アイリーア硝子体内注射液40mg/mL EYLEA solution for IVT inj. 40mg/mL(Aflibercept)アイリーア硝子体内注射液
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作成又は改訂年月
** 2014年9月改訂 (第5版)
* 2014年6月改訂
日本標準商品分類番号
871319
日本標準商品分類番号等
-
効能又は効果追加承認年月(最新)
**2014年9月
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国際誕生年月
2011年11月
薬効分類名
眼科用VEGF※)阻害剤
※)VEGF:vascular endothelial growth factor(血管内皮増殖因子)
承認等
-
販売名
アイリーア硝子体内注射液40mg/mL
販売名コード
1319405A1027
承認・許可番号
-
承認番号
-
22400AMX01389
-
商標名
EYLEA solution for IVT inj. 40mg/mL
薬価基準収載年月
2012年11月
販売開始年月
2012年11月
貯法・使用期限等
貯法
遮光し,凍結を避け,2~8℃に保存すること
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使用期限
外箱に表示
規制区分
生物由来製品
-
劇薬
-
処方箋医薬品注)
注)注意-医師等の処方箋により使用すること
組成
成分・含量
1回の投与量(0.05mL)中,アフリベルセプト(遺伝子組換え)※ 2mg
1バイアル(0.278mL)中,アフリベルセプト(遺伝子組換え)※ 11.12mg
※:チャイニーズハムスター卵巣細胞を用いて製造される.
-
添加物
(1バイアル中)
リン酸二水素ナトリウム:0.222mg
リン酸一水素ナトリウム:0.313mg
塩化ナトリウム:0.65mg
精製白糖:13.9mg
ポリソルベート20:0.083mg
性状
色・性状
-
無色~微黄色澄明の液
-
浸透圧比
-
約1(生理食塩液に対する比)
-
pH
-
5.9~6.5
一般的名称
アフリベルセプト(遺伝子組換え)硝子体内注射液
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
1.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
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2.眼又は眼周囲に感染のある患者,あるいは感染の疑いのある患者[眼内炎等の重篤な副作用が発現するおそれがある.]
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3.眼内に重度の炎症のある患者[炎症が悪化するおそれがある.]
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4.妊婦又は妊娠している可能性のある女性[「妊婦,産婦,授乳婦等への投与」の項参照]
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効能又は効果
効能又は効果/用法及び用量
中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性
-
網膜中心静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫
-
**病的近視における脈絡膜新生血管
用法及び用量
中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性
アフリベルセプト(遺伝子組換え)として2mg(0.05mL)を1ヵ月ごとに1回,連続3回(導入期)硝子体内投与する.その後の維持期においては,通常,2ヵ月ごとに1回,硝子体内投与する.なお,症状により投与間隔を適宜調節する.
-
**網膜中心静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫,病的近視における脈絡膜新生血管
アフリベルセプト(遺伝子組換え)として1回あたり2mg(0.05mL)を硝子体内投与する.投与間隔は,1ヵ月以上あけること.
用法及び用量に関連する使用上の注意
(1)視力等の測定は1ヵ月に1回を目安に行い,その結果及び患者の状態を継続的に観察し,本剤投与の要否について慎重に判断すること.
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(2)投与開始後,視力が安定するまでは,1ヵ月に1回投与することが望ましい.
-
(1)定期的に視力等を測定し,その結果及び患者の状態を考慮し,本剤投与の要否を判断すること.
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(2)疾患の活動性を示唆する所見(視力,形態学的所見等)が認められた場合には投与することが望ましい.
-
(1)定期的に視力等に基づき有効性を評価し,有効性が認められない場合には漫然と投与しないこと.
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(2)
臨床試験では,両眼治療について体系的な評価は行われていない.両眼に治療対象となる病変がある場合は,両眼同時治療の有益性と危険性を慎重に評価した上で本剤を投与すること.なお,初回治療における両眼同日投与は避け,片眼での安全性を十分に評価した上で対側眼の治療を行うこと.
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.緑内障,高眼圧症の患者[一過性に眼圧が上昇することがある.](「重要な基本的注意」及び「重大な副作用」の項参照)
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2.脳卒中又は一過性脳虚血発作の既往歴等の脳卒中の危険因子のある患者[脳卒中があらわれることがある.](「重大な副作用」及び「その他の注意」の項参照)
重要な基本的注意
1.網膜疾患に関する専門知識を有し,硝子体内注射の投与手技に関する十分な知識・経験のある眼科医のみが本剤を投与すること.
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2.硝子体内注射に際し使用される薬剤(消毒薬,麻酔薬,抗菌点眼薬及び散瞳薬等)への過敏症の既往歴について事前に十分な問診を行うこと.
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3.本剤の硝子体内注射の際には,下記の点に注意しながら行うとともに,投与手技に起因する有害事象として結膜出血,眼痛,硝子体浮遊物等の有害事象が多く報告されているので注意すること.(「副作用」の項参照)
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(1)硝子体内注射は,無菌条件下で行うこと.(手術用手指消毒を行い,滅菌手袋,ヨウ素系洗眼殺菌剤,滅菌ドレープ及び滅菌開瞼器等を使用すること.)
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(2)本剤投与前に,十分な麻酔と広域抗菌点眼剤の投与を行うこと.(広域抗菌点眼剤は本剤投与3日前から投与後3日まで投与すること.)
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(3)添付の専用フィルター付き採液針は,硝子体内注射には絶対に使用しないこと.(「適用上の注意」の項参照)
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(4)過量投与を防ぐため,投与量が0.05mLであることを投与前に確認すること.(「適用上の注意」の項参照)
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(5)患者に対し,眼内炎を示唆する症状(眼痛,充血,羞明,霧視等)があらわれた場合には直ちに連絡するように指導すること.
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4.硝子体内注射により眼圧を一過性に上昇させるおそれがあるので,本剤投与後,視神経乳頭血流の確認と眼圧上昇の管理を適切に行うこと.
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5.本剤の硝子体内注射後,一時的に霧視等があらわれることがあるため,その症状が回復するまで機械類の操作や自動車等の運転には従事させないよう注意すること.
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6.不可逆的な虚血性視機能喪失の臨床的徴候が認められる網膜中心静脈閉塞症患者への投与は,避けることが望ましい.
副作用
副作用等発現状況の概要
中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性
国内外で実施された第III相試験〔2試験の併合解析(2年間)〕において,本剤に割り付けられた1,824例(8週ごと2mg投与:610例,4週ごと2mg投与:613例,4週ごと0.5mg投与:601例)中896例(49.1%)に副作用が認められた.主な副作用は,結膜出血480例(26.3%),眼痛158例(8.7%),眼圧上昇89例(4.9%)であった.
うち本剤に割り付けられた日本人症例76例(8週ごと2mg投与:25例,4週ごと2mg投与:26例,4週ごと0.5mg投与:25例)中31例(40.8%)に副作用が認められた.主な副作用は,結膜出血16例(21.1%),眼痛4例(5.3%),点状角膜炎4例(5.3%)であった.
(承認時)注1)
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**網膜中心静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫
日本人を含む国際共同試験で実施された第III相試験(76週間)において,本剤2mgを投与された146例(本剤群104例,対照群42例)中53例(36.3%)に副作用が認められた.主な副作用は,結膜出血20例(13.7%),眼圧上昇15例(10.3%),眼痛14例(9.6%),眼刺激8例(5.5%)であった.
うち本剤を投与された日本人症例16例(本剤群13例,対照群3例)中1例に副作用(結膜出血:6.3%)が認められた.
海外で実施された第III相試験(100週間)において,本剤2mgを投与された171例(本剤群114例,対照群57例)中64例(37.4%)に副作用が認められた.主な副作用は,結膜出血29例(17.0%),眼痛17例(9.9%)であった.
(効能追加承認時)注1)
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**病的近視における脈絡膜新生血管
国内外で実施された第III相試験1試験(48週間)において,本剤2mgを投与された116例(本剤群91例,対照群25例)中25例(21.6%)に副作用が認められた.主な副作用は,結膜出血10例(8.6%),点状角膜炎7例(6.0%),眼痛6例(5.2%)であった.
うち本剤を投与された日本人症例85例(本剤群67例,対照群18例)中18例(21.2%)に副作用が認められた.主な副作用は,結膜出血10例(11.8%),点状角膜炎7例(8.2%)であった.
(効能追加承認時)注1)
重大な副作用
1. **眼障害
眼内炎(0.3%),眼圧上昇(4.7%),硝子体はく離(1.5%),外傷性白内障(0.7%),網膜出血(0.7%),網膜色素上皮裂孔(0.6%),硝子体出血(0.3%),網膜はく離(0.1%),網膜裂孔(0.09%),網膜色素上皮はく離(0.04%)があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.
2. 脳卒中
(0.3%)
観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと.(「その他の注意」の項参照)
その他の副作用
**眼
前眼部
-
5%以上
-
結膜出血(23.9%)
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眼
前眼部
-
1~5%未満
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眼充血,点状角膜炎
-
眼
前眼部
-
1%未満
-
白内障,角膜擦過傷,角膜浮腫,角膜びらん,角膜上皮欠損,角膜障害,角膜炎,前房内細胞,前房のフレア,結膜充血,結膜刺激,結膜浮腫,結膜炎,アレルギー性結膜炎,後のう部混濁,虹彩毛様体炎,ブドウ膜炎,前房蓄膿
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眼
前眼部
-
頻度不明注2)
-
虹彩炎
-
眼
後眼部
-
1~5%未満
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硝子体浮遊物
-
眼
後眼部
-
1%未満
-
硝子体細胞,硝子体混濁,黄斑線維症,黄斑浮腫,黄斑円孔,黄斑部瘢痕,網膜変性,網膜浮腫,網膜下線維症,網膜色素脱失,網膜色素上皮症,網膜分離症,硝子体炎
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眼
注射部位
-
1~5%未満
-
注射部位疼痛,注射部位出血
-
眼
注射部位
-
1%未満
-
注射部位刺激感,注射部位紅斑,注射部位不快感,注射部位乾燥,注射部位炎症,注射部位浮腫,注射部位腫脹,注射部位血腫
-
眼
その他
-
5%以上
-
眼痛
-
眼
その他
-
1~5%未満
-
眼の異物感,眼刺激,流涙増加,霧視,眼部不快感
-
眼
その他
-
1%未満
-
眼脂,眼乾燥,眼そう痒症,眼の異常感,眼瞼浮腫,眼瞼縁痂皮,眼瞼痛,眼瞼炎,眼窩周囲血腫,眼部腫脹,高眼圧症,羞明,視力障害,変視症,光視症,処置による疼痛,視力低下
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皮膚
-
1%未満
-
そう痒症,紅斑
-
循環器
-
1%未満
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高血圧,収縮期血圧上昇
-
精神神経系
-
1%未満
-
会話障害,頭痛
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消化器
-
1%未満
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悪心
-
泌尿器
-
1%未満
-
蛋白尿,尿中蛋白/クレアチニン比増加
-
その他
1%未満
不快感,鼻出血,薬物過敏症,針恐怖
**注1)投与手技に起因する有害事象を含む.また,各事象の発現頻度は,特に記載のない限り,滲出型加齢黄斑変性患者を対象とした第III相試験〔2試験の併合解析(2年間)〕(日本人症例を含む),網膜中心静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫を有する患者を対象とした第III相試験〔2試験(76週間と100週間)の併合解析〕(日本人症例を含む)及び病的近視における脈絡膜新生血管患者を対象とした第III相試験〔1試験(48週間)〕(日本人症例を含む)を合算した.
注2)自発報告のため頻度不明とした.
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので,注意すること.
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.*妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと.妊娠可能な女性には,本剤投与中(最終投与後3ヵ月以上),適切な避妊法を用いるよう指導すること.なお,本剤投与中止後の適切な避妊期間は明らかでない注3)(「薬物動態」の項参照).[ウサギの胚・胎児毒性試験(3~60mg/kgを器官形成期に静脈内投与)において,母動物の体重減少,流産,着床後胚死亡及び胎児奇形(外表,内臓及び骨格奇形)の増加が報告されている.別のウサギ胚・胎児毒性試験(0.1~1mg/kgを妊娠1日~器官形成期に皮下投与)において,胎児奇形(外表,内臓及び骨格奇形)の増加が報告されている.妊娠ウサギにおいて,本剤の胎盤通過性が認められた.]
-
2.授乳中の女性には本剤投与中は授乳を避けさせること.[ヒト母乳中への移行は不明である.]
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注3)ウサギの胚・胎児毒性試験で,胎児奇形がみられた最低用量における最高血漿中濃度は259ng/mLであり,安全域は明確になっていない.
小児等への投与
低出生体重児,新生児,乳児,幼児又は小児に対する安全性は確立していない.[使用経験がない.]
過量投与
臨床試験において,一過性の眼圧上昇が報告されている.投与容量の増加に伴い眼圧が上昇することがあるので,眼圧を測定し,異常が認められた場合には適切な処置を行うこと.
適用上の注意
1. 投与経路
本剤は硝子体内にのみ投与すること.
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(1)本剤は,注射前に室温に戻すこと.室温に放置した時間が24時間を超えないように使用すること.未開封で室温に放置した時間が24時間を超えない限り,再度冷蔵保存することができるが,必要最小限に留めること.
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(2)目視による確認を行い,注射液に微粒子,混濁又は変色が認められる場合,容器に破損が認められる場合等,異常が認められる場合には使用しないこと.
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3. 投与時
30ゲージの眼科用針を使用すること.
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(1)
-
1バイアルは1回(片眼)のみの使用とすること.
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(2)プラスチック製のキャップを取り,バイアルのゴム栓の外側を消毒する.(図1)

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(3)箱に同梱された専用フィルター付き採液針(18G,5ミクロンのフィルター針)(以下,採液針)を滅菌された1mLシリンジに取り付ける.(図2)
注意:採液針はバイアルから注射液を採取すること以外には使用しないこと.採液針の包装が破損,汚損している場合,及び製品に破損,変形等の異常が認められる場合には使用しないこと.

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(4)採液針をゴム栓の中心部に,針先がバイアルの底に着くまで差し込む.
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(5)無菌的操作によりバイアル中の注射液全てを吸引する.バイアルは正立させ,吸引しやすいように若干傾ける.なお,採液針の針先の断面を常に注射液につけた状態にして,シリンジ内に空気が入らないよう注意すること.(図3a,3b)

-

-
(6)採液針の中に注射液が残らないよう,プランジャーを十分に引く.シリンジを採液針から取りはずす.
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(7)採液針をバイアルから取りはずし,適切な方法で廃棄する.
注意:採液針は硝子体内注射には絶対に使用しないこと.1回のみの使用で再滅菌・再使用しないこと.
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(8)無菌的操作により30ゲージの眼科用針をシリンジの先端にしっかりと装着する.(図4)

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(9)投与準備ができたら,注射針のキャップをはずす.
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(10)注射針の先端を上に向けて持ち,シリンジ内の気泡の有無を確認する.気泡が認められた場合には,シリンジを指で軽くたたき気泡を上端まで移動させる.(図5)

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(11)気泡と余剰薬液を排出するため,シリンジの0.05mLの標線に並ぶまでゆっくりとプランジャーを押す.(図6)

その他の注意
1.**本剤投与により,全身のVEGF阻害に起因する動脈血栓塞栓に関連する有害事象(心筋梗塞,脳卒中,血管死等)が発現する可能性がある.滲出型加齢黄斑変性患者を対象に国内外で実施された第III相試験〔2試験の併合解析(2年間)〕における動脈血栓塞栓関連事象の発現率は,本剤投与群全体で3.3%(1,824例中60例)であった.網膜中心静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫を有する患者を対象に国内外で実施された第III相試験〔2試験(76週間と100週間)の併合解析〕における動脈血栓塞栓関連事象の発現率は,本剤投与群全体で0.6%(317例中2例)であった.病的近視における脈絡膜新生血管患者を対象に国内外で実施された第III相試験〔1試験(48週間)〕における動脈血栓塞栓関連事象の発現率は,本剤投与群全体で0.9%(116例中1例)であった.
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2.本剤投与により,抗アフリベルセプト抗体が発現することがある.
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3.本剤単独とベルテポルフィンによる光線力学的療法の併用を比較した試験は実施されておらず,本剤とベルテポルフィンを併用した場合の有効性及び安全性が本剤単独時に比べて優れているとの結果は得られていない.
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4.サルに4週間間隔で8ヵ月間硝子体内反復投与後の病理組織学的検査において,2及び4mg/眼投与群の鼻粘膜(鼻甲介呼吸上皮)に軽度なびらん又は潰瘍を示す動物が観察されたが,休薬により回復する可逆性変化であった.0.5mg/眼投与群に当該所見は認められず,当該用量(無毒性量)における血漿中遊離型アフリベルセプトの曝露量は,臨床で2mgを硝子体内反復投与した時の定常状態におけるCmax及びAUCのそれぞれ42倍及び56倍に相当した.
薬物動態
吸収・分布
アフリベルセプトは硝子体内投与された後,全身循環血中に移行する.また,全身循環血中では,不活性で安定なVEGF複合体としてほとんどが存在する.なお,内因性VEGFと結合するのは,遊離型アフリベルセプトのみである.
外国人滲出型加齢黄斑変性患者(6例)に本剤2mgを硝子体内投与したとき,遊離型アフリベルセプトは投与後1~3日目に最高血漿中濃度(Cmax)に達し,Cmaxの平均値は約20ng/mL(0~54ng/mL)であった1).血漿中遊離型アフリベルセプトは,6例中3例では全ての測定時点で定量下限未満であり,投与2週間後にはほとんどの患者で検出されなかった.投与後の被験者ごとの血漿中遊離型アフリベルセプト濃度推移及び薬物動態学的パラメータの要約を以下に示す.
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図 本剤2mgを硝子体内投与後の血漿中遊離型アフリベルセプト濃度推移(N=3,定量下限値を上回った症例)
(下表参照)
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*日本人を含む第III相国際共同試験において,日本人及び外国人滲出型加齢黄斑変性患者に本剤2mgを4週ごとに硝子体内投与したとき,初回投与1週後の血漿中遊離型アフリベルセプト濃度はそれぞれ2.21±6.24ng/mL(範囲:0-19.6ng/mL,N/N>LLOQ※1=26/3)及び5.20±9.32ng/mL(範囲:0-35.0ng/mL,N/N>LLOQ※1=143/36)であった2).4週ごとに硝子体内投与したとき,血漿中での蓄積は認められなかった2).また,本剤2mgを4週ごとに硝子体内投与したとき,3回目投与4週後の血漿中遊離型アフリベルセプト濃度は最大27.8ng/mL(N/N>LLOQ※1=164/2),13回又は14回投与した後,全例が定量下限値(15.6ng/mL)未満となったのは投与8週間後であった(「妊婦,産婦,授乳婦等への投与」の項参照).
**日本人を含む第III相国際共同試験において,網膜中心静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫を有する患者及び病的近視における脈絡膜新生血管患者に本剤2mgを硝子体内投与したとき,本剤は血漿中において滲出型加齢黄斑変性患者と同様な薬物動態を示した3,4,13,14).
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※1:被験者数/血漿中遊離型薬物濃度が定量下限値(15.6ng/mL)を上回った被験者数
※2:血漿中遊離型薬物濃度が定量下限未満の被験者を0として算出した平均±標準偏差
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分布
有色ウサギにアフリベルセプト1mg(0.5mg/眼)を硝子体内投与したとき,遊離型アフリベルセプトは主に硝子体に存在し,その濃度は網膜及び脈絡膜と比べて顕著に高かった.硝子体における最高濃度は491μg/mL,網膜及び脈絡膜中における最高濃度は,それぞれ20.8μg/g及び36.2μg/gであった.遊離型アフリベルセプトの眼内各組織における消失半減期は同様で115~132時間であった.血漿中の遊離型アフリベルセプト濃度は,眼内濃度と比べて極めて低く,硝子体中濃度のおよそ1,000分の1であった5).
表 本剤2mgを硝子体内投与後の薬物動態学的パラメータ(N=6)
パラメータ |
N /
N>LLOQ※1 |
平均±標準偏差 (範囲) |
Cmax (ng/mL) |
6/3 |
19.3±22.8※2 (0-54.0) |
tmax (day) |
3 |
1.43±1.46 (0.253-3.07) |
AUC (0-tlast)(ng・day/mL) |
6/3 |
119±190※2 (0-474) |
MRT (0-tlast)(day) |
6/3 |
1.66±2.37※2 (0-5.75) |
-
※1:被験者数/血漿中遊離型薬物濃度が定量下限値(15.6ng/mL)を上回った被験者数
※2:血漿中遊離型薬物濃度が定量下限未満の被験者を0として算出した平均±標準偏差
臨床成績
-
悪化した場合(両試験共通)
・OCT(光干渉断層撮影)による中心網膜厚の増加を認めるとともに,最高矯正視力スコアがそれまでの最高スコアから5文字以上の低下
-
・OCTによる中心網膜厚が,既測定値の最低値よりも50μmを超える増加
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・OCTにより検出される網膜の新規又は遷延性ののう胞性変化あるいは網膜下液,若しくは中心網膜厚が250μm以上の遷延性びまん性浮腫
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改善した場合(GALILEO試験)
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・最高矯正視力スコアが前回来院時から5文字以上改善,並びにOCTの中心サブフィールド(中心窩から直径1mmの範囲)に網膜浮腫が存在しない
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改善した場合(COPERNICUS試験)
-
・最高矯正視力スコアが前回来院時から5文字以上改善
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以下の基準のうち1項目以上を満たした場合
・最高矯正視力スコアが前回の検査から5文字以上の低下
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・OCT(光干渉断層撮影)による中心網膜厚が前回の検査よりも50μm超増加
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・新規又は遷延性の網膜ののう胞性変化,網膜下液,色素上皮はく離
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・新規又は遷延性の脈絡膜新生血管又は出血
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・治験担当医師の印象及び/又は標準医療の診断から,投与が必要と考えられる場合
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図 MYRROR試験における最高矯正視力の平均変化量(文字数)の推移
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1. 中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性
滲出型加齢黄斑変性患者を対象に,1年目は本剤8週ごと2mg投与(ただし,最初の3回は4週ごとに投与),4週ごと2mg投与,4週ごと0.5mg投与,及びラニビズマブ4週ごと0.5mg投与の4群による無作為化二重遮蔽第III相試験2試験を実施した.その後2年目は,4週ごとに投与の必要性を評価し,投与間隔が最長でも12週間を超えないように1年目と同じ用量を再投与基準に従って硝子体内投与した[VIEW1試験(海外第III相試験),VIEW2試験(日本人を含む第III相国際共同試験)].
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(1) 日本人を含む第III相国際共同試験(VIEW2試験)2,6,7)
主要評価項目であるETDRS視力表により1年目に視力が維持※されていた患者の割合(PPS解析)は,本剤8週ごと2mg投与群では95.6%[日本人100%],ラニビズマブ4週ごと0.5mg投与群では94.4%[日本人96.0%]であった(表1参照).ラニビズマブ0.5mg投与群と本剤8週ごと2mg投与群の群間差とその95.0%信頼区間は-1.1%[-4.8%~2.6%]であり,信頼区間の上限値が非劣性の限界値(10%)を下回ったことから,本剤8週ごと2mg投与群のラニビズマブ0.5mg投与群に対する非劣性が示された.
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※:ベースラインと比較し最高矯正視力の低下が15文字未満
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図 VIEW2試験における最高矯正視力の平均変化量(文字数)の推移
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(2) 海外第III相試験(VIEW1試験)6,8)
主要評価項目であるETDRS視力表により1年目に視力が維持※されていた患者の割合(PPS解析)は,本剤8週ごと2mg投与群では95.1%,ラニビズマブ4週ごと0.5mg投与群では94.4%であった(表2参照).ラニビズマブ0.5mg投与群と本剤8週ごと2mg投与群の群間差とその95.1%信頼区間は-0.7%[-4.5%~3.1%]であり,信頼区間の上限値が非劣性の限界値(10%)を下回ったことから,本剤8週ごと2mg投与群のラニビズマブ0.5mg投与群に対する非劣性が示された.
※:ベースラインと比較し最高矯正視力の低下が15文字未満
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図 VIEW1試験における最高矯正視力の平均変化量(文字数)の推移
-
2. 網膜中心静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫
網膜中心静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫を有する患者を対象に,本剤2mg投与群及び対照群の2群による無作為化二重遮蔽比較対照第III相試験2試験を実施した[GALILEO試験(日本人を含む第III相国際共同試験),COPERNICUS試験(海外第III相試験)].GALILEO試験では,本剤2mg投与群は20週目まで4週ごとに計6回投与し,その後はPRN投与※1を行い,一方,対照群は48週目まで4週ごとにSham注射※2し,その後はPRN投与※3を行った.COPERNICUS試験では,本剤2mg投与群は20週目まで4週ごとに計6回投与し,その後はPRN投与※4を行い,一方,対照群は20週目までは4週ごとにSham注射し,その後はPRN投与※4を行った.
-
※1:24から48週目までは4週ごとに,52週目以降は8週ごとに再投与基準に従って本剤2mgを投与又はSham注射を行った
-
※2:硝子体内注射と同じ処置を行うが,注射の代わりに針のない注射シリンジを局所麻酔下で眼球に押し付ける方法
-
※3:52週目においては,治験担当医師が投与すべきでないと判断する場合を除いて,本剤2mgの投与を行った.その後,60週目と68週目は再投与基準に従って本剤2mgを投与又はSham注射を行った
-
※4:24から48週目までは4週ごとに,52週目以降は12週ごとに再投与基準に従って本剤2mgを投与した.また,52週目以降は,本剤2mgを投与しなかった場合は,Sham注射は実施しなかった
-
(1) 日本人を含む第III相国際共同試験(GALILEO試験)3,4,9)
主要評価項目であるETDRS視力表により24週目に最高矯正視力で15文字以上の視力改善がみられた患者の割合(FAS解析)は,対照群22.1%に対し,本剤2mg投与群で60.2%,群間差は38.3%(95%信頼区間:24.4~52.1%)であり,本剤群が有意に優れていることが示された〔p<0.0001,Cochran-Mantel-Haenszel(CMH)検定〕.日本人集団においても,対照群12.5%に対し,本剤2mg投与群で61.5%,群間差は49.0%(95%信頼区間:3.93~80.04%)であった.また52週目でも,対照群32.4%に対し,本剤2mg投与群で60.2%,群間差は27.9%(95%信頼区間:13.0~42.7%)であり,日本人集団においても,対照群25.0%に対し,本剤2mg投与群で69.2%,群間差は44.2%(95%信頼区間:-1.57~77.36%)であった(表3参照).
-

図 GALILEO試験における最高矯正視力の平均変化量(文字数)の推移
-
(2) 海外第III相試験(COPERNICUS試験)10,11,12)
主要評価項目であるETDRS視力表により24週目に最高矯正視力で15文字以上の視力改善がみられた患者の割合(FAS解析)は,対照群12.3%に対し,本剤2mg投与群で56.1%,群間差は44.8%(95%信頼区間:33.0~56.6%)であり,本剤群が有意に優れていることが示された(p<0.0001,CMH検定).また52週目でも,対照群30.1%に対し,本剤2mg投与群で55.3%,群間差は25.9%(95%信頼区間:11.8~40.1%)であった(表4参照).
-

図 COPERNICUS試験における最高矯正視力の平均変化量(文字数)の推移
-
3. **病的近視における脈絡膜新生血管13,14)
病的近視における脈絡膜新生血管患者を対象に本剤2mg投与群及び対照群の2群による無作為化二重遮蔽比較対照第III相試験1試験を実施した[MYRROR試験(日本人を含む第III相国際共同試験)].本剤投与群は単回投与後,44週目までPRN投与※1,対照群は20週目までは4週ごとにSham注射※2し,24週目に本剤を単回投与後,44週目までPRN投与※1を行った.
主要評価項目であるETDRS視力表による24週目における最高矯正視力のベースラインからの変化量(FAS解析)は,本剤2mg投与群12.1文字の視力改善に対し,対照群は2.0文字の減少,群間差は14.1文字(95%信頼区間:10.8~17.4文字)であり,本剤2mg投与のSham注射に対する優越性が示された(p<0.0001,共分散分析).日本人集団においても,本剤2mg投与群10.9文字の視力改善に対し,対照群は3.7文字の減少,群間差は14.8文字(95%信頼区間:10.8~18.8文字)であった.また48週目でも,本剤2mg投与群では13.5文字の視力改善に対し,対照群は3.9文字の改善であり,日本人集団においても,本剤2mg投与群では12.6文字の視力改善に対し,対照群は2.3文字の改善であった(表5参照).
-
※1:4週ごとに評価を行い,再投与基準に従って本剤2mgを投与又はSham注射を行った
※2:硝子体内注射と同じ処置を行うが,注射の代わりに針のない注射シリンジを局所麻酔下で眼球に押し付ける方法
表1 VIEW2試験における有効性及び投与回数(1年目及び2年目の成績)
|
|
本剤8週ごと2mg投与群 |
本剤4週ごと2mg投与群 |
本剤4週ごと0.5mg投与群 |
ラニビズマブ0.5mg投与群 |
52週目(1年)に視力が維持されていた患者の割合(%)
(PPS) |
全集団 |
95.6
(258/270) |
95.6
(262/274) |
96.3
(258/268) |
94.4
(254/269) |
52週目(1年)に視力が維持されていた患者の割合(%)
(PPS) |
日本人集団 |
100
(24/24) |
100
(24/24) |
100
(23/23) |
96.0
(24/25) |
52週目(1年)での最高矯正視力スコアの平均変化量±標準偏差
(FAS,LOCF) |
全集団 |
8.9±14.4
(306) |
7.6±12.6
(309) |
9.7±14.1
(296) |
9.4±13.5
(291) |
52週目(1年)での最高矯正視力スコアの平均変化量±標準偏差
(FAS,LOCF) |
日本人集団 |
10.0±11.1
(25) |
8.5±8.4
(26) |
15.9±10.6
(25) |
9.4±13.0
(25) |
96週目(2年)での最高矯正視力スコアの平均変化量±標準偏差
(FAS,LOCF) |
全集団 |
8.1±15.6
(306) |
6.0±14.9
(309) |
8.1±15.8
(296) |
8.5±15.0
(291) |
96週目(2年)での最高矯正視力スコアの平均変化量±標準偏差
(FAS,LOCF) |
日本人集団 |
10.5±13.2
(25) |
5.3±15.9
(26) |
16.0±11.3
(25) |
7.3±18.2
(25) |
1年目の投与回数±標準偏差
(FAS) |
全集団 |
7.5±1.2 |
12.2±2.2 |
12.3±2.1 |
12.4±1.8 |
1年目の投与回数±標準偏差
(FAS) |
日本人集団 |
7.7±1.2 |
12.5±1.3 |
12.4±2.1 |
12.8±0.8 |
2年目の投与回数±標準偏差
(2年目に入った患者) |
全集団 |
4.0±1.8 |
3.9±1.9 |
4.5±2.3 |
4.7±2.3 |
2年目の投与回数±標準偏差
(2年目に入った患者) |
日本人集団 |
3.4±0.7 |
3.1±0.7 |
3.8±1.7 |
4.5±2.4 |
表2 VIEW1試験における有効性及び投与回数(1年目及び2年目の成績)
|
|
本剤8週ごと2mg投与群 |
本剤4週ごと2mg投与群 |
本剤4週ごと0.5mg投与群 |
ラニビズマブ0.5mg投与群 |
52週目(1年)に視力が維持されていた患者の割合(%)
(PPS) |
全集団 |
95.1
(252/265) |
95.1
(271/285) |
95.9
(259/270) |
94.4
(254/269) |
52週目(1年)での最高矯正視力スコアの平均変化量±標準偏差
(FAS,LOCF) |
全集団 |
7.9±15.00
(301) |
10.9±13.77
(304) |
6.9±13.41
(301) |
8.1±15.25
(304) |
96週目(2年)での最高矯正視力スコアの平均変化量±標準偏差
(FAS,LOCF) |
全集団 |
7.1±16.8
(301) |
9.3±15.9
(304) |
5.1±14.6
(301) |
7.3±17.1
(304) |
1年目の投与回数±標準偏差
(FAS) |
全集団 |
7.6±1 |
12.5±1 |
12.1±2 |
12.1±2 |
2年目の投与回数±標準偏差
(2年目に入った患者) |
全集団 |
4.2±1.73 |
4.0±1.77 |
4.5±2.18 |
4.5±2.17 |
表3 GALILEO試験における有効性及び投与回数(24週目,52週目及び76週目の成績)
|
|
対照群※1 |
本剤2mg投与群※2 |
24週目に15文字以上の視力改善がみられた患者の割合※3(%)
(FAS) |
全集団 |
22.1
(15/68) |
60.2
(62/103) |
24週目に15文字以上の視力改善がみられた患者の割合※3(%)
(FAS) |
日本人集団 |
12.5
(1/8) |
61.5
(8/13) |
24週目での最高矯正視力スコアの平均変化量±標準偏差
(LOCF,FAS) |
全集団 |
3.3±14.1
(68) |
18.0±12.2
(103) |
24週目での最高矯正視力スコアの平均変化量±標準偏差
(LOCF,FAS) |
日本人集団 |
0.6±10.9
(8) |
17.3±11.5
(13) |
24週目までの投与回数±標準偏差
(FAS) |
全集団 |
5.3±1.5 |
5.7±0.9 |
24週目までの投与回数±標準偏差
(FAS) |
日本人集団 |
4.1±2.1 |
6.0±0.0 |
52週目に15文字以上の視力改善がみられた患者の割合(%)
(LOCF,FAS) |
全集団 |
32.4
(22/68) |
60.2
(62/103) |
52週目に15文字以上の視力改善がみられた患者の割合(%)
(LOCF,FAS) |
日本人集団 |
25.0
(2/8) |
69.2
(9/13) |
52週目での最高矯正視力スコアの平均変化量±標準偏差
(LOCF,FAS) |
全集団 |
3.8±18.1
(68) |
16.9±14.8
(103) |
52週目での最高矯正視力スコアの平均変化量±標準偏差
(LOCF,FAS) |
日本人集団 |
3.3±14.3
(8) |
15.9±13.5
(13) |
52週目までの投与回数±標準偏差
(FAS) |
全集団 |
10.5±4.2 |
11.8±2.8 |
52週目までの投与回数±標準偏差
(FAS) |
日本人集団 |
7.6±5.8 |
12.2±1.9 |
76週目に15文字以上の視力改善がみられた患者の割合(%)
(FAS) |
全集団 |
29.4
(20/68) |
57.3
(59/103) |
76週目に15文字以上の視力改善がみられた患者の割合(%)
(FAS) |
日本人集団 |
12.5
(1/8) |
53.8
(7/13) |
76週目での最高矯正視力スコアの平均変化量±標準偏差
(LOCF,FAS) |
全集団 |
6.2±17.7
(68) |
13.7±17.8
(103) |
76週目での最高矯正視力スコアの平均変化量±標準偏差
(LOCF,FAS) |
日本人集団 |
4.1±14.6
(8) |
14.0±17.1
(13) |
表4 COPERNICUS試験における有効性及び投与回数(24週目,52週目及び100週目の成績)
|
|
対照群※1 |
本剤2mg投与群※2 |
24週目に15文字以上の視力改善がみられた患者の割合(%)
(LOCF※3,FAS) |
全集団 |
12.3
(9/73) |
56.1
(64/114) |
24週目での最高矯正視力スコアの平均変化量±標準偏差
(LOCF,FAS) |
全集団 |
-4.0±17.96
(73) |
17.3±12.78
(114) |
24週目までの投与回数±標準偏差
(FAS) |
全集団 |
5.3±1.33 |
5.8±0.66 |
52週目に15文字以上の視力改善がみられた患者の割合(%)
(LOCF※3,FAS) |
全集団 |
30.1
(22/73) |
55.3
(63/114) |
52週目での最高矯正視力スコアの平均変化量±標準偏差
(LOCF,FAS) |
全集団 |
3.8±17.14
(73) |
16.2±17.35
(114) |
52週目までの投与回数±標準偏差
(FAS) |
全集団 |
10.6±3.85 |
12.2±2.07 |
100週目に15文字以上の視力改善がみられた患者の割合(%)
(LOCF※3,FAS) |
全集団 |
23.3
(17/73) |
49.1
(56/114) |
100週目での最高矯正視力スコアの平均変化量±標準偏差
(LOCF,FAS) |
全集団 |
1.5±17.67
(73) |
13.0±17.72
(114) |
**表5 MYRROR試験における有効性及び投与回数(24週目,48週目の成績)
|
|
対照群※3 |
本剤2mg投与群 |
24週目での最高矯正視力スコアの平均変化量±標準誤差
(LOCF,FAS) |
全集団 |
-2.0±9.7
(31) |
12.1±8.3
(90) |
24週目での最高矯正視力スコアの平均変化量±標準誤差
(LOCF,FAS) |
日本人集団 |
-3.7±10.1
(23) |
10.9±8.0
(67) |
24週目での15文字以上の視力改善がみられた患者の割合(%)
(FAS) |
全集団 |
9.7
(3/31) |
38.9
(35/90) |
24週目での15文字以上の視力改善がみられた患者の割合(%)
(FAS) |
日本人集団 |
8.7
(2/23) |
35.8
(24/67) |
20週目までの平均投与回数±標準偏差
(FAS) |
全集団 |
0
(31) |
2.9±1.6
(90) |
20週目までの平均投与回数±標準偏差
(FAS) |
日本人集団 |
0
(23) |
3.2±1.7
(67) |
48週目での最高矯正視力スコアの平均変化量±標準誤差
(LOCF,FAS) |
全集団 |
3.9±14.3
(31) |
13.5±8.8
(90) |
48週目での最高矯正視力スコアの平均変化量±標準誤差
(LOCF,FAS) |
日本人集団 |
2.3±15.3
(23) |
12.6±8.8
(67) |
48週目での15文字以上の視力改善がみられた患者の割合(%)
(FAS) |
全集団 |
29.0
(9/31) |
50.0
(45/90) |
48週目での15文字以上の視力改善がみられた患者の割合(%)
(FAS) |
日本人集団 |
21.7
(5/23) |
47.8
(32/67) |
44週目までの平均投与回数±標準偏差
(FAS) |
全集団 |
3.0±2.2
(31) |
4.2±3.1
(90) |
44週目までの平均投与回数±標準偏差
(FAS) |
日本人集団 |
3.3±2.5
(23) |
4.7±3.3
(67) |
-
( )内は該当例数/評価例数又は評価例数
( )内は該当例数/評価例数又は評価例数
( )内は該当例数/評価例数又は評価例数
※1:48週目まで4週ごとにSham注射し,その後はPRN投与
※2:20週目まで4週ごとに計6回投与し,その後はPRN投与
※3:24週目までに早期中止した患者は「非改善」とした.
( )内は該当例数/評価例数又は評価例数
※1:20週目まで4週ごとにSham注射し,その後はPRN投与
※2:20週目まで4週ごとに計6回投与し,その後はPRN投与
※3:24週目までに早期中止し,かつ本剤2mg投与又はSham注射の回数が5回未満の患者は「非改善」とした.それ以外の場合は,LOCF法によって補完した.
**( )内は該当例数/評価例数又は評価例数
**※3:20週目まで4週ごとにSham注射し,24週目に本剤を単回投与後は44週目までPRN投与
薬効薬理
1. 作用機序
-
アフリベルセプト(遺伝子組換え)は,ヒトVEGF受容体1及び2の細胞外ドメインをヒトIgG1のFcドメインに結合した組換え融合糖蛋白質であり,可溶性のデコイ受容体として,滲出型加齢黄斑変性等の眼疾患にみられる病的な血管新生及び血管漏出に関与すると考えられているVEGF-A及び胎盤増殖因子(PlGF)15,16)に,本来の受容体よりも高い親和性で結合することにより,その作用を阻害する.また,同様に眼疾患への関与が報告17)されているVEGF-Bにも結合する.アフリベルセプトのヒトVEGF-A165,VEGF-A121,VEGF-B及びPlGF-2に対する結合の解離定数(KD)は,それぞれ0.5pM,0.36pM,1.9pM及び39pMであった(in vitro)18,19).
-
2. 動物モデルにおける作用
-
マウス,ラット及びサルの眼疾患動物モデルにおいて,アフリベルセプトは,眼内の病的な血管新生及び血管漏出の発生を抑制した20,21,22).サルのレーザー誘発脈絡膜新生血管モデルでは,アフリベルセプトの硝子体内投与により,レーザー傷害後の脈絡膜新生血管(CNV)の形成が抑制され,また既に形成されたCNV病変の血管漏出が改善した22).
有効成分に関する理化学的知見
一般名
-
アフリベルセプト(遺伝子組換え)
Aflibercept(Genetical Recombination)
-
分子式
-
C4330H6812N1168O1306S32
(蛋白質部分,2量体)
-
分子量
-
約115,000
-
本質
-
ヒトVEGF受容体1の第2 Igドメイン,ヒトVEGF受容体2の第3 Igドメイン,及びヒトIgG1のFcドメインからなる432アミノ酸残基のサブユニット2分子から構成される遺伝子組換え融合糖蛋白質
取扱い上の注意
遮光を保つため,本剤は外箱に入れた状態で保存すること.
包装
アイリーア硝子体内注射液40mg/mL
1バイアル(専用フィルター付き採液針 1本添付)
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
-
DiCioccio, T. et al.:バイエル薬品社内資料[薬物動態(外国人)](2010)
-
2)
-
Anderesi, M.:バイエル薬品社内資料[日本人を含む第III相国際共同試験](2011)
-
3)
-
Stemper, B.:バイエル薬品社内資料[24週,日本人を含む第III相国際共同試験](2012)
-
4)
-
Stemper, B.:バイエル薬品社内資料[52週,日本人を含む第III相国際共同試験](2012)
-
5)
-
Struble, C. et al.:バイエル薬品社内資料[薬物動態(分布)](2008)
-
6)
-
Anderesi, M.:バイエル薬品社内資料[第III相試験(2年間,併合解析)](2012)
-
7)
-
Anderesi, M.:バイエル薬品社内資料[第III相試験(2年間,日本人)](2012)
-
8)
-
Vitti, R. L.:バイエル薬品社内資料[第III相試験(海外データ)](2011)
-
9)
-
Stemper, B.:バイエル薬品社内資料[76週,日本人を含む第III相国際共同試験](2013)
-
10)
-
Vitti, R. L.:バイエル薬品社内資料[第III相試験(24週,海外データ)](2012)
-
11)
-
Vitti, R. L.:バイエル薬品社内資料[第III相試験(52週,海外データ)](2012)
-
12)
-
Vitti, R. L.:バイエル薬品社内資料[第III相試験(100週,海外データ)](2012)
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13)
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**Stemper, B.:バイエル薬品社内資料[24週,日本人を含む第III相国際共同試験](2013)
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14)
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**Asmus, F.:バイエル薬品社内資料[48週,日本人を含む第III相国際共同試験](2014)
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Luttun, A. et al.:Biochem. Biophys. Res. Commun. 295:428(2002)
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Cao, Y. et al.:Sci. Signal. 2:re1(2009)
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17)
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Zhong, X. et al.:Mol. Vis. 17:492(2011)
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-
Rafique, A. et al.:バイエル薬品社内資料[薬効薬理](2008)
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Shi, E. et al.:バイエル薬品社内資料[薬効薬理](2011)
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20)
-
Cursiefen, C. et al.:Invest. Ophthalmol. Vis. Sci. 45:2666(2004)
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21)
-
Cao, J. et al.:Invest. Ophthalmol. Vis. Sci. 51:6009(2010)
-
22)
-
Nork, T. M. et al.:Arch. Ophthalmol. 129:1042(2011)
文献請求先
-
主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求下さい.
バイエル薬品株式会社・メディカルインフォメーション
-
〒530-0001 大阪市北区梅田二丁目4番9号
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-
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-
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-
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-
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