度-時間曲線下面積(AUC)が増加する可能性がある(「薬物動態」の項参照)。]
2.
腎障害のある患者[腎障害患者での有効性及び安全性は確立していないため、これらの患者では血小板数の推移に加えて安全性についても慎重に観察すること(「薬物動態」の項参照)。]
3.
アンチトロンビンIII欠損、抗リン脂質抗体症候群等の血栓塞栓症の素因のある患者[血栓塞栓症があらわれるおそれがある。]
重要な基本的注意
1.
本剤は、血液疾患の治療に十分な経験を持つ医師のもとで使用すること。
2.
本剤の投与により肝機能障害があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び用量調節時は2週間毎、用量の変更がなければ1ヵ月毎に肝機能検査(AST(GOT)、ALT(GPT)、ビリルビン等)を実施すること(「重大な副作用」の項参照)。
3.
血小板数が正常範囲以下であっても血栓塞栓症が認められているため、血小板数にかかわらず血栓塞栓症の発現に注意すること(「重大な副作用」の項参照)。また、血小板数が正常範囲を超えると、血栓塞栓症のリスクが増加する可能性があるので、観察を十分に行い、血小板数が治療の目標とするレベルを超えた場合には、本剤の減量又は休薬を考慮する等注意すること。
4.
本剤の投与中止後2週間以内に血小板数が投与開始前の値まで低下し、出血を生じることがあるので、本剤の投与中止後4週間程度は頻回に血小板数を測定すること(「重大な副作用」の項参照)。
5.
本剤を含むトロンボポエチン受容体作動薬には、骨髄のレチクリン線維の形成及び線維化を進行させる可能性があるので、本剤の投与開始前には末梢血塗抹標本検査を行い、細胞の形態学的異常を確認すること。また、本剤の投与中は、毎月白血球分画を含む全血球計算を検査し、未熟細胞又は異型細胞が観察された場合には、末梢血塗抹標本検査を行い、形態学的異常(涙滴赤血球、有核赤血球、未熟白血球等)の発現を確認し、血球減少の有無も確認すること。これらの異常が認められた場合には、本剤の投与を中止し、骨髄生検(染色による骨髄線維化の評価等)の実施を考慮すること(「重大な副作用」の項参照)。
6.
トロンボポエチン受容体作動薬には、既存の骨髄異形成症候群等の血液悪性腫瘍を進行させる可能性がある。
7.
げっ歯類を用いた毒性試験において、白内障がみられた。また、臨床試験において白内障が報告されているので、白内障に対する眼科的な検査を定期的に行うことが望ましい。
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
ロスバスタチン
臨床症状・措置方法
本剤とロスバスタチンとの併用により、ロスバスタチンの血中濃度が上昇したとの報告がある。
ロスバスタチンの減量を考慮し、患者の状態を慎重に観察すること。
機序・危険因子
本剤がOATP1B1及びBCRPを阻害する可能性がある(「薬物動態」の項参照)。
2. 薬剤名等
制酸剤
乳製品
多価陽イオン(鉄、カルシウム、アルミニウム、マグネシウム、セレン、亜鉛等)含有製剤等
臨床症状・措置方法
同時に服用すると本剤の吸収が著しく妨げられることがあるので、本剤投与の前後4時間はこれらの摂取を避けること。
機序・危険因子
本剤はこれら多価陽イオンと錯体を形成する。
3. 薬剤名等
**ロピナビル/リトナビル配合剤
臨床症状・措置方法
本剤とロピナビル/リトナビル配合剤との併用により、本剤のAUCが減少したとの報告があるので、ロピナビル/リトナビル配合剤と併用する場合には、注意すること。
機序・危険因子
機序は不明であるが、ロピナビル/リトナビル配合剤が本剤の代謝酵素を誘導する可能性がある。
副作用
副作用等発現状況の概要
*国内臨床試験において、23例中11例(48%)に臨床検査値異常を含む副作用が報告された。その主なものは、疲労、ALT(GPT)増加、血小板数増加、低カリウム血症各2例(9%)であった(承認時)。また、これら23例中19例がその後国内長期継続投与試験に移行した。移行した19例中5例(26%)に副作用が報告された。その主なものは、白内障、胸痛各2例(11%)であった。(最終報告時)
海外臨床試験において、135例中50例(37%)に臨床検査値異常を含む副作用が報告された。その主なものは、頭痛15例(11%)、ALT(GPT)増加6例(4%)、悪心6例(4%)、白内障5例(4%)、下痢4例(3%)であった(承認時)。
重大な副作用
1. 肝機能障害
AST(GOT、4%)、ALT(GPT、9%)、ビリルビン(4%)の増加等の肝機能障害があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に肝機能検査を行う等、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止する等適切な処置を行うこと(「重要な基本的注意」の項参照)。
2. 血栓塞栓症
肺塞栓症(頻度不明注))、深部静脈血栓症(頻度不明注))、一過性脳虚血発作(4%)、心筋梗塞(頻度不明注))、虚血性脳卒中(頻度不明注))等の血栓塞栓症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止する等適切な処置を行うこと(「重要な基本的注意」の項参照)。
3. 出血
本剤の投与中止後に出血(頻度不明注))を生じることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行うこと(「重要な基本的注意」の項参照)。
4. 骨髄線維化
骨髄線維化(頻度不明注))があらわれる可能性があるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止する等適切な処置を行うこと(「重要な基本的注意」の項参照)。
その他の副作用
1. 消化器
5%未満
悪心
2. 消化器
頻度不明注)
嘔吐、下痢、口内乾燥
3. 皮膚
頻度不明注)
脱毛症、発疹
4. 筋骨格
頻度不明注)
背部痛、筋骨格系胸痛、筋骨格痛、筋痛
5. その他
5%以上
疲労、血小板数増加、低カリウム血症、白内障、頭痛
6. その他
頻度不明注)
咽頭炎、尿路感染
注)海外のみで認められている副作用については頻度不明とした。
高齢者への投与
高齢者では一般に生理機能が低下しているので、患者の状態を観察しながら注意して投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。