Amnolake(tamibarotene)他米巴罗汀 アムノレイク錠2mg
--------------------------------------------------------------------------------
商品名 Amnolake 开发与上市厂商本品由日本新药株式会社(Nippon Shinyaku)开发,2005年6月在日本首次上市。 适应证本品适用于急性早幼粒细胞性白血病(APL)复发或难治性病例的治疗。
作成又は改訂年月
**2009年10月改訂(第3版、指定医薬品廃止に伴う改訂)
*2007年8月改訂
日本標準商品分類番号
874291
国際誕生年月
2005年4月
薬効分類名
再発・難治性急性前骨髄球性白血病治療剤
承認等
販売名
アムノレイク錠2mg
販売名コード
4291014F1021
承認・許可番号
承認番号
21700AMZ00597000
商標名
Amnolake
薬価基準収載年月
2005年6月
販売開始年月
2005年6月
貯法・使用期限等
貯法
遮光・気密容器、室温保存
使用期限
外箱に表示
規制区分
劇薬、処方せん医薬品注)
注):注意-医師等の処方せんにより使用すること
組成
規 格
1錠中タミバロテン2mgを含有する
添加物
乳糖水和物、トウモロコシデンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム
性状
性 状
白色の素錠
外 形

大きさ
直径7mm 厚さ3mm 重量150mg
識別コード

一般的名称
タミバロテン製剤
警告
1.
本剤による治療は危険性を伴うため、原則として、投与期間中は患者を入院環境で医師の管理下に置くこと。また、緊急時に十分対応できる医療施設において、白血病[特に急性前骨髄球性白血病(APL)]のがん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ実施すること。治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与すること。
2.
本剤はレチノイン酸症候群が発現し、致死的な転帰をたどることがあるので、十分な経過観察を行うこと。このような症状があらわれた場合には休薬し、副腎皮質ホルモン剤のパルス療法等の適切な措置を行うこと(「重大な副作用」の項参照)。
3.
本剤には催奇形性があるので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。また、妊娠する可能性のある婦人には投与しないことを原則とするが、やむを得ず投与する場合には使用上の注意を厳守すること(「重要な基本的注意」及び「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)。
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「重要な基本的注意」及び「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
2.
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
3.
ビタミンA製剤を投与中の患者[ビタミンA過剰症と類似した副作用症状を起こすおそれがある。]
4.
ビタミンA過剰症の患者[ビタミンA過剰症が憎悪するおそれがある。]
原則禁忌
(次の患者には投与しないことを原則とするが、特に必要とする場合には慎重に投与すること)
妊娠する可能性のある婦人(「重要な基本的注意」及び「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
効能又は効果/用法及び用量
効能・効果
再発又は難治性の急性前骨髄球性白血病
効能・効果に関連する使用上の注意
1.
染色体検査[t(15;17)転座]又は遺伝子検査(PML-RARα遺伝子)によりAPLと診断された患者に使用すること。
2.
初発例のAPL患者での本剤の有効性・安全性は確立していない(「臨床成績」の項参照)。
3.
本剤により完全寛解を得た後に再発したAPLに対して、本剤の有効性・安全性は確立していない。
用法・用量
寛解導入療法:1日6mg/m2を2回に分わけて朝、夕食後経口投与し、骨髄寛解が得られるまで投与する。投与期間は本剤の投与開始日から8週間を越えないこと。
用法・用量に関連する使用上の注意
1.
1日6mg/m2を超える用法・用量での有効性及び安全性は明らかではない。1日12mg/m2を超えて投与した経験はない。
2.
本剤の寛解後療法の有効性及び安全性は確立していない(投与経験がない)。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
高脂血症の素因がある患者(「重要な基本的注意」の項参照)
2.
フィブラート系薬剤を使用している患者(「重要な基本的注意」の項参照)
3.
肝機能障害のある患者[類薬(エトレチナート)で、肝障害が悪化するおそれがあることが報告されている。]
4.
腎機能障害のある患者[類薬(トレチノイン)で、重篤な腎障害を起こすおそれがあることが報告されている。]
5.
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
6.
骨の成長が終了していない可能性がある患者(25歳以下の患者)(「重要な基本的注意」及び「小児等への投与」の項参照)
重要な基本的注意
1.
本剤には催奇形性があり、副作用の発現頻度が高いので、使用上の注意を厳守し、患者又はそれに代わり得る適切な者に副作用についてよく説明した上で使用すること。
2.
妊娠する可能性のある婦人への使用に際しては、疾患の重症度及び治療の緊急性を考慮した上で、患者に次の注意事項についてよく説明し理解させた後、使用すること。
1)本剤には催奇形性があるので、妊娠する可能性のある婦人で他に代わるべき治療法がない重症な患者にやむを得ず投与する場合には、投与開始前の少なくとも1ヵ月間、投与中及び投与中止後少なくとも2年間は必ず避妊させること。
2)本剤の投与は次の正常な生理周期の2日又は3日目まで開始しないこと。
3)本剤の投与開始前2週間以内の妊娠検査が陰性であるとの結果を確認すること。
4)本剤の投与中は1ヵ月毎に追加の妊娠検査を実施することが望ましい。
3.
本剤はラット、イヌを用いた動物実験で、精子形成能に異常を起こすことが報告されているので男性に投与する場合には、投与中及び投与終了後6ヵ月間は避妊させること。
4.
末梢血中の「芽球及び前骨髄球」の和が1,000/mm3を超える場合には、化学療法により「芽球及び前骨髄球」の和を1,000/mm3以下にしてから本剤を投与すること。
5.
高度の白血球増加症を起こすことがあるので、末梢白血球数が30,000/mm3を超えた場合には、休薬等の適切な処置を行うこと。
6.
APLに併発する播種性血管内凝固症候群(DIC)では、致命的な出血傾向(脳出血、肺出血等)が報告されている。本剤投与中にこのような症状があらわれた場合には、出血傾向に対する適切な処置を行うこと。
7.
本剤により脂質代謝異常が引き起こされることがあるので、定期的に血中の総コレステロール及びトリグリセリドの検査を行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
8.
本剤により肝機能異常が引き起こされることがあるので、定期的に肝機能検査を行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
9.
フィブラート系薬剤を服用している脂質代謝異常の患者に本剤を投与し、本剤との因果関係が否定できない横紋筋融解症が発現し、死亡した症例が報告されているので、異常が認められた場合には休薬等の適切な処置を行うこと。
10.
タミバロテンはラット、イヌを用いた動物実験で過骨症及び骨端の早期閉鎖を起こすことが報告されている。したがって本剤投与中に関節痛・骨痛の症状があらわれることがあるので、観察を十分に行うこと。25歳以下の患者は、骨の成長が終了していない可能性があるので、治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合にのみ観察及び定期的な検査を十分に行いながら慎重に投与すること。
11.
本剤は中性付近において溶解度、溶出性等が増加する性質をもつため、無酸症等著しい低胃酸状態が持続する状態では、本剤の吸収が増加し、作用が増強されるおそれがある(「相互作用」の項参照)。また、類薬(エトレチナート)で牛乳または高脂肪食と服用すると吸収が増加することが報告されている。
相互作用(本剤)
併用禁忌
(併用しないこと)
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
ビタミンA製剤(チョコラA等) ビタミンA過剰症と類似した副作用症状を起こすおそれがある。 本剤はビタミンAと同じレチノイドである。
併用注意
(併用に注意すること)
in vitro試験において、本剤は薬物代謝酵素チトクロームP450(CYP3A4)により代謝されることが示されている。
薬剤名等 |
臨床症状・措置方法 |
機序・危険因子 |
CYP3A4を誘導する薬剤:
フェニトイン、カルバマゼピン(抗てんかん剤)、リファンピシン、デキサメタゾン(副腎皮質ホルモン剤)、バルビツール酸系薬物、セイヨウオトギリソウ〔St.John's Wort(セント・ジョーンズ・ワート)〕含有食品等 |
本剤の血中濃度が低下し、作用が減弱するおそれがある。 |
本剤の代謝には主にCYP3A4が関与しているため、本剤の代謝が亢進し血中濃度が低下する可能性がある。 |
CYP3A4阻害剤:
アゾール系抗真菌剤、マクロライド系抗生物質、カルシウム拮抗剤、高脂血症用剤(シンバスタチン、アトルバスタチンカルシウム)等の薬剤及びグレープフルーツジュース等 |
本剤の血中濃度が増加し、副作用の発現頻度及び重症度が増加するおそれがある。 |
本剤の代謝には主にCYP3A4が関与しているため、本剤の代謝が阻害され血中濃度が増加する可能性がある。 |
制酸剤
H2-受容体拮抗剤:
シメチジン等
プロトンポンプ阻害剤:
オメプラゾール等 |
本剤の吸収が増加するおそれがある。 |
これらの薬剤により胃内のpHが上昇し、本剤の溶解度が上昇し、吸収が増加する可能性がある。 |
相互作用(類薬)
類薬では以下のような相互作用が知られている。
薬剤名等:フェニトイン
臨床症状・措置方法:フェニトインの血中濃度が上昇し、フェニトインの作用が増強するおそれがある。
機序・危険因子:類薬(エトレチナート)でフェニトインとの併用により、フェニトインの蛋白結合能を低下させるとの報告がある。
薬剤名等:抗線溶剤(トラネキサム酸等)、アプロチニン製剤
臨床症状・措置方法:類薬(トレチノイン)において、これらの薬剤を併用した患者で血栓症を発現し、重大な転帰をたどったとの報告があるので、併用に際しては慎重に行うこと。
機序・危険因子:類薬(トレチノイン)投与により、凝固線溶系のバランスが変化するためと考えられている。
副作用
副作用発現状況等の概要
臨床試験における安全性評価症例41例において、副作用は40例(97.6%)に認められた。主な副作用は、血中トリグリセリド増加29件(70.7%)、発疹21件(51.2%)、血中コレステロール増加19件(46.3%)、血中乳酸脱水素酵素(LDH)増加15件(36.6%)、骨痛11件(26.8%)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)増加9件(22.0%)、血中アルカリホスファターゼ(ALP)増加9件(22.0%)、発熱8件(19.5%)、アラニン・アミノトランスフェラーゼ(ALT)増加6件(14.6%)、ヘモグロビン減少5件(12.2%)、白血球数増加5件(12.2%)、皮膚乾燥4件(9.8%)等であった(承認時)。
重大な副作用
1.
レチノイン酸症候群(頻度5%以上):レチノイン酸症候群(諸症状:発熱、呼吸困難、胸水貯留、肺浸潤、間質性肺疾患、肺うっ血、心嚢液貯留、低酸素症、低血圧、肝不全、腎機能不全、多臓器不全等)が発現し、重篤な転帰をたどることがあるので、観察を十分に行うこと。なお、このような症状が認められた場合には、本剤を中止し、副腎皮質ホルモン剤のパルス療法等の適切な処置を行うこと。
2.
感染症(頻度5%以上):感染症(肺炎、敗血症等)があらわれることがあるので、このような症状が認められた場合には、休薬等の適切な処置を行うこと。
3.
白血球増加症(頻度5%以上):白血球増加症があらわれることがあるので観察を十分に行い、末梢白血球数が30,000/mm3を超えた場合には、休薬等の適切な処置を行うこと。また、類薬(トレチノイン)において、主に好塩基球性分化能を有するAPL患者において、好塩基球増加症が発現し、抗ヒスタミン血症に至った例も報告されている。
4.
間質性肺疾患(頻度5%未満):間質性肺疾患があらわれることがあるので、胸部X線検査等を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
5.
縦隔炎(頻度5%未満):縦隔炎があらわれることがあるので、このような症状が認められた場合には、休薬等の適切な処置を行うこと。
6.
横紋筋融解症(頻度5%未満):フィブラート系薬剤を服用している脂質代謝異常の患者に本剤を投与し、本剤との因果関係が否定できない横紋筋融解症が発現し、死亡した症例が報告されているので、異常が認められた場合には、休薬等の適切な処置を行うこと。
重大な副作用(類薬)
(頻度不明)
類薬で下記の重大な副作用が報告されているので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には休薬し、適切な処置を行うこと。
1.
類薬(トレチノイン)で血栓症(脳梗塞、肺梗塞、その他の動脈又は静脈血栓症等)を起こすことが報告されている。
2.
類薬(トレチノイン)で血管炎を起こすことが報告されている。
3.
類薬(トレチノイン)で錯乱を起こすことが報告されている。
4.
類薬(エトレチナート)で中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)、多形紅斑が報告されている。
その他の副作用
次のような副作用があらわれた場合には、症状に応じて適切な処置を行うこと。
種類/頻度 |
5%以上 |
5%未満 |
精神神経系 |
頭痛 |
感覚減退、臭覚錯誤 |
呼吸器 |
|
呼吸困難、喀血、しゃっくり、低酸素症 |
胃腸障害 |
|
口内乾燥、口内炎、悪心、嘔吐、下痢、腹痛、消化不良、便秘、痔核 |
皮膚 |
発疹、皮膚乾燥、湿疹、剥脱性皮膚炎 |
皮膚炎、そう痒症、水疱性皮膚炎、皮膚刺激 |
筋・骨格 |
骨痛、関節痛 |
筋痛、背部痛 |
全身状態 |
発熱 |
粘膜疹、胸痛、倦怠感、腫脹 |
血液 |
白血球数増加、ヘモグロビン減少 |
血小板数減少、血小板数増加 |
肝臓 |
AST増加、ALT増加、LDH増加、ALP増加 |
|
脂質代謝 |
TG増加、TC増加 |
|
その他 |
毛包炎、CRP増加 |
咽頭炎、耳痛、血中尿素減少、血中ナトリウム減少、血中塩化物減少、尿蛋白、血中アルブミン減少、血中アミラーゼ増加、総蛋白増加、尿潜血 |
その他の副作用(類薬)(頻度不明)
類薬(トレチノイン)で頭蓋内圧上昇症状を起こすことが報告されている(「小児等への投与」の項参照)。
高齢者への投与
高齢者では、生理機能が低下していることが多く、副作用があらわれやすいので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。高齢者では血漿アルブミンが減少していることが多いため、用量に留意して定期的に血漿アルブミン検査を行い慎重に投与すること[本剤は結晶蛋白との結合性が強いため、血漿アルブミンが減少していると遊離の薬物血漿中濃度が高くなるおそれがある。]
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
動物実験で催奇形性が報告されている1)~3)ので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。
ラットの0.3mg/kg/dayで、後期死亡胎児数の増加、胎児の外形及び内臓異常として口蓋裂、顔面裂、無眼球、小眼球、眼瞼開存、口角部の裂、外脳、髄膜瘤、耳介形態異常、骨格変異である頸肋、胸椎体ダンベル状骨化が、ウサギの0.1mg/kg/dayで、流産頻発、死亡胎児数の増加、胎児の外表、内臓及び骨格異常などの催奇形性が報告されている。
2.
妊娠する可能性のある婦人には投与しないことを原則とするが、やむを得ず投与する場合には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。患者には胎児への毒性の可能性について十分に説明し理解させ、避妊を徹底するよう指導すること。(「重要な基本的注意」の項参照)。
3.
授乳婦に投与する場合には授乳を避けさせること[動物実験(ラット)で、乳汁中への移行が認められている4)。]
小児等への投与
1.
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。
2.
幼児又は小児へ投与する場合には、観察を十分に行い、慎重に投与すること[タミバロテンはイヌを用いた動物実験で過骨症及び骨端の早期閉鎖を起こすことが報告されている5),6)。]
3.
類薬(トレチノイン)において、長期投与した場合に頭蓋内圧上昇症状が報告されている。
適用上の注意
薬剤交付時:
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
その他の注意
1.
ラット及びイヌで精巣毒性が報告されている5)-8)。これらの所見は臨床投与条件下におけるAUCと同程度で認められていることから、不妊など性腺に対する影響を考慮すること。
2.
イヌにおいて39週間反復投与試験で0.08mg/kg/day以上の投与群に角膜混濁及び角膜びらんが報告されている6)ので、これらに基づく視覚障害が認められた場合には、休薬等の適切な処置を行うこと。
3.
イヌにおいて消化管からの出血が報告されている5),9)ことから、消化器障害が疑われる場合には便の性状に注意し、必要に応じて潜血反応等の検査を行うこと。
4.
イヌにおいて胸骨及び大腿骨骨幹部に骨梁の菲薄化が報告されている6)。骨折を起こす可能性があるので観察を十分に行うこと。
5.
イヌにおいて皮下投与したとき10mg/kg/day以上の投与群の心電図にP波の振幅縮小やR波の振幅拡大を発現させることが報告されている10)。また、イヌにおいて4週間反復投与試験で0.27mg/kg/dayの投与群の心電図にS波の増高を発現させ、0.08mg/kg/day以上の投与群に血栓形成及び弁膜血液嚢腫等を発現させることが報告されている5)。
6.
ラットにおいて子宮頸部粘膜上皮及び膣粘膜上皮の角化不全並びに黄体数の減症が報告されている7),8),11)。
7.
ラット及びイヌにおいて血球中に移行した本剤の消失は、血漿中の消失より緩慢であることが報告されている12),13)。
薬物動態
1.
血漿中濃度
APL患者10名に本剤2.0mg、4.0mg又は6.0mgを単回投与したときの薬物動態パラメーターは以下のとおりであった。(表1)
2.
分布
本剤のヒト血漿蛋白への結合率はin vitro試験において約99%と高く、主にアルブミンと結合する14)。
3.
代謝
in vitro試験の結果から本剤の代謝には主にCYP3A4が関与していることが示唆された。また、本剤は高濃度(100μmol/L)でCYP2C8/9、CYP2C19およびCYP3A4に対して阻害作用を示した15)。
表1 単回経口投与におけるタミバロテンの薬物動態パラメータ
投与量(mg/body) |
2.0*1 |
4.0*2 |
6.0*2 |
Tmax(hr) |
2~4 |
2~4 |
2~4 |
Cmax(ng/mL) |
18.02 |
44.87 |
65.22 |
AUC(hr・ng/mL) |
128.37 |
320.41 |
430.26 |
t1/2(hr) |
3.4 |
4.5 |
4.0 |
*1:n=4,*2:n=3
臨床成績
APL患者にタミバロテンとして1日3~12mg/m2を2回にわけて11日~57日間経口投与したときの治療効果を検討した臨床試験において、有効性解析対象例39例の寛解率は以下のとおりであった16)。
臨床成績の表
計 |
完全寛解 |
部分寛解 |
無効 |
完全寛解率 |
初 発 |
5 |
3 |
0 |
2 |
60.0% |
再 発
内訳
初回
2回以上 |
34(9)
21(1)
13(8) |
21(2)
17(0)
4(2) |
2(0)
1(0)
1(0) |
11(7)
3(1)
8(6) |
61.8% |
総 計 |
39 |
24 |
2 |
13 |
61.5% |
表中の数字は例数を示す。
括弧内はトレチノイン難反応例と扱った患者(トレチノインによる寛解後療法(維持療法)の施行中にAPLが再発した患者が3例、再発後にトレチノインを含む治療が施行されたが、完全寛解を得ることができなかった患者が6例)を示す。
注):初発時にトレチノインを含む導入療法で完全寛解を得た治療歴を有する患者。
薬効薬理
APLに特異的な染色体異常[t(15;17)転座]の結果生じるPML-RARαキメラ遺伝子は、PMLあるいはRARαの機能を阻害することでアポトーシスの抑制及び骨髄系細胞の分化を阻害しAPLの発症に関与していると考えられている。ここに、本剤が作用するとAPL細胞のPML-RARαキメラ遺伝子の抑制機構が解離され前骨髄球の分化が誘導されると考えられる17)-21)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名:
タミバロテン(JAN) (英名)Tamibarotene(JAN)
化学名:
4-[(5,6,7,8-Tetrahydro-5,5,8,8-tetramethyl-2-naphthyl)carbamoyl]benzoic acid
構造式:

分子式:
C22H25NO3
分子量:
351.45
性状:
白色の結晶又は結晶性の粉末である。N,N-ジメチルホルムアミドに溶けやすく、メタノール又はエタノール(95)にやや溶けやすく、ジエチルエーテルにやや溶けにくく、アセトニトリルに溶けにくく、水にほとんど溶けない。
融点
約232℃
分配係数:
>63900[1-オクタノール/緩衝液(pH4.23、25℃)]
854 [1-オクタノール/緩衝液(pH7.07、25℃)]
承認条件
市販後の一定期間は、使用症例の全例を登録して市販後調査を実施し、有効性及び安全性について調査するとともに、レチノイン酸症候群、播種性血管内凝固症候群、総コレステロール値、トリグリセリド値、クレアチンキナーゼ値、アミラーゼ値、皮膚症状、肝機能障害、視覚障害、骨痛、高脂血症用剤と本剤との相互作用について、重点的に調査すること。
*包装
アムノレイク錠2mg:PTP10錠
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)~9)
東光薬品工業(株) 社内資料
10)
Algate,D.R.,et al.,Oyo Yakuri/Pharmacometrics 47(5),451,1994
11)~13)
東光薬品工業(株) 社内資料
14)
Mizojiri,K.et al.,Arzneim.-Forsch./Drug Res.47(1),259,1997
15)~16)
東光薬品工業(株) 社内資料
17)
木崎昌弘,医学の歩み, 190(5),335,1999
18)
木崎昌弘,カレントテラピー,20(9),893,2002
19)
大西一功,癌の臨床,48(11),669,2002
20)
垣塚彰,実験医学,16(19),2459,1998
21)
井上聡,Molecular Medicine,37(7),786,2000
**文献請求先
主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。
日本新薬株式会社 学術部 医薬情報課 くすり相談担当
〒601-8550 京都市南区吉祥院西ノ庄門口町14
フリーダイヤル 0120-321-372
TEL 075-321-9064
FAX 075-321-9061
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
販売
日本新薬株式会社
京都市南区吉祥院西ノ庄門口町14
製造販売元
東光薬品工業株式会社
東京都足立区新田2丁目16番23号