内分泌
1%未満
糖尿病
(13) 血液及びリンパ
5%以上注2)
低色素性貧血
(14) 血液及びリンパ
1%~5%未満
溶血、プロトロンビン時間延長
(15) 血液及びリンパ
1%未満
好酸球増加症、リンパ節症、リンパ管炎、リンパ浮腫、点状出血、トロンボプラスチン減少
(16) 代謝・栄養
5%以上注2)
Al-P増加
(17) 代謝・栄養
1%~5%未満
ALT(GPT)増加、体重減少、低カルシウム血症、高ビリルビン血症、高血糖
(18) 代謝・栄養
1%未満
LDH増加、高ナトリウム血症、クレアチニン増加、BUN増加、脱水、浮腫、高カルシウム血症、高カリウム血症、高脂血症、高尿酸血症、低血糖、低カリウム血症、低脂血症、低マグネシウム血症、低ナトリウム血症、低リン酸血症、低蛋白血症、ケトーシス、体重増加
(19) 筋骨格
1%未満
筋痛、関節痛、骨痛、筋炎
(20) 神経
1%未満
錯感覚、不眠症、末梢神経炎、うつ病、ニューロパシー、不安、痙攣、筋緊張低下、急性脳症候群、錯乱、片麻痺、筋緊張亢進、運動低下、回転性めまい
(21) 呼吸器
1%未満
胸水、喘息、気管支炎、咳嗽増加、過換気、咽頭炎、気胸、鼻炎、副鼻腔炎
(22) 特殊感覚
1%未満
中耳炎、味覚倒錯、視覚異常、盲、結膜炎、眼痛、視神経炎、耳鳴、視野欠損
(23) 泌尿生殖
1%未満
血尿、亀頭炎、膀胱炎、排尿困難、性器浮腫、糖尿、腎不全
(24) その他
1%~5%未満
呼吸困難、アルブミン尿、肺炎、網膜炎、情動不安定、浮動性めまい、傾眠
注1)外国で行われた4臨床試験の成績に基づき、重大な副作用以外の事象を記載した。
注2)血液学的検査関連の副作用を除く。
高齢者への投与
高齢者では特に心毒性、骨髄抑制があらわれやすい。また、肝機能が低下していることが多いため高い血中濃度が持続するおそれがある。用量に留意して患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい。[動物実験(ラット1)、ウサギ2))で胎児毒性及び流産誘発作用が報告されている。]
2.
授乳婦に投与する場合には授乳を中止させること。[授乳中の投与に関する安全性は確立していない。]
小児等への投与
小児等に対する安全性は確立されていない(使用経験がない)。
過量投与
徴候、症状
ドキソルビシン塩酸塩の短期間での過量投与により粘膜炎、白血球減少症及び血小板減少症の頻度が増加することがある。
処置
血小板及び顆粒球の輸血、抗菌剤投与等、適切な処置を行うとともに、粘膜炎に対する対症療法を行うこと。
適用上の注意
1. 投与経路
静脈内にのみ投与すること。皮下、筋肉内投与は行わないこと。
2. 調製時
本剤の取扱い及び調製にあたっては、手袋を使用するなど慎重に行うこと。本剤が皮膚又は粘膜に触れた場合には、直ちに石鹸でよく洗うこと。
3. 投与時
(1)
本剤のバイアルは1回使い切りである。バイアル中の未使用残液は適切に廃棄すること。また、希釈後は2~8℃で保存し、24時間以内に投与すること。
(2)
**血管外漏出により、注射部位壊死が生じたとの報告があるので、静脈内投与に際し、薬液が血管外に漏れないよう注意すること。血管外漏出の徴候あるいは症状(刺痛感、灼熱感、紅斑等)が生じた場合には、投与を直ちに中止し、別の静脈で再開すること。なお、漏出部位を冷やすことで、症状が緩和される場合がある。
(3)
本剤投与の際は、インラインフィルターを使用しないこと。また、投与ラインの急速なフラッシュは避けること。
その他の注意
1.
動物実験でドキソルビシン塩酸塩及び関連化合物は遺伝毒性及び発癌性を有することが示されている。
2.
ラットに反復静脈内投与した実験で、1mg/kg投与群において精巣小型化及び精巣内精子数減少が認められ3)、イヌに反復静脈内投与した実験で、0.25~1mg/kg投与群において精巣重量減少、精細管変性及び精子未形成が認められた4)。
3.
ドキソルビシン塩酸塩の有する色により、尿が赤色となることがある。
薬物動態
<各種固形癌患者>
血漿中濃度5)
各種固形癌患者15例を対象に、本剤30、40及び50mg/m2を4週ごとに静脈内投与したとき、血漿中ドキソルビシン濃度推移は同用量範囲において線形性を示した。また、コース間における血漿中ドキソルビシンの蓄積は認められなかった。(表1参照)
固形癌患者における本剤投与時の血漿中ドキソルビシン濃度推移(平均値±標準偏差)
<外国人エイズ関連カポジ肉腫患者>
(1) 血漿中濃度6)
患者23例において、クロスオーバー法により3週間の休薬期間を設け、本剤10又は20mg/m2を30分間かけてそれぞれ単回静脈内投与したときの血漿中ドキソルビシンの薬物動態パラメータは以下のとおりであった。(表2参照)
本剤投与時の血漿中ドキソルビシンの薬物動態は、10~20mg/m2の範囲で線形性を示した。本剤投与後の血漿中ドキソルビシン濃度は2相性の消失を示し、α相半減期(t1/2α)が約5時間、β相半減期(t1/2β)が約55時間であった。
(2) 分布6)
ドキソルビシン塩酸塩投与時の分布容積(700~1,100L/m2)と比較して、本剤投与時の血漿中ドキソルビシンの分布容積(Vss)は約3L/m2と小さく、本剤のほとんどが血液中に存在していることが示唆された。本剤の血漿蛋白結合率は測定されていないが、ドキソルビシンの血漿蛋白結合率は約70%である。
患者11例において、本剤20mg/m2投与48及び96時間後に病変部位及び正常部位の皮膚を採取し、ドキソルビシン濃度を測定した結果、投与48時間後では病変部位のドキソルビシン濃度は正常部位に比べて中央値で19倍(範囲:3~53倍)高値であった。しかし、この濃度は病変部位と正常部位に含まれる血液含量の差について補正しておらず、補正された比は1~22倍であると推測された。以上より、正常部位に比べて病変部位に高濃度のドキソルビシンが分布することが示唆された。
(3) 代謝6)
本剤10又は20mg/m2を投与したとき、ドキソルビシンの主代謝物であるドキソルビシノールが低濃度で血漿中に認められた(範囲:0.8~26.2ng/mL)。
(4) 排泄6)
本剤20mg/m2投与時の全身クリアランス(CL)は0.041L