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ELPLAT I. V. INFUSION SOLUTION(エルプラット点滴静注液)
2016-04-20 11:11:37 来源: 作者: 【 】 浏览:378次 评论:0

ELPLAT I. V. INFUSION SOLUTION(Oxaliplatin)奥沙利铂,エルプラット点滴静注液50mg/エルプラット点滴静注液100mg/エルプラット点滴静注液200mg
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作成又は改訂年月

**2015年11月改訂(第9版)

*2015年3月改訂

日本標準商品分類番号

874291

日本標準商品分類番号等

再審査結果公表年月(最新)
再審査申請中

効能又は効果追加承認年月(最新)
**,*2015年11月

国際誕生年月
1996年4月

薬効分類名

抗悪性腫瘍剤

承認等

販売名
エルプラット点滴静注液50mg

販売名コード

4291410A1029

承認・許可番号

承認番号
22100AMX02237
商標名
ELPLAT I. V. INFUSION SOLUTION 50mg

薬価基準収載年月

2010年4月

販売開始年月

2010年6月

貯法・使用期限等

貯法

室温保存 (「取扱い上の注意」の項参照)

使用期限

容器及び外装に記載

規制区分

毒薬

処方箋医薬品※

※注意-医師等の処方箋により使用すること

組成

1バイアル中オキサリプラチン含量

50mg/10mL

性状

pH

4.0~7.0

浸透圧比 (生理食塩液に対する比)

約0.04

性状 (外観)

無色澄明の液

販売名
エルプラット点滴静注液100mg

販売名コード

4291410A2025

承認・許可番号

承認番号
22100AMX02236
商標名
ELPLAT I. V. INFUSION SOLUTION 100mg

薬価基準収載年月

2010年4月

販売開始年月

2010年6月

貯法・使用期限等

貯法

室温保存 (「取扱い上の注意」の項参照)

使用期限

容器及び外装に記載

規制区分

毒薬

処方箋医薬品※

※注意-医師等の処方箋により使用すること

組成

1バイアル中オキサリプラチン含量

100mg/20mL

性状

pH

4.0~7.0

浸透圧比 (生理食塩液に対する比)

約0.04

性状 (外観)

無色澄明の液

販売名
エルプラット点滴静注液200mg

販売名コード

4291410A3021

承認・許可番号

承認番号
22400AMX01369
商標名
ELPLAT I. V. INFUSION SOLUTION 200mg

薬価基準収載年月

2012年11月

販売開始年月

2013年2月

貯法・使用期限等

貯法

室温保存 (「取扱い上の注意」の項参照)

使用期限

容器及び外装に記載

規制区分

毒薬

処方箋医薬品※

※注意-医師等の処方箋により使用すること

組成

1バイアル中オキサリプラチン含量

200mg/40mL

性状

pH

4.0~7.0

浸透圧比 (生理食塩液に対する比)

約0.04

性状 (外観)

無色澄明の液

一般的名称

オキサリプラチン点滴静注液

警告

1.
本剤を含むがん化学療法は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ実施すること。適応患者の選択にあたっては、各併用薬剤の添付文書を参照して十分注意すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。

2.
本剤投与後数分以内の発疹、そう痒、気管支痙攣、呼吸困難、血圧低下等を伴うショック、アナフィラキシーが報告されているので、患者の状態を十分に観察し、過敏症状 (気管支痙攣、呼吸困難、血圧低下等) が認められた場合には、本剤の投与を直ちに中止し適切な処置を行うこと。また、回復後は本剤を再投与しないこと (「重要な基本的注意」の項参照)。

3.
本剤はレボホリナート及びフルオロウラシルの静脈内持続投与法等との併用の場合に有用性が認められており、用法・用量を遵守すること。また、本併用療法において致死的な転帰に至る重篤な副作用があらわれることがあるので、患者の状態を十分観察し、異常が認められた場合には、速やかに適切な処置を行うこと。なお、本剤の使用にあたっては、添付文書を熟読のこと。

禁忌

(次の患者には投与しないこと)

1.
機能障害を伴う重度の感覚異常又は知覚不全のある患者
[末梢神経症状が増悪するおそれがある。]

2.
本剤の成分又は他の白金を含む薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者

3.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人 (「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)

効能又は効果

治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌

結腸癌における術後補助化学療法

治癒切除不能な膵癌

**,*胃癌

効能又は効果に関連する使用上の注意

1.
国内での結腸癌の術後補助化学療法に関する検討は行われていない (「臨床成績」の項参照)。

2.
結腸癌の術後補助化学療法においては、臨床試験の投与対象及び病期ごとの結果を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと (「臨床成績」の項参照)。

3.
治癒切除不能な膵癌の場合、患者の病期、全身状態、UGT1A1注)遺伝子多型等について、「臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。
注) イリノテカン塩酸塩水和物の活性代謝物 (SN-38) の主な代謝酵素の一分子種である。

4.
治癒切除不能な膵癌に対して、本剤の術後補助化学療法における有効性及び安全性は確立していない。

用法及び用量

1.
**,*治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌及び結腸癌における術後補助化学療法にはA法又はB法を、治癒切除不能な膵癌にはA法を、胃癌にはB法を使用する。なお、患者の状態により適宜減量する。


A法:他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはオキサリプラチンとして85mg/m2(体表面積) を1日1回静脈内に2時間で点滴投与し、少なくとも13日間休薬する。これを1サイクルとして投与を繰り返す。

B法:他の抗悪性腫瘍剤との併用において、通常、成人にはオキサリプラチンとして130mg/m2(体表面積) を1日1回静脈内に2時間で点滴投与し、少なくとも20日間休薬する。これを1サイクルとして投与を繰り返す。

2.
本剤を5%ブドウ糖注射液に注入し、250~500mLとして、静脈内に点滴投与する。

用法及び用量に関連する使用上の注意

1.
本剤の用法・用量は、「臨床成績」の項の内容を熟知した上で、本剤と併用する他の抗悪性腫瘍剤に応じて選択すること。

2.
結腸癌の術後補助化学療法において、レボホリナート及びフルオロウラシルの静脈内持続投与法との併用では投与期間が12サイクル、カペシタビンとの併用では8サイクルを超えた場合の有効性及び安全性は確立していない (投与経験がない)。

3.
**胃癌の術後補助化学療法において、カペシタビンとの併用では8サイクルを超えた場合の有効性及び安全性は確立していない (投与経験がない)。

4.
国内臨床第I相試験において、単剤では130mg/m2(体表面積) の耐容性が認められているが1)、本剤を単剤で用いた場合は、その有用性は確立していない (「臨床成績」の項参照)2)。

5.
国内臨床第I/II相試験において、本剤は、レボホリナート及びフルオロウラシルの急速静脈内投与法での併用療法は、耐容性が認められているが、その有用性は確立していない (「臨床成績」の項参照)3)。

6.
本剤の調製に際しては、配合変化に注意すること。

(1)
本剤は、錯化合物であるので、他の抗悪性腫瘍剤とは混合調製しないこと。

(2)
本剤は塩化物含有溶液により分解するため、生理食塩液等の塩化物を含む輸液との配合を避けること。

(3)
本剤は塩基性溶液により分解するため、塩基性溶液との混和あるいは同じ点滴ラインを用いた同時投与は行わないこと。

(4)
本剤のような白金化合物は、アルミニウムとの接触により分解することが報告されているため、本剤の調製時あるいは投与時にアルミニウムが用いられている機器 (注射針等) は使用しないこと。

7.
米国の添付文書中には、本剤とホリナート及びフルオロウラシルの静脈内持続投与法との併用療法注1)を行う場合、以下のような投与スケジュール (FOLFOX4法) を2週毎に行うことが推奨されるとの記載がある4)。

第1日目
別々のバッグから5%ブドウ糖注射液250~500mLに溶解した本剤85mg/m2及び5%ブドウ糖注射液に溶解したホリナート200mg/m2 注2)を120分かけて同時に点滴静注する。その後フルオロウラシル400mg/m2を2~4分間で急速静脈内投与し、引き続き5%ブドウ糖注射液500mL (推奨) に溶解したフルオロウラシル600mg/m2を22時間かけて持続静注する。

第2日目
ホリナート200mg/m2 注2)を120分かけて点滴静注し、その後フルオロウラシル400mg/m2を2~4分間で急速静脈内投与、引き続き5%ブドウ糖注射液500mL (推奨) に溶解したフルオロウラシル600mg/m2を22時間かけて持続静注する。

また、米国の添付文書中には、次表の投与可能条件、減量基準の記載がある。

2サイクル目以降の投与可能条件 (投与予定日に確認し、当該条件を満たす状態へ回復するまで投与を延期する)

 減量基準 (前回の投与後に発現した有害事象により判断する)

 注1) 国内において、ホリナート注射剤の「結腸・直腸癌に対するフルオロウラシルの抗腫瘍効果の増強」に関する効能・効果は承認されていない。
注2) レボホリナート100mg/m2に相当する。
注3)「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」の場合はNCI-CTC version 2.0 (1998年)。「結腸癌における術後補助化学療法」の場合はNCI-CTC version 1 (1982年)。
注4)「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」の場合。
注5)「結腸癌における術後補助化学療法」の場合。

8.
カペシタビンとの併用療法 (XELOX法) を行う場合には、次の投与可能条件及び減量基準を参考にすること。
2サイクル目以降の投与可能条件 (投与予定日に確認し、当該条件を満たす状態へ回復するまで投与を延期する)

 減量基準
  

注6) CTCAE version 3.0 (2003年)。

9.
イリノテカン塩酸塩水和物、レボホリナート、フルオロウラシルとの併用療法 (FOLFIRINOX法) を行う場合には、次の投与可能条件、減量基準及び減量時の投与量を参考にすること。
2サイクル目以降の投与可能条件 (投与予定日に確認し、当該条件を満たす状態へ回復するまで投与を延期するとともに、「減量基準」及び「減量時の投与量」を参考に、投与再開時に減量すること。)

 減量基準
前回の投与後にいずれかの程度に該当する副作用が発現した場合は、該当する毎に、以下の減量方法に従って、投与レベルを1レベル減量する (「減量時の投与量」を参考にすること)。また、いずれかの程度に該当する好中球減少又は血小板減少が発現した場合は、以降のフルオロウラシル急速静脈内投与を中止する。
注7) 複数の副作用が発現した場合は、薬剤毎に減量が最大となる基準を適用すること。
注8) CTCAE version 4.0(2009年)。
 
  
 

減量時の投与量 (本剤85mg/m2、イリノテカン塩酸塩水和物180mg/m2、フルオロウラシル持続静注2,400mg/m2で投与を開始した場合)
  

使用上の注意

慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)

1.
骨髄機能抑制のある患者
[骨髄機能抑制が増悪するおそれがある。]

2.
感覚異常又は知覚不全のある患者
[末梢神経症状が増悪するおそれがある。]

3.
重篤な腎機能障害のある患者
[腎機能が低下しているので、副作用が強くあらわれるおそれがある。]

4.
心疾患を有する患者
[心疾患が増悪するおそれがある。]

5.
感染症を合併している患者
[本剤の骨髄機能抑制作用により、感染症が増悪するおそれがある。]

6.
水痘患者
[致命的な全身障害があらわれるおそれがある。]

7.
高齢者 (「高齢者への投与」の項参照)

8.
小児 (「小児等への投与」の項参照)

重要な基本的注意

1.
手、足や口唇周囲部等の感覚異常又は知覚不全 (末梢神経症状) が、本剤の投与直後からほとんど全例にあらわれる。また、咽頭喉頭の絞扼感 (咽頭喉頭感覚異常) があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。患者に対しては、これらの末梢神経症状、咽頭喉頭感覚異常は、特に低温又は冷たいものへの曝露により誘発又は悪化すること、多くは本剤の投与毎にあらわれるが休薬により回復する場合が多いことを十分に説明するとともに、冷たい飲み物や氷の使用を避け、低温時には皮膚を露出しないよう指導すること。

2.
末梢神経症状の悪化や回復遅延が認められると、手、足等がしびれて文字を書きにくい、ボタンをかけにくい、飲み込みにくい、歩きにくい等の感覚性の機能障害 (外国では累積投与量850mg/m2で10%、1,020mg/m2で20%に認められたと報告されている) があらわれることがあるので、患者の状態を十分に観察し、感覚性の機能障害があらわれた場合には減量、休薬、中止等の適切な処置を行うこと。

3.
骨髄機能抑制等の重篤な副作用が起こることがあり、ときに致命的な経過をたどることがあるので、定期的に臨床検査 (血液検査、肝機能検査、腎機能検査等) を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には減量、休薬、中止等の適切な処置を行うこと。

4.
腎障害患者では、本剤の限外ろ過血漿中白金のクリアランスが減少するが、限外ろ過血漿中白金濃度と臨床における安全性及び有効性との薬力学的関係は明確ではない。このため腎障害のある患者に本剤を投与する場合には、観察を十分に行い、発現する副作用に対して適切な処置を行うこと。

5.
気管支痙攣、呼吸困難、血圧低下等の重篤な過敏症状があらわれることがあり、重篤な過敏症状は本剤を複数回投与した後に発現する場合や、本剤の投与から数時間後に発現する場合があるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には直ちに中止し適切な処置を行うこと5) 6)。

6.
感染症、出血傾向の発現又は増悪に十分注意すること。

7.
悪心、嘔吐、食欲不振等の消化器症状がほとんど全例に起こるので、患者の状態を十分に観察し、適切な処置を行うこと。

8.
小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。

9.
**,*治癒切除不能な進行・再発の胃癌に本剤を使用する際には、関連文献 (「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 公知申請への該当性に係る報告書:オキサリプラチン (切除不能進行・再発胃癌) 」等) を熟読すること。

相互作用

併用注意

(併用に注意すること)

薬剤名等 
他の抗悪性腫瘍剤
放射線照射

臨床症状・措置方法
骨髄機能抑制等を増強することがあるので、併用療法を行う場合には、患者の状態を十分に観察し、必要に応じて減量するか又は投与間隔を延長する。

機序・危険因子
併用により殺細胞作用が増強される。

副作用

**,*副作用発生状況の概要

【国内臨床試験】
進行・再発の結腸・直腸癌を対象とした併用投与による第I/II相臨床試験において安全性評価症例18例中18例 (100.0%) に副作用 (臨床検査値の異常を含む) が認められた。主な副作用は、末梢神経症状18例 (100.0%)、食欲不振17例 (94.4%)、好中球減少15例 (83.3%)、血小板減少14例 (77.8%)、悪心14例 (77.8%)、注射部位反応14例 (77.8%)、嘔吐12例 (66.7%)、ALT (GPT)上昇11例 (61.1%)、白血球減少10例 (55.6%)、下痢10例 (55.6%)、AST (GOT) 上昇10例 (55.6%)、疲労8例 (44.4%) であった (承認時)。
進行・再発の結腸・直腸癌を対象としたFOLFOX4法による第I/II相臨床試験 (安全性確認試験) において安全性評価症例38例中38例 (100.0%) に副作用 (臨床検査値の異常を含む) が認められた。主な副作用は、末梢神経症状30例 (78.9%)、白血球減少29例 (76.3%)、疲労26例 (68.4%)、好中球減少24例 (63.2%)、食欲不振24例 (63.2%)、悪心20例 (52.6%)、血小板減少18例 (47.4%)、AST (GOT) 上昇16例 (42.1%) であった (承認時)。
進行・再発の結腸・直腸癌を対象としたXELOX法又はXELOX法とベバシズマブによる第I/II相臨床試験において安全性評価症例64例中64例 (100.0%) に副作用(臨床検査値の異常を含む)が認められた。主な副作用は、末梢神経症状60例 (93.8%)、食欲不振57例 (89.1%)、疲労52例 (81.3%)、悪心49例 (76.6%)、手足症候群49例 (76.6%)、色素沈着38例 (59.4%)、下痢36例 (56.3%)、口内炎35例 (54.7%)、好中球減少33例 (51.6%)、嘔吐27例 (42.2%) であった (承認時)。
化学療法未治療の遠隔転移を有する膵癌を対象としたFOLFIRINOX法による第II相臨床試験において安全性評価症例36例中36例 (100.0%) に副作用 (臨床検査値の異常を含む) が認められた。主な副作用は、好中球減少34例 (94.4%)、白血球減少33例 (91.7%)、血小板減少32例 (88.9%)、悪心32例 (88.9%)、貧血31例 (86.1%)、食欲不振31例 (86.1%)、下痢30例 (83.3%)、末梢神経症状27例 (75.0%)、リンパ球減少24例 (66.7%)、CRP上昇24例 (66.7%)、脱毛24例 (66.7%)、アルブミン減少23例 (63.9%)、体重減少21例 (58.3%)、AST (GOT) 上昇20例 (55.6%)、ALT (GPT) 上昇20例 (55.6%)、口内炎19例 (52.8%)、便秘17例 (47.2%)、味覚異常17例 (47.2%)、LDH上昇16例 (44.4%)、倦怠感16例 (44.4%)、疲労15例 (41.7%)、ナトリウム減少15例 (41.7%) であった (承認時)。
胃癌を対象とした術後補助化学療法としてのXELOX法による第II相臨床試験において安全性評価症例100例中100例 (100.0%) に副作用 (臨床検査値の異常を含む) が認められた。主な副作用は、末梢神経症状94例 (94.0%)、悪心87例 (87.0%)、好中球減少76例 (76.0%)、食欲不振66例 (66.0%)、下痢64例 (64.0%)、手足症候群48例 (48.0%)、注射部位疼痛44例 (44.0%)、血小板減少43例 (43.0%)、疲労43例 (43.0%)、嘔吐40例 (40.0%) であった (承認時)。

【製造販売後調査】
治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌の使用成績調査 (全例調査) において安全性評価症例4,998例中4,296例 (86.0%) に副作用 (臨床検査値の異常を含む) が認められた。主な副作用は、白血球減少2,442例 (48.9%)、末梢神経症状2,274例 (45.5%)、好中球減少2,132例 (42.7%)、悪心2,091例 (41.8%)、血小板減少1,699例 (34.0%)、ヘモグロビン減少 (貧血) 1,324例 (26.5%)、AST (GOT) 上昇1,063例 (21.3%)、嘔吐1,058例 (21.2%)、ALT (GPT) 上昇795例 (15.9%)、下痢687例 (13.7%)、咽頭喉頭感覚異常602例 (12.0%)、口内炎598例 (12.0%) であった (再審査期間終了時)。
治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌を対象としたXELOX法及びXELOX法とベバシズマブによる特定使用成績調査において安全性評価症例366例中301例 (82.2%) に副作用 (臨床検査値の異常を含む) が認められた。主な副作用は、末梢神経症状205例 (56.0%)、手足症候群77例 (21.0%)、好中球減少55例 (15.0%)、血小板減少51例 (13.9%)、下痢51例 (13.9%)、白血球減少47例 (12.8%)、悪心46例 (12.6%)、食欲不振42例 (11.5%)であった (再審査期間終了時)。
結腸癌を対象とした術後補助化学療法としてのFOLFOX法による特定使用成績調査において安全性評価症例1,388例中1,300例 (93.7%) に副作用 (臨床検査値の異常を含む) が認められた。主な副作用は、末梢神経症状1,102例 (79.4%)、好中球減少609例 (43.9%)、悪心299例 (21.5%)、白血球減少292例 (21.0%)、血小板減少273例 (19.7%)、食欲不振252例 (18.2%)、口内炎183例 (13.2%)、倦怠感180例 (13.0%)、アレルギー反応178例 (12.8%)、下痢140例 (10.1%) であった (平成26年3月31日時点)。

なお、以下の「重大な副作用」、「その他の副作用」に示す副作用発現頻度は、承認時までの国内臨床試験 (256例)、使用成績調査 (4,998例)、特定使用成績調査 (1,754例、再審査期間終了時) に基づき算出した。これら国内臨床試験及び製造販売後調査以外にて報告された副作用については頻度不明とした。

重大な副作用

1. **末梢神経症状
手、足や口唇周囲部の感覚異常又は知覚不全 (末梢神経症状:54.4%)、咽頭喉頭の絞扼感 (咽頭喉頭感覚異常:8.8%) があらわれるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。末梢神経症状の悪化や回復遅延が認められると、手、足等がしびれて文字を書きにくい、ボタンをかけにくい、飲み込みにくい、歩きにくい等の感覚性の機能障害 (頻度不明) があらわれることがあるので、観察を十分に行い、感覚性の機能障害があらわれた場合には減量、休薬、中止等の適切な処置を行うこと。

2. ショック、アナフィラキシー
発疹、そう痒、気管支痙攣、呼吸困難、血圧低下等を伴うショック (0.03%)、アナフィラキシー (1.5%) があらわれることがあるので、観察を十分に行い、過敏症状 (気管支痙攣、呼吸困難、血圧低下等) が認められた場合には、投与を直ちに中止し適切な処置を行うこと。

3. 間質性肺炎、肺線維症
間質性肺炎 (0.3%)、肺線維症 (頻度不明) があらわれることがあるので、発熱、咳嗽、呼吸困難等の臨床症状を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止し、胸部X線等の検査を実施するとともに副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

4. **骨髄機能抑制
汎血球減少 (頻度不明)、血小板減少 (30.6%)、白血球減少 (41.3%)、好中球減少 (42.5%)、発熱性好中球減少症 (0.2%)、貧血 (20.7%)があらわれることがあるので、定期的に血液検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量、休薬、中止等の適切な処置を行うこと。

5. 溶血性尿毒症症候群
血小板減少、溶血性貧血、腎不全を主徴とする溶血性尿毒症症候群 (0.01%) があらわれることがあるので、定期的に血液検査及び腎機能検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

6. 薬剤誘発性血小板減少症
免疫学的機序を介した血小板減少症 (頻度不明) があらわれることがあるので、紫斑、鼻出血、口腔粘膜出血等の症状を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

7. 溶血性貧血
免疫学的機序を介したクームス試験陽性の溶血性貧血 (0.01%) があらわれることがあるので、黄疸等の症状を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

8. 視野欠損、視野障害、視神経炎、視力低下
視野欠損 (0.03%)、視野障害 (頻度不明)、視神経炎 (0.01%)、視力低下 (0.01%) 等の視覚障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

9. 血栓塞栓症
血栓塞栓症 (0.3%) があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

10. 心室性不整脈、心筋梗塞
心室性不整脈 (頻度不明)、心筋梗塞 (頻度不明) があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

11. 肝静脈閉塞症
肝静脈閉塞症 (VOD:頻度不明) があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。また、肝静脈閉塞症等の肝障害による門脈圧亢進、脾腫、血小板減少症の発症に注意すること。

12. 急性腎不全
間質性腎炎 (頻度不明)、尿細管壊死 (頻度不明) 等により、急性腎不全 (0.06%) 等の重篤な腎障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、腎機能検査値 (BUN、血清クレアチニン値等) に異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

13. 白質脳症 (可逆性後白質脳症症候群を含む)
白質脳症 (可逆性後白質脳症症候群を含む) (0.03%)があらわれることがあるので、歩行時のふらつき、舌のもつれ、痙攣、頭痛、錯乱、視覚障害等が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

14. 高アンモニア血症
意識障害を伴う高アンモニア血症 (0.07%) があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

15. 横紋筋融解症
横紋筋融解症 (頻度不明) があらわれることがあるので、観察を十分に行い、筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血中及び尿中ミオグロビン上昇等が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎不全の発症に注意すること。

16. 難聴
難聴 (0.07%)、耳鳴 (0.1%)等があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。

17. 感染症
肺炎 (0.3%)、敗血症 (0.1%) 等の感染症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。

18. **肝機能障害
AST (GOT) 上昇 (17.7%)、ALT (GPT) 上昇 (13.6%)、ビリルビン上昇 (1.6%) 等を伴う肝機能障害があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量、休薬、中止等の適切な処置を行うこと。

その他の副作用

精神神経系
0.1%~5%未満 
味覚異常、頭痛、めまい、不眠、神経痛、頭重感、浮動性めまい、コリン作動性症候群

**精神神経系
0.1%未満 
振戦、回転性眩暈、傾眠、うつ病、こわばり、硬直、失神、不安、構語障害、筋骨格硬直、記憶障害、筋骨格系胸痛

**,*精神神経系
頻度不明 
深部腱反射欠損、不全失語症、失調、神経過敏、レルミット徴候、脳神経麻痺、線維束攣縮、不随意性筋収縮、脳神経障害

**消化器
5%以上注1) 
悪心注2)(37.6%)、下痢、嘔吐注2)、食欲不振、口内炎

消化器
0.1%~5%未満 
便秘、しゃっくり、腹痛、胃部不快感、歯肉炎、腸閉塞、上腹部痛、メレナ、胃痛、腹部膨満感、下腹部痛、腹部不快感

**消化器
0.1%未満 
大腸炎、歯周病、胃炎、歯肉出血、粘膜の炎症、歯痛、心窩部不快感、口内乾燥、腹水、齲歯、胃腸障害、肛門周囲痛、鼓腸、膵炎、胃食道逆流性疾患、胃腸音異常、痔核、下部消化管出血、口腔内痛、食道炎

**,*消化器
頻度不明 
直腸炎、しぶり腹、消化不良、歯の異常、腸内ガス、胃重圧感、腸壁気腫症、門脈ガス血症、消化管壊死

腎臓
0.1%~5%未満 
クレアチニン上昇、蛋白尿、BUN上昇、血尿、尿糖

腎臓
0.1%未満 
尿沈渣異常、尿ウロビリノーゲン異常、頻尿、腎機能障害、膀胱炎、側腹部痛

腎臓
頻度不明 
排尿困難、尿失禁、尿量減少

肝臓
0.1%~5%未満 
ALP上昇、γ-GTP上昇、LDH上昇

血液
0.1%~5%未満 
白血球増加

血液
0.1%未満 
プロトロンビン時間延長

血液
頻度不明 
白血球分画の変動、血小板増加

循環器
0.1%~5%未満 
高血圧、低血圧、動悸

循環器
0.1%未満 
ほてり、頻脈

*循環器
頻度不明 
血管障害、上室性不整脈、アダムス・ストークス症候群

**呼吸器
0.1%~5%未満 
呼吸困難、鼻出血、咳嗽、鼻咽頭炎、上気道感染、発声障害、咽頭炎

**呼吸器
0.1%未満 
嗄声、鼻粘膜障害、低酸素症、息切れ、喀血

**,*呼吸器
頻度不明 
肺障害

電解質
0.1%~5%未満 
血清カリウムの異常、血清ナトリウムの異常、血清カルシウムの異常、血清クロールの異常

**電解質
0.1%未満 
血中リン減少


0.1%~5%未満 
流涙

**眼
0.1%未満 
視覚障害、結膜炎、眼球周囲痛、眼のそう痒感、眼乾燥、眼瞼下垂

*眼
頻度不明 
涙器障害、眼の異常感、涙道閉塞、白内障

**皮膚
0.1%~5%未満 
脱毛、手足症候群、色素沈着、潮紅、顔面潮紅、多汗、皮膚乾燥、皮膚剥脱、口唇炎、爪の障害

**皮膚
0.1%未満 
顔面のほてり、爪囲炎、皮膚障害、皮下出血、寝汗、ざ瘡様皮膚炎、ヘルペス性皮膚炎

皮膚
頻度不明 
色素変化、紫斑

過敏症
0.1%~5%未満 
発疹、そう痒症、蕁麻疹、薬物過敏症、紅斑

過敏症
0.1%未満 
アレルギー性鼻炎、気管支痙攣、鼻炎

過敏症
頻度不明 
紅斑性皮疹、血管浮腫

投与部位
0.1%~5%未満 
注射部位反応、血管痛、血管炎、注射部位血管外漏出

その他
5%以上 
倦怠感、疲労

**その他
0.1%~5%未満 
発熱、アルブミン減少、CRP上昇、浮腫、感染、体重減少、総蛋白減少、末梢性浮腫、高血糖、感冒、脱水、コレステロール上昇、関節痛、悪寒、胸部不快感、アミラーゼ上昇、背部痛、四肢痛、筋痛

**その他
0.1%未満 
鼻汁、出血、胸痛、尿路感染、腰痛、CK (CPK) 上昇、熱感、カテーテル関連感染、胸部圧迫感、臀部痛、疼痛、筋脱力、骨痛、代謝性アシドーシス、体重増加、乳汁漏出症

*その他
頻度不明 
代謝障害、膣出血、下肢異常感、戦慄、多臓器不全、腫瘍穿孔

上記表の副作用があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。

注1) 発現率が30%以上の症状には発現率を記載した。
注2) 処置として制吐剤等の投与を行う。

高齢者への投与

高齢者では、一般に生理機能 (骨髄機能、肝機能、腎機能等) が低下しているので、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。[動物実験 (ラット) において着床期胚に対する致死作用及び胎児の発育遅滞が報告されている7)。]

2.
授乳婦に投与する場合には授乳を中止させること。[動物実験 (ラット) で乳汁中への移行が報告されている8)。]

小児等への投与

低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。[使用経験がない。]

過量投与

本剤の過量投与時の解毒剤は知られていない。過量投与時に予期される主な症状は、血小板減少等の骨髄機能抑制、末梢神経症状、悪心、嘔吐、下痢等である。過量投与が行われた場合には症状に応じた支持療法を行うこと。

適用上の注意

1. 調製時

(1)
本剤は15℃以下で保存した場合、結晶を析出することがある。析出した場合は振盪するなどして、溶解させた後に使用すること。

(2)
本剤は細胞毒性を有するため、調製時には手袋を着用することが望ましい。皮膚、眼、粘膜に薬液が付着した場合には、直ちに多量の流水でよく洗い流すこと。

(3)
本剤は、錯化合物であるので、他の抗悪性腫瘍剤とは混合調製しないこと。

(4)
本剤は塩化物含有溶液により分解するため、生理食塩液等の塩化物を含む輸液との配合を避けること。

(5)
本剤は塩基性溶液により分解するため、塩基性溶液との混和あるいは同じ点滴ラインを用いた同時投与は行わないこと。

(6)
本剤のような白金化合物は、アルミニウムとの接触により分解することが報告されているため、本剤の調製時あるいは投与時にアルミニウムが用いられている機器 (注射針等) は使用しないこと。
2. 投与経路
本剤は必ず希釈した後、点滴静脈内投与とし、皮下、筋肉内には投与しないこと。

3. 投与時

(1)
本剤は希釈後、できるだけ速やかに投与すること。

(2)
静脈内投与に際し、薬液が血管外に漏れると、注射部位に硬結・壊死を起こすことがあるので、薬液が血管外に漏れないように慎重に投与すること。

その他の注意

1.
本剤のがん原性試験は実施していないが、細菌を用いた復帰突然変異試験、ほ乳類培養細胞を用いた染色体異常試験及びマウス骨髄細胞を用いた小核試験において、いずれも陽性の結果が報告9)されており、がん原性を有する可能性がある。

2.
単回静脈内投与によるサル安全性薬理試験並びに毒性試験において、9.1mg/kg以上の用量で、投与後QTc延長や心筋壊死が観察されたとの報告がある10)。

3.
欧州などで実施された原発巣治癒切除後のStageII又はIIIの結腸癌を対象とした第III相臨床試験4) 11) 12)において、肝酵素上昇が本剤とホリナート及びフルオロウラシルの静脈内持続投与法との併用療法 (FOLFOX4法) の投与群で57% (629/1,108例)、ホリナート及びフルオロウラシルの静脈内持続投与法 (LV5FU2法) の投与群で34% (379/1,111例)、アルカリホスファターゼ上昇がFOLFOX4投与群で42% (467/1,108例)、LV5FU2投与群で20% (222/1,111例) と、いずれもFOLFOX4投与群で高頻度に発現することが報告されている。

薬物動態

1. 血中濃度

(1) 限外ろ過血漿中白金濃度を用いたPopulation Pharmacokinetics (PPK) 解析13)
結腸・直腸癌患者67例 (単独投与) から得られた626時点の限外ろ過血漿中白金濃度測定値を用いて、薬物動態パラメータに影響を及ぼしうる患者側因子を検討した。限外ろ過血漿中白金濃度を3コンパートメントモデルにて解析した結果、そのクリアランスは、クレアチニンクリアランス (CrCL、mL/min) と相関を示した。
結腸・直腸癌患者18例 (レボホリナート及びフルオロウラシルの急速静脈内投与法との併用投与) から得られた108時点の限外ろ過血漿中白金濃度測定値を用いて、レボホリナート及びフルオロウラシルとの併用の影響を検討した結果、中心コンパートメント分布容積に影響が認められた。
単独投与67例とレボホリナート及びフルオロウラシルとの併用投与18例を合わせた85例から得られた、計734点の限外ろ過血漿中白金濃度データについて、薬物動態パラメータに影響を及ぼしうる患者因子を組み込んだ3コンパートメントモデルに、レボホリナート及びフルオロウラシルとの併用の影響を組み込んだモデルにて解析した結果は次表のとおりであった。

(薬物動態の表1参照)

例えば、肝転移のない65歳未満の男性患者 (想定CrCL=100mL/min) に85mg/m2で本剤とレボホリナート及びフルオロウラシルを併用した場合、限外ろ過血漿中白金の薬物動態パラメータはCL=3.83(L/hr/m2)、V1=9.7(L/m2)、VSS=658 (L/m2)、t1/2α=0.26 (hr)、t1/2β=27.6 (hr)、t1/2γ=392 (hr)、Tmax=2.0 (hr)、Cmax=931 (ng/mL)、AUC=10.9 (μg・hr/mL) と算出される。

  
(2) 腎機能障害を有する成人癌患者の薬物動態試験 (外国人における成績)14)
成人癌患者29例の腎機能を、クレアチニンクリアランスを指標として≧60mL/min、40~59mL/min、20~39mL/min、<20mL/minに分類した際の、本剤単独投与時 (60~130mg/m2) 限外ろ過血漿中白金のAUCは次表のとおりであった。

(薬物動態の表2参照)

2. 分布

参考 (動物実験)15)
ラットに14C-標識体7mg/2MBq/kgを単回静脈内投与し、投与後504時間まで経時的に組織内放射能濃度を測定した。投与後15分では腎の放射能濃度が最も高かった。各組織のT1/2は130時間以上であり、いずれも血漿のT1/2(約36時間) より長かった。

3. 代謝 (生体内変換)16)
生体内におけるオキサリプラチンの活性体変換は非酵素的な物理化学的過程を経て起こる (生体内変換)。ヒトにおいてオキサリプラチンの血漿中主生体内変換体はジクロロ1, 2-ジアミノシクロヘキサン (DACH) 白金、モノアクオモノクロロDACH白金、ジアクオDACH白金であった。

4. 排泄
日本人の固形癌患者6例に本剤130mg/m2を2時間点滴投与した際の投与後24時間までの尿中排泄率は、全白金量33.9±8.8% (平均±標準偏差) であった1)。
外国人の消化器癌患者5例に本剤130mg/m2を2時間点滴投与し、48時間後からフルオロウラシル300mg/m2/日を12週間点滴静注した際の投与後120時間までの尿中排泄率及び糞中排泄率は、それぞれ全白金量の53.8±9.1%及び2.1±1.9% (いずれも平均±標準偏差) であった17)。

薬物動態の表1 限外ろ過血漿中白金の母集団平均パラメータ

 

CL(L/hr/m2 3.00+0.00827×CrCL 
  肝転移のある場合    1.13×CL 
  女性の場合    1.09×CL 
V1(L/m2   7.70 
  65歳以上の場合    1.22×V1
  レボホリナート及びフルオロウラシルを併用した場合    1.26×V1
Vss(L/m2 656 (レボホリナート及びフルオロウラシル併用の場合 658) 

CL: クリアランス、V1: 中心コンパートメント分布容積、Vss: 定常状態の分布容積

薬物動態の表2 クレアチニンクリアランス別の本剤単独投与時限外ろ過血漿中白金のAUC

 

 
クレアチニンクリアランス  投与量注) 症例数  AUC(μg・hr/mL) 
≧60mL/min  130mg/m2 11  16.4±5.02 
40~59mL/min  105mg/m2 32.7±16.2 
40~59mL/min  130mg/m2 39.7±11.5 
20~39mL/min  80mg/m2 29.5 
20~39mL/min  105mg/m2 42.0±1.25 
20~39mL/min  130mg/m2 44.6±14.6 
<20mL/min  60mg/m2 32.2 

 

※ 平均±標準偏差
注) 本剤の承認された1回用量は、85mg/m2(体表面積) 又は130mg/m2(体表面積) である (「用法及び用量」の項参照)。
臨床成績
【進行・再発の結腸・直腸癌に対する臨床成績】
FOLFOX4法等
(外国で実施された第III相臨床試験)
米国及び欧州で実施された、5つの第III相臨床試験における臨床成績は次表のとおりであった。
(臨床成績の表1参照)
(国内で実施された第I/II相臨床試験)
国内で実施された、併用第I/II相臨床試験の推奨投与量での成績は次表のとおりであった。
(臨床成績の表2参照)
XELOX法及びXELOX法とベバシズマブ併用療法
(外国で実施された第III相臨床試験)
米国及び欧州で実施された、2つの第III相臨床試験における臨床成績は次表のとおりであった。
(臨床成績の表3参照)
(国内で実施された第I/II相臨床試験)
国内で実施された、併用第I/II相臨床試験の推奨投与量での成績は次表のとおりであった。
(臨床成績の表4参照)
単独療法
(国内で実施された第II相臨床試験)
国内で実施された、本剤単独療法の成績は次表のとおりであった。
(臨床成績の表5参照)
【結腸癌における術後補助化学療法の臨床成績】
FOLFOX4法
(外国で実施された第III相臨床試験)
欧州などで実施された、原発巣治癒切除後のStageII又はIIIの結腸癌 (直腸S状部癌を含む) を対象とした第III相臨床試験におけるホリナート及びフルオロウラシルの静脈内持続投与法 (LV5FU2法) 並びに本剤とホリナート及びフルオロウラシルの静脈内持続投与法との併用療法 (FOLFOX4法) の成績は次表のとおりであった。

 
 注1) 本剤85mg/m2(体表面積) を第1日に、ホリナート200mg/m2(体表面積)、フルオロウラシル急速静脈内投与400mg/m2(体表面積)、フルオロウラシル静脈内持続投与600mg/m2(体表面積) をそれぞれ第1、2日に投与することを2週毎に繰り返す(12サイクル)。
注2) log-rank検定。
XELOX法
(外国で実施された第III相臨床試験)
欧州などで実施された、原発巣治癒切除後のStageIIIの結腸癌 (直腸S状部癌を含む) を対象とした第III相臨床試験におけるホリナート及びフルオロウラシルの静脈内投与法 (5-FU/LV法) 並びに本剤とカペシタビンとの併用療法 (XELOX法) の成績は次表のとおりであった。

 
 注1) 本剤130mg/m2(体表面積) を第1日に点滴投与し、カペシタビン1,000mg/m2を1日2回14日間連日経口投与することを3週毎に繰り返す (8サイクル)。
注2) ホリナート急速静脈内投与20mg/m2(体表面積)、フルオロウラシル急速静脈内投与425mg/m2(体表面積) をそれぞれ第1~5日に投与することを4週毎に繰り返し、6サイクル行う。または、ホリナート静脈内点滴投与500mg/m2(体表面積)、フルオロウラシル急速静脈内投与500mg/m2(体表面積) をそれぞれ1~6週の第1日に投与することを8週毎に繰り返す (4サイクル)。
注3) log-rank検定。
【膵癌に対する臨床成績】
FOLFIRINOX法
(外国で実施された第II/III相臨床試験)
欧州で実施された、化学療法未治療の遠隔転移を有する膵癌を対象とした第II/III相臨床試験におけるFOLFIRINOX法群 (1サイクルを2週間として第1日目に本剤85mg/m2、ホリナート400mg/m2、イリノテカン塩酸塩水和物180mg/m2を点滴静注し、引き続きフルオロウラシル400mg/2を急速静脈内投与、フルオロウラシル2,400mg/2を46時間かけて持続静注) とゲムシタビン塩酸塩 (GEM) 単独投与群 (GEM 1,000mg/m2の週1回点滴投与を7週連続し、8週目は休薬する。その後は、週1回点滴投与を3週連続し、4週目は休薬として、これを4週毎に繰り返す) の中間解析時の成績は次表のとおりであった25)26)。対象患者はECOG注1)Performance status 0及び1であった。登録において2つの遺伝子多型 (UGT1A1*6、UGT1A1*28 ) に関する基準は設定されなかった。また、登録時の選択基準として、好中球数 (1,500/mm3以上)、総ビリルビン値 (施設基準値上限の1.5倍以下) 等が設定された。


 注1) Eastern Cooperative Oncology Group。
注2) log-rank検定。
(国内で実施された第II相臨床試験)
国内で実施された、化学療法未治療の遠隔転移を有する膵癌を対象とした第II相臨床試験におけるFOLFIRINOX法 (1サイクルを2週間として第1日目に本剤85mg/m2、レボホリナート200mg/m2、イリノテカン塩酸塩水和物180mg/m2を点滴静注し、引き続きフルオロウラシル400mg/m2を急速静脈内投与、フルオロウラシル2,400mg/m2を46時間かけて持続静注) の成績は次表のとおりであった27)。対象患者はECOG Performance status 0及び1であった。2つの遺伝子多型 (UGT1A1*6 、UGT1A1*28 ) について、いずれかをホモ接合体 (UGT1A1*6/*6 、UGT1A1*28/*28 ) 又はいずれもヘテロ接合体(UGT1A1*6/*28 )としてもつ患者は除外された。また、1サイクル目の投与可能条件として、好中球数 (2,000/mm3以上)、総ビリルビン値 (施設基準値上限以下) 等が設定された。

(臨床成績の表6参照)

**【胃癌における術後補助化学療法の臨床成績】
XELOX法
(外国で実施された第III相臨床試験)
韓国などで実施された、原発巣治癒切除後のStageII、IIIの胃癌を対象とした第III相臨床試験におけるXELOX法の成績は次表のとおりであった。

 
 注1) 本剤130mg/m2(体表面積) を第1日に点滴投与し、カペシタビン1,000mg/m2を1日2回14日間連日経口投与することを3週毎に繰り返す(8サイクル)。
注2) 層別多変量Cox比例ハザードモデル。
臨床成績の表1
 

疾患名  奏効率
(有効例/適格例) 
無増悪生存期間
中央値 
生存期間
中央値 
化学療法未治療の進行・再発の結腸・直腸癌 (米国)4) 18) 注1) 45.2%
(95/210) 
8.7か月  19.5か月 
化学療法未治療の進行・再発の結腸・直腸癌 (欧州)19) 注1) 50.0%
(105/210) 
8.2か月  16.2か月 
化学療法未治療の進行・再発の結腸・直腸癌 (米国及び欧州)20) 注1、2) 49.0%
(304/620) 
241.0日
(7.9か月) 
565.0日
(18.6か月) 
化学療法既治療の進行・再発の結腸・直腸癌 (米国)4) 21) 注1) 9.9%
(15/152) 
4.6か月  - 
化学療法既治療の進行・再発の結腸・直腸癌 (米国及び欧州)22) 注1) 20.2%
(51/252) 
168.0日
(5.5か月) 
402.0日
(13.2か月) 

注1) 本剤85mg/m2(体表面積) を第1日に、ホリナート200mg/m2(体表面積)、フルオロウラシル急速静脈内投与400mg/m2(体表面積)、フルオロウラシル静脈内持続投与600mg/m2(体表面積) をそれぞれ第1、2日に投与することを2週毎に繰り返す (FOLFOX4法)。
注2) FOLFOX4法群とFOLFOX4法+プラセボ群を合わせた成績。

臨床成績の表2

 

 
疾患名  奏効率 (有効例/適格例) 
化学療法未治療の進行・再発の結腸・直腸癌3) 注1) 64.3% (9/14) 

注1) 本剤85mg/m2(体表面積) を第1、15日に、フルオロウラシル急速静脈内投与400mg/m2(体表面積) 及びレボホリナート250mg/m2(体表面積) を第1、8、15日に投与し、13日間休薬する方法。

臨床成績の表3

 

 
疾患名  奏効率
(有効例/適格例) 
無増悪生存期間
中央値 
生存期間
中央値 
化学療法未治療の進行・再発の結腸・直腸癌 (米国及び欧州)20) 注1、2) 47.0%
(296/630) 
220.0日
(7.2か月) 
572.0日
(18.8か月) 
化学療法未治療の進行・再発の結腸・直腸癌 (米国及び欧州)20) 注3) 45.7%
(160/350) 
282.0日
(9.3か月) 
650.0日
(21.4か月) 
化学療法既治療の進行・再発の結腸・直腸癌 (米国及び欧州)22) 注1) 23.1%
(58/251) 
154.0日
(5.1か月) 
393.0日
(12.9か月) 

注1) 本剤130mg/m2(体表面積) を第1日に点滴投与し、カペシタビン1,000mg/m2を1日2回14日間連日経口投与することを3週毎に繰り返す (XELOX法)。
注2) XELOX法群とXELOX法+プラセボ群を合わせた成績。
注3) 本剤130mg/m2(体表面積)、ベバシズマブ7.5mg/kg (体重) を第1日に点滴投与し、カペシタビン1,000mg/m2を1日2回14日間連日経口投与することを3週毎に繰り返す (XELOX法とベバシズマブ併用療法)。

臨床成績の表4

 

 
疾患名  奏効率 (有効例/適格例) 
化学療法未治療の進行・再発の結腸・直腸癌23) 注1) 66.7% (4/6) 
化学療法未治療の進行・再発の結腸・直腸癌23) 注2) 71.9% (41/57) 
注1) 本剤130mg/m2(体表面積) を第1日に点滴投与し、カペシタビン1,000mg/m2を1日2回14日間連日経口投与することを3週毎に繰り返す (XELOX法)。
注2) 本剤130mg/m2(体表面積)、ベバシズマブ7.5mg/kg (体重) を第1日に点滴投与し、カペシタビン1,000mg/m2を1日2回14日間連日経口投与することを3週毎に繰り返す (XELOX法とベバシズマブ併用療法)。

臨床成績の表5

 

 
疾患名  奏効率
(有効例/適格例) 
生存期間
中央値 
フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍薬で治療抵抗性を示した進行・再発の結腸・直腸癌2) 注1) 8.8%
(5/57) 
338日
(11.1か月) 

注1) 本剤130mg/m2(体表面積) を点滴投与することを3週毎に繰り返す。

臨床成績の表6

 

 
疾患名  奏効率 (有効例/適格例) 
化学療法未治療の遠隔転移を有する膵癌  38.9%(14/36) 

薬効薬理

1. **抗腫瘍効果30) 31)

ヒト大腸癌由来SW480、HCT116、SW620及びHT-29細胞株、ヒト膵癌由来PANC-1、MIA PaCa-2及びSW1990細胞株、ヒト胃癌由来AGS、MKN1、MKN45、MKN74及びNCI-N87細胞株 (in vitro ) 並びにヌードマウス移植可ヒトHT-29及びMKN45細胞株において、強い抗腫瘍効果が認められた。

2. 作用機序

ヒトにおいてオキサリプラチンは、生体内変換体 (ジクロロ1,2-ジアミノシクロヘキサン(DACH)白金、モノアクオモノクロロDACH白金、ジアクオDACH白金) を形成し、癌細胞内のDNA鎖と共有結合することでDNA鎖内及び鎖間の両者に白金-DNA架橋を形成する。これらの架橋がDNAの複製及び転写を阻害する。

有効成分に関する理化学的知見

一般的名称:
オキサリプラチン (JAN) Oxaliplatin

化学名:
(SP -4-2)-[(1R , 2R )-Cyclohexane-1,2-diamine-κN , κN '][ethanedioato (2-)-κO1, κO2]platinum

構造式:
   

分子式:
C8H14N2O4Pt

分子量:
397.29

性状:
白色の結晶性の粉末である。
水に溶けにくく、メタノールに極めて溶けにくく、エタノール (99.5) にほとんど溶けない。

旋光度:
[α]20D: +74.5~+78.0゜(乾燥物に換算したもの0.250g、水、50mL、100mm)

取扱い上の注意

1.
薬液が皮膚に付着した場合には、直ちに石鹸及び多量の流水で洗い流すこと。

2.
包装開封後もバイアルを箱に入れて保存すること。

3.
15℃以下での保存は推奨されない。

包装

エルプラット点滴静注液50mg 1バイアル

エルプラット点滴静注液100mg 1バイアル

エルプラット点滴静注液200mg 1バイアル

主要文献及び文献請求先

主要文献

1)
Shirao K, et al: Jpn J Clin Oncol 36: 295-300, 2006.

2)
Boku N, et al: Jpn J Clin Oncol 37: 440-445, 2007.

3)
Yamada Y, et al: Jpn J Clin Oncol 36: 218-223, 2006.

4)
米国添付文書

5)
審査報告書

6)
Larzilliere I, et al: Am J Gastroenterol 94: 3387-3388, 1999.

7)
生殖毒性試験 (社内資料).

8)
ラット乳汁移行試験 (社内資料).

9)
遺伝毒性試験 (社内資料).

10)
サル心毒性に関する試験 (社内資料).

11)
, et al: N Engl J Med 350: 2343-2351, 2004.

12)
, et al: J Clin Oncol 27: 3109-3116, 2009.

13)
薬物動態 (母集団薬物動態解析) (社内資料).

14)
Takimoto CH, et al: J Clin Oncol 21: 2664-2672, 2003.

15)
ラット組織分布試験 (社内資料).

16)
Graham MA, et al: Clin Cancer Res 6: 1205-1218, 2000.

17)
外国成人癌患者を対象とした臨床薬理試験 (社内資料).

18)
Goldberg RM, et al: J Clin Oncol 22: 23-30, 2004.

19)
de Gramont A, et al: J Clin Oncol 18: 2938-2947, 2000.

20)
化学療法未治療例を対象とした第III相臨床試験 (社内資料).

21)
Rothenberg ML, et al: J Clin Oncol 21: 2059-2069, 2003.

22)
化学療法既治療例を対象とした第III相臨床試験 (社内資料).

23)
Doi T, et al: Jpn J Clin Oncol 40: 913-920, 2010.

24)
Haller DG, et al: J Clin Oncol 29: 1465-1471, 2011.

25)
Conroy T, et al: N Engl J Med  364: 1817-1825, 2011.

26)
膵癌FOLFIRINOX法に関する資料 (社内資料).

27)
**Okusaka T, et al: Cancer Sci 105: 1321-1326, 2014.

28)
**Yung JB, et al: Lancet 379: 315-321, 2012.

29)
**Sung HN, et al: Lancet Oncol 15: 1389-1396, 2014.

30)
In vitro 薬効薬理試験 (社内資料).

31)
In vivo 薬効薬理試験 (社内資料).

文献請求先

主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい。

株式会社ヤクルト本社 医薬安全性情報部
医薬学術部 くすり相談室

〒104-0061 東京都中央区銀座7-16-21 銀座木挽ビル

電話: 0120-589601

FAX: 03-3544-8081

製造販売業者等の氏名又は名称及び住所

製造販売元
株式会社ヤクルト本社

〒104-0061 東京都中央区銀座7-16-21 銀座木挽ビル 

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