CHLOROMYCETIN TABLETS(Chloramphenicol)氯霉素,クロロマイセチン錠50/クロロマイセチン錠250
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作成又は改訂年月
**2016年3月改訂(第10版)
*2009年9月改訂
日本標準商品分類番号
876151
日本標準商品分類番号等
再評価結果公表年月(最新)
2004年9月
薬効分類名
抗生物質製剤
承認等
販売名
クロロマイセチン錠50
販売名コード
6151001F1030
承認・許可番号
承認番号
*22100AMX01121
商標名
CHLOROMYCETIN TABLETS
薬価基準収載年月
*2009年9月
販売開始年月
*2009年9月
貯法・使用期限等
貯法
室温保存
使用期限
包装に表示の使用期限内に使用すること。
規制区分
処方箋医薬品※
※注意-医師等の処方箋により使用すること
組成
1錠中に次の成分を含有
有効成分
クロラムフェニコール(日局) 50mg(力価)
添加物
デキストリン、カルメロースカルシウム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、結晶セルロース、ゼラチン、無水リン酸水素カルシウム、酸化チタン、アラビアゴム末、ポビドン、沈降炭酸カルシウム、グリセリン脂肪酸エステル、青色一号、黄色五号、青色一号アルミニウムレーキ、赤色三号アルミニウムレーキ、カルナウバロウ、精製白糖
性状
剤形
糖衣錠
色
暗赤褐色
外形

直径(mm)
7.2
厚さ(mm)
3.7
重さ(mg)
150
識別コード
SANKYO
607
販売名
クロロマイセチン錠250
販売名コード
6151001F2053
承認・許可番号
承認番号
*22100AMX01122
商標名
CHLOROMYCETIN TABLETS
薬価基準収載年月
*2009年9月
販売開始年月
*2009年9月
貯法・使用期限等
貯法
室温保存
使用期限
包装に表示の使用期限内に使用すること。
規制区分
処方箋医薬品※
※注意-医師等の処方箋により使用すること
組成
1錠中に次の成分を含有
有効成分
クロラムフェニコール(日局) 250mg(力価)
添加物
デキストリン、カルメロースカルシウム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、結晶セルロース、ゼラチン、無水リン酸水素カルシウム、酸化チタン、アラビアゴム末、ポビドン、沈降炭酸カルシウム、グリセリン脂肪酸エステル、青色一号、黄色五号、青色一号アルミニウムレーキ、赤色三号アルミニウムレーキ、カルナウバロウ、精製白糖
性状
剤形
糖衣錠
色
暗赤褐色
外形
直径(mm)
10.6
厚さ(mm)
5.7
重さ(mg)
480
識別コード
SANKYO
609
一般的名称
クロラムフェニコール錠
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
1.
造血機能の低下している患者[クロラムフェニコール投与後に再生不良性貧血、顆粒球減少、血小板減少等の重篤で致命的な血液障害の発生が報告されている。]
2.
低出生体重児、新生児[クロラムフェニコール過量投与によりGray syndromeが発症し、その予後が重篤である。](「小児等への投与」の項参照)
3.
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
4.
骨髄抑制を起こす可能性のある薬剤を投与中の患者(「相互作用」の項参照)
効能又は効果
効能又は効果/用法及び用量
〈適応菌種〉
本剤に感性のブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌属、淋菌、髄膜炎菌、大腸菌、サルモネラ属、チフス菌、パラチフス菌、クレブシエラ属、プロテウス属、モルガネラ・モルガニー、インフルエンザ菌、軟性下疳菌、百日咳菌、野兎病菌、ガス壊疽菌群、リケッチア属、トラコーマクラミジア(クラミジア・トラコマティス)
〈適応症〉
表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷及び手術創等の二次感染、乳腺炎、骨髄炎、咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、膿胸、慢性呼吸器病変の二次感染、膀胱炎、腎盂腎炎、尿道炎、淋菌感染症、軟性下疳、性病性(鼠径)リンパ肉芽腫、腹膜炎、感染性腸炎、腸チフス、パラチフス、子宮内感染、子宮付属器炎、涙嚢炎、角膜炎、中耳炎、副鼻腔炎、歯周組織炎、歯冠周囲炎、猩紅熱、百日咳、野兎病、ガス壊疽、発疹チフス、発疹熱、つつが虫病
クロラムフェニコールとして通常成人1日1.5~2g(力価)を3~4回に分割経口投与する。
小児には1日体重1kgあたり30~50mg(力価)を3~4回に分割経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
用法及び用量に関連する使用上の注意
本剤の使用にあたっては、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。[耐性菌の発現等を防ぐ。]
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
肝・腎機能障害のある患者[クロラムフェニコールの血中濃度が高くなるため、副作用発現の危険性が増加する。]
2.
経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者(ビタミンK欠乏症状があらわれることがあるので観察を十分に行うこと)[抗生物質投与中にビタミンK欠乏による出血傾向を認めた症例が報告されている。]
3.
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
相互作用
本剤は、CYP2C19の阻害作用がある(「薬物動態」の項参照)。
併用禁忌
(併用しないこと)
1.
薬剤名等
骨髄抑制を起こす可能性のある薬剤
臨床症状・措置方法
骨髄抑制作用が増強されることがある。
機序・危険因子
本剤の副作用で、重篤な血液障害が報告されている。
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
クマリン系抗凝血剤
ワルファリン
臨床症状・措置方法
クマリン系抗凝血剤の作用を増強させることがあるので、併用する場合には凝固能の変動に十分注意しながら投与すること。
機序・危険因子
機序は不明だが本剤がこれらの肝薬物代謝酵素を阻害すると考えられている。
2. 薬剤名等
スルホニル尿素系経口血糖降下薬
トルブタミド、クロルプロパミド等
スルホンアミド系経口血糖降下薬
グリブゾール等
インスリン製剤
臨床症状・措置方法
経口血糖降下薬、インスリン製剤の血糖降下作用を増強させることがあるので、併用する場合には、血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること。
機序・危険因子
本剤がこれらの肝薬物代謝酵素を阻害すると考えられている。
3. 薬剤名等
リファンピシン
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が減少することがある。
機序・危険因子
リファンピシンが肝薬物代謝酵素を誘導し、本剤の代謝を亢進すると考えられている。
4. 薬剤名等
シクロホスファミド水和物
臨床症状・措置方法
シクロホスファミド水和物の作用を減弱させることがある。
機序・危険因子
本剤がシクロホスファミド水和物の肝薬物代謝酵素を阻害し、シクロホスファミド水和物活性代謝物の生成を減少させると考えられている。
5. 薬剤名等
メトトレキサート
臨床症状・措置方法
メトトレキサートの作用を増強させるおそれがある。
機序・危険因子
本剤がメトトレキサートと血漿中蛋白結合部位で置換し、遊離型血漿中メトトレキサート濃度が上昇すると考えられている。
6. 薬剤名等
バルビツール酸誘導体
フェノバルビタール等
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が減少することがある。
機序・危険因子
バルビツール酸誘導体が肝薬物代謝酵素を誘導し、本剤の代謝を亢進すると考えられている。
7. 薬剤名等
シクロスポリン
臨床症状・措置方法
シクロスポリンの血中濃度を上昇させることがある。
機序・危険因子
機序は不明だが本剤がシクロスポリンの肝薬物代謝酵素を阻害すると考えられている。
副作用
副作用等発現状況の概要
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
重大な副作用
1. 再生不良性貧血
頻度不明
再生不良性貧血があらわれることがあるので、血液検査を行うなど、観察を十分に行い、血液に異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2. Gray syndrome
頻度不明
(「小児等への投与」の項参照)
3. 視神経炎、末梢神経炎
頻度不明
長期投与により、視神経炎又は末梢神経炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、視覚の異常、四肢のしびれや異常感等が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
その他の副作用
1. 血液注1)
頻度不明
顆粒球減少、血小板減少症
2. 肝臓
頻度不明
肝障害
3. 消化器
頻度不明
胃部圧迫感、悪心、嘔吐、軟便、下痢、腸炎
4. 過敏症注2)
頻度不明
過敏症状
5. 菌交代症注3)
頻度不明
菌交代症
6. ビタミン欠乏症
頻度不明
ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)
ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)
注1)血液検査を行うなど、観察を十分に行い、血液に異常が認められた場合には投与を中止すること。
注2)投与を中止すること。
注3)投与を中止すると共に適切な処置をとること。
高齢者への投与
高齢者には、次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
(1)
高齢者では生理機能が低下していることが多く副作用が発現しやすい。
(2)
高齢者ではビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上まわると判断される場合にのみ投与すること。[動物実験(家兎)で流早産、胎仔の生存率の低下等の胎仔毒性が報告1)されている。]
2.
授乳期及び妊娠末期の婦人に投与する必要がある場合には、乳汁又は胎児への移行を考慮すること。
小児等への投与
低出生体重児、新生児には投与しないこと。[Gray syndrome(腹部膨張に始まる嘔吐、下痢、皮膚蒼白、虚脱、呼吸停止等)があらわれる。]
適用上の注意
薬剤交付時:
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜に刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。)
薬物動態
1. 血中濃度2)
経口投与で消化管からよく吸収され、短時間で有効血中濃度に達する。健康成人1回500mg(力価)を経口投与した場合の薬物動態は下表のとおりである。
(表1参照)
2. 薬物代謝酵素3)
ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro 代謝阻害試験において、チトクロームP450各分子種(CYP1A1&2、2A6、2B6、2C8&9、2C19、2D6、2E1、3A4)の基質となる薬物の代謝に対する、クロラムフェニコールの阻害率を検討した。その結果、CYP2C19(基質:S-メフェニトイン)のみ阻害作用が見られた。
3. 血清蛋白結合率4)
57%(セロファンバッグ透析法)
表1
投与量 |
Tmax
(hr) |
Cmax
(μg/mL) |
AUC(0-12hr)
(μg・hr/mL) |
500mg(力価) |
1.9±0.23 |
7.2±0.37 |
36.3±2.36 |
n=15 mean±SE
薬効薬理
1. 抗菌作用5)
広範囲の抗菌スペクトルを有し、グラム陽性・陰性菌、レプトスピラ属、リケッチア属、トラコーマクラミジア(クラミジア・トラコマティス)に作用するが、特に赤痢菌、サルモネラ菌などのグラム陰性桿菌や発疹チフスリケッチア、オリエンチア・ツツガムシなどのリケッチア属に対して強い作用を示す。
2. 作用機序5)
蛋白合成阻害で、静菌的に作用する。
有効成分に関する理化学的知見
1. 一般名
クロラムフェニコール(Chloramphenicol)
2. 略号
CP
3. 化学名
2,2-Dichloro-N -[(1R ,2R )-1,3-dihydroxy-1-(4-nitrophenyl)propan-2-yl]acetamide
4. 分子式
C11H12Cl2N2O5
5. 分子量
323.13
6. 構造式
7. 性状
白色~黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。
メタノール又はエタノール(99.5)に溶けやすく、水に溶けにくい。
8. 分配係数
(分配係数の表参照)
分配係数の表
pH |
1.2(日局、第1液) |
6.8(日局、第2液) |
分配係数(log Pow) |
1.1 |
1.2 |
Pow=(オクタノール相のクロラムフェニコール濃度/水相のクロラムフェニコール濃度)
(フラスコ振とう法)
包装
クロロマイセチン錠50 (PTP)100錠
クロロマイセチン錠250 (PTP)100錠
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
国井勝昭:Jpn J Antibiot. 1970;23(4):353-362
2)
三上次郎ほか:薬理と治療 1975;3(10):1862-1866
3)
**社内資料:代謝に関与するチトクロームP450分子種
4)
真下啓明ほか:日本化学療法学会雑誌(Chemotherapy)1956;4(3):126-127
5)
**第十六改正日本薬局方解説書 廣川書店 2011:C1494-1497
文献請求先・製品情報お問い合わせ先
主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。
第一三共株式会社 製品情報センター
〒103-8426 東京都中央区日本橋本町3-5-1
TEL:0120-189-132
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
製造販売元
第一三共株式会社
東京都中央区日本橋本町3-5-1