P-TOL Chewable Tab((Sucroferric oxyhydroxide) )ピートルチュアブル錠250mg/ピートルチュアブル錠500mg
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作成又は改訂年月
*2015年12月改訂(第2版)
2015年11月作成
日本標準商品分類番号
87219
日本標準商品分類番号等
国際誕生年月
2013年11月
薬効分類名
高リン血症治療剤
承認等
販売名
ピートルチュアブル錠250mg
販売名コード
2190036F1026
承認・許可番号
承認番号
22700AMX01010000
商標名
P-TOL Chewable Tab. 250mg
薬価基準収載年月
2015年11月
販売開始年月
2015年11月
貯法・使用期限等
貯法
気密容器,室温保存
使用期限
外装容器に表示
注意
自動分包機には適さない[通常の錠剤に比べてやわらかい]
規制区分
処方箋医薬品注)
注) 注意-医師等の処方箋により使用すること。
組成
有効成分(1錠中含量)
鉄として250mgのスクロオキシ水酸化鉄
添加物
軽質無水ケイ酸,タルク,ステアリン酸マグネシウム,香料,アラビアガム
性状
外形
表面
外形
裏面
外形
側面
外径
16.5mm
内径
5.5mm
厚さ
約5.2mm
質量
約1240mg
識別コード
KISSEI
PA250
色・剤形
茶色・チュアブル錠
販売名
ピートルチュアブル錠500mg
販売名コード
2190036F2022
承認・許可番号
承認番号
22700AMX01011000
商標名
P-TOL Chewable Tab. 500mg
薬価基準収載年月
2015年11月
販売開始年月
2015年11月
貯法・使用期限等
貯法
気密容器,室温保存
使用期限
外装容器に表示
注意
自動分包機には適さない[通常の錠剤に比べてやわらかい]
規制区分
処方箋医薬品注)
注) 注意-医師等の処方箋により使用すること。
組成
有効成分(1錠中含量)
鉄として500mgのスクロオキシ水酸化鉄
添加物
軽質無水ケイ酸,タルク,ステアリン酸マグネシウム,香料,アラビアガム
性状
外形
表面
外形
裏面
外形
側面
外径
20.5mm
内径
6.0mm
厚さ
約6.4mm
質量
約2480mg
識別コード
KISSEI
PA500
色・剤形
茶色・チュアブル錠
一般的名称
スクロオキシ水酸化鉄チュアブル錠
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能・効果
透析中の慢性腎臓病患者における高リン血症の改善
用法・用量
通常,成人には,鉄として1回250mgを開始用量とし,1日3回食直前に経口投与する。以後,症状,血清リン濃度の程度により適宜増減するが,最高用量は1日3000mgとする。
用法・用量に関連する使用上の注意
1. 本剤投与開始時又は用量変更時には,1~2週間後に血清リン濃度の確認を行うことが望ましい。
2. 増量を行う場合は,増量幅を鉄として1日あたりの用量で750mgまでとし,1週間以上の間隔をあけて行うこと。
3. 本剤は口中で噛み砕いて服用すること。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1. 消化性潰瘍,炎症性腸疾患等の胃腸疾患のある患者[病態を悪化させるおそれがある。]
2. 鉄過剰症又は鉄過剰状態である患者[病態を悪化させるおそれがある。]
3. C型慢性肝炎等の肝炎患者[病態を悪化させるおそれがある。]
4. 他の鉄含有製剤投与中の患者[鉄過剰症を引き起こすおそれがある。]
5. 発作性夜間血色素尿症の患者[溶血を誘発し病態を悪化させるおそれがある。]
重要な基本的注意
1. 本剤は,血中リンの排泄を促進する薬剤ではないので,食事療法等によるリン摂取制限を考慮すること。
2. 本剤は,定期的に血清リン,血清カルシウム及び血清PTH濃度を測定しながら投与すること。血清リン,血清カルシウム及び血清PTH濃度の管理目標値及び測定頻度は,学会のガイドライン等,最新の情報を参考にすること。低カルシウム血症の発現あるいは悪化がみられた場合には,活性型ビタミンD製剤やカルシウム製剤の投与を考慮し,カルシウム受容体作動薬が使用されている場合には,カルシウム受容体作動薬の減量等も考慮すること。また,二次性副甲状腺機能亢進症の発現あるいは悪化がみられた場合には,活性型ビタミンD製剤,カルシウム製剤,カルシウム受容体作動薬の投与あるいは他の適切な治療法を考慮すること。
3. 本剤は消化管内で作用する薬剤であるが,本剤の成分である鉄が一部吸収されるため,血清フェリチン等を定期的に測定し,鉄過剰に注意すること。また,ヘモグロビン等を定期的に測定し,特に赤血球造血刺激因子製剤と併用する場合には,過剰造血に注意すること。
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
薬剤名等
テトラサイクリン系抗生物質
ドキシサイクリン塩酸塩水和物等
臨床症状・措置方法
これらの薬剤の作用を減弱させるおそれがあるので,併用する場合には,これらの薬剤の作用を観察すること。
機序・危険因子
これらの薬剤と結合し,吸収を減少させるおそれがある。
薬剤名等
甲状腺ホルモン製剤
レボチロキシンナトリウム水和物等
臨床症状・措置方法
これらの薬剤の作用を減弱させるおそれがあるので,併用する場合には,これらの薬剤の作用を観察すること。
機序・危険因子
これらの薬剤と結合し,吸収を減少させるおそれがある。
薬剤名等
セフジニル
臨床症状・措置方法
これらの薬剤の作用を減弱させるおそれがあるので,併用する場合には,これらの薬剤の作用を観察すること。
機序・危険因子
これらの薬剤では,鉄剤との結合により,吸収が減少するおそれがあるとの報告がある。
薬剤名等
抗パーキンソン剤
ベンセラジド塩酸塩・レボドパ等
臨床症状・措置方法
これらの薬剤の作用を減弱させるおそれがあるので,併用する場合には,これらの薬剤の作用を観察すること。
機序・危険因子
これらの薬剤では,鉄剤との結合により,吸収が減少するおそれがあるとの報告がある。
薬剤名等
エルトロンボパグ オラミン
臨床症状・措置方法
これらの薬剤の作用を減弱させるおそれがあるので,併用する場合には,これらの薬剤の作用を観察すること。
機序・危険因子
これらの薬剤では,鉄剤との結合により,吸収が減少するおそれがあるとの報告がある。
副作用
本剤の国内臨床試験において,494例中159例(32.2%)に副作用が認められた。主な副作用は,下痢(22.7%)であった(承認時)。
その他の副作用
下記の副作用があらわれることがあるので,異常が認められた場合には必要に応じ減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
胃腸障害
2%以上
下痢(22.7%),便秘
胃腸障害
2%未満
嘔吐,悪心,腹痛,腹部不快感,腹部膨満,胃腸炎,排便回数増加
臨床検査
2%未満
血清フェリチン増加,AST(GOT)上昇,ALT(GPT)上昇,CK(CPK)上昇,血中鉄増加,ヘモグロビン増加
その他
2%未満
発疹,そう痒症
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので,患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。
妊婦,産婦,授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある女性,産婦及び授乳婦には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[これらの患者への投与に関する安全性は確立していない。]
小児等への投与
小児等に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
適用上の注意
薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により,硬い鋭角部が食道粘膜に刺入し,更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
その他の注意
1. 本剤の投与により便が黒色を呈することがある。
2. 本剤の投与により口内が一時的に着色(茶褐色)することがある。
3. マウスがん原性試験において,500mg/kg/日群の雄で結腸腺癌が,1000mg/kg/日群の雄で結腸腺腫が,それぞれ各1例(各群60例)に認められた。
4. ラットがん原性試験において,対照群でも認められた甲状腺C細胞腺腫の発生頻度が500mg/kg/日群の雄で増加した。
薬物動態
1. 吸収(外国人データ)
健康成人,保存期慢性腎臓病患者及び血液透析患者24例(各8例)を対象として,59Feで標識した本剤を投与し,鉄吸収を検討した。健康成人では1日目に標識体を1日2000mg投与した後,2~7日目に非標識体を1日2000mg投与し,患者では1~6日目に非標識体を1日2000mg投与した後,7日目に標識体を1日2000mg投与した。その結果,21日目における血中への標識体の鉄の取り込み(中央値)は,健康成人では0.43%,保存期慢性腎臓病患者では0.06%,血液透析患者では0.02%であった1)。
2. 薬物相互作用試験(外国人データ)
健康成人を対象として薬物相互作用試験5試験(1試験につき36~42例)を実施し,ロサルタンカリウム,フロセミド,ジゴキシン,オメプラゾール又はワルファリンナトリウムを本剤1回1000mgと経口投与した。本剤と同時併用又は本剤投与2時間後に試験薬剤を併用した結果,本剤は試験薬剤の全身曝露量に明らかな影響を及ぼさなかった2)。
臨床成績
1. 血液透析患者
(1) 比較試験
高リン血症を有する血液透析中の慢性腎不全患者192例(本剤100例,セベラマー塩酸塩92例)を対象とした比較試験において,本剤を1日750mgから投与開始し,1日3000mgまでの範囲で適宜増減して12週間投与した。その結果,血清リン濃度(平均値±標準偏差)は投与開始時7.78±1.38mg/dLから投与終了時5.01±1.01mg/dLに低下が認められた。本剤の平均1日用量は1205mgであった。また,血清フェリチン濃度(平均値±標準偏差)は,投与開始時92.40±124.25ng/mL及び投与終了時135.48±144.23ng/mLであった3)。
(2) 長期投与試験
高リン血症を有する血液透析中の慢性腎不全患者161例を対象に,本剤を1日750mgから投与開始し,1日3000mgまでの範囲で適宜増減して52週間投与した。その結果,血清リン濃度は,投与開始時5.46±1.06mg/dLに対して投与終了時5.00±1.17mg/dLであり,低下が維持された。本剤の平均1日用量は1141mgであった。また,血清フェリチン濃度は投与開始時71.07±83.29ng/mL,投与28週時152.68±102.23ng/mL,投与52週時179.30±129.07ng/mL及び投与終了時172.89±145.99ng/mLであった4)。
(3) 炭酸カルシウム併用試験
高リン血症を有する血液透析中の慢性腎不全患者35例を対象に,本剤を1日750mgから投与開始し,1日3000mgまでの範囲で適宜増減して,炭酸カルシウム製剤と12週間併用投与した。その結果,血清リン濃度は,投与開始時5.01±0.63mg/dLに対して投与終了時4.89±1.14mg/dLであり,炭酸カルシウム製剤との併用投与においても低下が維持された。本剤の平均1日用量は780mgであった。また,血清フェリチン濃度は投与開始時104.68±102.14ng/mL及び投与終了時120.17±127.45ng/mLであった5)。
2. 腹膜透析患者
高リン血症を有する腹膜透析中の慢性腎不全患者44例を対象に,本剤を1日750mgから投与開始し,1日3000mgまでの範囲で適宜増減して12週間投与した。その結果,血清リン濃度は投与開始時7.38±0.90mg/dLから投与終了時5.34±0.89mg/dLに低下が認められた。投与12週までの本剤の平均1日用量は1169mgであった。このうち23例を対象に28週まで継続投与した結果,投与終了時の血清リン濃度は4.92±0.95mg/dLであり,低下が維持された。また,血清フェリチン濃度は投与開始時99.36±82.67ng/mL,投与28週時269.04±113.30ng/mL及び投与終了時273.91±113.13ng/mLであった6)。
薬効薬理
1. 薬理作用
(1) in vitroにおけるリン吸着能
標準リン酸溶液を用いたリン吸着能の確認試験において,スクロオキシ水酸化鉄はpH3.0,5.5及び8.0のいずれのpHにおいてもリン吸着能を示した。
(2)
血清リン濃度及びカルシウム・リン積低下作用
アデニン誘発進行性腎不全ラットにおいて,スクロオキシ水酸化鉄は1.5及び5%の混餌投与により血清リン濃度及びカルシウム・リン積を有意に低下させた。
(3)
血管石灰化抑制作用
アデニン誘発進行性腎不全ラットにおいて,スクロオキシ水酸化鉄の5%の混餌投与により大動脈石灰化の病理組織学的スコアが改善し,石灰化の程度の軽減及び頻度の低下が認められた。
(4)
二次性副甲状腺機能亢進症改善作用
アデニン誘発進行性腎不全ラットにおいて,スクロオキシ水酸化鉄は5%の混餌投与により血清PTH濃度を有意に低下させた。
(5)
骨代謝異常抑制作用
アデニン誘発進行性腎不全ラットにおいて,スクロオキシ水酸化鉄の5%の混餌投与により大腿骨の類骨量,線維量及び空隙面積率が有意に低下し,骨組織の類骨形成,線維化及び多孔の抑制が認められた。
2. 作用機序
スクロオキシ水酸化鉄は,消化管内でリン酸と結合し,消化管からのリン吸収を抑制することにより,血清リン濃度低下作用を示す。
有効成分に関する理化学的知見
一般名:スクロオキシ水酸化鉄(Sucroferric oxyhydroxide)
化学名:酸化水酸化鉄(III)/スクロース/デンプン混合物
性状:褐色の粉末である。酸化水酸化鉄(III)とデンプンからなる部分は水にほとんど溶けない。
取扱い上の注意
1. アルミピロー開封後は湿気を避けて,PTPシートの状態で保存すること。
2. 本剤は噛み砕きやすさを考慮しているため,割れやすい錠剤である。
3. 本剤は錠剤表面に白い斑点がみられることがあるが,使用添加剤によるものである。
承認条件
医薬品リスク管理計画を策定の上,適切に実施すること。
包装
ピートルチュアブル錠250mg:84錠(PTP),420錠(PTP)
ピートルチュアブル錠500mg:84錠(PTP),420錠(PTP)
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
Geisser P, et al.; Clin Nephrol. 74, 4, 2010.
2)
Chong E, et al.; J Nephrol. 27, 659, 2014.
3)
国内第III相比較臨床試験(PA1301)(社内資料)
4)
国内長期投与試験(PA1302)(社内資料)
5)
国内炭酸カルシウム併用試験(PA1304)(社内資料)
6)
国内腹膜透析患者対象試験(PA1303)(社内資料)
文献請求先・製品情報お問い合わせ先
主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。
キッセイ薬品工業株式会社 くすり相談センター
〒103-0022 東京都中央区日本橋室町1丁目8番9号
TEL.03-3279-2304 フリーダイヤル 0120-007-622
*投与期間制限医薬品に関する情報
本剤は新医薬品であるため,厚生労働省告示に基づき,2016年11月末日までは,投薬は1回14日分を限度とされています。
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
製造販売元
キッセイ薬品工業株式会社
松本市芳野19番48号