MOVER Tablets(Actarit)阿克他利片,モーバー錠100mg
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作成又は改訂年月
**2015年4月改訂(第10版)D8
*2009年10月改訂
日本標準商品分類番号
871149
日本標準商品分類番号等
再審査結果公表年月(最新)
2003年1月
薬効分類名
抗リウマチ剤(DMARD)
承認等
販売名
モーバー錠100mg
販売名コード
1149031F1022
承認・許可番号
承認番号
20600AMZ00928
商標名
MOVER Tablets 100mg
薬価基準収載年月
1994年5月
販売開始年月
1994年6月
貯法・使用期限等
貯法
室温保存
使用期限
外箱に表示の使用期限内に使用すること
規制区分
処方箋医薬品注)
注)注意-医師等の処方箋により使用すること
組成
有効成分(1錠中)
アクタリット 100mg
添加物
乳糖水和物,トウモロコシデンプン,ヒドロキシプロピルセルロース,ポリビニルアルコール(部分けん化物),二酸化ケイ素,タルク,ステアリン酸マグネシウム,ヒプロメロース,マクロゴール6000,酸化チタン,シリコーン樹脂,カルナウバロウ
性状
性状・剤形
白色・フィルムコーティング錠
外形
規格:直径(mm)
7.6
規格:厚さ(mm)
4.1
規格:重量(mg)
185
識別コード
MKC 101
一般的名称
アクタリット錠
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人,授乳婦(「妊婦,産婦,授乳婦等への投与」の項参照)〔妊娠中の投与に関する安全性は確立していない.〕
効能又は効果
関節リウマチ
用法及び用量
通常,他の消炎鎮痛剤等とともに,アクタリットとして成人1日300mgを3回に分割経口投与する.
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
腎障害又はその既往歴のある患者〔腎障害が悪化するおそれがある.〕
2.
肝障害のある患者〔肝障害が悪化するおそれがある.〕
3.
消化性潰瘍又はその既往歴のある患者〔消化性潰瘍が悪化するおそれがある.〕
重要な基本的注意
1.
本剤の投与に際しては,関節リウマチの治療法に十分精通し,患者の病態並びに副作用の出現に注意しながら使用すること.
2.
本剤は鎮痛消炎作用を持たないため従来より投与している消炎鎮痛剤等を併用すること.ただし,本剤を6ヵ月間継続投与しても効果があらわれない場合は投与を中止すること.
3.
本剤は比較的発症早期の関節リウマチ患者に使用することが望ましい.
4.
本剤投与中は臨床症状を十分観察するとともに,定期的に臨床検査(血液検査,肝機能・腎機能検査等)を行うこと.
副作用
副作用等発現状況の概要
総症例数5,142例中551例(10.72%)752件の副作用が報告されている.主な副作用は発疹71件(1.38%),腹痛60件(1.17%),そう痒感60件(1.17%)であった.(再審査終了時)
重大な副作用
1. ネフローゼ症候群(0.1%未満)
ネフローゼ症候群があらわれることがあるので,定期的に検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと.
2. 間質性肺炎(0.1%未満)
発熱,咳嗽,呼吸困難,胸部X線異常を伴う間質性肺炎があらわれることがあるので,患者の状態を十分に観察し,このような症状があらわれた場合には,投与を中止し,副腎皮質ホルモン剤投与等の適切な処置を行うこと.
3. 再生不良性貧血,汎血球減少,無顆粒球症,血小板減少(いずれも頻度不明)
再生不良性貧血,汎血球減少,無顆粒球症,血小板減少があらわれることがあるので,定期的に検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと.
4. 肝機能障害(頻度不明)
AST(GOT),ALT(GPT),Al-Pの上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがあるので,定期的に検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと.
5. 消化性潰瘍,出血性大腸炎(いずれも頻度不明)
消化性潰瘍(出血を伴うことがある),出血性大腸炎があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと.
重大な副作用(類薬)
他の抗リウマチ剤で,急性腎不全,肺線維症,天疱瘡様症状が報告されているので,定期的に検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと.
その他の副作用
1. 腎臓注)
0.1~5%未満
腎機能異常(蛋白尿,BUN,クレアチニン,尿中NAGの上昇等)
2. 腎臓注)
0.1%未満
血尿
3. 肝臓
0.1~5%未満
肝機能異常(AST(GOT),ALT(GPT),Al-Pの上昇等)
4. 血液
0.1~5%未満
貧血,血小板減少,白血球減少
5. 血液
0.1%未満
顆粒球減少
6. 消化器
0.1~5%未満
腹痛,嘔気・嘔吐,口内炎,舌炎,食欲不振,消化不良,下痢,胃潰瘍,口内乾燥
7. 消化器
0.1%未満
口唇腫脹
8. 皮膚
0.1~5%未満
発疹,そう痒感,湿疹,蕁麻疹
9. 皮膚
0.1%未満
脱毛,紅斑性発疹
10. 精神神経系
0.1~5%未満
頭痛,めまい
11. 精神神経系
0.1%未満
しびれ感,傾眠
12. その他
0.1~5%未満
浮腫,けん怠感
13. その他
0.1%未満
発熱,耳鳴,視力異常,複視,味覚異常,動悸
注)異常が認められた場合には,投与を中止するなど適切な処置を行うこと.
高齢者への投与
本剤は主として腎臓から排泄されるが,高齢者では腎機能が低下していることが多いため高い血中濃度が持続するおそれがあるので,低用量(例えば1回1錠1日2回)から投与を開始するなど注意すること.なお,定期的に臨床症状の観察,臨床検査(肝機能・腎機能検査等)を行い,異常が認められた場合には,減量か又は休薬等の適切な処置を行うこと.
妊婦,産婦,授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと.〔妊娠中の投与に関する安全性は確立していない.また,動物実験(ラット)で胎児への移行が認められている.〕
2.
授乳中の婦人には投与しないこと.〔動物実験(ラット)で乳汁中への移行が認められている.〕
小児等への投与
小児等に対する安全性は確立していない.(使用経験がない.)
適用上の注意
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること.〔PTPシートの誤飲により,硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し,更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている.〕
薬物動態
1. 血中濃度1~4)
(1)
健常成人男性(4名)に本剤1錠(アクタリットとして100mg)を単回経口投与したときの血中濃度推移及び薬物動態パラメータは以下のとおりである.
100mg単回経口投与時のアクタリットの血中濃度推移
(2) 代謝・排泄
アクタリットは代謝を受けず,投与後24時間までに未変化体として尿中にほぼ100%排泄される.
(3) 血液透析患者における薬物動態
血液透析が必要な関節リウマチ患者(3名)における透析クリアランスはおおよそ110mL/minであり,アクタリットの透析膜通過性は良好であった.その際,健常成人に比し吸収遅延,Cmax及びAUCの増大が認められたが,分布容積はほぼ同等であった.また,16週間連続投与(2名:透析前夜に1錠経口投与)において,透析終了時における血中濃度は下表のとおりであり,蓄積性は認められていない.
〈参考値〉
血漿蛋白結合率は17~20%である(in vitro ).
薬物動態の表
薬物動態パラメータ
健常成人男性(n=4) |
Cmax(μg/mL) |
2.24±0.49 |
tmax(h) |
1.88±0.25 |
t1/2(h) |
0.86±0.15 |
AUC(μg・h/mL) |
4.56±0.65 |
(平均値±S.D.)
透析終了時における血中濃度の推移(μg/mL)
|
開始時 |
8週時 |
16週時 |
症例1 |
1.16 |
1.07 |
1.61 |
症例2 |
3.11 |
2.19 |
1.75 |
臨床成績
関節リウマチを対象として全国の医療施設で実施した臨床試験において,評価対象総計467例の臨床成績は次のとおりである.5~14)
臨床成績の表
対象疾患名 |
改善率(%)[改善以上] |
関節リウマチ |
38.1(178例/467例) |
1. 関節リウマチの類似疾患モデルに対する作用15~20)
(1) アジュバント関節炎(ラット)
免疫系が関与する二次炎症に基づく関節炎を抑制する.この作用はインドメタシン等の非ステロイド性消炎鎮痛剤との併用により増強される.
(2) コラーゲン関節炎(マウス)
コラーゲンに対するIV型(遅延型)アレルギー反応を抑制することにより,II型コラーゲン関節炎を抑制する.
(3) MRL/lpr(マウス)
自然発症自己免疫疾患モデル動物であるMRL/lprマウスの関節炎,リンパ節腫大等の諸症状を抑制し,更にリウマチ因子,抗DNA抗体などの免疫パラメータに対し抑制作用を示す.
2. 抗リウマチ作用21~25)
(1) 抗アレルギー作用(マウス)
III型(アルサス型)及びIV型(遅延型)アレルギー反応を抑制する.
(2) サイトカイン・蛋白分解酵素の産生抑制作用(in vitro )
関節リウマチ患者の培養滑膜細胞からのIL-1β,IL-6,TNF-α及びMMP-1の産生を抑制する.
(3) 血管新生抑制作用(in vitro )
ヒトVEGFレセプターであるFlt-1の発現を抑制することにより血管新生を抑制する.
(4) 細胞接着抑制作用(in vitro)
ヒトT細胞と血管内皮細胞及び関節リウマチ患者の培養滑膜細胞との接着を抑制する.
有効成分に関する理化学的知見
一般名
アクタリット,Actarit(JAN)
化学名
4-Acetylaminophenylacetic Acid
分子式
C10H11NO3
分子量
193.20
構造式
性状
白色の結晶又は結晶性の粉末で,においはない.メタノールに溶けやすく,エタノール(95)又はエタノール(99.5)にやや溶けやすく,アセトンにやや溶けにくく,水に溶けにくく,ジエチルエーテルに極めて溶けにくい.
包装
モーバー錠100mg:100錠(10錠×10)
モーバー錠100mg:500錠(10錠×50)
モーバー錠100mg:1,000錠(10錠×100)
モーバー錠100mg:630錠(21錠×30)
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
杉原勝広 他:Arzneim.-Forsch./Drug Res 1990; 40(7):800-805
2)
塩川優一 他:臨床医薬 1991; 7(Suppl.2):19-35
3)
浜田勝生:Progress in M edicine 1995 ; 15(9): 1687-1691
4)
浜田勝生:Progress in M edicine 1997 ; 17(6): 1652-1657
5)
塩川優一 他:臨床医薬 1991; 7(Suppl.2): 37-49
6)
塩川優一 他:臨床医薬 1991; 7(Suppl.2): 51-81
7)
塩川優一 他:臨床医薬 1991; 7(Suppl.2): 83-112
8)
塩川優一 他:臨床医薬 1991; 7(Suppl.2): 113-147
9)
塩川優一 他:臨床医薬 1991; 7(6): 1309-1346
10)
菅原幸子 他:臨床医薬 1991; 7(Suppl.2): 149-169
11)
延永 正 他:臨床医薬 1991; 7(Suppl.2): 171-197
12)
太田善介 他:臨床医薬 1991; 7(Suppl.2): 199-219
13)
小坂志朗 他:臨床医薬 1991; 7(Suppl.2): 221-245
14)
荒川正昭 他:臨床医薬 1991; 7(Suppl.2): 247-263
15)
藤沢 広 他:Arzneim.-Forsch./Drug Res. 1990; 40(1):693-697
16)
西村健志 他:薬理と治療 1993; 21(10):3651-3656
17)
藤沢 広 他:応用薬理 1990 ; 39(6):587-593
18)
藤沢 広 他:Arzneim.-Forsch./Drug Res. 1994; 44(1):64-68
19)
吉田博次 他:Int. J. Immunotherapy 1987; III(4): 261-264
20)
藤沢 広 他:炎症 1986; 6(3): 285-290
21)
中川喜雄 他:Int. J. Immunotherapy 1990 ; VI(3):131-140
22)
中川喜雄 他:Int. J. Immunotherapy 1990 ; VI(3):141-148
23)
Y.Takeba et al.:J. Rheumatol. 1999 ; 26(1):25-33
24)
松原 司:医学のあゆみ 1998 ; 186(2):129-132
25)
木谷 敦:中部リウマチ 1998 ; 29(1):26-27
**,*文献請求先
田辺三菱製薬株式会社 くすり相談センター
〒541-8505 大阪市中央区道修町3-2-10
電話 0120-753-280
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
**,*製造販売元
田辺三菱製薬株式会社
大阪市中央区道修町3-2-10
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薬効薬理