Sigmart(Nicorandil for injection)尼可地尔注射剂,シグマート注2mg/シグマート注12mg/シグマート注48mg
--------------------------------------------------------------------------------
尼可地尔是日本研制的新一类抗心绞痛药物
具有双重抗心绞痛机制:硝酸酯类作用扩张静脉及心外膜冠状动脉以及开放钾-ATP通道引起外周动脉和冠状动脉阻力血管扩张。其药理作用降低心脏前后负荷,增加冠状动脉血流,改善冠状循环,并防止冠状动脉痉挛。基于对线粒体的ATP敏感的钾通道的作用,尼可地尔发挥药物性预适应作用以及缺血或再灌注导致的心肌损伤的心脏保护作用。日本、欧洲和中国的临床报告提示尼可地尔具有与硝酸酯、β阻滞剂和钙拮抗剂相当的抗心绞痛作用。
临床试验显示尼可地尔可预防稳定型心绞痛患者心绞痛发作及改善运动耐力。IONA和JCAD研究显示稳定型心绞痛患者长期服用尼可地尔显著改善预后,减少主要冠状动脉事件或心血管死亡。
尼可地尔耐受性好,无耐药性,只有轻微不良反应,如头痛、恶心、脸红和头晕。有报告尼可地尔可引起口腔、肛门及胃肠道溃疡。
尼可地尔是耐受良好的抗心绞痛新药,有血管扩张和心脏保护作用。其临床作用与当前的抗心绞痛药物不同,当其他药物控制心绞痛不满意时可加用尼可地尔。
ダウンロード
作成又は改訂年月
**2014年7月改訂(第11版)
*2010年3月改訂
日本標準商品分類番号
872171
日本標準商品分類番号等
再審査結果公表年月(最新)
**2014年3月
効能又は効果追加承認年月(最新)
2007年10月
薬効分類名
不安定狭心症治療剤
急性心不全治療剤
承認等
販売名
シグマート注2mg

販売名コード
2171406D1021
承認・許可番号
承認番号
20500AMZ00348
商標名
SIGMART
薬価基準収載年月
薬価基準収載年月
1993年8月
販売開始年月
1993年9月
貯法・使用期限等
貯 法
10℃以下
使用期限
2年(外箱、ラベルに表示の使用期限内に使用すること)
規制区分
**処方箋医薬品注1)
注意-医師等の処方箋により使用すること
組成
成分・含有量(1バイアル中):有効成分
日局ニコランジル 2mg
成分・含有量(1バイアル中):添加物
D‐マンニトール 3mg
成分・含有量(1バイアル中):添加物
クエン酸ナトリウム水和物 含有
性状
剤形
凍結乾燥注射剤(無色透明バイアル)
色・形状
白色の塊又は粉末
組成及び性状の表
溶解時のpH及び浸透圧比
溶解液:濃度(%) |
生理食塩液:0.01 |
生理食塩液:0.02 |
生理食塩液:0.03 |
5%ブドウ糖注射液:0.01 |
5%ブドウ糖注射液:0.02 |
5%ブドウ糖注射液:0.03 |
pH |
6.6±1.0 |
6.8±1.0 |
6.9±1.0 |
6.7±1.0 |
7.0±1.0 |
7.1±1.0 |
浸透圧比注2) |
約1 |
約1 |
約1 |
約1 |
約1 |
約1 |
注2)生理食塩液に対する比
販売名
シグマート注12mg
販売名コード
販売名コード
2171406D2028
承認・許可番号
承認番号
20500AMZ00349
商標名
SIGMART
薬価基準収載年月
1993年8月
販売開始年月
1993年9月
貯法・使用期限等
貯 法
10℃以下
使用期限
2年(外箱、ラベルに表示の使用期限内に使用すること)
規制区分
**処方箋医薬品注1)
注意-医師等の処方箋により使用すること
組成
成分・含有量(1バイアル中):有効成分
日局ニコランジル 12mg
成分・含有量(1バイアル中):添加物
D‐マンニトール 18mg
成分・含有量(1バイアル中):添加物
クエン酸ナトリウム水和物 含有
性状
剤形
凍結乾燥注射剤(無色透明バイアル)
色・形状
白色の塊又は粉末
組成及び性状の表
溶解時のpH及び浸透圧比
溶解液:濃度(%) |
生理食塩液:0.01 |
生理食塩液:0.02 |
生理食塩液:0.03 |
5%ブドウ糖注射液:0.01 |
5%ブドウ糖注射液:0.02 |
5%ブドウ糖注射液:0.03 |
pH |
6.6±1.0 |
6.8±1.0 |
6.9±1.0 |
6.7±1.0 |
7.0±1.0 |
7.1±1.0 |
浸透圧比注2) |
約1 |
約1 |
約1 |
約1 |
約1 |
約1 |
注2)生理食塩液に対する比
販売名
シグマート注48mg
販売名コード
2171406D3024
販売名コード
2171406D3024
承認・許可番号
承認番号
20800AMZ10235
商標名
SIGMART
薬価基準収載年月
薬価基準収載年月
1997年6月
販売開始年月
1997年6月
貯法・使用期限等
貯 法
10℃以下
使用期限
2年(外箱、ラベルに表示の使用期限内に使用すること)
規制区分
**処方箋医薬品注1)
注意-医師等の処方箋により使用すること
組成
成分・含有量(1バイアル中):有効成分
日局ニコランジル 48mg
成分・含有量(1バイアル中):添加物
D‐マンニトール 72mg
成分・含有量(1バイアル中):添加物
クエン酸ナトリウム水和物 含有
性状
剤形
凍結乾燥注射剤(無色透明バイアル)
色・形状
白色の塊又は粉末
組成及び性状の表
溶解時のpH及び浸透圧比
溶解液:濃度(%) |
生理食塩液:0.01 |
生理食塩液:0.02 |
生理食塩液:0.03 |
5%ブドウ糖注射液:0.01 |
5%ブドウ糖注射液:0.02 |
5%ブドウ糖注射液:0.03 |
pH |
6.6±1.0 |
6.8±1.0 |
6.9±1.0 |
6.7±1.0 |
7.0±1.0 |
7.1±1.0 |
浸透圧比注2) |
約1 |
約1 |
約1 |
約1 |
約1 |
約1 |
注2)生理食塩液に対する比
一般的名称
ニコランジル注
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
1.
重篤な肝・腎機能障害のある患者[代謝・排泄機能が障害されるため、本剤は高い血中濃度で推移する可能性がある。]
2.
重篤な脳機能障害のある患者[本剤により過度の血圧低下が生じた場合、脳機能障害に悪影響を及ぼす可能性がある。]
3.
重篤な低血圧又は心原性ショックのある患者[本剤により血圧低下が生じ、これらの症状を悪化させる可能性がある。]
4.
Eisenmenger症候群又は原発性肺高血圧症のある患者[本剤により静脈還流量が減少し、血圧低下、心拍出量減少が強くあらわれる可能性がある。]
5.
右室梗塞のある患者[本剤により静脈還流量が減少し、心原性ショックを招来する可能性がある。]
6.
脱水症状のある患者[本剤により静脈還流量が減少し、心拍出量もさらに減少するため、心原性ショックを起こす可能性がある。]
7.
神経循環無力症のある患者[神経的要因により生じる病態であるため、効果は不定である。]
8.
閉塞隅角緑内障のある患者[眼圧を上昇させるおそれがある。]
9.
本剤又は硝酸・亜硝酸エステル系薬剤に対し過敏症の既往歴のある患者
10.
**ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル)又はグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤(リオシグアト)を投与中の患者(「相互作用」の項参照)
効能又は効果
効能又は効果/用法及び用量
不安定狭心症
急性心不全(慢性心不全の急性増悪期を含む)
用法及び用量
不安定狭心症
本剤を生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液で溶解して、0.01~0.03%溶液とする。通常、成人には、ニコランジルとして1時間あたり2mgの点滴静注から投与を開始する。投与量は患者の病態に応じて適宜増減するが、最高用量は1時間あたり6mgまでとする。
急性心不全(慢性心不全の急性増悪期を含む)
本剤を生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液で溶解して、0.04~0.25%溶液とする。通常、成人には、ニコランジルとして0.2mg/kgを5分間程度かけて静脈内投与し、引き続き1時間あたり0.2mg/kgで持続静脈内投与を開始する。投与量は血圧の推移や患者の病態に応じて、1時間あたり0.05~0.2mg/kgの範囲で調整する。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
2.
低血圧のある患者[本剤により血圧低下が生じ、症状を悪化させる可能性がある。]
3.
肝・腎機能障害のある患者[代謝・排泄機能が障害されるため、本剤は高い血中濃度で推移する可能性がある。]
4.
急性心不全において、左室流出路狭窄、肥大型閉塞性心筋症又は大動脈弁狭窄症のある患者[本剤により圧較差を増強し、症状を悪化させる可能性がある。]
重要な基本的注意
1.
本剤投与中は、血圧測定と血行動態のモニターを頻回に行うこと。また、投与量の調節は患者の血行動態、症状をみて徐々に行うこと。
2.
投与中に血圧低下等の異常が観察された場合や血圧低下の可能性のある患者には、減量又は投与を中止すること。
また、必要に応じて下肢挙上、昇圧剤(カテコラミン製剤)投与等の適切な処置を行うこと。
3.
**本剤とホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物、タダラフィル)又はグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤(リオシグアト)との併用により降圧作用が増強し、過度に血圧を低下させることがあるので、本剤投与前にこれらの薬剤を服用していないことを十分確認すること。また、本剤投与中及び投与後においてこれらの薬剤を服用しないよう十分注意すること。
4.
急性心不全に対して本剤を用いる場合には、血圧、心拍数、尿量、体液及び電解質、また可能な場合には肺動脈楔入圧、心拍出量及び血液ガス等の患者の全身状態を十分管理しながら投与すること。
5.
急性心不全に対して本剤を用いた場合、重篤な血圧低下が起こる可能性がある。本剤投与中は血圧測定を頻回に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
6.
急性心不全において、本剤の投与によっても期待された改善が認められない場合には投与を中止し、他の治療法に切り替えるなどの適切な処置を行うこと。
7.
急性心不全において、本剤の投与により血行動態及び臨床症状が改善し、患者の状態が安定した場合(急性期の状態を脱した場合)には、他の治療法に変更すること。なお、急性心不全に対する48時間を超える使用経験が少ないので、これを超えて投与する必要が生じた場合には、血行動態及び全身状態等を十分に管理しながら慎重に投与すること。
相互作用
併用禁忌
(併用しないこと)
1.
薬剤名等
**ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤
シルデナフィルクエン酸塩
(バイアグラ、レバチオ)
バルデナフィル塩酸塩水和物
(レビトラ)
タダラフィル
(シアリス、アドシルカ、ザルティア)
臨床症状・措置方法
**併用により、降圧作用が増強することがある。
機序・危険因子
本剤はcGMPの産生を促進し、一方、ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤はcGMPの分解を抑制することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する。
2.
薬剤名等
**グアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤
リオシグアト
(アデムパス)
臨床症状・措置方法
**併用により、降圧作用が増強することがある。
機序・危険因子
**本剤とグアニル酸シクラーゼ刺激作用を有する薬剤は、ともにcGMPの産生を促進することから、両剤の併用によりcGMPの増大を介する本剤の降圧作用が増強する。
副作用
副作用等発現状況の概要
不安定狭心症
承認時までの臨床試験及び使用成績調査における安全性評価対象例3,420例中、副作用は227例(6.6%)に認められた。主な副作用は、頭痛53件(1.5%)、肝機能障害37件(1.1%)、ALT(GPT)上昇29件(0.8%)、血圧低下24件(0.7%)、AST(GOT)上昇19件(0.6%)、Al‐P上昇15件(0.4%)、血小板減少15件(0.4%)、血中ビリルビン増加13件(0.4%)、LDH上昇9件(0.3%)、貧血9件(0.3%)、γ‐GTP上昇8件(0.2%)等であった。(再審査終了時:2002年8月)
**急性心不全(慢性心不全の急性増悪期を含む)
承認時までの臨床試験、使用成績調査及び製造販売後臨床試験における安全性評価対象例1,222例中、副作用は169例(13.8%)に認められた。主な副作用は、血圧低下76件(6.2%)、頭痛37件(3.0%)、血小板減少13件(1.1%)、血中ビリルビン増加11件(0.9%)、発熱6件(0.5%)、血中クレアチニン増加5件(0.4%)、心室性頻脈5件(0.4%)、総蛋白減少5件(0.4%)等であった。(再審査終了時:2014年3月)
副作用の発現頻度は、不安定狭心症、急性心不全(慢性心不全の急性増悪期を含む)の承認時及び再審査終了時までの成績に基づき算出した。
重大な副作用
1. 肝機能障害、黄疸
頻度不明注3)
AST(GOT)、ALT(GPT)、γ‐GTPの上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2. 血小板減少
頻度不明注3)
血小板減少があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
重大な副作用の注意
注3)自発報告を含むため頻度不明
その他の副作用
以下のような副作用が認められた場合には、減量・休薬など適切な処置を行うこと。
1.**循環器
1%以上
血圧低下注4)(2.2%)
2.循環器
1%未満
心拍数増加、心室性頻脈
3.**精神神経系
1%以上
頭痛(1.9%)
4.精神神経系
1%未満
めまい、四肢のしびれ感
5.消化器
1%未満
悪心、嘔吐、腹部不快感
6.肝臓
1%未満
AST(GOT)、ALT(GPT)、γ‐GTP、Al‐P、LDHの上昇、血中ビリルビン増加
7.血液
1%未満
貧血、血小板減少、白血球数増加
8.過敏症注5)
1%未満
発疹
9.腎臓
1%未満
血中クレアチニン増加、尿中蛋白陽性
10.その他
1%未満
総蛋白減少、CK(CPK)増加、血中カリウム増加、HDLコレステロール減少
その他の副作用の注意
注4)「重要な基本的注意」の項参照
注5)副作用があらわれた場合には投与を中止すること。
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下し、副作用の発現しやすいことが推定されるので、本剤の投与中は血圧測定と血行動態のモニターを頻回に行い、投与量の調節は患者の血行動態、症状をみて徐々に実施するなど慎重に行うこと(「重要な基本的注意」の項参照)。
特に血圧低下は、高齢の急性心不全患者に発現しやすいので注意すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい。
小児等への投与
小児に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
適用上の注意
調製方法
投与に際しては、生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液に溶解し、溶解後24時間以内に使用すること。
薬物動態
1. 血中濃度
(1) 単回投与(健康成人)1)
健康成人5例にシグマート注2mgを2分間で単回投与注6)した時のパラメータを以下に示す。
(2) 持続投与(健康成人)2,3)
健康成人5例にシグマート注を6時間持続静脈内投与注7)した時のパラメータを以下に示す。
(3) 長時間投与(急性心不全患者)4)
急性心不全患者14例にシグマート注0.2mg/kgを5分間で静脈内投与後、0.2mg/kg/hrの速度で48時間持続静脈内投与時の血漿中濃度推移を以下に示す。

2. 代謝・排泄3,5)
健康成人5例にシグマート注をニコランジルとして2、4あるいは6mg/hrの速度注7)で、また健康成人4例に重水素標識ニコランジルを6mg/hrの速度で各々6時間持続静脈内投与注7)してヒトでの代謝・排泄を調べたところ、ほとんどはN‐(2‐ヒドロキシエチル)ニコチンアミドへ脱ニトロ化された。この代謝物N‐(2‐ヒドロキシエチル)ニコチンアミドは、持続静脈内投与開始後0.25~0.5時間から血漿中に認められ、3~9時間後にかけてほぼ一定のレベルで推移した。投与量に対する24時間後の累積尿中排泄率は、ニコランジル0.2~0.4%、代謝物N‐(2‐ヒドロキシエチル)ニコチンアミド2~5%であった。
注7)本剤の急性心不全(慢性心不全の急性増悪期を含む)における承認用法・用量と異なる(「用法・用量」の項参照)。
3. 血清蛋白結合率6)
ヒト血清を用いたin vitro試験によると、血清蛋白結合率は34.2~41.5%(ニコランジル濃度1~100μg/mL)であった。
薬物動態の表
表1 単回投与(健康成人)1)
健康成人5例にシグマート注2mgを2分間で単回投与注6)した時のパラメータ
Co(ng/mL) |
kel(hr‐1) |
t1/2(hr) |
Cl total(L/hr) |
AUC(ng・hr/mL) |
Vd(L) |
平均 |
103.8 |
6.50 |
0.109 |
126.0 |
16.23 |
19.6 |
Co:投与直後の血漿中ニコランジル濃度
注6)本剤の承認用法・用量と異なる(「用法・用量」の項参照)。
表2 持続投与(健康成人)2,3)
健康成人5例にシグマート注を6時間静脈内持続投与した時のパラメータ
投与速度
(mg/hr) |
C6h(ng/mL) |
t1/2:
α相 |
t1/2:
β相 |
Cltotal(L/hr) |
AUC(ng・hr/mL) |
Clrenal(L/hr) |
2 |
31 |
0.14 |
1.56 |
62 |
194 |
0.113 |
4 |
84 |
0.17 |
1.98 |
44 |
559 |
0.131 |
6 |
152 |
0.14 |
1.32 |
39 |
958 |
0.111 |
C6h:静脈内持続投与終了直後の血漿中ニコランジル濃度
臨床成績
1.
不安定狭心症を対象とした二重盲検群間比較試験においてシグマート注の有用性が認められた7)。
2.
不安定狭心症に対する二重盲検を含む臨床試験において、評価対象総数134例の全般改善度は68.4~75.0%7,8)であった。
3.
急性心不全(慢性心不全の急性増悪期を含む)を対象(肺動脈楔入圧18mmHg以上)とした二重盲検を含む臨床試験において、シグマート注を0.2mg/kg/5min静脈内投与後、0.2mg/kg/hr持続静脈内投与した54例の肺動脈楔入圧低下率は21.2%であった9‐11)。
薬効薬理
1. 薬理作用
(1) 冠血管拡張作用
1)
イヌ・ランゲンドルフ標本において正常灌流圧時には比較的細い冠動脈を拡張するが、低灌流圧による虚血時にはむしろ太い冠動脈血管を拡張した。また、無麻酔犬に静注すると血流量に依存しないで、太い冠動脈を用量依存的に拡張させた12,13)。
2)
冠動脈疾患・狭心症患者にシグマート注をニコランジルとして2~6mgあるいは0.05~0.1mg/kg静脈内単回投与注8)し冠動脈造影を施行した時、有意な冠血管拡張作用が用量依存的に認められ、拡張率(非狭窄部内径比)は108~127%であった14‐16)。
(2) 冠血流量に対する作用
1)
ニコランジルを、麻酔開胸犬に静注あるいは十二指腸内投与すると冠血流量の増加とその持続が用量依存的に認められた。同様の成績は覚醒犬、イヌ心肺標本、イヌ・ランゲンドルフ標本においても得られた13,17‐20)。
2)
左冠動脈に有意狭窄無しまたは器質的狭窄75%以上の狭心症患者にシグマート注をニコランジルとして0.1mg/kg静脈内単回投与注8)し、投与後3~5分の時点で大心静脈血流量を測定(持続的熱希釈法)したところ、非狭窄群(n=5)で平均115から187mL/minへ、狭窄群(n=4)で平均38から69mL/minへ各々増加し、有意な冠血流量の増加作用が認められた16)。
(3) 冠血管攣縮緩解作用
1)
ニコランジルは、イヌ冠動脈の部分狭窄による周期的な冠血流量の減少及び心電図のST上昇を抑制し、さらにミニブタの冠動脈内にメサコリンあるいはノルアドレナリンを投与して生じる冠血管の攣縮を抑制した21,22)。
2)
冠攣縮性狭心症の患者10例において、エルゴノビン負荷試験により誘発された冠攣縮及び自然発生した冠攣縮に対しニコランジル0.1mg/kgを静脈内投与注8)したところ、冠攣縮緩解作用を認めた23)。
(4) 心・血行動態に対する作用
1)
ニコランジルを麻酔開胸犬に静注すると、用量依存的に血圧を低下させるが、その程度は軽微であり、冠血管抵抗を有意に低下させる用量において、心拍数、心筋収縮力、心筋酸素消費量、房室伝導時間に影響を及ぼさなかった17,18,24)。
2)
安静時において、冠動脈疾患・狭心症患者にシグマート注をニコランジルとして2~6mgあるいは0.05~0.1mg/kg静脈内単回投与注8)した時、心拍数の増加傾向、また収縮期大動脈圧など血圧動態指標、全身血管抵抗値、Pressure Rate Productの減少傾向を用量依存的に認めたが、これらの変動幅は軽微~軽度であった14‐16)。右房内ペーシング負荷時においては、冠動脈狭窄率75%以上の狭心症患者8例にシグマート注をニコランジルとして0.05mg/kg静脈内単回投与注8)した時、左室機能において左室拡張末期圧の上昇を軽度にし、心係数の増加を認めた25)。
注8)本剤の承認用法・用量と異なる(「用法・用量」の項参照)。
(5) 心不全に対する作用
1)
イヌ急性心不全モデルにおいて、ニコランジルは右房圧と左室拡張末期圧の低下(前負荷の軽減)をもたらし、同時に総末梢血管抵抗を減少(後負荷の軽減)させ、その結果左室収縮能を改善し心拍出量を増加することにより、心不全の血行動態を改善した26)。
2)
急性心不全患者(慢性心不全の急性増悪期を含む)にシグマート注を0.2mg/kg/5min静脈内投与後、0.2mg/kg/hrで2時間持続静脈内投与した時、本剤投与群ではプラセボ群に比較して肺動脈楔入圧、拡張期血圧、収縮期肺動脈圧、拡張期肺動脈圧、全末梢血管抵抗は有意に低下し、心係数、心拍出量、1回拍出量、1回拍出係数は有意に増加した。心拍数、収縮期血圧、平均右房圧、Pressure Rate Productでは有意な変化が認められなかった11)。
3)
うっ血性心不全患者にシグマート注を長時間持続静脈内投与した時、肺動脈楔入圧の低下が維持され、薬剤耐性の生じにくいことが示された27)。
2. 血管拡張作用とその作用機序
ニコランジルの摘出血管弛緩作用がATP感受性Kチャネル阻害剤あるいはグアニル酸シクラーゼ阻害剤で抑制されること28)、イヌ急性心不全モデルにおけるニコランジルの大動脈血流量増加作用などの心血行動態改善作用がATP感受性Kチャネル阻害剤で抑制されること29)、及びニコランジルが摘出血管のcGMP含量を増加させること30)から、本薬の血管拡張作用にはATP感受性Kチャネル開口作用とcGMP産生増加作用が関与する。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
ニコランジル(Nicorandil)(JAN)
化学名
N‐[2‐(Nitrooxy)ethyl]pyridine‐3‐carboxamide
構造式

分子式
C8H9N3O4
分子量
211.17
性 状
白色の結晶である。
メタノール、エタノール(99.5)、酢酸(100)に溶けやすく、無水酢酸にやや溶けやすく、水にやや溶けにくい。
融 点
約92℃(分解)
包装
注2mg:10バイアル
*注12mg:10バイアル
注48mg:10バイアル
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
東 純一, 他:薬理と治療, 15(11):4779 (1987)
2)
東 純一, 他:薬理と治療, 18(9):3479 (1990)
3)
社内資料:東 純一, 他:健康成人にニコランジル静脈内持続投与後の薬物動態 (1990)
4)
加藤和三, 他:薬理と治療, 36(Suppl.1):S79 (2008)
5)
社内資料:石谷祥彦, 他:健康成人にニコランジル静脈内持続投与後の尿中代謝物検索 (1990)
6)
社内資料:飯田理文, 他:ニコランジルのin vitro及びin vivoにおける血清蛋白結合性 (1991)
7)
加藤和三, 他:臨床医薬, 7(9):2031 (1991)
8)
加藤和三, 他:臨牀と研究, 68(11):3480 (1991)
9)
加藤和三, 他:薬理と治療, 36(Suppl.1):S35 (2008)
10)
加藤和三, 他:薬理と治療, 36(Suppl.1):S49 (2008)
11)
加藤和三, 他:薬理と治療, 36(Suppl.1):S65 (2008)
12)
Yamada, A.et al.:Arzneim.-Forsch. (Drug Res.) , 37(11) :1252 (1987)
13)
Nakagawa, Y.et al.:Jpn. Heart J., 20(6):881 (1979)
14)
畑 典武, 他:脈管学, 31(4):333 (1991)
15)
五明幸彦, 他:Ther. Res., 10(4):1615 (1989)
16)
本原征一郎, 他:Ther. Res., 10(4):1307 (1989)
17)
Uchida, Y.et al.:Jpn. Heart J., 19(1):112 (1978)
18)
佐藤慶祐, 他:心臓, 12(4):371 (1980)
19)
Mizukami, M.et al.:Arzneim.-Forsch.(Drug Res.), 31(2) :1244 (1981)
20)
坂梨又郎, 他:応用薬理, 15(3):385 (1978)
21)
Uchida, Y. et al.:Jpn. Heart J., 19(6):904 (1978)
22)
Sakai, K. et al.:J. Pharmacol. Exp. Ther., 227(1):220(1983)
23)
松村泰志, 他:Ther. Res., 11(5):1448 (1990)
24)
Sakai, K. et al.:J. Cardiovasc. Pharmacol., 3(1):139(1981)
25)
Kambara, H. et al.:Am. J. Cardiol., 63:56J (1989)
26)
Kamijo, T. et al.:J. Cardiovasc. Pharmacol., 33:93 (1999)
27)
Larsen, A. I. et al.:Am. Heart J., 134:435 (1997)
28)
社内資料:深澤正徳, 他:ラット摘出血管を用いた薬効薬理試験 (2001)
29)
Kamijo, T. et al.:Asia Pac. J. Pharmacol., 11:141 (1996)
30)
社内資料:今川純一, 他:ラット大動脈のcAMP, cGMPへの影響 (2000)
文献請求先
主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。
中外製薬株式会社 医薬情報センター
〒103-8324 東京都中央区日本橋室町2-1-1
電話番号
0120-189706
FAX番号
0120-189705
http://www.chugai-pharm.co.jp
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
製造販売元
中外製薬株式会社
東京都中央区日本橋室町2-1-1