3
(歩行又は正常な日常活動を妨げる程度の水疱、潰瘍又は腫脹。普段の衣服を着ることができない。)
用量の変更
Grade 0~1に軽快するまで最長2週間投与を延期する。2週間たっても軽快しない場合は、本剤の投与を中止する。2週間以内に軽快した場合は、用量を25%減量の上、投与を再開する。
Grade 4
(感染性合併症の原因となるびまん性又は局所性の進行、あるいは寝たきり状態又は入院)
用量の変更
Grade 0~1に軽快するまで最長2週間投与を延期する。2週間たっても軽快しない場合は、本剤の投与を中止する。2週間以内に軽快した場合は、用量を25%減量の上、投与を再開する。
<口内炎>
Grade 1
(痛みのない潰瘍、紅斑又は軽度の痛み)
用量の変更
患者が以前にGrade 3又は4の本事象を経験していない場合は投与を継続する。以前にGrade 3又は4の本事象を経験している場合は、最長2週間投与を延期し、投与再開時には用量を25%減量する。
Grade 2
(痛みのある紅斑、浮腫又は潰瘍。食事はできる。)
用量の変更
Grade 0~1に軽快するまで最長2週間投与を延期する。2週間たっても軽快しない場合は、本剤の投与を中止する。2週間以内に軽快し、以前にGrade 3又は4の本事象を経験していない場合は、投与を再開する。以前にGrade 3又は4の本事象を経験している場合は、用量を25%減量の上、投与を再開する。
Grade 3
(痛みのある紅斑、浮腫又は潰瘍。食事ができない。)
用量の変更
Grade 0~1に軽快するまで最長2週間投与を延期する。2週間たっても軽快しない場合は、本剤の投与を中止する。2週間以内に軽快した場合は、用量を25%減量の上、投与を再開する。
Grade 4
(経静脈又は経管栄養を必要とする。)
用量の変更
Grade 0~1に軽快するまで最長2週間投与を延期する。2週間たっても軽快しない場合は、本剤の投与を中止する。2週間以内に軽快した場合は、用量を25%減量の上、投与を再開する。
<骨髄抑制>
Grade 1
好中球(/μL)
1,500以上
2,000未満
血小板(/μL)
75,000以上
150,000未満
用量の変更
投与を継続する。
Grade 2
好中球(/μL)
1,000以上
1,500未満
血小板(/μL)
50,000以上
75,000未満
用量の変更
好中球1,500/μL以上、血小板75,000/μL以上になるまで投与を延期する。
Grade 3
好中球(/μL)
500以上
1,000未満
血小板(/μL)
25,000以上
50,000未満
用量の変更
好中球1,500/μL以上、血小板75,000/μL以上になるまで投与を延期する。
Grade 4
好中球(/μL)
500未満
血小板(/μL)
25,000未満
用量の変更
好中球1,500/μL以上、血小板75,000/μL以上になるまで投与を延期する。投与再開時には、サイトカイン(G-CSF等)を併用するか、あるいは用量を25%減量する。
<肝機能障害>
肝機能障害のある患者に対する本剤の治療経験は限られている。従来のドキソルビシン塩酸塩製剤での経験に基づき、血清ビリルビン値が次のように上昇した場合は、本剤を減量することが望ましい。
・血清ビリルビン値が1.2~3.0mg/dLの場合は、通常量の1/2
・血清ビリルビン値が3.0mg/dLを超える場合は、通常量の1/4
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
心血管系疾患又はその既往歴のある患者[心筋障害があらわれることがある(「警告」、「重要な基本的注意」、「重大な副作用」の項参照)。]
2.
骨髄抑制のある患者(エイズ関連カポジ肉腫患者では、HIVや併用薬等により、また、卵巣癌患者では前治療等の影響により、本剤の投与開始前から骨髄抑制が認められる場合がある。)[骨髄機能をより強く抑制するおそれがある(「警告」、「用法・用量に関連する使用上の注意」、「重要な基本的注意」、「重大な副作用」の項参照)。]
3.
肝機能障害のある患者[副作用が強くあらわれるおそれがある(「用法・用量に関連する使用上の注意」、「重要な基本的注意」の項参照)。]
4.
高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
5.
大豆アレルギーのある患者[本剤の添加物に大豆由来の成分が含まれている。]
重要な基本的注意
1.
本剤はドキソルビシン塩酸塩をリポソームに封入した製剤であることから、本剤の有効性、安全性、薬物動態等は従来のドキソルビシン塩酸塩製剤と異なる。本剤を従来のドキソルビシン塩酸塩製剤の代替として使用しないこと。また、本剤を従来のドキソルビシン塩酸塩製剤と同様の用法・用量で投与しないこと。
2.
ドキソルビシン塩酸塩が有する心毒性に注意し、本剤投与開始前、及び本剤投与中は頻回に、心機能検査(心電図、心エコー、放射性核種スキャン、心内膜心筋生検等)を行うなど患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には投与を中止すること。[「警告」、「慎重投与」、「重大な副作用」の項参照]
3.
骨髄抑制が生じた結果、感染症、発熱性好中球減少症又は出血がおこることがあるので、頻回に血液検査を行うなど患者の状態を十分に観察すること。異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。また、他の骨髄抑制作用を有する薬剤との併用により、骨髄抑制が増強される可能性がある。[「警告」、「用法・用量に関連する使用上の注意」、「慎重投与」、「重大な副作用」の項参照]
4.
急性のinfusion reaction(ほてり、潮紅、胸部不快感、呼吸困難、悪心、熱感、背部痛、頻脈、そう痒症、鼻漏、腹痛、動悸、血圧上昇、顔面腫脹、頭痛、悪寒、胸痛、胸部及び咽喉の絞扼感、発熱、発疹、チアノーゼ、失神、気管支痙攣、喘息、無呼吸、低血圧、息切れ等を特徴とする)があらわれることがある。これらの症状は、投与中止又は終了後、数時間から1日で軽快することが多く、また、投与速度の減速により軽快することもある。一方、重篤で致死的なアレルギー様又はアナフィラキシー様のinfusion reactionがあらわれるこ