Irricolon M Tablets(Pipethanate Hydrochloride)**イリコロンM配合錠
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作成又は改訂年月
**2009年7月改訂(第5版、販売名変更に伴う改訂)
*2005年5月改訂
日本標準商品分類番号
872399
日本標準商品分類番号等
再評価結果公表年月(最新)
1985年7月
薬効分類名
ストレス胃腸病治療剤
承認等
販売名
**イリコロンM配合錠
販売名コード
2399100F1057
承認・許可番号
承認番号
**22100AMX01750000
商標名
Irricolon M Tablets
薬価基準収載年月
**2009年9月
販売開始年月
1962年3月
貯法・使用期限等
貯法
湿気を避けて室温保存
使用期限
外箱に表示
組成
組成
本剤は1錠中、ピペタナート塩酸塩1.5mg及びアカメガシワエキス70.0mgを含有する。
添加物
乳糖水和物、トウモロコシデンプン、結晶セルロース、マクロゴール6000、ステアリン酸マグネシウム、精製白糖、沈降炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、タルク、アラビアゴム末、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、ポリオキシエチレン(160)ポリオキシプロピレン(30)グリコール、ポリビニルアセタールジエチルアミノアセテート、硬化油、カルナウバロウ、黄色三二酸化鉄を含有する。
性状
性状
本剤は淡黄色のやや平たいだ円形の糖衣錠である。
表

裏

側面

識別コード

直径(mm)
11.7
短径(mm)
7.3
厚さ(mm)
5.1
重量(mg)
376
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
1.
緑内障のある患者
[眼圧が上昇し、症状を悪化させるおそれがある。]
2.
前立腺肥大による排尿障害のある患者
[排尿が困難となり、症状を悪化させるおそれがある。]
3.
重篤な心疾患のある患者
[心臓の仕事量が増加し、症状を悪化させるおそれがある。]
4.
麻痺性イレウスの患者
[消化管運動を低下させるため、症状を悪化させるおそれがある。]
効能又は効果
効能又は効果/用法及び用量
過敏大腸症(イリタブルコロン)
用法及び用量
通常成人1回2錠を1日3回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
前立腺肥大のある患者
[症状を悪化させるおそれがある。]
2.
甲状腺機能亢進症のある患者
[症状を悪化させるおそれがある。]
3.
うっ血性心不全のある患者
[症状を悪化させるおそれがある。]
4.
不整脈のある患者
[症状を悪化させるおそれがある。]
5.
潰瘍性大腸炎のある患者
[中毒性巨大結腸があらわれることがある。]
6.
高温環境にある患者
[汗腺作用の抑制により急激に体温が上昇するおそれがある。]
重要な基本的注意
視調節障害、眠気を起こすことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に注意させること。(ピペタナート塩酸塩を含有するため)
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
薬剤名等
三環系抗うつ剤
フェノチアジン系薬剤
モノアミン酸化酵素阻害剤
臨床症状・措置方法
抗コリン作用に基づく副作用があらわれるおそれがある。
機序・危険因子
本剤の抗コリン作用を増強させるおそれがある。
副作用
副作用等発現状況の概要
総症例1,458例中28例(1.92%)に副作用がみられ、主なものは眠気5例(0.34%)、悪心、便秘各3例(0.21%)、腹鳴、発疹各2例(0.14%)で半数以上は胃腸症状であった。血液・尿所見、肝・腎機能にも特記すべき異常は認めていない。(再評価結果時)
その他の副作用
1. 眼注1)
頻度不明
視調節障害、眼内圧亢進、散瞳等
2. 精神神経系
0.1~1%未満
眠気
3. 精神神経系
0.1%未満
眩暈
4. 精神神経系
頻度不明
頭痛、頭重等
5. 消化器
0.1~1%未満
悪心・嘔吐、腹部膨満・不快感、便秘
6. 消化器
0.1%未満
口渇
7. 消化器
頻度不明
食欲不振、胸やけ等
8. 循環器
0.1%未満
心悸亢進等
9. 皮膚注2)
0.1~1%未満
発疹等の過敏症状
10. 泌尿器注1)
頻度不明
排尿障害
11. その他
頻度不明
倦怠感、脱力感、顔面潮紅、熱感
注1) ピペタナート塩酸塩を含有するため。
注2) 投与を中止すること。
適用上の注意
薬剤交付時:
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。
[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
薬物動態
<参考>
本剤成分中のアカメガシワエキス中のベルゲニンは、胃よりも小腸において、よりよく吸収される(ラット1))。
ピペタナート塩酸塩は経口投与により30分~1時間後で血中、胆汁、各臓器中の濃度が最高となり、48時間内に尿中に約70%、糞便中に約30%が排泄される。分布は肝臓が最も多く、腎臓、肺等への分布も高値を示す(マウス2))。
臨床成績
1. 二重盲検比較試験3)
過敏性大腸症候群を対象とし、ピペタナート塩酸塩錠を標準薬とした二重盲検比較試験において、本剤は症状あるいは総合効果において有意にすぐれた成績を得た。
2. 臨床試験
二重盲検比較試験を含む臨床試験において効果判定が行われた178例の有効率は下表のとおりである。(臨床成績の表参照)
臨床成績の表
疾患名 |
有効以上/評価対象例数 |
有効率 |
過敏大腸症 |
114例/178例 |
64.0% |
薬効薬理
1. 胃腸管に対する作用
アカメガシワエキスは盲腸、大腸の内容及び糞便を軟化し、排便を促進する(マウス4))一方、ヒマシ油及び塩化水銀による実験的瀉下に対し止瀉作用を示す(マウス5))。
ピペタナート塩酸塩はアセチルコリン、塩化バリウム、ヒスタミン、ピロカルピンによる摘出腸管の収縮を抑制し(マウス6)7)、ラット8)、モルモット7)、ウサギ7))、胃液、胃酸の分泌を抑制する(幽門結紮ラット7))。
また、ヒマシ油瀉下抑制作用を、イリコロンM配合錠と同一組成比の検体〔ピペタナート塩酸塩:アカメガシワエキス=1.5:70.0(重量比)〕、ピペタナート塩酸塩及びアカメガシワエキスで比較した場合、配合によりその作用は増強する(マウス9))。
2. 中枢に対する作用
ピペタナート塩酸塩はストレス状態の動物に静穏作用を示し(ラット10))、メチルヘキサビタールによる麻酔時間を延長する(マウス6))。
有効成分に関する理化学的知見
1. ピペタナート塩酸塩
一般名
ピペタナート塩酸塩 (Pipethanate Hydrochloride)(JAN)
化学名
2-Piperidinoethyl benzilate hydrochloride
分子式
C21H25NO3・HCl
分子量
375.89
化学構造式

性状
本品は白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはない。
本品はメタノールにやや溶けやすく、水、酢酸(100)又はジクロロメタンにやや溶けにくく、無水酢酸、エタノール(95)又はアセトンに溶けにくく、1-ブタノール又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
融点
175~178℃
2. アカメガシワエキス
アカメガシワ (Mallotus japonicus Muell. Arg.) の乾燥樹皮から抽出したエキスで褐色の粉末である。特異なにおい及び味を有し、水にわずかに混濁して溶ける。
包装
イリコロンM配合錠:PTP 1000錠
イリコロンM配合錠:バラ 100錠、500錠
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
岡田 勉:応用薬理,8(1),55(1974)
2)
豊島 滋ほか:日薬理誌,70,719(1974)
3)
春日井達造ほか:薬物療法,12,1087(1979)
4)
稲垣克彦ほか:週刊医学通信,第13年,第574号(1958)
5)
野村 彰ほか:アカメガシワ有効エキスの瀉下並びに止瀉作用(日本新薬社内資料)
6)
Holten,C.H. et al.:Acta Pharmacol.Toxicol., 12,346(1956)
7)
大幡勝也ほか:日薬理誌,65,326(1969)
8)
田中 悟ほか:衛生試験所報告,第89号,54(1971)
9)
上田房雄ほか:アカメガシワ水浸エキスと塩酸ピペタナートの配合剤イリコロンMの止瀉作用(日本新薬社内資料)
10)
Holten,C.H. et al.:Acta Pharmacol.Toxicol., 11,148(1955)
文献請求先
主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。
日本新薬株式会社 学術部 医薬情報課 くすり相談担当
〒601-8550 京都市南区吉祥院西ノ庄門口町14
フリーダイヤル 0120-321-372
TEL 075-321-9064
FAX 075-321-9061
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
*製造販売元
日本新薬株式会社
京都市南区吉祥院西ノ庄門口町14