-3506-4053
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
提携
ベーリンガーインゲルハイムインターナショナル社
インゲルハイムアムライン(ドイツ)
製造販売元
帝人ファーマ株式会社
*東京都千代田区霞が関3丁目2番1号