Eculizumab(Eculizumab[Genetical Recombination])依库珠单抗重组,ソリリス点滴静注300mg
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作成又は改訂年月
**2017年12月改訂(第9版)
*2017年9月改訂(第8版)
日本標準商品分類番号
876399
日本標準商品分類番号等
効能又は効果追加承認年月(最新)
**2017年12月
国際誕生年月
2007年3月
薬効分類名
抗補体(C5)モノクローナル抗体製剤
承認等
販売名
ソリリス点滴静注300mg
販売名コード
6399424A1023
承認・許可番号
承認番号
22200AMX00316000
商標名
Eculizumab(Genetical Recombination)
薬価基準収載年月
2010年6月
販売開始年月
2010年6月
貯法・使用期限等
貯法:
遮光し、凍結を避け、2~8℃で保存すること。
使用期限:
製造後2年6ヵ月(外箱に表示の期限内に使用すること)
規制区分
生物由来製品
劇薬
処方箋医薬品注)
注)注意-医師の処方箋により使用すること
組成
有効成分:1バイアル(ストッパー付)30mL中
エクリズマブ(遺伝子組換え) 300mg
添加物:1バイアル(ストッパー付)30mL中
塩化ナトリウム 263.1mg
リン酸二水素ナトリウム 13.8mg
リン酸一水素ナトリウム 53.4mg
ポリソルベート80 6.6mg
性状
性状
無色澄明な液
pH
pH6.8~7.2
浸透圧比(生理食塩液対比)
約1(日局生理食塩液により希釈後(5mg/mL))
*本剤は、マウス骨髄腫由来細胞を用いて製造される。製造工程において、培地成分としてウシの血清由来成分(アルブミン)及びウシの胎仔由来成分(血清)を使用している。
一般的名称
エクリズマブ(遺伝子組換え)点滴静注製剤
警告
1.
**,*本剤の投与により、髄膜炎菌感染症を発症することがあり、死亡例も認められているため、以下の点に十分注意すること(<効能・効果に関連する使用上の注意>及び「重大な副作用」の項参照)。
(1)
本剤の投与に際しては、髄膜炎菌感染症の初期徴候(発熱、頭痛、項部硬直等)に注意して観察を十分に行い、髄膜炎菌感染症が疑われた場合には、直ちに診察し、抗菌剤の投与等の適切な処置を行うこと。
(2)
緊急な治療を要する場合等を除いて、原則、本剤投与前に髄膜炎菌に対するワクチンを接種すること。必要に応じてワクチンの追加接種を考慮すること。
(3)
髄膜炎菌感染症は致命的な経過をたどることがあるので、緊急時に十分に措置できる医療施設及び医師のもとで、あるいは髄膜炎菌感染症の診断及び治療が可能な医療施設との連携下で投与すること。
(4)
髄膜炎菌感染症のリスクについて患者に説明し、当該感染症の初期徴候を確実に理解させ、髄膜炎菌感染症に関連する副作用が発現した場合には、主治医に連絡するよう患者に注意を与えること。
2.
**本剤は、発作性夜間ヘモグロビン尿症、非典型溶血性尿毒症症候群、あるいは全身型重症筋無力症に十分な知識を持つ医師のもとで、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。また、本剤投与開始に先立ち、本剤は疾病を完治させる薬剤ではないことを含め、本剤の有効性及び危険性を患者又はその家族に十分説明し、同意を得てから投与すること。
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
1.
髄膜炎菌感染症に罹患している患者[症状を悪化させるおそれがある。]
2.
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能又は効果
効能又は効果/用法及び用量
発作性夜間ヘモグロビン尿症における溶血抑制
非典型溶血性尿毒症症候群における血栓性微小血管障害の抑制
全身型重症筋無力症(免疫グロブリン大量静注療法又は血液浄化療法による症状の管理が困難な場合に限る)
効能又は効果に関連する使用上の注意
共通
(1)
本剤は補体C5の開裂を阻害し、終末補体複合体C5b-9の生成を抑制すると考えられるため、髄膜炎菌をはじめとする莢膜形成細菌による感染症を発症しやすくなる可能性があることから、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、本剤投与の是非を慎重に検討し、適切な対象患者に対し投与を開始すること。また、本剤投与に際しては、緊急な治療を要する場合等を除いて、原則、本剤投与開始の少なくとも2週間前までに髄膜炎菌に対するワクチンを接種すること。特に小児への本剤投与に際しては、肺炎球菌、インフルエンザ菌b型に対するワクチンの接種状況を確認し、未接種の場合にはそれぞれのワクチンの接種を検討すること(【臨床成績】の項参照)。
発作性夜間ヘモグロビン尿症における溶血抑制
(1)
フローサイトメトリー法等により検査を行い、発作性夜間ヘモグロビン尿症と確定診断された患者に投与を開始すること。
(2)
本剤を投与開始する際には、溶血のため赤血球輸血が必要と考えられ、今後も輸血の継続が見込まれる患者を対象とすること。
(3)
本剤による血栓塞栓症の抑制効果、腎機能改善効果及び延命効果は確認されていない。
(4)
本剤の急性溶血発作に対する改善効果は確認されていない。
(5)
本剤投与によりPNH赤血球クローンが増加するため、本剤を中止した場合に重篤な血管内溶血が認められるおそれがあることから、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、本剤投与の是非を慎重に検討し、適切な対象患者に対し投与を開始すること。
非典型溶血性尿毒症症候群における血栓性微小血管障害の抑制
(1)
本剤の適用にあたっては、日本小児科学会及び日本腎臓学会の診断基準等を参考に、非典型溶血性尿毒症症候群と診断された患者を対象とすること。
**全身型重症筋無力症(免疫グロブリン大量静注療法又は血液浄化療法による症状の管理が困難な場合に限る)
(1)
本剤は、抗アセチルコリン受容体抗体陽性の患者に投与すること。
用法及び用量
発作性夜間ヘモグロビン尿症における溶血抑制
通常、成人には、エクリズマブ(遺伝子組換え)として、1回600mgから投与を開始する。初回投与後、週1回の間隔で初回投与を含め合計4回点滴静注し、その1週間後(初回投与から4週間後)から1回900mgを2週に1回の間隔で点滴静注する。
非典型溶血性尿毒症症候群における血栓性微小血管障害の抑制
通常、エクリズマブ(遺伝子組換え)として、下記の用法・用量で点滴静注する。
**全身型重症筋無力症(免疫グロブリン大量静注療法又は血液浄化療法による症状の管理が困難な場合に限る)
通常、成人には、エクリズマブ(遺伝子組換え)として、1回900mgから投与を開始する。初回投与後、週1回の間隔で初回投与を含め合計4回点滴静注し、その1週間後(初回投与から4週間後)から1回1200mgを2週に1回の間隔で点滴静注する。
用法及び用量に関連する使用上の注意
共通
(1)
本剤を投与する際には、日局生理食塩液、日局ブドウ糖注射液(5%)又は日局リンゲル液を用いて5mg/mLに希釈すること。(「適用上の注意」の項参照)
(2)
本剤は独立した点滴ラインより、希釈した液を18歳以上では25~45分、18歳未満では1~4時間かけて点滴静注するが、患者の年齢、体重に応じて適宜調整すること。
発作性夜間ヘモグロビン尿症における溶血抑制
(1)
本剤の血中濃度の低下により急性の溶血発作の発現が懸念されるため、投与間隔を遵守すること。
(2)
本剤投与開始2週までに血清中乳酸脱水素酵素(LDH)活性の低下が認められない場合には、本剤の投与継続の要否を検討すること。
**非典型溶血性尿毒症症候群における血栓性微小血管障害の抑制
(1)
本剤の血中濃度の低下により、血栓性微小血管障害の増悪が懸念されるため、投与間隔を遵守すること。
**全身型重症筋無力症(免疫グロブリン大量静注療法又は血液浄化療法による症状の管理が困難な場合に限る)
(1)
本剤の血中濃度低下により症状悪化が懸念されるため、投与間隔を遵守すること。
(2)
本剤の全身型重症筋無力症患者を対象とした臨床試験では、ほとんどの治療反応例で投与開始後12週までに症状の改善が得られた。全身型重症筋無力症患者で他の免疫抑制剤を併用している患者においては、髄膜炎菌感染症のリスクが高い可能性があることから、リスクベネフィットを考慮し、投与開始後12週までに症状の改善が認められない患者では、本剤の投与中止を検討すること。
非典型溶血性尿毒症症候群における血栓性微小血管障害の抑制及び全身型重症筋無力症(免疫グロブリン大量静注療法又は血液浄化療法による症状の管理が困難な場合に限る)
(1)
血漿交換により本剤の一部が除去されること、新鮮凍結血漿内には補体C5が含まれることから、本剤投与中に血漿交換又は新鮮凍結血漿輸注を施行する必要がある場合は、血漿交換の施行後又は新鮮凍結血漿輸注の施行前に、下表を参考に本剤の補充投与を考慮すること。なお、下表はシミュレーション結果に基づき設定されたものであることから、補充投与後は患者の状態を慎重に観察すること。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
髄膜炎菌感染症の既往のある患者[本剤により髄膜炎菌感染症に罹患しやすくなる可能性がある。]
2.
感染症の患者又は感染症が疑われる患者[本剤は補体C5の開裂を阻害し、終末補体複合体C5b-9の生成を抑制すると考えられる。特に莢膜形成細菌(髄膜炎菌、肺炎球菌、インフルエンザ菌等)による感染症に罹患しやすくなる可能性がある。]
*重要な基本的注意
1.
発作性夜間ヘモグロビン尿症においては、本剤投与によりPNH赤血球クローンが増加するため、本剤を中止した場合に重篤な血管内溶血が認められるおそれがある。本剤の投与を中止した患者に対しては、最低8週間、血管内溶血及びそれに付随する臨床症状の変化を注意深く観察し、必要に応じて適切な処置を行うこと。
2.
非典型溶血性尿毒症症候群においては、本剤投与開始後は血小板数等を定期的にモニタリングし、改善傾向が認められない場合は、本剤の投与継続の要否を検討すること。なお、本剤を中止した場合に重度の血栓性微小血管障害が発現するおそれがあるため、本剤の投与中止後、最低12週間は患者の状態を注意深く観察し、必要に応じて適切な処置を行うこと。
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
薬剤名等
**人免疫グロブリン製剤
(ポリエチレングリコール処理人免疫グロブリン等)
臨床症状・措置方法
**人免疫グロブリン製剤との併用投与によって本剤の血清中濃度が低下することがあるので、併用する場合には、患者の状態を十分に観察すること。
機序・危険因子
**本剤のエンドソームにおけるリサイクリング機構が、人免疫グロブリン製剤との継続的な併用投与により阻害され、本剤の血清中濃度が低下する可能性がある。1)2)3)
副作用
副作用等発現状況の概要
発作性夜間ヘモグロビン尿症
国内臨床試験の29例中27例(93.1%)に副作用が認められ、主なものは頭痛(51.7%)、鼻咽頭炎(37.9%)及び悪心(20.7%)等であった。(承認時)
海外臨床試験の195例中193例(99.0%)に有害事象が認められ、主なものは頭痛(51.3%)、鼻咽頭炎(42.1%)、上気道感染(30.8%)、悪心(25.1%)、下痢(22.1%)及び背部痛(20.0%)等であった。(承認時)
非典型溶血性尿毒症症候群
国内臨床試験及びレトロスペクティブ調査の3例中2例に副作用が認められた。2例のうち1例に医療機器関連感染及び鼻咽頭炎が複数回認められ、別の1例には悪心、嘔吐、体温上昇、高アルブミン血症、口腔咽頭不快感、脱毛症、多毛症が認められた。(効能追加時)
海外臨床試験の37例中16例(43.2%)に副作用が認められ、主なものは白血球減少症(10.8%)、頭痛(8.1%)等であった。また、海外レトロスペクティブ調査の30例中22例に有害事象が認められ、主なものは発熱(30%)、嘔吐(23%)、咳嗽(23%)、上気道感染(20%)等であった。(効能追加時)
**全身型重症筋無力症
国際共同試験及びそれに続く長期投与試験の123例(日本人11例を含む)中81例(65.9%)に副作用が認められ、主なものは頭痛(14.6%)、下痢(12.2%)、上気道感染(12.2%)、悪心(9.8%)、鼻咽頭炎(8.9%)等であった。このうち、国内症例は11例中5例に副作用が認められ、鼻咽頭炎(27.3%)、頭痛(18.2%)等であった。(効能追加時)
重大な副作用
1. 髄膜炎菌感染症(頻度不明):
髄膜炎菌感染症を誘発することがある。髄膜炎又は敗血症を発症し、急激に重症化することがあるので、本剤の投与に際しては、当該感染症の初期徴候(発熱、頭痛、項部硬直、羞明、精神状態の変化、痙攣、悪心・嘔吐、紫斑、点状出血等)等の観察を十分に行うこと。髄膜炎菌感染症が疑われた場合には、直ちに診察し、抗菌剤の投与等の適切な処置を行うこと。髄膜炎菌に対するワクチンを接種しても発症した例や、死亡に至った例が認められている。
2. **infusion reaction(頻度不明):
ショック、アナフィラキシー等があらわれることがある。発現した場合には本剤の投与を中止し、適切な処置を行うこと。
*その他の副作用
以下のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
1. 血液
5%~10%未満
白血球減少症
2. 血液
5%未満
大球性貧血、好中球減少症
3. 血液
頻度不明注1)
貧血、リンパ球減少症、凝固因子異常
4. 耳及び迷路障害
5%~10%未満
耳鳴
5. 耳及び迷路障害
頻度不明注1)
回転性めまい、耳痛
6. 眼
5%~10%未満
結膜出血
7. 眼
5%未満
白内障、強膜出血
8. 眼
頻度不明注1)
眼痛、結膜炎
9. 胃腸
10%以上
悪心、嘔吐
10. **胃腸
5%~10%未満
上腹部痛
11. 胃腸
5%未満
腸炎
12. 胃腸
頻度不明注1)
下痢、腹痛、便秘、消化不良、腹部膨満、腹部不快感、歯痛、アフタ性口内炎、嚥下障害、直腸出血、胃の不快感
13. 全身障害及び投与局所
10%以上
発熱
14. 全身障害及び投与局所
5%~10%未満
胸部不快感、疲労
15. 全身障害及び投与局所
5%未満
腋窩痛、悪寒、注射部位硬結、倦怠感、末梢性浮腫
16. 全身障害及び投与局所
頻度不明注1)
インフルエンザ様疾患、無力症、胸痛、注射部位疼痛、溢出、疼痛、冷感、腫脹
17. 肝胆道
5%未満
高ビリルビン血症
18. 肝胆道
頻度不明注1)
黄疸
19. 感染症
10%以上
鼻咽頭炎
20. **感染症
5%~10%未満
インフルエンザ
21. 感染症
5%未満
単純ヘルペス、麦粒腫、口腔ヘルペス、咽頭炎、医療機器関連感染
22. 感染症
頻度不明注1)
肺炎、上気道感染、尿路感染、真菌感染、ウイルス感染、気管支炎、膿瘍、蜂巣炎、消化管感染、膀胱炎、感染、副鼻腔炎、歯感染、下気道感染、膿痂疹、気道感染、鼻炎、胃腸炎、ウイルス性胃腸炎、限局性感染、耳部感染、扁桃炎、腹膜炎、帯状疱疹、BKウイルス感染、敗血症
23. 臨床検査
5%~10%未満
ALP上昇、ビリルビン上昇
24. 臨床検査
5%未満
C-反応性蛋白増加、肝酵素増加、白血球数増加、尿中白血球陽性
25. 臨床検査
頻度不明注1)
ヘモグロビン減少、ハプトグロビン減少
26. 代謝
5%未満
食欲減退、糖尿病、高アルブミン血症
27. 代謝
頻度不明注1)
低カリウム血症、ヘモクロマトーシス
28. **筋骨格
5%~10%未満
筋肉痛
29. 筋骨格
5%未満
関節痛、四肢痛
30. 筋骨格
頻度不明注1)
筋痙縮、背部痛、頸部痛、関節腫脹、筋骨格痛、側腹部痛、筋骨格系胸痛
31. 神経系
10%以上
頭痛
32. 神経系
5%未満
浮動性めまい、頭部不快感、感覚鈍麻
33. 神経系
頻度不明注1)
味覚異常、振戦、失神、嗜眠、片頭痛、知覚障害
34. 生殖系
5%未満
陰嚢障害
35. 生殖系
頻度不明注1)
腟出血
36. 呼吸器
5%~10%未満
上気道炎
37. 呼吸器
5%未満
咳嗽、鼻閉、鼻漏、口腔咽頭不快感
38. 呼吸器
頻度不明注1)
呼吸困難、鼻出血、咽喉頭疼痛、湿性咳嗽、咽喉乾燥
39. 皮膚
10%以上
湿疹
40. **皮膚
5%~10%未満
発疹
41. 皮膚
5%未満
皮膚乾燥、紅斑、多形紅斑、脱毛症、多毛症
42. 皮膚
頻度不明注1)
そう痒症、蕁麻疹、点状出血、発汗、皮膚炎
43. 免疫系
頻度不明注1)
季節性アレルギー
44. 精神系
頻度不明注1)
不眠症、うつ病、不安、憂鬱感
45. **血管・心臓
5%~10%未満
高血圧、動悸
46. 血管・心臓
頻度不明注1)
進行性高血圧、ほてり、血腫、静脈硬化症
47. 腎及び尿路障害
頻度不明注1)
排尿困難、血尿、腎疝痛
48. 傷害
頻度不明注1)
挫傷、擦過傷、転倒・転落、関節捻挫、四肢損傷
49. **その他
5%~10%未満
皮膚乳頭腫
**,*注1)発現頻度は発作性夜間ヘモグロビン尿症を対象とした国内臨床試験C07-001、非典型溶血性尿毒症症候群を対象とした国内レトロスペクティブ調査研究試験C11-004J及び国内臨床試験C11-005J、ならびに全身型重症筋無力症を対象とした国際共同試験ECU-MG-301及びECU-MG-302における日本人患者の結果から集計し、それ以外の海外臨床試験、海外市販後及び国内市販後での報告は頻度不明とした。
高齢者への投与
高齢者では一般に生理機能(腎機能、肝機能、免疫機能等)が低下しているので、患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1. 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
2. 授乳婦
授乳中の婦人には、授乳を中止させること。[授乳中の投与に関する安全性は確立していない。]
小児等への投与
**発作性夜間ヘモグロビン尿症患者及び全身型重症筋無力症患者において、低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
非典型溶血性尿毒症症候群患者において、低出生体重児、新生児又は2ヵ月未満の乳児に対する安全性は確立されていない(使用経験がない)。
適用上の注意
1. 調製時
調製後、微粒子及び変色がないか、目視検査を行うこと。(変色、異物、その他異常を認めたものは使用しないこと。)
(1)
滅菌シリンジでバイアルから全量を抜き取り、必要量を点滴バッグ等に注入する。
(2)
日局生理食塩液、日局ブドウ糖注射液(5%)又は日局リンゲル液を点滴バッグ等に添加し、本剤を5mg/mLに希釈する。(希釈した液の容量は本剤300mgの場合60mL、600mgの場合120mL、900mgの場合180mL、1200mgの場合240mLである。)
(3)
希釈した液を含有する点滴バッグ等を静かに倒立させるなど、緩やかに溶解し、混和する。(抗体タンパクが凝集するおそれがあるため、決して激しく振らないこと。)
(4)
調製後、希釈した液は速やかに使用すること。なお、やむを得ず保存する場合は、希釈した液は2~25℃で保存し、24時間以内に使用すること。
(5)
希釈した液を投与前に室温になるまで放置すること。(加熱しないこと。)
2. 投与時
(1)
本剤は点滴静注用としてのみ用い、急速静脈内投与、皮下投与、筋肉内投与をしないこと。
(2)
本剤は独立したラインより投与するものとし、他の注射剤、輸液等と混合しないこと。
(3)
希釈した液を18歳以上では25~45分、18歳未満では1~4時間かけて点滴静注すること。
(4)
本剤の投与中に副作用が発現した場合は、医師の判断で投与速度を遅くする又は投与を中止し、投与終了後、患者の症状が安定するまで慎重に観察すること。
その他の注意
1.
臨床試験において抗体反応が検出された患者が認められたが、抗体発現と臨床効果又は有害事象との相関は認められなかった。
2.
マウスの胚・胎児発生試験(60mg/kgを器官形成期に静脈内投与)において、網膜形成異常が認められた4)。
薬物動態
発作性夜間ヘモグロビン尿症患者
(1) 国内臨床試験 C07-001(AEGIS study5))
発作性夜間ヘモグロビン尿症患者に本剤600mgを週1回で計4回、その1週間後から本剤900mgを2週に1回の頻度で計5回静脈内投与した時の血清中濃度は、下図のように推移した。また、投与12週後における血清中トラフ濃度は116.5±10.93μg/mLであった。
(2) 海外臨床試験
C04-001(TRIUMPH study6))
発作性夜間ヘモグロビン尿症患者(43例)に本剤600mgを週1回で計4回、その1週間後から本剤900mgを2週に1回の頻度で計11回静脈内投与した時の血清中トラフ濃度は、投与1週時45.1±3.81μg/mL、投与4週時113.5±8.70μg/mL、投与6週時104.3±8.65μg/mL、投与12週時96.5±9.38μg/mL、投与26週時101.8±10.84μg/mLであった(n=40~42)。
C04-002(SHEPHERD study7))
発作性夜間ヘモグロビン尿症患者(97例)に本剤600mgを週1回で計4回、その1週間後から本剤900mgを2週に1回の頻度で計24回静脈内投与した時の血清中トラフ濃度は、投与1週時45.8±3.00μg/mL、投与4週時104.5±5.08μg/mL、投与6週時100.6±5.77μg/mL、投与12週時92.6±5.36μg/mL、投与26週時98.4±6.63μg/mL、投与52週時110.3±8.92μg/mLであった(n=92~96)。
非典型溶血性尿毒症症候群
(1) 国内臨床試験 C11-005J
本剤投与中の非典型溶血性尿毒症症候群患者3例に本剤1回600mg又は1200mgを2週に1回の頻度で静脈内投与した時の投与12週時の血清中濃度を測定した。
(2) 海外臨床試験
C08-002A/B
非典型溶血性尿毒症症候群患者(17例)に本剤900mgを週1回で計4回、その1週間後から本剤1200mgを2週に1回の頻度で静脈内投与した時の投与1日目の血清中ピーク濃度は188.3±47.1μg/mLであり、血清中トラフ濃度は投与4週時152.6±61.8μg/mL、投与26週時194.8±83.1μg/mLであった(n=13~16)。
C08-003A/B
非典型溶血性尿毒症症候群患者(20例)に本剤900mgを週1回で計4回、その1週間後から本剤1200mgを2週に1回の頻度で静脈内投与した時の投与1日目の血清中ピーク濃度は222.7±48.9μg/mLであり、血清中トラフ濃度は投与4週時222.4±53.3μg/mL、投与26週時276.8±101.0μg/mLであった(n=18~20)。
**全身型重症筋無力症
国際共同試験 ECU-MG-301
全身型重症筋無力症患者(62例(日本人患者3例を含む))に本剤900mgを週1回で計4回、その1週間後から本剤1200mgを2週に1回の頻度で静脈内投与した時の投与1日目の血清中ピーク濃度は336±112μg/mLであり、血清中トラフ濃度は投与4週時373±135μg/mL、投与26週時341±172μg/mLであった(n=57~61)。日本人患者(3例)の血清中ピーク濃度及び血清中トラフ濃度は、外国人患者の5~95パーセンタイルの範囲内であった。
薬物動態の表
非典型溶血性尿毒症症候群患者3例に本剤1回600mg又は1200mgを2週に1回の頻度で静脈内投与した時の投与12週時の血清中濃度
年齢 体重 1回投与量 投与12週時の血清中濃度(μg/mL)
ピーク濃度 投与12週時の血清中濃度(μg/mL)
トラフ濃度
8歳 27.3kg 600mg 553.6 352.1
6歳 18.9kg 600mga) 524.1 384.8
31歳 53.9kg 1200mg 517.1 377.1
a)10kg以上20kg未満の患者に対する1回あたりの承認用量は300mgである。
臨床成績
発作性夜間ヘモグロビン尿症
発作性夜間ヘモグロビン尿症患者を対象とした臨床試験は、すべて髄膜炎菌ワクチン接種下で実施された。
(1) 国内臨床試験 C07-001(AEGIS study5))
過去2年以内に赤血球輸血が必要と判断され、赤血球中のGPI欠損赤血球クローン(PNHタイプIII)の存在比が10%以上の発作性夜間ヘモグロビン尿症患者29例を対象とし、本剤を投与した。ベースラインのLDH(中央値[最小値、最大値])は1,814.0U/L[627.8U/L、3,642.5U/L]、投与12週目のLDHは244.0U/L[187.0U/L、2,715.0U/L]であり、LDHの低下が認められた(p<0.0001、Wilcoxonの符号付順位検定)。
(2) 海外臨床試験 C04-001(TRIUMPH study6))
過去1年間に少なくとも4回赤血球輸血を受けており、赤血球中のGPI欠損赤血球クローン(PNHタイプIII)の存在比が10%以上の発作性夜間ヘモグロビン尿症患者87例を対象とし、本剤又はプラセボを投与した。Hb安定化※はプラセボ群で0.0%(0/44例)及び本剤群で48.8%(21/43例)の患者で達成された(p<0.001、Fisherの正確検定)。また、濃厚赤血球輸血単位数(中央値[最小値、最大値])は、プラセボ群で10単位[2単位、21単位]、本剤群で0単位[0単位、16単位]であった(p<0.001、Wilcoxonの順位和検定)。
※各患者において、観察期間中(定義)における輸血時のHb値を輸血設定値とし、投与期間中にHb値が輸血設定値を上回り、かつ輸血を受けなかった場合にHb安定化が達成されたと定義
非典型溶血性尿毒症症候群
非典型溶血性尿毒症症候群患者を対象とした臨床試験はすべて髄膜炎菌ワクチン接種下で実施された。また、髄膜炎菌ワクチン接種前又は接種後14日以内に本剤が投与される場合には抗菌剤が予防的に投与された。なお、国内臨床試験(C11-005J)の小児患者では肺炎球菌ワクチン及びインフルエンザ菌b型ワクチンの接種下で実施された。
(1) 国内臨床試験 C11-005J
本剤投与中の非典型溶血性尿毒症症候群患者3例を対象とした非盲検非対照試験において、本剤1回600mg又は1200mgを2週に1回の頻度で静脈内投与したときの血小板数の推移は下表のとおりであり、投与期間中3例とも施設基準下限値以上で推移した。また、投与期間中に血漿療法及び新規の透析を実施した患者は認められず、ベースラインから透析を実施していた1例では透析を離脱した。
(2) 海外臨床試験
C08-002A/B
18歳以上、又は12歳以上18歳未満かつ体重40kg以上で血漿療法抵抗性の非典型溶血性尿毒症症候群患者17例を対象とした非盲検非対照試験において、本剤900mgを週1回で計4回、その1週間後から本剤1200mgを2週に1回の頻度で静脈内投与した。その結果、血小板数(平均値±標準偏差)は、ベースライン時10.9±3.2×104/μLから投与26週時21.0±6.8×104/μLに増加し、ベースラインから投与26週時の変化量の最小二乗平均値[95%信頼区間]は7.3×104/μL[4.0×104/μL、10.5×104/μL]であった。
C08-003A/B
18歳以上、又は12歳以上18歳未満かつ体重40kg以上で血漿療法を8週間以上施行されている非典型溶血性尿毒症症候群患者20例を対象とした非盲検非対照試験において、本剤900mgを週1回で計4回、その1週間後から本剤1200mgを2週に1回の頻度で静脈内投与した。その結果、血栓性微小血管障害イベントフリー※1を達成した患者割合は80%(16/20例)であった。
(3) 海外レトロスペクティブ調査 C09-001r
本剤の投与歴を有する非典型溶血性尿毒症症候群患者30例(生後2ヵ月以上12歳未満15例、12歳以上15例)を対象としたレトロスペクティブ調査が実施された結果、血小板数の正常化※2を達成した患者割合は、12歳未満93.3%(14/15例)、12歳以上73.3%(11/15例)であった。また、血栓性微小血管障害イベントフリー※1を達成した患者割合は、12歳未満73%(11/15例)、12歳以上60%(9/15例)であった。
※1ベースライン値からの25%を超える血小板数の減少、血漿療法施行、新規透析施行のいずれも認められなかった状態が12週間以上持続した場合と定義
※22回以上の連続した測定で血小板数が15.0×104/μL以上が4週間以上持続した場合と定義
**全身型重症筋無力症
全身型重症筋無力症患者を対象とした臨床試験は、すべて髄膜炎菌ワクチン接種下で実施された。
(1) 国際共同試験 ECU-MG-3018)
全身型重症筋無力症患者125例(日本人患者11例を含む)を対象に、プラセボ又は本剤900mgを週1回で計4回、その1週間後からプラセボ又は本剤1200mgを2週に1回の頻度で静脈内投与するプラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験を実施した。その結果、主要評価項目であるベースラインに対する投与26週のMG-ADL総スコアの変化量は下表のとおりであり、プラセボ群と本剤群の間に統計学的に有意な差が認められた。
また、重症筋無力症患者の病態及びレスキュー治療を受けずに症状悪化により早期中止した患者の影響を考慮して、事後的に順位付け方法を変更したWorst-Rank解析においても、ベースラインに対する投与26週のMG-ADL総スコアの変化量についてプラセボ群と本剤群の間に統計学的に有意な差が認められた。
(2) 長期投与試験 ECU-MG-3029)
全身型重症筋無力症患者を対象に実施したプラセボ対照無作為化二重盲検並行群間比較試験を完了した患者を対象に実施した長期投与試験において、有効性の評価尺度であるMG-ADL総スコアの推移は下表のとおりであった。
臨床成績の表
非典型溶血性尿毒症症候群患者3例を対象とした非盲検非対照試験において、本剤1回600mg又は1200mgを2週に1回の頻度で静脈内投与したときの血小板数の推移
年齢 体重 1回投与量 血小板数(×104/μL)
施設基準値 血小板数(×104/μL)
ベースライン 血小板数(×104/μL)
投与期間中
8歳 27.3kg 600mg 12.0~41.0 23.7 19.1~31.1
6歳 18.9kg 600mga) 13.0~35.0 36.2 24.1~41.2
31歳 53.9kg 1200mg 13.1~36.2 25.9 23.6~27.8
a)10kg以上20kg未満の患者に対する1回あたりの承認用量は300mgである。
**全身型重症筋無力症患者を対象とした国際共同試験 ECU-MG-301 MG-ADL総スコアの変化量
MG-ADL総スコアa)
ベースライン MG-ADL総スコアa)
投与26週 MG-ADL総スコアa)
変化量 臨床的イベントb)
レスキュー治療 Worst-Rank解析c)
順位d) Worst-Rank解析c)
群間比較e)
プラセボ群 9.9±2.64(51)
9.0(5, 18) 7.0±3.36(51)
6.0(2, 16) -2.8±3.07(51)
-2.0(-8, 7) 62.2±55.40(12)
43.5(7, 178) 70.8±4.38(63) -16.6
[-28.90, -4.23]
p=0.0089
本剤群 10.3±3.06(56)
10.0(5, 18) 5.6±4.11(56)
5.5(0, 15) -4.7±4.20(56)
-4.5(-15, 4) 95.7±71.50(6)
99.5(1, 174) 54.2±4.42(62) -16.6
[-28.90, -4.23]
p=0.0089
a)上段:平均値±標準偏差(評価例数)、下段:中央値(最小値, 最大値)、レスキュー治療を必要としなかった患者が評価対象
b)イベントまでの期間(日)、上段:平均値±標準偏差(該当例数)、下段:中央値(最小値, 最大値)
c)[1]レスキュー治療を受けた患者集団(レスキュー治療実施日までの日数が短い順)、[2]レスキュー治療を必要としなかった患者(投与26週のMG-ADL総スコアのベースラインからの変化量(LOCF)に基づく改善が小さい順)の順番で患者に対して最悪順位から順位付けを行い、その順位を応答変数とした投与群及びMGFA分類(クラス2a又は3a/4a/2b又は3b/4b)を因子、MG-ADL総スコアのベースライン値を共変量とした共分散分析モデルに基づく解析
d)順位の調整平均値±標準誤差(共分散分析モデルに基づく)(評価例数)
e)上段:群間差、中段:群間差の95%信頼区間、下段:群間比較のp値
**全身型重症筋無力症患者を対象とした国際共同試験 ECU-MG-301 事後的に順位付け方法を変更したWorst-Rank解析におけるMG-ADL総スコアの変化量
MG-ADL総スコアa)
ベースライン MG-ADL総スコアa)
投与26週 MG-ADL総スコアa)
変化量 臨床的イベントb)
MGクリーゼ 臨床的イベントb)
レスキュー治療及び中止d) Worst-Rank解析c)
順位e) Worst-Rank解析c)
群間比較f)
プラセボ群 9.9±2.64(51)
9.0(5, 18) 7.0±3.36(51)
6.0(2, 16) -2.8±3.07(51)
-2.0(-8, 7) 0 62.2±55.40(12)
43.5(7, 178) 70.2±4.41(63) -15.4
[-27.80, -2.92]
p=0.0160
本剤群 10.2±2.98(55)
10.0(5, 18) 5.6±4.02(55)
5.5(0, 15) -4.7±4.23(55)
-4.5(-15, 4) 127.0(1)
127(127, 127) 80.7±76.64(6)
58.0(1, 174) 54.8±4.46(62) -15.4
[-27.80, -2.92]
p=0.0160
a)上段:平均値±標準偏差(評価例数)、下段:中央値(最小値, 最大値)、MGクリーゼを発現せず、レスキュー治療を必要とせず26週間の治験薬投与を完了した患者、及び中止例のうちレスキュー治療の実施基準に該当しなかった患者が評価対象
b)イベントまでの期間(日)、上段:平均値±標準偏差(該当例数)、下段:中央値(最小値, 最大値)
c)[1]投与26週までに死亡した患者集団(死亡した日までの日数が短い順)、[2]MGクリーゼを発現した患者集団(MGクリーゼ発現までの日数が短い順)、[3]レスキュー治療を受けた患者、又は試験を中止した患者のうちレスキュー治療の実施基準に該当する患者集団(レスキュー治療実施日又は中止日(両方のイベントがある場合には早く発現した方)までの日数が短い順)、[4]レスキュー治療を受けなかった患者、又は試験を中止した患者のうちレスキュー治療の実施基準に該当しなかった患者集団(投与26週のMG-ADL総スコアのベースラインからの変化量(LOCF)に基づく改善が小さい順)の順番で患者に対して最悪順位から順位付けを行い、その順位を応答変数として投与群及びMGFA分類を因子、MG-ADL総スコアのベースライン値を共変量とした共分散分析モデル
d)試験を中止した患者のうちレスキュー治療の実施基準に該当する患者集団
e)順位の調整平均値±標準誤差(共分散分析モデルに基づく)(評価例数)
f)上段:群間差、中段:群間差の95%信頼区間、下段:群間比較のp値
**全身型重症筋無力症患者を対象とした長期投与試験 ECU-MG-302 MG-ADL総スコアの推移
プラセボ-本剤集団
評価例数 プラセボ-本剤集団
総スコア数 プラセボ-本剤集団
変化量 本剤-本剤集団
評価例数 本剤-本剤集団
総スコア数 本剤-本剤集団
変化量
ベースライン
(ECU-MG-301試験) 60 9.9±2.60 / 56 10.3±3.03 /
1週 60 6.0±3.85 -3.9±3.75 55 5.3±3.94 -5.0±4.07
4週 60 5.1±3.74 -4.8±3.73 55 5.5±3.81 -4.9±4.05
12週 60 5.2±3.25 -4.7±3.39 53 5.3±3.50 -4.8±3.38
26週 55 4.7±3.20 -4.9±3.20 49 5.1±3.77 -5.2±3.77
40週 31 3.8±2.76 -5.7±3.55 29 5.2±4.22 -5.1±4.65
52週 20 4.3±3.06 -5.3±3.24 20 5.8±3.75 -4.4±3.53
最終評価時(LOCF) 60 5.2±3.97 -4.7±4.24 56 6.1±4.36 -4.3±4.11
平均値±標準偏差
薬効薬理
1.
本剤は抗ニワトリ赤血球抗体で感作させたニワトリ赤血球のヒト血清による溶血を抑制した10)。
2.
本剤のヒトC5に対する解離定数(平均値±標準偏差)は46±1.6pmol/L(25℃)、120±5.5pmol/L(37℃)であった11)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名:
エクリズマブ(遺伝子組換え)
Eculizumab(Genetical Recombination)(JAN)
本 質:
エクリズマブは、遺伝子組換えヒト化モノクローナル抗体であり、マウス抗ヒト補体C5α鎖抗体の相補性決定部及びヒトフレームワーク部からなる改変部、並びにヒトIgG由来定常部からなる。L鎖の定常部はκ鎖に由来する。また、H鎖定常部のCH1部、ヒンジ部及びCH2部の一部はIgG2(γ2鎖)からなり、CH2部の残りとCH3部はIgG4(γ4鎖)からなる。エクリズマブは、マウス骨髄腫(NS0)細胞により産生される。エクリズマブは、448個のアミノ酸残基からなるH鎖2分子及び214個のアミノ酸残基からなるL鎖2分子で構成される糖タンパク質(分子量:約145,235)である。
承認条件
発作性夜間ヘモグロビン尿症における溶血抑制
1.
国内の臨床試験成績は限られていることから、製造販売後一定期間は本剤を投与された全症例を対象に使用成績調査を実施し、本剤使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。
2.
本剤の投与が、発作性夜間ヘモグロビン尿症の診断、治療に精通し、本剤のリスク等についても十分に管理できる医師・医療機関のもとで、髄膜炎菌感染症の診断、治療に精通した医師との連携を取った上でのみ行われるよう、製造販売にあたって必要な措置を講じること。
非典型溶血性尿毒症症候群における血栓性微小血管障害の抑制
1.
国内の臨床試験成績は限られていることから、製造販売後一定期間は本剤を投与された全症例を対象に使用成績調査を実施し、本剤使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。
2.
本剤の投与が、非典型溶血性尿毒症症候群の診断、治療に精通し、本剤のリスク等についても十分に管理できる医師・医療機関のもとで、髄膜炎菌感染症の診断、治療に精通した医師との連携を取った上でのみ行われるよう、製造販売にあたって必要な措置を講じること。
**全身型重症筋無力症(免疫グロブリン大量静注療法又は血液浄化療法による症状の管理が困難な場合に限る)
1.
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
2.
国内の臨床試験成績は限られていることから、製造販売後一定期間は本剤を投与された全症例を対象に使用成績調査を実施し、本剤使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。
3.
本剤の投与が、全身型重症筋無力症の診断、治療に精通し、本剤のリスク等についても十分に管理できる医師・医療機関のもとで、髄膜炎菌感染症の診断、治療に精通した医師との連携を取った上でのみ行われるよう、製造販売にあたって必要な措置を講じること。
包装
ソリリス点滴静注300mg 1バイアル30mL
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
**Jin F, et al. Hum Immunol, 2005;66(4):403-410.
2)
**Wang W, et al. Clin Pharmacol Ther, 2008;84(5):548-558.
3)
**Fitzpatrick AM, et al. J Peripher Nerv Syst, 2011;16(2):84-91.
4)
社内資料:Benjamin RF, et al. マウスにおける胚-胎児発生に関する試験(2002年)
5)
Kanakura Y, et al. Int J Hematol, 2011;93:36-46.
6)
Hillmen P, et al. New England Journal of Medicine, 2006;355:1233-1243.
7)
Brodsky RA, et al. Blood, 2008;111(4):1840-1847.
8)
**社内資料:第III相プラセボ対照二重盲検比較臨床試験(ECU-MG-301試験)(2016年)
9)
**社内資料:第III相 ECU-MG-301継続試験(ECU-MG-302試験)(2017年)
10)
社内資料:Terrie LU, et al. 溶血性試験(2005年)
11)
社内資料:Rekha P, et al. ヒト補体C5に対する親和性試験(2005年)
文献請求先
主要文献に記載の社内資料に関しても下記にご請求下さい。
アレクシオンファーマ合同会社 メディカル インフォメーション センター
〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿一丁目18番14号 恵比寿ファーストスクエア
TEL:0120-577657
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
製造販売元
アレクシオンファーマ合同会社
〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿一丁目18番14号 恵比寿ファーストスクエア
http://www.info.pmda.go.jp/go/pack/6399424A1023_1_12/