アミヴィッド静注
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作成又は改訂年月
** 2018年10月改訂 (第3版)
* 2018年1月改訂
日本標準商品分類番号
874300
日本標準商品分類番号等
国際誕生年月
2012年4月
薬効分類名
放射性医薬品
承認等
販売名
アミヴィッド静注
販売名コード
43004A2A1029
承認・許可番号
承認番号
22800AMX00725
商標名
AMYVID Injection
薬価基準収載年月
薬価未収載
販売開始年月
2017年8月
貯法・使用期限等
貯法
遮光・室温
放射線を安全に遮蔽できる貯蔵設備(貯蔵箱)に保存
有効期間
検定日時まで
規制区分
処方箋医薬品注)
注)注意−医師等の処方箋により使用すること。
組成
<1バイアル(容量1〜9mL)中>
フロルベタピル(18F)370MBq(検定日時)※
添加物
アスコルビン酸ナトリウム4.5〜40.5mg、無水エタノール78.9〜710.1mg、生理食塩液 適量
※検定日時においてフロルベタピル(18F)を370MBq含有するように、製剤ごとに異なる放射能量が充填されている。
性状
外観
無色澄明の液体
pH
5.5〜8.0
浸透圧比(生理食塩液に対する比)
約6
一般的名称
放射性医薬品基準フロルベタピル(18F)注射液
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
本剤及び本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能又は効果
アルツハイマー型認知症が疑われる認知機能障害を有する患者の脳内アミロイドベータプラークの可視化
効能又は効果に関連する使用上の注意
無症候者に対するアルツハイマー型認知症の発症前診断を目的として本剤を用いたPET検査を実施しないこと(アルツハイマー型認知症の発症予測に関する有用性は確立していない)。
用法及び用量
フロルベタピル(18F)として370MBqを静脈内投与し、投与30分後から50分後までに撮像を開始する。撮像時間は10分間とする。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
アルコールに対し強い反応を示す患者〔本剤はエタノールを含有する。〕
重要な基本的注意
1.診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
2.アルツハイマー型認知症の診断は、認知症に関する十分な知識と経験を有する医師が、本剤を用いたPET検査所見に加えて、他の関連する検査結果や臨床症状等に基づき総合的に判断すること。
3.
本剤を用いて撮像した画像の読影は、本剤を用いたPET検査に関する読影訓練を受けた医師が行うこと。
副作用
副作用等発現状況の概要
国内臨床試験において、55例中1例(1.8%)に副作用(倦怠感)が認められた。海外臨床試験においては、496例中、副作用は15例(3.0%)19件に認められ、主な副作用は頭痛5件(1.0%)であった。
以下のような症状があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。
1. 皮膚
0.1〜1%未満
注射部位反応(刺激)、そう痒症
2. 皮膚
頻度不明
注入部位発疹、注射部位反応(出血、疼痛)、蕁麻疹
3. 循環器
0.1〜1%未満
高血圧
4. 消化器
0.1〜1%未満
悪心、便秘、血尿
5. その他
1〜10%未満
倦怠感※、頭痛
6. その他
0.1〜1%未満
味覚異常、潮紅、悪寒、冷感、四肢痛、頚部痛、嗅覚錯誤、不眠症
国内外の臨床試験に基づいて頻度を算出した。
※国内臨床試験(55例中)で認められた副作用
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合のみ投与すること[使用経験がない]。
2.
授乳中の婦人には投与しないことが望ましいが、やむを得ず投与する場合は、本剤の体内動態を考慮し、投与後24時間は授乳を中止するよう指導すること。
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない[使用経験がない]。
適用上の注意
1.本剤の投与ルート内の残留を防ぐため、本剤の投与に引き続いて日局生理食塩液を急速静注すること。
2.本剤は、患者ごとに適切な投与量となるように製造された製剤であることから、本剤の取違え防止のため、投与にあたっては、本剤の製剤ラベルの表示を確認し、意図した患者へ確実に投与すること。
その他の注意
遺伝毒性試験のうち、細菌を用いる復帰突然変異試験及びヒト末梢血リンパ球を用いる染色体異常試験において、陽性の結果が報告されている1)。
薬物動態
1. 分布
フロルベタピル(18F)は投与後、短時間で急速に全身に分布することが示唆された。フロルベタピル(18F)は脳へ急速に取り込まれ、速やかに排出された。また、循環系からの速やかな消失と肝臓及び胆嚢への分布が認められた。被曝線量が最も高い臓器は胆嚢壁であった(【吸収線量】の項参照)。
2. 代謝
フロルベタピル(18F)の総放射性活性物質は血中から速やかに消失し、投与1分後には投与量の約20.0%が、投与5分後及び20分後にはそれぞれ約6.7%及び約3.9%が血中に残留していた。投与20分後における主要な血中残留放射性標識化合物はフロルベタピル(18F)(1.4%)、極性代謝物(18F-Polar)(1.4%)及びフロルベタピル(18F)の脱メチル代謝物(1.1%)であった。
3. 排泄
フロルベタピル(18F)は主に肝クリアランス及び胆嚢や腸への排泄により体内から消失する。膀胱にわずかの蓄積と排泄が認められた。尿中の放射活性は極性代謝物によるものであった。
吸収線量
MIRD法により算出した吸収線量は次のとおりである。
臓器 吸収線量(mGy/370MBq)
平均 吸収線量(mGy/370MBq)
標準偏差
副腎 4.9 0.3
脳 5.8 0.8
乳房 2.8 0.3
胆嚢壁 99.2 61.8
下部大腸壁 6.0 0.7
小腸 10.0 1.9