**ヴィーンF輸液
作成又は改訂年月
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** 2012年6月改訂(第9版、販売名変更)
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* 2012年4月改訂
日本標準商品分類番号
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873319
薬効分類名
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血液代用剤
承認等
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**ヴィーンF輸液
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販売名
販売名コード
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3319557A1048
承認・許可番号
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承認番号
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**22400AMX00122
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Veen-F Inj.
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商標名
薬価基準収載年月
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**2012年6月
販売開始年月
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1993年6月
貯法・使用期限等
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貯法
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室温保存
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外箱等に表示
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使用期限
規制区分
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注意-医師等の処方せんにより使用すること
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処方せん医薬品
組成
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*
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有効成分(500mL中)
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塩化ナトリウム 3.0g
塩化カリウム 0.15g
塩化カルシウム水和物 0.10g
酢酸ナトリウム水和物 1.90g
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添加物
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塩酸(pH調整剤) 適量
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Na+:130
K+:4
Ca2+:3
Cl-:109
CH3COO-:28
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電解質組成(mEq/L)
性状
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性状
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無色澄明の液で、弱い塩味がある。
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pH
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6.5~7.5
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約1(生理食塩液に対する比)
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浸透圧比
一般的名称
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アセテートリンゲル液
効能又は効果
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循環血液量及び組織間液の減少時における細胞外液の補給・補正、代謝性アシドーシスの補正
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用法及び用量
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通常、成人1回500mL~1,000mLを点滴静注する。
投与速度は1時間あたり10mL/kg体重以下とする。
なお、年齢、症状、体重に応じて適宜増減する。
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使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
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1.
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腎疾患に基づく腎不全のある患者〔酸塩基平衡の異常、電解質異常が起こることがある。〕
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2.
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心不全のある患者〔体液量の過剰により心負荷を起こすことがある。〕
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3.
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高張性脱水症の患者〔細胞内、組織間液が増加し浮腫を起こすことがある。〕
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閉塞性尿路疾患により尿量が減少している患者〔体液量が過剰となることがある。〕
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4.
副作用
副作用等発現状況の概要
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承認時の臨床試験により報告された症例177例のいずれについても副作用の報告はなかった。(承認時)
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その他の副作用
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脳浮腫、肺水腫、末梢の浮腫(頻度不明)があらわれることがある。
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大量・急速投与
高齢者への投与
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一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量する等注意すること。
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適用上の注意
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(1)
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カルシウムを含有するため、クエン酸加血液と混合すると凝血を起こすおそれがあるので注意すること。
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カルシウムを含有するため、リン酸イオン及び炭酸イオンと沈殿を生じるので、リン酸又は炭酸を含む製剤と配合しないこと。
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(2)
薬物動態
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酢酸
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全身麻酔下手術待機症例11例に1mmol/mL酢酸ナトリウム液10mLを投与した結果、酢酸の半減期(t1/2)は2.20±0.74分、分布容積(Vd)は53.4±12.6mL/kgであった1)。
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無麻酔ラットの尾静脈内に非絶食下で〔1-14C〕-酢酸Na1mEq/kgを急速投与し、酢酸代謝を検討した。14C投与総量に対する累積呼気14CO2排出率は30分で35%、1時間で59%、2時間で66%、6時間で69%であった。この累積呼気排出率と比較して、低投与量の1μEq/kg投与群では1時間までは高いが、6時間では71%とほぼ同値となった。また、実験前24時間絶食の1mEq/kg群では2時間以降わずかに高く、6時間では74%と高値となった。これに対し、非絶食のDL-〔1-14C〕-乳酸Na1mEq/kg投与群では15分まで高く、また、L-〔1-14C〕-乳酸Na1mEq/kg投与群では全経過を通じて高く、6時間では72%と高値となった。14Cの尿中排泄は各群2%以下で有意差はなかった。非絶食〔1-14C〕-酢酸Na1mEq/kg投与群6時間後の14Cの臓器分布では肝・副腎に多く、DL-乳酸Na群と比べて脂肪組織、脳、肺への取込みが多かった。また肝ホモジネート分画の検討では14Cは比較的脂質に多く取込まれた2)。
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(参考)
臨床成績
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主として全身麻酔下の手術症例計177例を対象として、本剤の二重盲検法比較試験及び一般臨床試験が国内17施設で実施されている。
概要は次のとおりであった。
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(1) 二重盲検法比較試験
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(3) 小児比較臨床試験
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手術症例を対象として、本剤は、手術侵襲時の細胞外液補充液として副作用もなく、有用性が認められた11)。
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(4) 一般臨床試験
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(2) 対照薬配置臨床試験
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比較的侵襲の少ない小児麻酔手術患者に、無作為配置による乳酸リンゲル液を対照薬として比較検討した。
その結果、乳酸リンゲル液投与群にみられる血中D-乳酸値の上昇もなく、小児に対する安全性が確認された10)。
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(1) 二重盲検法比較試験
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(3) 小児比較臨床試験
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手術症例を対象として、本剤は、手術侵襲時の細胞外液補充液として副作用もなく、有用性が認められた11)。
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(4) 一般臨床試験
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薬効薬理
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1.
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出血性ショック下のビーグル犬に本剤を投与し、代謝性アシドーシス及び糖尿病状態に対する効果について検討した12)。
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(1)
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本剤投与後、低下したpHは漸次上昇し、Base Excess(B.E.)は投与直後より上昇が認められた。乳酸値は漸次低下し、動脈血炭酸ガス分圧(PaCO2)は漸次上昇する傾向を示した。低下したHCO3-は投与後に漸次上昇した。
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上昇傾向がみられた血糖値は、本剤投与と共に低下し、投与後60~90分で脱血前値に復し、インスリン値は本剤投与後に漸次低下した。
収縮期血圧及び拡張期血圧は本剤の投与により漸次上昇し、投与後90分においてほぼ脱血前値に復し、腎動脈血流量及び椎骨動脈血流量は漸次増加し、心拍数に変化はみられなかった。
血中Na濃度は低下傾向、血中K濃度は上昇傾向を示したが、投与後15分には脱血前値に復し、血中Cl濃度の著明な変化は認められなかった。
また、低下していた尿量は本剤投与によって漸次増加した。
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(2)
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雑種成犬を対象に、体外循環下の希釈液として用いた酢酸リンゲル液の効果を乳酸リンゲル液と比較検討した結果、循環動態(血圧、心拍数及びCVP)、動脈血ガス分析(PaO2、PaCO2)、酸塩基平衡(補正B.E.、補正HCO3-)は乳酸リンゲル液群と有意差は認められず、遊離脂肪酸は本剤群が有意に低値を示し、脂肪酸動員の抑制を示した。動脈血乳酸値は本剤に比し乳酸リンゲル液群が体外循環直後に高値となり、L/P比は生理食塩液に比し有意に低値を維持した13)。
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2.
取扱い上の注意
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1.
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落としたり強い衝撃を与えたりしないこと。容器の破損(ピンホール等)の原因となることがある。
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2.
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プルトップが破損しているものは使用しないこと。
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3.
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通気針(エアー針)は不要であるが、薬液量が少なくなると排出速度が低下してくるので、滴下速度に十分注意すること。また、薬液面と静脈針との落差を十分保つようにして点滴を行うこと。
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4.
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U字管による連続投与は行わないこと。
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5.
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操作手順
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(1)
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プラスチックボトル(プラヨーキ(R))のプルトップを取る。
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(2)
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本剤に他の薬剤を混注する場合は、注射針を垂直にゴム栓の針刺し部(小)にゆっくりと回転させないように刺し、同一箇所を繰り返し刺さないこと。
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(3)
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クランプをゆるめた状態で点滴セットの液針をゴム栓の針刺し部(大)に垂直に突き刺す。
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(4)
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クランプを閉じて、容器を吊し、点滴筒内にポンピングにて約1/3満たす。
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(5)
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クランプを開き、静脈針より薬液を流出させ、チューブ内の空気を全て除き、クランプを閉める。
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静脈針を穿刺し、クランプを徐々に緩め滴下速度を調節し、点滴静注を開始する。
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(6)
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容器の目盛りはおよその目安として使用すること。
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6.
包装
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*
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ヴィーンF輸液 プラスチックボトル(プラヨーキ(R)) 500mL×20瓶
主要文献及び文献請求先
主要文献
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1)
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濱田富美男他:麻酔,46.229(1997)
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2)
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久世照五他:麻酔,34.649(1985)
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3)
-
盛 直久他:薬理と治療,19.4717(1991)
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4)
-
岡田和夫他:麻酔と蘇生,25.129(1989)
-
5)
-
児玉謙次他:臨床と研究,65.3966(1988)
-
6)
-
堺登志子他:診療と新薬,28.729(1991)
-
7)
-
久世照五他:臨床水電解質,7.445(1987)
-
8)
-
新井恵子他:麻酔と蘇生,25.357(1989)
-
9)
-
五十洲剛他:麻酔,41.1707(1992)
-
10)
-
宮坂勝之他:ICUとCCU,14.739(1990)
-
11)
-
木村基信:麻酔と蘇生,26.63(1990)
-
12)
-
Matsuda,Y.et al.:J.Anesth.,8.326(1994)
-
高平 真他:人工臓器,15.977(1986)
-
13)
文献請求先
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文献請求先
興和株式会社 医薬事業部 医薬学術部
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〒103-8433 東京都中央区日本橋本町3-4-14
-
電話 0120-508-514
03-3279-7587
受付時間 9:00~17:00(土・日・祝日を除く)
製品情報お問い合わせ先
興和株式会社 医薬事業部 くすり相談センター
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製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
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興和株式会社
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東京都中央区日本橋本町三丁目4-14
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東京都中央区日本橋本町三丁目4-14
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興和創薬株式会社
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東京都中央区日本橋本町三丁目4-14
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東京都中央区日本橋本町三丁目4-14
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