Normonal(tripamide Tabs)曲帕胺片,ノルモナール錠15mg
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作成又は改訂年月
**2011年1月改訂(第6版)
*2009年7月改訂
日本標準商品分類番号
872149
日本標準商品分類番号等
再審査結果公表年月(最新)
1989年1月
薬効分類名
血管・腎作動性高血圧治療剤
承認等
販売名
ノルモナール錠15mg
販売名コード
2149007F1023
承認・許可番号
承認番号
15600AMZ00902000
商標名
Normonal
薬価基準収載年月
1981年12月
販売開始年月
1982年3月
貯法・使用期限等
*貯法
室温保存
バラ包装は開栓後湿気を避けて保存すること(硬度が低下することがある)。
使用期限
外箱又はラベルに表示の使用期限内に使用すること。
*規制区分
処方箋医薬品注)
注)注意-医師等の処方箋により使用すること
組成
本剤は、1錠中にトリパミド15mgを含有する割線入りの白色の素錠である。
添加物として結晶セルロース、ステアリン酸カルシウム、トウモロコシデンプン、乳糖水和物、ヒドロキシプロピルセルロースを含有する。
性状
販売名
ノルモナール錠15mg
剤形
素錠
識別コード
EISAI
NL015
外形:表

外形:裏

外形:側面

直径(mm)
6.1
質量(mg)
80
厚さ(mm)
2.2
性状
白色
割線入り
一般的名称
トリパミド製剤
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
1.
無尿の患者
〔無尿の患者では利尿が期待できず、本剤が体内に貯留し中毒性の副作用(肝障害、皮膚障害)を起こすおそれがある。〕
2.
急性腎不全の患者
〔急性腎不全患者ではBUN、クレアチニン、カリウムが上昇し、ナトリウム、クロールが低下する。本剤の使用によりBUN、クレアチニンが上昇し、電解質バランスを乱すことがある。〕
3.
体液中のナトリウム・カリウムが明らかに減少している患者
〔本剤の使用により体液中のナトリウム・カリウムをさらに低下させ低ナトリウム血症、低カリウム血症を誘発するおそれがある。〕
4.
チアジド系薬剤又はその類似化合物(例えばクロルタリドン等のスルホンアミド誘導体)に対し過敏症の既往歴のある患者
〔本剤の代謝産物がチアジドと類似の代謝産物を有しているので、スルホンアミドを含むチアジドによる過敏症の発現例では同様の過敏症が発現するおそれがある。〕
効能又は効果
効能又は効果/用法及び用量
本態性高血圧症
用法及び用量
トリパミドとして、通常成人、1回15mg(1錠)を1日1~2回(朝食後又は朝・昼食後)経口投与する。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
進行した肝硬変症のある患者
〔肝性昏睡を誘発することがある。〕
2.
心疾患のある高齢者、重篤な冠硬化症又は脳動脈硬化症のある患者
〔急激な利尿があらわれた場合、急速な血漿量減少、血液濃縮を来し、血栓塞栓症を誘発するおそれがある。〕
3.
重篤な腎障害のある患者
〔低ナトリウム血症、低クロール血症を誘発するなど電解質バランスを乱すことがある。〕〔副作用の項の「重大な副作用」及び「その他の副作用」の「代謝異常」参照〕
4.
肝疾患・肝機能障害のある患者
〔類似化合物であるチアジドは肝機能を悪化させることがある。〕〔副作用の項の「重大な副作用」及び「その他の副作用」の「代謝異常」参照〕
5.
本人又は両親、兄弟に痛風、糖尿病のある患者
〔痛風や糖尿病を悪化させることがある。〕〔副作用の項の「重大な副作用」及び「その他の副作用」の「代謝異常」参照〕
6.
下痢、嘔吐のある患者
〔下痢、嘔吐による電解質失調を悪化させ低ナトリウム血症、低カリウム血症、低クロール血症を誘発するおそれがある。〕〔副作用の項の「重大な副作用」及び「その他の副作用」の「代謝異常」参照〕
7.
高カルシウム血症、副甲状腺機能亢進症のある患者
〔高カルシウム血症を誘発し、筋肉障害を誘発するおそれがある。〕〔副作用の項の「重大な副作用」及び「その他の副作用」の「代謝異常」参照〕
8.
ジギタリス製剤の投与を受けている患者
〔「相互作用」の項参照〕〔副作用の項の「重大な副作用」及び「その他の副作用」の「代謝異常」参照〕
9.
糖質副腎皮質ホルモン又はACTHの投与を受けている患者
〔「相互作用」の項参照〕〔副作用の項の「重大な副作用」及び「その他の副作用」の「代謝異常」参照〕
10.
減塩療法を受けている患者
〔電解質バランスを乱しやすい。〕〔副作用の項の「重大な副作用」及び「その他の副作用」の「代謝異常」参照〕
11.
高齢者
〔「高齢者への投与」の項参照〕〔副作用の項の「重大な副作用」及び「その他の副作用」の「代謝異常」参照〕
12.
乳児
〔乳児は電解質失調を起こすおそれがある。〕〔副作用の項の「重大な副作用」及び「その他の副作用」の「代謝異常」参照〕
13.
交感神経切除後の患者
〔本剤の降圧作用が増強される。〕
重要な基本的注意
1.
本薬の利尿効果は急激にあらわれることがあるので、電解質失調、脱水に十分注意し、少量から投与を開始して、徐々に増量すること。
2.
連用する場合、電解質失調があらわれることがあるので定期的に検査を行うこと。
3.
降圧作用に基づくめまい等があらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う機械を操作する際には注意させること。
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
バルビツール酸誘導体
臨床症状・措置方法
起立性低血圧を増強することがある。
機序・危険因子
これらの薬剤の中枢抑制作用と本剤の降圧作用による。
2. 薬剤名等
あへんアルカロイド系麻薬
臨床症状・措置方法
起立性低血圧を増強することがある。
機序・危険因子
あへんアルカロイドの大量投与で血圧下降があらわれることが報告されている。
3. 薬剤名等
アルコール
臨床症状・措置方法
起立性低血圧を増強することがある。
機序・危険因子
アルコールは心血管系の抑制作用があり、降圧作用を増強する。
4. 薬剤名等
昇圧アミン
ノルアドレナリン等
臨床症状・措置方法
昇圧アミンの作用を減弱することがあるので、手術前の患者に本剤を使用している場合には一時休薬等の処置を行う。
機序・危険因子
血管壁の反応性を低下させ、また交感神経終末からの生理的ノルアドレナリンの放出を減少させると考えられる。
5. 薬剤名等
ツボクラリン及びその類似作用物質
ツボクラリン塩化物塩酸塩水和物
パンクロニウム臭化物
臨床症状・措置方法
麻痺作用を増強することがあるので、手術前の患者に本剤を使用している場合には一時休薬等の処置を行う。
機序・危険因子
血清カリウム値の低下により、これらの薬剤の神経・筋遮断作用を増強すると考えられている。
6. 薬剤名等
他の降圧剤
臨床症状・措置方法
降圧作用を増強するおそれがあるので、降圧薬の用量調節等に注意すること。
機序・危険因子
作用機序の異なる降圧作用により互いに協力的に作用する。
7. 薬剤名等
ジギタリス製剤
ジゴキシン
ジギトキシン
臨床症状・措置方法
ジギタリスの心臓に対する作用を増強し、不整脈等を起こすことがある。血清カリウム値に十分注意すること。
機序・危険因子
血清カリウム値の低下により多量のジギタリスが心筋Na-KATPaseに結合し、心収縮力増強と不整脈が起こる。マグネシウム低下も同様の作用を示す。
8. 薬剤名等
糖質副腎皮質ホルモン、ACTH
臨床症状・措置方法
低カリウム血症を起こすおそれがある。
機序・危険因子
両薬剤ともカリウム排泄作用をもつ。
9. 薬剤名等
糖尿病用剤
臨床症状・措置方法
糖尿病用剤の作用を減弱することがある。
機序・危険因子
機序不明
副作用
副作用等発現状況の概要
総症例8,095例中、293例(3.62%)の副作用が報告されている。(再審査終了時)
重大な副作用
1. **低ナトリウム血症
(頻度不明)
けん怠感、食欲不振、嘔気、嘔吐、痙攣、意識障害等を伴う低ナトリウム血症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど、直ちに適切な処置を行うこと。
2. **低カリウム血症
(0.1~5%未満)
けん怠感、脱力感、不整脈等を伴う低カリウム血症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止するなど、直ちに適切な処置を行うこと。
その他の副作用
肝臓注1)
0.1%未満
AST(GOT)、ALT(GPT)上昇等
腎臓
0.1~5%未満
BUN上昇等
腎臓
0.1%未満
血中クレアチニン上昇等
**代謝異常注1)
0.1~5%未満
高尿酸血症
代謝異常注1)
0.1%未満
高血糖症、痛風の悪化
**代謝異常注1)
頻度不明
低クロール性アルカローシス、血中カルシウムの上昇、総コレステロールの上昇
皮膚注2)
0.1%未満
光線過敏症
過敏症注2)
0.1~5%未満
発疹
過敏症注2)
0.1%未満
そう痒感
消化器
0.1~5%未満
悪心・嘔吐
消化器
0.1%未満
食欲不振、便秘、口渇、下痢
消化器
頻度不明
胃部不快感、腹部膨満感
循環器
0.1%未満
動悸
精神神経系
0.1~5%未満
めまい・ふらつき、頭痛・頭重
精神神経系
0.1%未満
耳鳴、しびれ感、いらいら感
その他
0.1~5%未満
けん怠感
その他
0.1%未満
脱力感、胸苦しさ、顔面潮紅
その他
頻度不明
冷汗
その他の副作用の注意
注1)観察を十分に行い、異常が認められた場合には、減量又は休薬等の適切な処置を行うこと。
注2)このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
高齢者への投与
高齢者には、次の点に注意し、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
1.
高齢者では一般に過度の降圧、利尿は好ましくないとされている(脳梗塞、脱水、低血圧等による立ちくらみ、めまい、失神等を起こすことがある)。
2.
特に心疾患等で浮腫のある高齢者では、急激な利尿は急速な血漿量の減少と血液濃縮をきたし、脳梗塞等の血栓塞栓症を誘発するおそれがある。
3.
高齢者では低ナトリウム血症、低カリウム血症があらわれやすい。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
〔 妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。〕
2.
授乳中の婦人に投与することは避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。
小児等への投与
小児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。
臨床検査結果に及ぼす影響
患者の血清PBIを低下させることがある。しかし、この場合必ずしも甲状腺機能低下を意味しない。
適用上の注意
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜に刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)
薬物動態
1. 単回投与時の血中濃度
健康成人男子3名に本剤15、45注)及び90mg注)単回経口投与した場合、投与後3~4時間で最高血球中濃度(それぞれ、0.96,3.42,4.98μg/mL、トリパミドは血液中では約98%以上が赤血球中に存在する)に達し、半減期は約9~10時間であった。血漿中濃度は投与後4時間後に117.6ng/mL(90mg注))を示した。1)
2. 反復投与時の血中濃度
健康成人男子3名にトリパミド30mg注)を1日1回10日間反復経口投与した際の定常状態時(3回服用)の赤血球中濃度は3.3μg/mLで、血漿中濃度は約21ng/mLを示した。
3. 尿中排泄
健康成人男子3名に本剤30mg注)を1日1回10日間反復経口投与した場合、尿中には未変化体が1~2%、水酸化代謝物が33~45%排泄された。反復投与により水酸化代謝物の排泄率は上昇した。
4. 尿中電解質―血中濃度相関
健康成人男子3名に本剤15、45注)及び90mg注)を単回経口投与した際の赤血球中濃度時間曲線下面積(AUC)は投与量に比例して増加し、Na及びClの尿中排泄はAUCに相関して増加したが、Kの排泄は相関しなかった。
注)1回30,45,90mg投与は承認外用量である。
5. 食事効果
健康成人男子10名のクロスオーバー法を用いて、本剤15mgを空腹時あるいは食後1時間後に経口投与した際の薬物動態を比較検討した。最高赤血球中濃度、赤血球中濃度のAUC及び水酸化代謝物の尿中排泄率はいずれも食後投与の方が有意に上昇した。
薬物動態の表
最高赤血球中濃度
(μg/mL) |
AUC0-24
(μg・h/mL) |
水酸化代謝物の尿中排泄率(%) |
空腹時 |
0.50±0.06 |
5.681±0.689 |
7.3±0.6 |
食後 |
0.87±0.06 |
7.999±0.950 |
9.8±1.0 |
Mean±S. E., n=10
臨床成績
臨床効果
二重盲検試験を含む臨床試験において、本態性高血圧症に対する有効率は73.1%(291/398)であった。また二重盲検試験においても本剤の有用性が認められた。2)3)4)5)6)
薬効薬理
1. 降圧作用
本薬は、正常血圧動物では血圧に影響を与えないが、自然発症高血圧ラット、DOCA・食塩負荷高血圧ラット、Goldblatt型高血圧犬では1~10mg/kgの経口投与で有意な降圧作用を示す。1回投与によって、血圧下降を示し、連続投与により降圧作用はさらに明確となり、慣れの現象はみられない。7)
2. 利尿作用
ラットに0.13~160mg/kgの範囲で経口投与すると、用量に応じ尿量、ナトリウム、クロールの排泄が促進されるが、フロセミドやヒドロクロロチアジドに比べて、その用量-反応曲線の勾配はゆるやかで、カリウム排泄は明らかに少ない。イヌの実験及び健康人でも、カリウム排泄作用は小さく、利尿作用は緩和で、持続的である。また、ヒトにおいて腎動脈血流量及び糸球体ろ過量の低下は認められない。8)9)10)
3. 血管平滑筋の弛緩作用
本薬は、モルモットの摘出腸間膜動脈の活動電位を10-7g/mLの濃度で抑制した。11)
4. 作用機序
本薬の降圧機序は緩和な塩利尿作用と末梢血管拡張作用に基づくと考えられる。7)8)11)
有効成分に関する理化学的知見
一般名
トリパミド(Tripamide)
化学名
N‐(4‐aza‐endo‐tricyclo[5.2.1.02,6]decan‐4‐yl)‐4‐chloro‐3‐sulfamoylbenzamide
分子式
C16H20ClN3O3S
分子量
369.87
構造式
物理化学的性状
トリパミドは白色~微黄色の結晶性の粉末で、におい及び味はない。本品はギ酸又はN,N‐ジメチルホルムアミドに溶けやすく、メタノール、エタノール(95)又はアセトンに溶けにくく、水又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
融点
約255℃(分解)
包装
ノルモナール錠15mg:100錠(PTP)
ノルモナール錠15mg:500錠(バラ)
ノルモナール錠15mg:1,000錠(PTP)
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
Horie, T. et al.:J. Chromatogr., 231, 111 (1982) NOL‐0129
2)
川崎晃一ら:臨牀と研究, 56, 566 (1979) NOL‐0055
3)
青木久三ら:Prog. Med., 2, 1296 (1982) NOL‐0057
4)
山本田ヵ也ら:Prog. Med., 2, 2079 (1982) NOL‐0082
5)
沢田 恂:診療と新薬, 19, 2511 (1982) NOL‐0064
6)
増山善明ら:医学のあゆみ, 113, 928 (1980) NOL‐0052
7)
五十嵐俊二ら:診療と新薬, 16, 1253 (1979) NOL‐0022
8)
小林正敏ら:診療と新薬, 16, 1001 (1979) NOL‐0019
9)
野口正義ら:薬物療法, 12, 539 (1979) NOL‐0021
10)
Brater, D. C. et al.: Clin. Pharmacol. Ther., 34, 79 (1983) NOL‐0084
11)
Asada, H. et al.:Gen. Pharmacol., 13, 215 (1982) NOL‐0035
文献請求先・製品情報お問い合わせ先
エーザイ株式会社 hhcホットライン
フリーダイヤル 0120-419-497
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
製造販売元
エーザイ株式会社
東京都文京区小石川4-6-10