を含有し,溶解時に炭酸ガスを発生するため減圧バイアルにしてある。溶解にあたっては約5mLの溶解液をバイアル内へ注入し,すぐ注射針を抜き取り振とうして溶解する。
〔注意〕
1)
バイアル内へは約5mL以上の溶解液を注入しないこと。
2)
通常の操作で約5mLの溶解液が容易に入らない場合は使用しないこと。
溶解後,バイアルを倒立にして,注射針を刺入し,薬液を吸引する。
〔注意〕
わずかに陽圧になっているので注射針の先が薬液面より上に出ないように刺入すること。
なお,静脈内注射に際しては0.25gは通常10mLに,0.5g及び1gは通常20mLに希釈して投与する。点滴静脈内注射を行う場合,注射用水を用いると溶液が等張とならないため用いないこと。
本剤の注射液調製時にショックを伴う接触蕁麻疹があらわれることがあるので調製時に手の腫脹・そう痒・発赤,全身の発疹・そう痒,腹痛,悪心,嘔吐等の症状があらわれた場合には以後本剤との接触を避けること。
用法及び用量に関連する使用上の注意
1.
高度の腎障害のある患者には,投与量・投与間隔の適切な調節をするなど慎重に投与すること。
2.
本剤の使用にあたっては,耐性菌の発現等を防ぐため,原則として感受性を確認し,疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
ペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者
2.
本人又は両親,兄弟に気管支喘息,発疹,蕁麻疹等のアレルギー症状を起こしやすい体質を有する患者
3.
高度の腎障害のある患者[高い血中濃度が持続することがある。]
4.
高齢者(「高齢者への投与」の項参照)
5.
経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者,全身状態の悪い患者[ビタミンK欠乏症状があらわれることがあるので観察を十分に行うこと。]
重要な基本的注意
本剤によるショック,アナフィラキシー様症状の発生を確実に予知できる方法がないので,次の措置をとること。
(1)
事前に既往歴等について十分な問診を行うこと。なお,抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認すること。
(2)
投与に際しては,必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておくこと。
(3)
投与開始から投与終了後まで,患者を安静の状態に保たせ,十分な観察を行うこと。特に,投与開始直後は注意深く観察すること。
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
利尿剤
フロセミド等 他のセフェム系抗生物質で併用による腎障害増強作用が報告されているので,併用する場合には腎機能に注意すること。 機序は不明であるが,利尿時の脱水による血中濃度の上昇等が考えられている。
副作用
副作用等発現状況の概要
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
重大な副作用
1. ショック,アナフィラキシー様症状(頻度不明)
ショック,アナフィラキシー様症状を起こすことがあるので,観察を十分に行い,不快感,口内異常感,眩暈,便意,耳鳴,発汗,喘鳴,呼吸困難,血管浮腫,全身の潮紅・蕁麻疹等の異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
2. 急性腎不全等の重篤な腎障害(頻度不明)
急性腎不全等の重篤な腎障害があらわれることがあるので,定期的に検査を行うなど観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
3. *汎血球減少,無顆粒球症,顆粒球減少,溶血性貧血,血小板減少(頻度不明)
汎血球減少,無顆粒球症,顆粒球減少,溶血性貧血,血小板減少があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
4. 偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎(頻度不明)
偽膜性大腸炎等の血便を伴う重篤な大腸炎があらわれることがある。腹痛,頻回の下痢があらわれた場合には直ちに投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
5. 間質性肺炎,PIE症候群(頻度不明)
発熱,咳嗽,呼吸困難,胸部X線異常,好酸球増多等を伴う間質性肺炎,PIE症候群等があらわれることがあるので,このような症状があらわれた場合には投与を中止し,副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。
6. 皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)(頻度不明)
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群),中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
7. 痙攣(頻度不明)
痙攣等の中枢神経症状があらわれることがある。特に,腎不全患者にあらわれやすい。(「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照)
8. 肝炎,肝機能障害,黄疸(頻度不明)
AST(GOT),ALT(GPT)の著しい上昇等を伴う肝炎,肝機能障害,黄疸があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止し,適切な処置を行うこと。
その他の副作用
頻度不明
過敏症注1) 発疹,蕁麻疹,紅斑,そう痒,発熱,リンパ腺腫脹,関節痛
*血液 貧血,好酸球増多
肝臓 AST(GOT)上昇,ALT(GPT)上昇,Al-P上昇,LDH上昇,γ-GTP上昇
消化器 悪心,下痢,嘔吐,食欲不振,腹痛
菌交代症 口内炎,カンジダ症
ビタミン欠乏症 ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症,出血傾向等),ビタミンB群欠乏症状(舌炎,口内炎,食欲不振,神経炎等)
その他 めまい,頭痛,倦怠感,しびれ感
その他の副作用の注意
注1)このような場合には投与を中止し適切な処置を行うこと。
高齢者への投与
次の点に注意し,用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
(1)
高齢者では生理機能が低下していることが多く副作用が発現しやすい。
(2)
高齢者ではビタミンK欠乏による出血傾向があらわれることがある。
妊婦,産婦,授乳婦等への投与