Cleanal ORAL SOLUTION 8% (fudosteine)クリアナール内用液8%
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作成又は改訂年月
**2015年4月改訂 (第7版) D8
*2014年10月改訂
日本標準商品分類番号
872233
日本標準商品分類番号等
再審査結果公表年月(最新)
*2014年6月
薬効分類名
気道分泌細胞正常化剤
承認等
販売名
クリアナール内用液8%
販売名コード
2233004S1023
承認・許可番号
承認番号
21600AMZ00423
欧文商標名
Cleanal ORAL SOLUTION 8%
薬価基準収載年月
2004年6月
販売開始年月
2004年7月
貯法・使用期限等
貯法
室温保存
使用期限
外箱及びラベルに表示の使用期限内に使用すること
注意
「取扱い上の注意」の項参照
組成
*有効成分(1mL中)
日局 フドステイン 80mg (8w/v%)
添加物
D-ソルビトール,DL-リンゴ酸,カラメル,安息香酸ナトリウム,香料,バニリン,エチルバニリン,エタノール,グリセリン
性状
性状・剤形
褐色・芳香あり・味は甘い・液剤
pH
3.5~4.0
一般的名称
フドステイン内用液
効能又は効果
効能又は効果/用法及び用量
以下の慢性呼吸器疾患における去痰
気管支喘息,慢性気管支炎,気管支拡張症,肺結核,塵肺症,肺気腫,非定型抗酸菌症,びまん性汎細気管支炎
通常,成人には1回 5mL(フドステインとして400mg) を1日3回食後経口投与する.
なお,年齢,症状により適宜増減する.
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
肝障害のある患者〔肝機能障害のある患者に投与したとき,肝機能が悪化するおそれがある.〕
2.
心障害のある患者〔類薬で心不全のある患者に悪影響を及ぼしたとの報告がある.〕
副作用
副作用等発現状況の概要
*本剤は,副作用発現頻度が明確となる臨床試験を実施していない.(承認時)
製造販売後調査の総症例4,486例中,68例(1.5%)に73件の副作用が認められた.その主な症状は,発疹10件(0.2%),悪心7件(0.2%),消化不良及びそう痒症がそれぞれ4件(0.1%),感覚鈍麻,腹部不快感及び下痢がそれぞれ3件(0.1%)であった.(再審査終了時)
重大な副作用
肝機能障害,黄疸
(いずれも頻度不明)
AST(GOT),ALT(GPT),Al-P,LDHの上昇等を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
重大な副作用(類薬)
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)
類薬(L-カルボシステイン)で,皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)があらわれることが報告されているので,観察を十分に行い,このような症状があらわれた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
その他の副作用
1. 消化器
0.1~5%未満
食欲不振,悪心・嘔吐,胃部不快感,胸やけ,下痢
2. *消化器
0.1%未満
腹痛,胃痛,腹部膨満感,口渇,便秘,舌炎
3. 消化器
頻度不明
口内炎,口唇炎
4. 肝臓
0.1~5%未満
AST(GOT),ALT(GPT),Al-Pの上昇
5. 腎臓
0.1~5%未満
BUN上昇,蛋白尿
6. 過敏症注)
0.1~5%未満
発疹,かゆみ
7. *過敏症注)
0.1%未満
紅斑,蕁麻疹
8. 呼吸器
頻度不明
咳嗽,呼吸困難感
9. 精神神経系
0.1~5%未満
頭痛
10. *精神神経系
0.1%未満
ふらつき,しびれ感,めまい,眠気
11. *感覚器
0.1%未満
耳鳴,味覚異常
12. *その他
0.1%未満
熱感,顔面潮紅,脱力感,胸部圧迫感,頻尿,浮腫
13. その他
頻度不明
動悸
その他の副作用の注意
注) このような症状があらわれた場合には,投与を中止し,適切な処置を行うこと.
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意すること.
妊婦,産婦,授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には,治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること.〔ウサギを用いた胎児の器官形成期経口投与試験の600mg/kg (臨床用量の約30倍)で流産,ラットを用いた周産期及び授乳期経口投与試験の2,000mg/kg (臨床用量の約100倍)で出生児の発育抑制がみられている.〕
2.
授乳婦に投与する場合は,授乳を中止させること.〔動物実験(ラット)で乳汁中への移行が認められている.〕
小児等への投与
小児等に対する安全性は確立していない.(使用経験がない.)
薬物動態
血漿中未変化体濃度
健康成人男子に本剤 5mL(フドステインとして400mg)を絶食時(投与12時間前より絶食)に経口投与した時の血漿中未変化体濃度は,投与後0.57時間で最高値12.60μg/mLに達し,2.9時間の半減期で消失した.
健康成人男子(絶食時)に本剤 5mL(フドステインとして400mg)を経口投与した時の血漿中未変化体の薬物動態パラメータ
Cmax
(μg/mL) |
tmax
(h) |
t1/2z
(h) |
AUC0-∞
(μg・h/mL) |
絶食時投与
(n=22) |
12.60±4.14 |
0.57±0.31 |
2.9±0.7 |
27.63±4.72 |
t1/2z: 最終相の消失半減期(平均値±標準偏差)
〈参考〉
健康成人男子にフドステインの錠剤(フドステインとして400mg)を食後及び絶食時(投与12時間前より絶食)に経口投与した時の血漿中未変化体の薬物動態パラメータ
|
Cmax
(μg/mL) |
tmax
(h) |
t1/2z
(h) |
AUC0-∞
(μg・h/mL) |
食後投与
(n=9) |
5.69±2.14 |
1.17±0.43 |
2.7±0.3 |
20.49±4.24 |
絶食時投与
(n=9) |
10.19±3.34※※ |
0.42±0.13※※ |
2.6±0.6 |
23.41±6.03※ |
t1/2z: 最終相の消失半減期 (平均値±標準偏差)
※: p<0.05, ※※: p<0.01 (食後投与との比較,t検定)
臨床成績
フドステインの錠剤において,本剤の適応疾患を対象に効果判定が行われた369例中,最終全般改善度で中等度改善以上と評価されたのは,266例(72.1%)であった.1~6)(下表参照)
なお,フドステインの錠剤でのプラセボとの二重盲検比較試験において,有効性が確認されている.
疾患名 |
改善率 (%)
(中等度改善以上/評価例数) |
気管支喘息 |
80.9 (38/47) |
慢性気管支炎 |
72.6 (77/106) |
気管支拡張症 |
58.0 (40/69) |
肺結核 |
89.7 (26/29) |
塵肺症 |
60.5 (26/43) |
肺気腫 |
78.9 (45/57) |
非定型抗酸菌症 |
88.9 (8/9) |
びまん性汎細気管支炎 |
66.7 (6/9) |
計 |
72.1 (266/369) |
薬効薬理
1. 痰(気道粘液)の主成分であるムチンを分泌する杯細胞の過形成抑制作用
(1) イソプロテレノール誘発試験7)
気道上皮におけるラットの予防効果モデルとして,杯細胞過形成誘発物質であるイソプロテレノールの投与前にフドステインを反復経口投与した場合,10,30及び100mg/kgで杯細胞の過形成抑制作用がみられた.
更に,ラットの治療効果モデルとして,イソプロテレノール投与により気道上皮の杯細胞を過形成させた後,フドステインを反復経口投与した場合,10,30及び100mg/kgで過形成抑制作用がみられた.
(2) リポポリサッカライド誘発試験7,8)
気道上皮におけるラットの予防効果モデルとして,杯細胞過形成誘発物質であるリポポリサッカライドの投与前にフドステインを反復経口投与した場合,10,30及び100mg/kgで杯細胞の過形成抑制作用がみられた.
更に,ラットの治療効果モデルとして,リポポリサッカライド投与により気道上皮の杯細胞を過形成させた後,フドステインを反復経口投与した場合,10,30及び100mg/kgで過形成抑制作用がみられた.
2. 粘液修復作用
気管支炎ウサギの痰中フコース/シアル酸比に対して,フドステインの20,100及び500mg/kgの反復経口投与は用量依存的な抑制作用を示し,500mg/kgでは有意な抑制を示した.
3. 漿液性気道分泌亢進作用
フドステインは500mg/kg経口投与で,ウサギ漿液性気道分泌を有意に増大した.更に,フドステインは500mg/kg経口投与で,気管支肺胞洗浄液中のCl-濃度を有意に増大した.
4. 気道炎症抑制作用
フドステインの10,30及び100mg/kgを,リポポリサッカライド誘発ラットに反復経口投与した時,30及び100mg/kgで気管支肺胞洗浄液中の好中球数の増加を有意に抑制し,10~100mg/kgでcytokine-induced neutrophil chemo-attractant-1 (CINC-1) 量を有意に抑制した.
有効成分に関する理化学的知見
一般名:
フドステイン,fudosteine (JAN,INN)
*化学名:
(2R )-2-Amino-3-(3-hydroxypropylsulfanyl)propanoic acid
分子式:
C6H13NO3S
分子量:
179.24
*構造式:
*性状:
白色の結晶又は結晶性の粉末である.水に溶けやすく,酢酸(100)に溶けにくく,エタノール(99.5)にほとんど溶けない.6mol/L塩酸試液に溶ける.
融点:
約200℃ (分解)
取扱い上の注意
注意
開封後は必ず密栓して保管し,なるべく速やかに使用すること.
包装
クリアナール内用液8%:500mL
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
長岡 滋 他: 臨床医薬 2002; 18 (1): 81-107
2)
長岡 滋 他: 臨床医薬 2002; 18 (1): 109-140
3)
長岡 滋 他: 臨床医薬 2002; 18 (1): 141-180
4)
長岡 滋 他: 臨床医薬 2002; 18 (1): 181-208
5)
長岡 滋 他: 臨床医薬 2002; 18 (1): 209-232
6)
長岡 滋 他: 臨床医薬 2002; 18 (1): 233-243
7)
Takahashi, K. et al. : Jpn. J. Pharmacol. 1998; 77 (1): 71-77
8)
Takahashi, K. et al. : Environ. Toxicol. Pharmacol. 1998; 5: 173-178
文献請求先
田辺三菱製薬株式会社 くすり相談センター
**〒541-8505 大阪市中央区道修町3-2-10
電話 0120-753-280
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
販売
田辺三菱製薬株式会社
**大阪市中央区道修町3-2-10
製造販売元
同仁医薬化工株式会社
東京都中野区弥生町五丁目2番2号
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