セロクラール錠10mg/セロクラール錠20mg/セロクラール細粒4%
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作成又は改訂年月
**2012年10月改訂(第10版)
*2011年4月改訂
日本標準商品分類番号
87219
871339
日本標準商品分類番号等
再評価結果公表年月(最新)
1999年9月
承認等
販売名
セロクラール錠10mg
販売名コード
2190005F1225
承認・許可番号
承認番号
21700AMX00002
商標名
Cerocral
薬価基準収載年月
2005年12月
販売開始年月
1979年4月
貯法・使用期限等
貯 法
室温保存
使用期限
外箱に表示
組成
有効成分
日局イフェンプロジル酒石酸塩10mg(1錠中)
添加物
乳糖水和物、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、エチルセルロース、酸化チタン、マクロゴール400、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、シリコーン樹脂、カルナウバロウ
性状
色・剤形
白色・フィルムコーティング錠
外形
直径
8.1mm
厚さ
3.7mm
重量
0.21g
識別コード
MD 21G
販売名
セロクラール錠20mg
販売名コード
2190005F2051
承認・許可番号
承認番号
15700AMZ00368
商標名
Cerocral
薬価基準収載年月
1984年6月
販売開始年月
1984年6月
貯法・使用期限等
貯 法
室温保存
使用期限
外箱に表示
組成
有効成分
日局イフェンプロジル酒石酸塩20mg(1錠中)
添加物
乳糖水和物、結晶セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、エチルセルロース、酸化チタン、マクロゴール400、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、シリコーン樹脂、カルナウバロウ
性状
色・剤形
白色・フィルムコーティング錠
外形
直径
8.1mm
厚さ
3.7mm
重量
0.21g
識別コード
MD 21J
販売名
セロクラール細粒4%
販売名コード
2190005C1040
承認・許可番号
承認番号
21700AMX00003
商標名
Cerocral
薬価基準収載年月
2005年12月
販売開始年月
1984年6月
貯法・使用期限等
貯 法
遮光して室温保存
使用期限
外箱に表示
組成
有効成分
日局イフェンプロジル酒石酸塩40mg(1g中)
添加物
乳糖水和物、ヒドロキシプロピルセルロース
性状
色・剤形
白色・細粒剤
一般的名称
イフェンプロジル酒石酸塩製剤
禁忌
(次の患者には投与しないこと)
頭蓋内出血発作後、止血が完成していないと考えられる患者
効能又は効果
効能又は効果/用法及び用量
脳梗塞後遺症、脳出血後遺症に伴うめまいの改善
用法及び用量
セロクラール錠10mg
通常成人には、1回2錠(イフェンプロジル酒石酸塩として20mg)を1日3回毎食後経口投与する。
セロクラール錠20mg
通常成人には、1回1錠(イフェンプロジル酒石酸塩として20mg)を1日3回毎食後経口投与する。
セロクラール細粒4%
通常成人には、1回0.5g(イフェンプロジル酒石酸塩として20mg)を1日3回毎食後経口投与する。
用法及び用量に関連する使用上の注意
本剤の投与期間は、臨床効果及び副作用の程度を考慮しながら慎重に決定するが、投与12週で効果が認められない場合には投与を中止すること。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
脳梗塞発作直後の患者[脳内盗血現象を起こすおそれがある。]
2.
低血圧のある患者[血圧低下を増強するおそれがある。]
3.
心悸亢進のある患者[心機能を亢進させるおそれがある。]
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
出血傾向をきたすと考えられる薬剤
臨床症状・措置方法
出血傾向が増強されるおそれがある。
機序・危険因子
本剤の血小板粘着能・凝集能抑制作用による。
2. 薬剤名等
ドロキシドパ
臨床症状・措置方法
ドロキシドパの作用を減弱するおそれがある。
機序・危険因子
本剤のα1受容体遮断作用による。
副作用
副作用等発現状況の概要
副作用調査症例15,018例中2.26%(340例)に副作用が報告され、消化器系の副作用が212件(1.41%)と最も多く、精神神経系の副作用が68件(0.45%)、肝臓の副作用が61件(0.41%)、過敏症が57件(0.38%)、循環器系の副作用が39件(0.30%)等であった。
(承認時まで及び市販後副作用調査の集計)
消化器
0.1~5%未満
口渇、悪心・嘔吐、食欲不振、胸やけ、下痢、便秘
消化器
0.1%未満
口内炎、腹痛
精神神経系
0.1~5%未満
頭痛、めまい
精神神経系
0.1%未満
不眠、ねむけ
過敏症
0.1~5%未満
発疹、皮膚そう痒感
循環器
0.1~5%未満
動悸
循環器
0.1%未満
立ちくらみ、頻脈、顔面潮紅、のぼせ感
肝臓
0.1~5%未満
AST(GOT)・ALT(GPT)上昇
血液
0.1%未満
貧血
その他
0.1%未満
顔面浮腫、上・下肢のしびれ感
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、減量するなど注意すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい。[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
適用上の注意
薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。[PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。]
薬物動態
1. 血漿中濃度
健康成人男子24名に、セロクラール錠10mg、セロクラール錠20mg及びセロクラール細粒4%を、イフェンプロジル酒石酸塩として60mgずつ単回経口投与した場合の抱合型イフェンプロジルの血漿中濃度パラメーターを次に示す。
2. 吸収、分布、排泄(参考)1)
ラットに14C‐セロクラールを経口投与した場合、投与30分後に最高血中濃度に達し、脳、肝臓、腎臓、筋肉などに分布する。投与後24時間以内に投与量の約30%が尿中に、約60%が糞中に排泄される。
3. 排泄2)
健康成人男子3名にセロクラール錠10mgを10、20及び40mg、また、脳血管障害患者3例に20及び40mg単回投与した場合、24時間までの尿中への累積排泄率は約20~30%であった。1群3名の健康成人男子9名に、セロクラール錠10mgを10、20又は40mg、1日3回、4又は5日間連続投与した場合、蓄積性は認められなかった。
薬物動態の表
血漿中濃度パラメーター
tmax(hr) Cmax(ng/mL) t1/2(hr) AUC(ng・hr/mL)
錠10mg 1.77 70.4 1.33 200.3
錠20mg 1.77 67.3 1.40 198.9
細粒4% 0.74 79.5 1.30 174.9
臨床成績
脳血管障害患者を対象とした、プラセボとの二重盲検比較試験における、本剤のめまいの改善率は64%(38/59)であり、プラセボに比し有意に高かった3)。また、めまい患者を対象とした二重盲検比較試験におけるめまい発作、めまい感の改善率は各々84%(41/49)、61%(31/51)であった4)。
薬効薬理
1. 脳循環に対する作用
セロクラールは、脳動脈血流量特に椎骨動脈(イヌ)5)及びその流域である扁桃核、視床下部、小脳皮質(ネコ)6)、内耳(モルモット)7)の著明な血流増加を示す。
脳血管障害患者を対象にした臨床薬理学的検討では、N2O法8)、133Xeクリアランス法9)、超音波ドプラー法10)にて全脳及び病巣部局所の血流増加が確認されている。
これら循環改善作用は、血管平滑筋直接弛緩作用5)並びに非選択的な交感神経α受容体遮断作用によると考えられている11,12)。
2. 脳代謝に対する作用
セロクラールは、脳虚血時の乳酸、ATP、グルコースなどの脳組織における代謝異常を改善し(SHRラット)13)、脳ミトコンドリア機能の低下を改善する(脳梗塞家兎)14)。
3. 血小板機能に対する作用
セロクラールは、ADP、コラーゲン、アドレナリンなどによる血小板凝集を抑制する。この作用は、セロクラールがセロトニン摂取並びに放出反応を抑制することから、血小板膜の安定化作用によるものと考えられている(健康成人男子:in vitro)15)。また、アラキドン酸代謝におけるLASS(Labile Aggregation Stimulating Substance)凝集抑制作用も認められている(ヒト:in vitro)16)。さらに、血小板のα2受容体を介して凝集を抑制することが示されている(健康成人:in vitro)17)。
脳血管障害患者による臨床薬理学的検討では、血小板粘着能の抑制の他、ADP等各種の血小板凝集惹起物質に対する抑制作用16,18)、血小板α2受容体遮断に基づく血小板凝集抑制作用が報告されている19)。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
イフェンプロジル酒石酸塩(Ifenprodil Tartrate)
化学名
(1RS,2SR)‐4‐[2‐(4‐Benzylpiperidin‐1‐yl)‐1‐hydroxypropyl]phenol hemi‐(2R,3R)‐tartrate
分子式
(C21H27NO2)2・C4H6O6
分子量
800.98
構造式
性 状
本品は白色の結晶性の粉末で、においはない。
本品は酢酸(100)に溶けやすく、エタノ一ル(95)にやや溶けやすく、水又はメタノ一ルに溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
融 点
約148℃(分解)
包装
セロクラール錠10mg:100錠[10錠(PTP)×10]
セロクラール錠10mg:1,000錠[10錠(PTP)×100]
セロクラール錠10mg:1,000錠(バラ)
セロクラール錠10mg:2,100錠[21錠(PTP)×100]
セロクラール錠20mg:100錠[10錠(PTP)×10]
セロクラール錠20mg:1,000錠[10錠(PTP)×100]
セロクラール錠20mg:1,000錠(バラ)
セロクラール錠20mg:2,100錠[21錠(PTP)×100]
セロクラール細粒4%:100g

主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
Nakagawa, H., et al.:応用薬理, 10(2), 283, 1975
2)
沢田 恂 他:臨床評価, 3(3), 357, 1975
3)
沓沢 尚之 他:臨床評価, 4(3), 419, 1976
4)
松永 喬 他:耳鼻臨床, 73(3), 611, 1980
5)
水沢 英甫 他:日薬理誌, 71(6), 597, 1975
6)
萩原彌四郎:日薬理誌, 71(7), 709, 1975
7)
橘 正芳 他:耳鼻臨床, 70(10), 1603, 1977
8)
岡田 年弘 他:新薬と臨床, 25(6), 869, 1976
9)
貫井 英明 他:薬理と治療, 5(10), 3107, 1977
10)
近藤 秀樹 他:臨床評価, 3(3), 377, 1975
11)
水沢 英甫 他:日薬理誌, 70(7), 785, 1974
12)
仲澤 幹雄 他:新潟医学会雑誌, 112(2) , 81, 1998
13)
藤島 正敏 他:臨床と研究, 51(12), 3532, 1974
14)
古見 耕一 他:Geriat. Med., 13(11), 1354, 1975
15)
安永幸二郎 他:内科宝凾, 25(6), 213, 1978
16)
磯部 淳一 他:Geriat. Med., 20(2), 385, 1982
17)
中村 智実 他:日本血栓止血学会誌, 10(2/3), 141, 1999
18)
伊東 亨 他:治療, 60(7), 1397, 1978
19)
竹迫 賢一 他:Geriat. Med., 25(4) , 591, 1987
文献請求先
*日医工株式会社 お客様サポートセンター
*〒930‐8583 富山市総曲輪1丁目6番21
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製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
**製造販売元
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〒163‐1488 東京都新宿区西新宿三丁目20番2号
**,*販売提携
日医工サノフィ株式会社
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*販売元
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