Zofran Syrup0.05% for Pediatric枢复宁糖浆 0.05%(Ondansetron Hydrochloride Hydrate)盐酸恩丹西酮水合物,*ゾフラン小児用シロップ0.05%
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作成又は改訂年月
** 2009年11月改訂(第8版)(下線:改訂箇所)
* 2007年12月改訂(第7版)
日本標準商品分類番号
872391
日本標準商品分類番号等
再審査結果公表年月(最新)
*2007年3月
国際誕生年月
1990年2月
薬効分類名
5-HT3受容体拮抗型制吐剤
承認等
販売名
*ゾフラン小児用シロップ0.05%
販売名コード
2391001Q1030
承認・許可番号
承認番号
*21900AMX01217
商標名
*Zofran Syrup0.05% for Pediatric
薬価基準収載年月
*2007年12月
販売開始年月
1999年8月
貯法・使用期限等
貯法
室温保存、遮光
使用期限
包装に表示
規制区分
劇薬
処方せん医薬品
(注意-医師等の処方せんにより使用すること)
組成
成分・含量(1mL中)
*オンダンセトロン塩酸塩水和物(オンダンセトロンとして)
0.624mg(0.5mg)
添加物
*安息香酸ナトリウム、香料、無水クエン酸、クエン酸ナトリウム水和物、D-ソルビトール液(70%)
性状
性状
無色澄明の液で、ストロベリーの芳香を有する。
pH
3.3~3.7
一般的名称
*オンダンセトロン塩酸塩水和物シロップ
*Ondansetron Hydrochloride Hydrate
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者
効能又は効果
抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)投与に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)
用法及び用量
通常、小児にはオンダンセトロンとして1回2.5mg/m2(シロップとして5mL/m2)、1日1回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減するが、最大1回4mg(シロップとして8mL)とする。
また、効果不十分な場合には、同用量の注射液(2.5mg/m2)を投与できる。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
薬物過敏症の既往歴のある患者
2.
重篤な肝障害のある患者[本剤は主として肝臓で代謝されるので、血中濃度が上昇するおそれがある]
重要な基本的注意
1.
本剤は強い悪心・嘔吐が生じる抗悪性腫瘍剤(シスプラチン等)の投与の場合に限り使用すること。
2.
小児では一般に自覚症状を訴える能力が欠けるので、投与にあたっては保護者に対し患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には速やかに主治医に連絡する等適切な処置をするよう注意を与えること。
3.
消化管運動の低下があらわれることがあるので、消化管通過障害の症状のある患者は、投与後観察を十分に行うこと。
相互作用
本剤は、肝チトクロームP-450(CYP3A4、CYP2D6及びCYP1A2)で代謝される。
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
CYP3A4誘導作用を有する薬剤(フェニトイン、カルバマゼピン、リファンピシン 等)
臨床症状・措置方法
本剤の作用が減弱するおそれがある。
機序・危険因子
併用薬剤のCYP3A4誘導作用により、本剤のクリアランスが増大し血中濃度が低下する可能性がある。
2. 薬剤名等
トラマドール
臨床症状・措置方法
本剤がトラマドールの鎮痛作用を減弱させるおそれがある。
機序・危険因子
本剤との併用によりトラマドールの鎮痛作用が減弱するとの報告がある。
副作用
副作用等発現状況の概要
*承認時までの調査症例181例中、副作用発現例は3例(1.7%)で、頭痛1例(0.6%)、皮膚そう痒1例(0.6%)等である。また、臨床検査値異常は、AST(GOT)上昇1例(0.6%)、ALT(GPT)上昇1例(0.6%)、Al-P上昇1例(0.7%)、総ビリルビン値上昇1例(0.6%)等であった(承認時)。
使用成績調査169例中、11例(6.5%)に臨床検査値異常を含む副作用が報告された。その主なものは、AST(GOT)、総ビリルビン値上昇等を含む肝機能検査値異常9例(5.3%)であった。また、市販後臨床試験90例中、6例(6.7%)に臨床検査値異常を含む副作用が報告された。その主なものは、肝機能障害4例(4.4%)であった(再審査終了時)。
重大な副作用
1.
ショック(頻度不明注1))、アナフィラキシー様症状(頻度不明注1))を起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと。
2.
てんかん様発作(頻度不明注1))があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと。
その他の副作用
1. 過敏症注2)
1%未満
そう痒、発疹
2. 精神神経系
1%未満
頭重感、頭痛
3. 精神神経系
頻度不明注1)
ふるえ感、眠気
4. 消化器
頻度不明注1)
下痢、便秘
5. 循環器
頻度不明注1)
胸痛、徐脈、不整脈、低血圧
6. 肝臓
1%以上
AST(GOT)、ALT(GPT)、LDH、γ-GTP、総ビリルビン値等の上昇
7. その他
1%未満
発熱
8. その他
頻度不明注1)
熱感、不随意運動注3)、全身けん怠感、顔面紅潮、しゃっくり、一過性の視覚障害(霧視、一過性盲等)
上記のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。
注1)自発報告又は海外のみで認められている副作用については頻度不明とした。
注2)このような場合には投与を中止すること。
注3)眼球回転発作、ジストニー反応等錐体外路様症状の報告例がある。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない]。
2.
授乳中の婦人に投与する場合には、授乳を中止させること[動物実験(ラット)において乳汁への移行が報告されている]。
小児等への投与
低出生体重児、新生児(使用経験がない)及び乳児(使用経験が少ない)に対する安全性は確立していない。
適用上の注意
1. 投与時期
抗悪性腫瘍剤を投与する場合、その1~2時間前に投与する。
2. 投与期間
癌化学療法の各クールにおいて、本剤の投与期間は3~5日間を目安とする。
薬物動態
1. 血中濃度
健康成人に4mg(シロップとして8mL)を経口投与した場合の血漿中オンダンセトロン濃度は下記のとおりである(社内資料)(表1参照)。

2. 代謝・排泄
健康成人に8mg(錠剤)を経口投与した場合、投与後24時間までの未変化体、水酸化体、並びに水酸化体のグルクロン酸抱合体及び硫酸抱合体の尿中排泄率は投与量の39%である(社内資料)。
本剤は肝チトクロームP-450(CYP3A4、CYP2D6及びCYP1A2)で代謝される1),2)。
3. その他の薬物速度論的パラメータ
血漿蛋白結合率:約88%(in vitro)3)
薬物動態の表
表1
Cmax
(ng/mL) |
Tmax
(hr) |
T1/2
(hr) |
AUC(0~∞)
(ng・hr/mL) |
8.81±0.68 |
2.07±0.16 |
3.73±0.21 |
55.44±4.22 |
(n=14,mean±SE)
臨床成績
*小児を対象に実施された治験において、効果判定が行われた147例の臨床成績の概要は以下のとおりである4)。
シスプラチンを含む抗悪性腫瘍剤投与による悪心・嘔吐に対する抑制効果の有効率は40.7%(11/27)である。シスプラチン用量別では、シスプラチン75mg/m2未満で66.7%(6/9)、75mg/m2以上では27.8%(5/18)である。
シスプラチン以外の抗悪性腫瘍剤投与による悪心・嘔吐に対する抑制効果の有効率は77.5%(93/120)である。
また、小児を対象に連日投与の制吐効果について検討するために実施した市販後臨床試験の結果、有効性評価対象88例の試験成績の概要は以下のとおりである。
シスプラチンを含む抗悪性腫瘍剤投与による悪心・嘔吐に対す有効率は50.0%(5/10)である。シスプラチン以外の抗悪性腫瘍剤投与例では、79.5%(62/78)である。
薬効薬理
1. 制吐作用
(1) シスプラチン誘発嘔吐に対する作用
フェレットにオンダンセトロンを静脈内あるいは経口投与した後、抗悪性腫瘍剤シスプラチン10mg/kgを静脈内又は腹腔内投与した場合、誘発される嘔吐に対してオンダンセトロン静脈内投与では0.01mg/kg以上、経口投与では5.0mg/kg以上で有意に嘔吐回数を減少させ、嘔吐発現時間を延長させる5),6)。
(2) シクロホスファミド誘発嘔吐に対する作用
フェレットにオンダンセトロンを経口投与し、30分後に抗悪性腫瘍剤シクロホスファミド200mg/kgを腹腔内投与した場合、誘発される嘔吐に対してオンダンセトロンは0.1mg/kgで有意に嘔吐回数を減少させ、嘔吐発現時間を延長させる6)。
2. 5-HT3受容体拮抗作用
(1) 迷走神経の脱分極に対する作用
オンダンセトロンはin vitroにおいて、5-HT3受容体を介した5-HTによるラット迷走神経の脱分極を強力かつ競合的に抑制する7)。
(2) von Bezold-Jarisch反射に対する作用
麻酔ラットにおける5-HT3受容体を介した5-HTによる反射性の徐脈に対し、オンダンセトロンは静脈内又は経口投与により用量依存的に抑制する7)。
(3) 5-HT3受容体への親和性
オンダンセトロンはラット最後野及び迷走神経のホモジネートを用いた放射性リガンド結合試験において、5-HT3受容体に対して高い親和性を示す8)。
3. その他の受容体に対する作用
in vitro(ネコ、イヌ、ウサギ、ラット、モルモット)において5-HT1like、5-HT2受容体、並びにアドレナリン、ムスカリン及びヒスタミン等の5-HT以外の各種受容体が介在する反応に対して、オンダンセトロンは5-HT3受容体拮抗作用を示す濃度の1000倍以上を用いてもほとんど作用を示さない7)。
4. 作用機序
オンダンセトロンは回腸の求心性迷走神経末端及び最後野のCTZ(chemoreceptor trigger zone)の5-HT3受容体を遮断することにより、嘔吐を抑制すると考えられる。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
*オンダンセトロン塩酸塩水和物(Ondansetron Hydrochloride Hydrate)
化学名
(±)-2,3-dihydro-9-methyl-3-[(2-methylimidazol-1-yl)methyl]carbazol-4(1H)-one monohydrochloride dihydrate
分子式
C18H19N3O・HCl・2H2O
分子量
365.86
構造式
性状
白色~微黄白色の結晶性の粉末である。
メタノールにやや溶けやすく、水又はエタノール(99.5)にやや溶けにくく、アセトニトリルに溶けにくく、ジエチルエ一テルにほとんど溶けない。
水溶液(1→50)は旋光性を示さない。
融点
172℃
分配係数(log P)
2.2(pH10.6、1-オクタノール/水系)
0.6(pH5.95、1-オクタノール/水系)
包装
*ゾフラン小児用シロップ0.05%: 30mL
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
Dixon,C.M.,et al.:Drug Metab Dispos,23,1225-1230(1995)
2)
Ashforth,E.I.L.,et al.:Br J Clin Pharmacol,37,389-391(1994)
3)
Hallifax,D.,et al.:基礎と臨床,26,1337-1347(1992)
4)
金子道夫ほか:小児科診療,59,2123-2143(1996)
5)
Stables,R.,et al.:Cancer Treat Rev,14,333-336(1987)
6)
南 勝ほか:基礎と臨床,26,1323-1335(1992)
7)
Butler,A.,et al.:Br J Pharmacol,94,397-412(1988)
8)
Kilpatrick,G.J.,et al.:Eur J Pharmacol,159,157-164(1989)
文献請求先
グラクソ・スミスクライン株式会社
〒151-8566 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-6-15
カスタマー・ケア・センター
**TEL:0120-561-007(9:00~18:00/土日祝日及び当社休業日を除く)
FAX:0120-561-047(24時間受付)
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
グラクソ・スミスクライン株式会社
東京都渋谷区千駄ヶ谷4-6-15
ホームページhttp://www.glaxosmithkline.co.jp