トーリセル点滴静注液25mg
作成又は改訂年月
* 2012年7月改訂(第2版)
2010年7月作成
日本標準商品分類番号
874291
日本標準商品分類番号等
国際誕生年月
2007年5月
薬効分類名
抗悪性腫瘍剤(mTOR阻害剤)
承認等
販売名
トーリセル点滴静注液25mg
販売名コード
4291418A1025
承認・許可番号
承認番号
22200AMX00870
商標名
TORISEL Injection 25mg
薬価基準収載年月
2010年9月
販売開始年月
2010年9月
貯法・使用期限等
貯法
遮光保存、2~8℃で保存
使用期限
最終年月を外箱等に記載
規制区分
劇薬
処方せん医薬品注)
注)注意-医師等の処方せんにより使用すること
組成
本製品はトーリセル点滴静注液25mgバイアル及び添付希釈用液バイアルからなる。
トーリセル点滴静注液25mgバイアル
成分・含量(1バイアル1.0mL中注))
テムシロリムス 25mg
添加物(1バイアル1.0mL中注))
トコフェロール 0.75mg
無水エタノール 394.6mg
無水クエン酸 0.025mg
プロピレングリコール 503.325mg
添付希釈用液バイアル
成分・含量(1バイアル1.8mL中注))
ポリソルベート80 0.72g
無水エタノール 0.358g
マクロゴール400 0.77g
注:本剤は調製時の損失を考慮に入れ、過量充填されている。[「適用上の注意」の項参照]
性状
トーリセル点滴静注液25mgバイアル
色・性状
無色~淡黄色澄明の液
添付希釈用液バイアル
色・性状
淡黄色~黄色で、澄明あるいはわずかに濁った液
一般的名称
テムシロリムス点滴静注液
警告
1.
本剤の投与にあたっては、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本療法が適切と判断される症例についてのみ実施すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性(特に、間質性肺疾患の初期症状、投与中の注意事項、死亡に至った例があること等に関する情報)を十分に説明し、同意を得てから投与すること。
2.
臨床試験において、本剤の投与により、間質性肺疾患が認められており、死亡に至った例が報告されている。投与に際しては咳嗽、呼吸困難、発熱等の臨床症状に注意するとともに、投与前及び投与中は定期的に胸部CT検査を実施すること。また、異常が認められた場合には、適切な処置を行うとともに、投与継続の可否について慎重に検討すること。[「用法・用量に関連する使用上の注意」、「重要な基本的注意」、「重大な副作用」の項参照]
3.
肝炎ウイルスキャリアの患者では、本剤の投与期間中に肝炎ウイルスの再活性化を生じ、肝不全から死亡に至る可能性がある。本剤の投与期間中又は投与終了後は、定期的に肝機能検査を行うなど、肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
1.
本剤の成分又はシロリムス誘導体に対し重度の過敏症の既往歴のある患者
2.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人[「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照]
効能又は効果
根治切除不能又は転移性の腎細胞癌
効能又は効果に関連する使用上の注意
1.
本剤の術後補助化学療法としての有効性及び安全性は確立していない。
2.
「臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に踏まえた上で、適応患者の選択を行うこと。[「臨床成績」の項参照]
用法及び用量
通常、成人にはテムシロリムスとして25mgを1週間に1回、30~60分間かけて点滴静脈内投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
用法及び用量に関連する使用上の注意
1.
サイトカイン製剤を含む他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。[「その他の注意」、「臨床成績」の項参照]
2.
間質性肺疾患が発現した場合は、症状、重症度に応じて、以下の目安を考慮して、休薬又は中止すること。
間質性肺疾患に対する休薬・中止の目安
症状:無症候性で画像所見の異常のみ
投与の可否等:投与継続。
症状:軽度の臨床症状注)を認める(日常生活に支障なし)
投与の可否等:症状が回復するまで休薬すること。
症状:重度の臨床症状注)を認める(日常生活に支障があり、酸素療法を要する)
投与の可否等:投与中止。
症状:臨床症状に増悪傾向を認め、肺拡散能の低下を認める
投与の可否等:投与中止。
症状:肺の基礎疾患があり、臨床上又は画像所見上の変化を認める
投与の可否等:投与中止。
注:呼吸困難、咳嗽等
3.
間質性肺疾患以外の重度(グレード3以上)の副作用が発現した場合は、回復まで本剤の投与を休止し、3週間以内に回復が認められ、再投与を行う場合には、投与量を1レベル減量して投与すること(減量のレベル:開始用量25mg→20mg→15mg→10mg)。
4.
infusion reactionを予防するため、本剤の投与前に、抗ヒスタミン剤(d-クロルフェニラミンマレイン酸塩、ジフェンヒドラミン塩酸塩等)を投与すること。本剤投与中にinfusion reactionが発現した場合には、投与を直ちに中止すること。[「重要な基本的注意」、「重大な副作用」の項参照]
5.
本剤を投与する際には、可塑剤としてDEHP〔di-(2-ethylhexyl)phthalate:フタル酸ジ-(2-エチルヘキシル)〕を含む輸液セット等を使用しないこと。[「適用上の注意」の項参照]
6.
本剤を投与する際には、孔径5μm以下のインラインフィルターを使用すること。
7.
重度の肝機能障害のある患者では、減量を考慮すること。[「薬物動態」の項参照]
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
肺に間質性陰影を認める患者[間質性肺疾患が発症、重症化するおそれがある。]
2.
肝機能障害のある患者[本剤の血中濃度が上昇するおそれがある。(「薬物動