EBUTOL Tablets(Ethambutol Hydrochloride Tablets)盐酸乙胺丁醇片,エブトール125mg錠/エブトール250mg錠
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作成又は改訂年月
**2014年9月改訂(第10版)
*2014年4月改訂
日本標準商品分類番号
876225
日本標準商品分類番号等
再評価結果公表年月(最新)
1975年10月
効能又は効果追加承認年月(最新)
2011年5月
薬効分類名
エタンブトール製剤
承認等
販売名
エブトール125mg錠
販売名コード
6225001F1036
承認・許可番号
承認番号
14100AZZ05543
商標名
EBUTOL 125mg Tablets
薬価基準収載年月
1967年1月
販売開始年月
1967年1月
貯法・使用期限等
貯法
室温保存、気密容器
使用期限
外箱に表示
規制区分
劇薬
処方箋医薬品
(注意-医師等の処方箋により使用すること)
組成
有効成分 (1錠中)
日本薬局方エタンブトール塩酸塩125mgを含有する。
**添加物
結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ヒプロメロース、マクロゴール6000、黄色三二酸化鉄
性状
淡黄色のフィルムコーティング錠で、においはない。
外形 表面

外形 裏面

外形 側面

サイズ 直径
8.2mm
サイズ 厚さ
4.6mm
重量
0.195g
識別コード
KC12
販売名
エブトール250mg錠
販売名コード
6225001F2032
承認・許可番号
承認番号
14100AZZ06845
商標名
EBUTOL 250mg Tablets
薬価基準収載年月
1967年7月
販売開始年月
1967年3月
貯法・使用期限等
貯法
室温保存、気密容器
使用期限
外箱に表示
規制区分
劇薬
処方箋医薬品
(注意-医師等の処方箋により使用すること)
組成
有効成分 (1錠中)
日本薬局方エタンブトール塩酸塩250mgを含有する。
**添加物
結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ヒプロメロース、マクロゴール6000、黄色三二酸化鉄
性状
淡黄色のフィルムコーティング錠で、においはない。
外形 表面

外形 裏面

外形 側面

サイズ 直径
10.2mm
サイズ 厚さ
6.1mm
重量
0.387g
識別コード
KC11
一般的名称
エタンブトール塩酸塩
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
原則禁忌
(次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与すること)
1.
視神経炎のある患者
[視力障害が増強するおそれがある(「その他の注意 (眼障害予防の具体的方法)」の (2) の項参照)。]
2.
糖尿病患者、アルコール中毒患者
[既に視神経障害を起こしている場合があり、症状が増悪するおそれがある。]
3.
乳・幼児
[視力障害の早期発見が極めて困難である。]
効能又は効果
〈適応菌種〉
本剤に感性のマイコバクテリウム属
〈適応症〉
肺結核及びその他の結核症、マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス (MAC) 症を含む非結核性抗酸菌症
用法及び用量
[肺結核及びその他の結核症]
通常成人は、エタンブトール塩酸塩として1日量0.75~1gを1~2回に分けて経口投与する。
年齢、体重により適宜減量する。
なお、他の抗結核薬と併用することが望ましい。
[MAC症を含む非結核性抗酸菌症]
通常成人は、エタンブトール塩酸塩として0.5~0.75gを1日1回経口投与する。
年齢、体重、症状により適宜増減するが1日量として1gを超えない。
用法及び用量に関連する使用上の注意
1.
肺結核及びその他の結核症に対する本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
2.
本剤をMAC症を含む非結核性抗酸菌症に使用する際には、投与開始時期、投与期間、併用薬等について国内外の各種学会ガイドライン1~3)等、最新の情報を参考にし、投与すること。
3.
本剤の体重別1日投与量の目安は次表のとおりである。
〈参考: 体重別1日投与量〉
肺結核及びその他の結核症

注) 体重別の1日量はエタンブトール塩酸塩15~20mg/kgの範囲内で算出している。

MAC症を含む非結核性抗酸菌症
注) 体重別の1日量はエタンブトール塩酸塩約15mg/kgで算出している。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
腎障害のある患者
[蓄積を起こすことが報告されている。]
重要な基本的注意
1.
視力障害があらわれることがあるので、視力検査等を十分に行い、投与すること (「その他の注意 (眼障害予防の具体的方法)」の項参照)。
2.
他の抗結核薬との併用により、重篤な肝障害があらわれることがあるので、併用する場合は定期的に肝機能検査を行うこと (「相互作用」「重大な副作用」の項参照)。
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
薬剤名等
リファンピシン
臨床症状・措置方法
視力障害が増強されるおそれがある。
機序・危険因子
機序は不明であるが、動物実験(ラット)において、併用した場合に本剤の視力障害を増強したとの報告がある。
薬剤名等
他の抗結核薬
イソニアジド、リファンピシン等
臨床症状・措置方法
重篤な肝障害があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行うこと。
機序・危険因子
機序は不明である。
副作用
副作用等発現状況の概要
本剤は、使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
重大な副作用
1. *視力障害
視神経障害による視力低下、中心暗点、視野狭窄、色覚異常等の視力障害(頻度不明※1)があらわれ、発見が遅れ高度に進行すると非可逆的になることがあるので、視力検査等を定期的に行い、異常が認められた場合には、投与を中止すること。
2. 重篤な肝障害
劇症肝炎等の重篤な肝障害(頻度不明※1)があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
3. *ショック、アナフィラキシー
ショック、アナフィラキシー(頻度不明※1)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫(顔面浮腫、喉頭浮腫等)、蕁麻疹等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
4. 間質性肺炎、好酸球性肺炎
間質性肺炎、好酸球性肺炎(いずれも頻度不明※1)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常等が認められた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
5. 中毒性表皮壊死融解症 (Toxic Epidermal Necrolysis: TEN)、皮膚粘膜眼症候群 (Stevens-Johnson症候群)、紅皮症 (剥脱性皮膚炎)
中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群、紅皮症 (剥脱性皮膚炎)(いずれも頻度不明※1)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
6. 血小板減少
血小板減少 (頻度不明※1) があらわれることがあるので、定期的に血液検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
※1: 自発報告等による副作用のため頻度不明。
その他の副作用
中枢・末梢神経系※2
(頻度不明※1)
四肢のしびれ感
精神神経系※3
(頻度不明※1)
幻覚、不安、不眠
過敏症※3
(頻度不明※1)
発熱、発疹、そう痒
血液
(頻度不明※1)
白血球減少、好中球減少、好酸球増多
肝臓
(頻度不明※1)
一過性のAST(GOT)、ALT(GPT)の上昇
消化器
(頻度不明※1)
食欲不振、悪心、嘔吐、胃部不快感、胃痛
その他
(頻度不明※1)
頭痛、めまい感、倦怠感、高尿酸血症
※1: 自発報告等による副作用のため頻度不明。
※2: 発現した場合には投与を中止すること。やむを得ず継続する必要がある場合には、慎重に投与すること。
※3: 発現した場合には投与を中止すること。
高齢者への投与
1.
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、少量から投与を開始するなど注意すること。
2.
高齢者では視力障害があらわれやすいので、定期的に視力検査を行い、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
2.
授乳中の婦人には、本剤投与中は授乳を避けさせること。
[ヒト母乳中へ移行することが報告されている。]
小児等への投与
乳児、幼児に対する安全性は確立していないので原則として投与しないこと。
[視力障害の早期発見が極めて困難である(「原則禁忌」の項参照)。]
適用上の注意
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。)
その他の注意
本剤は視力障害を来すことがあるので、投与中は常に患者の観察、服薬指導を十分に行い、視力障害の徴候がみられたときは直ちに投与中止などの措置が必要である。
視力障害は主として視神経炎によるとされており、初期症状として霧視、注視している対象物が何となく見えにくい、黒ずんで見える、色調が変わって見えるなどの訴えが多い。
一般に視力障害は早期に発見し、速やかに投与を中止すれば比較的短期間のうちに回復するとされているが、発見の遅れた重症の視力障害例では回復の遷延化、又は未回復も報告されている。
本剤による視力障害例を追跡調査した報告では、高齢者で体重当りの投与量の多い患者、腎機能の低下した患者や糖尿病患者において、副作用が発現しやすい傾向にあるとされている。
眼障害予防の具体的方法
本剤の投与により、視力障害があらわれることがあるので、次のような注意をはらい、視力障害の早期発見に努めること。なお、本剤による視力障害は、早期に発見し投与を中止すれば可逆的であるが、発見が遅れ高度に進行すると非可逆的になることがある。
(1)
本剤の投与に際しては、次の点を患者に十分徹底すること。
1)
本剤の投与により、ときに視力障害があらわれること。
2)
この視力障害は、早期に発見し、投与を中止すれば可逆的であること。
3)
この視力障害は、新聞を片眼ずつ一定の距離で毎朝読むことによって、早期に発見できること。
4)
視力の異常に気づいたときは、直ちに主治医に申し出ること。
(2)
*本剤の投与開始前に、あらかじめ少なくとも視力検査及び外眼検査を実施すること。
開始前の検査で白内障、視神経炎等の異常が認められた場合には、適当な処置を講じてから、本剤を投与すること。投与中は定期的に眼の検査を行い、異常が認められた場合には投与を中止し、精密な検査を行うこと。
なお、簡便な眼の検査としては、次のような方法がある。
1)
視力検査表による検査
2)
指を用いる視野狭窄検査
3)
中心暗点計による検査
4)
眼底検査
5)
色覚検査表による検査
(3)
本剤を高齢者に投与する場合には、視力検査を特に慎重に行うこと。
薬物動態
1. 血中濃度
エブトール125mg錠を経口投与(4錠、エタンブトール塩酸塩500mg)した結果、最高血中濃度(Cmax)は1.7μg/mL(血漿中)、最高血中濃度到達時間(Tmax)は2.8時間であった (健康成人男子、空腹時投与) 4)。
また、エタンブトール塩酸塩は血漿タンパクとはほとんど結合しない (in vitro )。なお、エタンブトール塩酸塩250mg経口投与時の血球内濃度は血清内濃度に比して高値を示した (肺結核患者) 5)。
2. 分布
エタンブトール塩酸塩0.5g経口投与後、肺組織中濃度は血清中濃度に比して同等ないしは高値を示した (肺結核患者) 6)。
25mg/kg経口投与後、喀痰中に高濃度のエタンブトール塩酸塩が認められた (肺結核患者) 7)。
3. 代謝・排泄
(外国人でのデータ)
14C-エタンブトール塩酸塩25mg/kg経口投与後の尿中累積排泄率は、24時間後54~61%、48時間後60~67%であった。糞中には48時間後までに12~19%が排泄された。
尿中代謝物の大部分が未変化体で、一部は酸化物であるアルデヒド体並びに酸であった (肺結核患者) 8)。
(注) 本剤の承認された用法・用量とは異なる (「用法・用量」の項参照)。
臨床成績
初回治療例及び再治療例に対しても他の抗結核剤との併用により喀痰中結核菌の陰性化及び胸部レ線像の改善がみられた9,10)。
薬効薬理
1.
結核菌に対して強い抗菌力を示し、人型結核菌H37Rv株に対し、1%小川培地、Dubos液体培地では2.5~5μg/mLで発育を阻止する11~13)。
2.
イソニアジド、ストレプトマイシン等の他の抗結核薬との間に交叉耐性はない11~13)。
3.
結核菌の核酸合成を阻害し、細胞分裂を抑制することが認められている11~13)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名:
エタンブトール塩酸塩 (Ethambutol Hydrochloride)
化学名:
2, 2'-(Ethylenediimino) bis[(2S )-butan-1-ol]dihydrochloride
分子式:
C10H24N2O2・2HCl
分子量:
277.23
融点:
200~204℃
旋光度:
[α]20D: +5.5~+6.1°(乾燥後、5g、水、50mL、200mm)
構造式:
性状:
エタンブトール塩酸塩は、白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、味は苦い。
水に極めて溶けやすく、メタノール又はエタノール(95)にやや溶けやすく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
エタンブトール塩酸塩1.0gを水20mLに溶かした液のpHは3.4~4.0である。
包装
エブトール125mg錠:
(PTP) 100、1,000錠
(バラ) 1,000錠
エブトール250mg錠:
(PTP) 100、500錠
(バラ) 500錠
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
日本結核病学会非結核性抗酸菌症対策委員会: 結核 83, 731, (2008)
2)
日本結核病学会非定型抗酸菌症対策委員会: 結核 73, 599 (1998)
3)
Griffith, D. E. et al.: Am. J. Respir. Crit. Care. Med., 175, 367 (2007)
4)
丹治昭治 他: Cross-over法による変更前製剤と変更後製剤とのBioavailabilityに関する検討 (科研製薬(株)社内資料)
5)
青柳昭雄: 結核, 52, 459~468 (1977)
6)
馬場治賢 他: 日本胸部臨床, 23, 862~872 (1964)
7)
副島林造: 結核, 40, 403~405 (1965)
8)
Peets, E. A. et al.: Amer.Rev.Resp.Dis., 91, 51~58 (1965)
9)
国療化研第8次A研究: Tubercle, 47, 349~360 (1966)
10)
国療化研第13次B研究: 結核, 47, 139~144 (1972)
11)
山本和男 他: 日本胸部臨床, 22, 797~804 (1963)
12)
森山英五郎: 結核, 39, 155~161 (1964)
13)
Gale, G. R. et al.: J. Bact., 86, 749~756 (1963)
文献請求先
主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。
科研製薬株式会社 医薬品情報サービス室
〒113-8650 東京都文京区本駒込2丁目28-8
電話 0120-519-874
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
製造販売元
科研製薬株式会社
東京都文京区本駒込2丁目28-8