RELIFEN Tab.(Nabumetone)レリフェン錠400mg
ダウンロード
-------------------------------------------------------------------------------
作成又は改訂年月
**2010年4月改訂(第9版、提携先の変更等に伴う改訂)
*2009年8月改訂
日本標準商品分類番号
871149
日本標準商品分類番号等
再審査結果公表年月(最新)
1999年3月
効能追加承認年月(最新)
1993年3月
薬効分類名
持続性抗炎症・鎮痛剤
承認等
販売名
レリフェン錠400mg
販売名コード
1149027F1034
承認・許可番号
承認番号
21900AMX01336000
商標名
RELIFEN Tab. 400mg
薬価基準収載年月
2007年12月
販売開始年月
2007年12月
貯法・使用期限等
貯法
室温保存
使用期限
製造後4年(外装に表示の使用期限内に使用すること)
基準名
日本薬局方
ナブメトン錠
組成
レリフェン錠400mgは1錠中に「日局」ナブメトン400mgを含有する製剤である。
添加物
結晶セルロース、ヒプロメロース、**デンプングリコール酸Na、ステアリン酸Mg、酸化チタン、マクロゴール、カルナウバロウを含有する
性状
レリフェン錠400mgは白色~帯黄白色のフィルムコート錠である。
外形
直径(mm)
11.1
厚さ(mm)
5.6
重量(mg)
498
識別コード(PTPに記載)
Sc102
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
1.
消化性潰瘍のある患者(ただし、「慎重投与」の項参照)[プロスタグランジン生合成抑制作用により胃の血流量が減少し、消化性潰瘍を悪化させるおそれがある。]
2.
重篤な血液の異常のある患者[症状を悪化させるおそれがある。]
3.
重篤な肝障害のある患者[副作用として肝障害が報告されており、肝障害を更に悪化させるおそれがある。]
4.
重篤な腎障害のある患者[プロスタグランジン生合成抑制作用による腎血流量の低下等により、腎障害を悪化させるおそれがある。]
5.
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
6.
アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤等による喘息発作の誘発)又はその既往歴のある患者[喘息発作を誘発させるおそれがある。]
7.
妊娠末期の婦人[「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]
効能又は効果
下記疾患並びに症状の消炎・鎮痛
*関節リウマチ、変形性関節症、腰痛症、頸肩腕症候群、肩関節周囲炎
用法及び用量
通常、成人にはナブメトンとして800mgを1日1回食後に経口投与する。なお、年齢・症状により適宜増減する。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
消化性潰瘍の既往歴のある患者[消化性潰瘍を再発させるおそれがある。]
2.
非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期投与による消化性潰瘍のある患者で、本剤の長期投与が必要であり、かつミソプロストールによる治療が行われている患者[ミソプロストールは非ステロイド性消炎鎮痛剤により生じた消化性潰瘍を効能・効果としているが、ミソプロストールによる治療に抵抗性を示す消化性潰瘍もあるので、本剤を継続投与する場合には、十分経過を観察し、慎重に投与すること。]
3.
血液の異常又はその既往歴のある患者[血液の異常を悪化又は再発させるおそれがある。]
4.
肝障害又はその既往歴のある患者[肝障害を悪化又は再発させるおそれがある。]
5.
腎障害又はその既往歴のある患者[腎障害を悪化又は再発させることがある。]
6.
心機能障害のある患者[プロスタグランジン生合成抑制作用により、浮腫、循環体液量の増加が起こり、心臓の仕事量が増加するため、症状を悪化させるおそれがある。]
7.
高血圧症の患者[プロスタグランジン生合成抑制作用により、浮腫、循環体液量の増加が起こり、血圧を上昇させるおそれがある。]
8.
過敏症の既往歴のある患者
9.
気管支喘息の患者[喘息発作を悪化させるおそれがある。]
10.
潰瘍性大腸炎の患者[症状が悪化するおそれがある。]
11.
クローン病の患者[症状が悪化するおそれがある。]
12.
高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
重要な基本的注意
1.
消炎鎮痛剤による治療は原因療法ではなく対症療法であることに留意すること。
2. *
慢性疾患(関節リウマチ等)に対し本剤を用いる場合には、次の事項を考慮すること。
(1)
長期投与する場合には定期的に臨床検査(尿検査、血液検査及び肝機能検査等)を行うこと。また、異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を講ずること。
(2)
薬物療法以外の療法も考慮すること。
3.
急性疾患に対し本剤を用いる場合には、次の事項を考慮すること。
(1)
急性炎症、疼痛及び発熱の程度を考慮し、投与すること。
(2)
原則として同一の薬剤の長期投与を避けること。
(3)
原因療法があればこれを行うこと。
4.
患者の状態を十分観察し、副作用の発現に留意すること。
5.
感染症を不顕性化するおそれがあるので、感染による炎症に対して用いる場合には適切な抗菌剤を併用し、観察を十分に行い慎重に投与すること。
6.
他の消炎鎮痛剤との併用は避けることが望ましい。
7.
変形性関節症に対し本剤を用いる場合には朝食後投与が望ましい。
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
クマリン系抗凝血剤(ワルファリン等)
臨床症状・措置方法
抗凝血作用を増強することがあるので、用量を調節するなど注意すること。
機序・危険因子
本剤の蛋白結合率は高いので、これらの薬剤の血漿蛋白結合と競合し、それらの遊離型の血中濃度を増加し、作用が増強されるためと考えられている。
2. 薬剤名等
スルホニル尿素系血糖降下剤(トルブタミド等)
臨床症状・措置方法
血糖降下作用を増強することがあるので、用量を調節するなど注意すること。
機序・危険因子
本剤の蛋白結合率は高いので、これらの薬剤の血漿蛋白結合と競合し、それらの遊離型の血中濃度を増加し、作用が増強されるためと考えられている。
3. 薬剤名等
チアジド系利尿剤(ヒドロクロロチアジド等)
ループ利尿剤(フロセミド等)
臨床症状・措置方法
利尿作用を減弱するおそれがある。
機序・危険因子
本剤のプロスタグランジン生合成抑制作用により、水、ナトリウムの腎排泄を減少させるためと考えられる。
4. 薬剤名等
メトトレキサート
臨床症状・措置方法
血中メトトレキサート濃度を上昇させ、作用を増強するおそれがあるので血中メトトレキサート濃度に注意し、必要があれば、用量を調節すること。
機序・危険因子
本剤のプロスタグランジン生合成抑制作用により、これらの薬剤の腎排泄が減少し、血中濃度が上昇するためと考えられる。
5. 薬剤名等
リチウム製剤(炭酸リチウム)
臨床症状・措置方法
血中リチウム濃度を上昇させ、リチウム中毒を起こすおそれがあるので血中リチウム濃度に注意し、必要があれば、用量を調節すること。
機序・危険因子
本剤のプロスタグランジン生合成抑制作用により、これらの薬剤の腎排泄が減少し、血中濃度が上昇するためと考えられる。
副作用
副作用等発現状況の概要
総症例6,361例中、副作用が報告されたのは270例(4.24%)であった。主な症状は消化管障害(胃部不快感、胃痛、嘔気、下痢、食欲不振、腹痛、心窩部痛、消化不良等)166例(2.61%)、皮膚・皮膚付属器障害(発疹、そう痒感等)41例(0.64%)であった。[再審査終了時]
なお、本項には頻度が算出できない副作用報告を含む。
重大な副作用
1. ショック、アナフィラキシー様症状
ショック、アナフィラキシー様症状(呼吸困難、蕁麻疹、顔面浮腫等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2. 間質性肺炎
間質性肺炎があらわれることがあるので、発熱、咳嗽、労作時息切れ等の呼吸器症状があらわれた場合には、速やかに胸部X線、血液ガス分析等の検査を実施し、間質性肺炎が疑われる場合には直ちに投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤を投与するなど適切な処置を行うこと。
3. 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
4. 肝機能障害、黄疸
AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-Pの上昇を伴う肝機能障害や黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
5. ネフローゼ症候群、腎不全
ネフローゼ症候群、腎不全があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
6. 血管炎
血管炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
7. 光線過敏症
光線過敏症があらわれることがあるので、皮膚の露光部に発赤、水疱等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
1. 過敏症注)
0.1~5%未満
発疹、そう痒感
2. 消化器
0.1~5%未満
胃部不快感、胃痛、嘔気、下痢、食欲不振、腹痛、心窩部痛、消化不良
3. 消化器
0.1%未満
消化性潰瘍、口渇、便秘、口内炎、心窩部不快感、胃重感、嘔吐
4. 消化器
頻度不明
胃腸出血
5. 精神神経系
0.1%未満
めまい、頭痛、眠気
6. 血液
0.1%未満
好酸球増多
7. 血液
頻度不明
白血球減少
8. 肝臓
0.1~5%未満
AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、Al-P上昇
9. 腎臓
0.1~5%未満
BUN上昇
10. 腎臓
0.1%未満
蛋白尿、血清クレアチニン上昇
11. その他
0.1~5%未満
浮腫
注)症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
高齢者への投与
高齢者には副作用の発現に注意し、必要最小限の使用にとどめるなど慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
2.
妊娠末期の婦人には投与しないこと。[動物実験(ラット)で分娩遅延が報告されている。]
3.
妊娠末期のラットに投与した実験で、胎児の動脈管収縮が報告されている。
4.
授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。[動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。]
小児等への投与
小児等に対する安全性は確立していない。
適用上の注意
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)
その他の注意
非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期間投与されている女性において、一時的な不妊が認められたとの報告がある。
薬物動態
1. 吸収、代謝1)
健康成人6例にナブメトン800mgを食後1回経口投与したところ速やかに吸収され、血中には大部分が活性代謝物6-メトキシ-2-ナフチル酢酸の形で存在し、未変化体はほとんど検出されなかった。6-メトキシ-2-ナフチル酢酸は約4時間で最高血中濃度に達し、約21時間の半減期で減少した。
健康成人6例にナブメトン800mgを食後に経口投与した場合の血清中活性代謝物濃度
2. 排泄
健康成人にナブメトン800mgを経口投与した後の尿中排泄は6-メトキシ-2-ナフチル酢酸が抱合体として約20%排泄されたが、未変化体は検出されなかった1)。また、本剤の主要排泄経路は腎であった2)。
3. 連続投与時の吸収・排泄1)
健康成人6例にナブメトン800mgを1日1回7日間連続経口投与したとき、6-メトキシ-2-ナフチル酢酸の血中濃度は投与後4日目で定常状態に達した。7日目投与後の半減期は約19時間と単回投与時のそれと大きな差はなかった。
4. *関節リウマチ患者での血清中濃度3)
関節リウマチ患者7例にナブメトン800mgを1日1回42日間経口投与し、血清中6-メトキシ-2-ナフチル酢酸濃度を測定した。3日目の投与直前値は28.7μg/mL、42日目では31.8μg/mL、3日目の投与後4時間値は54.1μg/mL、42日目では57.6μg/mLであり、血清中濃度は3日目で定常状態となっていた。これらの値は健康成人にナブメトン800mgを1日1回7日間経口投与したときの4日目及び7日目の投与直前値と比べ1.2~1.4倍高かった。
5. *高齢患者での血清中濃度3)
高齢(69~75歳)の関節リウマチ患者9例にナブメトン800mgを1日1回42日間経口投与し血清中6-メトキシ-2-ナフチル酢酸濃度を測定した。高齢患者群の血清中濃度は成人患者群とほぼ同じであり、両群間に有意差はなかった。
6. *血清中蛋白結合率3)
関節リウマチ患者16例にナブメトン800mgを1日1回42日間経口投与し、血清中の蛋白結合率を測定したところ、投与後1日目から42日目まで成人及び高齢患者とも99%以上であった。
薬物動態の表
tmax |
4.0±1.8時間 |
Cmax |
36.7±8.5μg/mL |
t1/2 |
20.5±2.2時間 |
Mean±S.D.,n=6
臨床成績
臨床効果
二重盲検比較試験を含む1,001例の臨床試験成績の概要は次表のとおりであった。なお、臨床試験の多くは夕食後投与で行われたが、変形性関節症に対しては朝食後投与で本剤の有用性が明らかになった。
臨床成績の表
疾患名 |
例数 |
改善率(%)
中等度改善以上 |
改善率(%)
軽度改善以上 |
*関節リウマチ |
308 |
18.2 |
46.1 |
変形性関節症 |
318 |
61.6 |
85.8 |
腰痛症 |
176 |
68.8 |
79.5 |
頸肩腕症候群 |
100 |
55.0 |
78.0 |
肩関節周囲炎 |
99 |
58.6 |
79.8 |
薬効薬理
1. 抗炎症作用4,5)
ラットのカラゲニン足浮腫、モルモットの紫外線紅斑及びラットのアジュバント関節炎における抗炎症作用はアスピリンの約2.5~6倍であった。
2. 鎮痛作用4)
ラットの炎症性疼痛(Randall-Selitto法)及びマウスの化学物質(酢酸Writhing法)に対する鎮痛作用はアスピリンの約2倍であった。
3. 作用機序4,5)
ナブメトンは経口投与されたとき未変化体のまま吸収され、体内で速やかに活性代謝物に変換される。この活性代謝物6-メトキシ-2-ナフチル酢酸はシクロオキシゲナーゼ活性抑制作用を有し、プロスタグランジン生合成を阻害することによって、抗炎症、鎮痛作用を発揮する。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
Nabumetone ナブメトン
化学名
4-(6-Methoxynaphthalen-2-yl)butan-2-one
分子式
C15H16O2
分子量
228.29
構造式
融点
79~84℃
性状
「日局」ナブメトンは、白色~帯黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。アセトニトリルにやや溶けやすく、メタノール又はエタノール(99.5)にやや溶けにくく、水にほとんど溶けない。
包装
100錠(PTP10錠×10)
500錠(PTP10錠×50)
1,000錠(PTP10錠×100、バラ)
2,000錠(PTP10錠×200)
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
寺川雅人 他:薬物動態誌 3(4):407,1988
2)
Haddock RE,et al:Xenobiotica 14(4):327,1984
3)
高杉潔 他:炎症 8(4):359,1988
4)
藤津隆 他:基礎と臨床 24(10):5187,1990
5)
Boyle EA,et al:J Pharm Pharmacol 34:562,1982
文献請求先
株式会社三和化学研究所 コンタクトセンター
〒461-8631 名古屋市東区東外堀町35番地
電話番号
0120-19-8130
FAX番号
(052)950-1305
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
製造販売元
株式会社三和化学研究所
〒461-8631 名古屋市東区東外堀町35番地
提携
**グラクソ グループ リミテッド