[] トリパレン輸液でみられる副作用(再審査終了時、1998 年)
〔〕 アミパレン輸液でみられる副作用(再審査終了時、1993 年)
〈〉 維持液でみられる副作用(第一次再評価結果その14、1978 年)
副作用が認められた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しており、肝・腎・心等の機能障害を伴うことも多いので、投与速度を緩徐にし、減量するなど注意すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
小児等への投与
小児等に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
適用上の注意
1. 投与経路:
末梢静脈内には投与しないこと。
2. 調製方法:
用時に外袋を開封し、必ず隔壁を開通して上室液と下室液を十分に混合すること。
3. 調製時:
(1)
配合変化試験の結果から、次のような製剤を配合する場合は、沈殿等の外観変化を生じることがあるので注意すること。
1)
アルカリ性側で安定化されている製剤
2)
水に難溶性の製剤
(2)
リン酸イオン又は炭酸イオンにより沈殿を生じるので、リン酸塩又は炭酸塩を含む製剤と配合しないこと。
(3)
脂肪乳剤と配合しないこと。
(4)
上室液と下室液を混合したものは速やかに使用すること。
4. 投与前:
(1)
尿量は1日500mL又は1時間当たり20mL以上あることが望ましい。
(2)
投与に際しては、感染に対する配慮をすること(患者の皮膚や器具消毒)。
(3)
寒冷期には体温程度に温めて使用すること。
(4)
残液は決して使用しないこと。
薬物動態
(参考)ラット
絶食ラットにアミノトリパ1号輸液を200kcal/kg/dayで2日間投与し、続けてアミノトリパ2号輸液を250kcal/kg/day で1 日投与した。その結果、血漿グルコース濃度はアミノトリパ1号輸液の投与開始2時間後に173mg/dL まで上昇したが、それ以降は150mg/dL 前後で推移した。アミノトリパ2号輸液の投与では急激な変動はみられず、140mg/dL前後の値を示した。また、血漿中の果糖及びキシリトール濃度は、それぞれ14~20mg/dL、7~12mg/dL の範囲であった1)。
臨床成績
全国延べ59 施設で、主に消化器術後患者191 例を対象に実施した臨床試験(比較試験を含む)の結果、血漿蛋白(総蛋白、アルブミン、プレアルブミン、トランスフェリン、レチノール結合蛋白)、窒素出納、尿中3‐メチルヒスチジン排泄量等の蛋白栄養指標は改善・維持され、水分・電解質管理、血糖管理も良好であった2 ~ 6)。
薬効薬理
1. 糖質とアミノ酸の配合比率
本剤を構成する糖質・電解質液とアミノ酸液との配合比率を検討するため、一定の非蛋白熱量下にアミノ酸配合量を変えた液を用いて、絶食ラットに7 日間の高カロリー輸液を施行した。
その結果、蛋白栄養指標(窒素出納や血漿アルブミン濃度等)を良好に維持するための非蛋白熱量/ 窒素(NPC/N)は約150 前後であることが確認された7)。
2. 栄養学的効果
本剤の栄養学的効果を市販製剤の混合液と比較するため、開腹術施行ラットに7 日間の高カロリー輸液を施行した。その結果、本剤は窒素出納や肝グリコーゲン量等において、良好な栄養効果が認められた8)。
取扱い上の注意
1.
製品の安定性を保持するため脱酸素剤を封入しているので、ソフトバッグを包んでいる外袋は使用時まで開封しないこと。
2.
温度変動により上室液(アミノ酸液)に結晶が析出することがあるが、この場合は常温(15~25℃)付近で振とうすることにより溶解して使用できる。
3.
外袋が破損したものや、内容液に着色や振とうで溶解しない結晶が認められるものは使用しないこと。
4.
万一、上室液と下室液の混合が起こっている場合や、隔壁が白色化し(隔壁の溶着が剥離すると白色化する)、白色化部分が両室に通じている場合には使用しないこと。
5.
注射針はゴム栓の○印にまっすぐ刺すこと。斜めに刺すと注射針が容器頸部を貫通し、液漏れの原因となることがある。
6.
ソフトバッグ製品は、原則として連結管を用いたタンデム方式による投与はできない。
7.
包装内に水滴が認められるものや内容液が混濁しているものは使用しないこと。
8.
容器の液目盛りはおよその目安として使用すること。
包装
アミノトリパ1号輸液
850mL 10 袋 ソフトバッグ入り
1700mL 5 袋 ソフトバッグ入り
アミノトリパ2号輸液
900mL 10 袋 ソフトバッグ入り
1800mL 5 袋 ソフトバッグ入り
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
能川裕之,他:薬理と治療 1991;19(Suppl.5):s1167-s1184
2)
森 昌造,他:薬理と治療 1991;19(Suppl.5):s1223-s1246
3)
森 昌造,他:薬理と治療 1991;19(Suppl.5):s1247-s1274
4)
松下 肇,他:薬理と治療 1991;19(Suppl.5):s1275-s1296
5)
尾澤 巌,他:薬理と治療 1991;19(Suppl.5):s1297-s1309
6)
和田 靖,他:薬理と治療 1991;19(Suppl.5):s1311-s1326
7)
瓦林良和,他:薬理と治療 1991;19(Suppl.5):s1185-s1195
8)
瓦林良和,他:薬理と治療 1991;19(Suppl.5):s1197-s1207
文献請求先
*株式会社大塚製薬工場 輸液DIセンター
*〒101‐0048 東京都千代田区神田司町2‐2
*TEL:0120-719-814
*FAX:03‐5296‐8400
製造販売業者等の氏名又は名称及び住所
販売提携
大塚製薬株式会社
東京都千代田区神田司町2-9
製造販売元
株式会社大塚製薬工場