mL) 383.3±126.5 408.4±125.8
100 t1/2 (hr) 38.47±8.62 40.12±7.50
Cmax、tmaxはn=8、それ以外はn=7 平均値±標準偏差
臨床成績
1. プラセボ対照二重盲検比較試験 (血液透析)15)
血液透析施行中の二次性副甲状腺機能亢進症患者143例 (本剤72例、プラセボ71例) を対象に、本剤又はプラセボを1日1回25mgより投与開始し、100mgまでの範囲で用量調整を行い14週間経口投与した。その結果、投与終了時において血清intact PTH濃度が目標値 (250pg/mL以下) に達した被験者の割合は、本剤で51.4%、プラセボで2.8%であり、本剤ではプラセボと比較し有意に高かった (χ2=42.521、p<0.001)。
2. 長期投与試験 (血液透析)16~18)
血液透析施行中の二次性副甲状腺機能亢進症患者369例を対象に、本剤を1日1回12.5mg注) 又は25mgより投与開始し、100mgまでの範囲で用量調整を行い1年間経口投与した。その結果、本剤の血清intact PTH濃度低下効果は長期にわたり維持され、終了時に目標値 (250pg/mL以下) に達した被験者の割合は48.2%であった。
注) 本剤の開始用量は25mgである。
3. 一般臨床試験 (腹膜透析)19)
腹膜透析施行中の二次性副甲状腺機能亢進症患者29例を対象に、本剤を1日1回25mgより投与開始し、100mgまでの範囲で用量調整を行い16週間経口投与した。その結果、投与終了時において血清intact PTH濃度が目標値 (250pg/mL以下) に達した被験者の割合は24.1%であり、腹膜透析施行中の二次性副甲状腺機能亢進症患者における本剤の血清intact PTH濃度低下効果が確認された。
薬効薬理
1. 作用・効果
(1) PTH分泌抑制作用 (in vitro )
本剤は、ウシ副甲状腺細胞20) 及びヒト副甲状腺細胞21) からのPTH分泌を濃度依存的に抑制した。
(2) 副甲状腺細胞増殖抑制作用
本剤は、部分腎摘ラットへの反復経口投与により副甲状腺細胞増殖を抑制し、副甲状腺過形成の進展を抑制した22)。
(3) 血清PTH及びカルシウム濃度低下効果
本剤は、正常ラット20) 及び部分腎摘ラットへの単回経口投与により血清PTH及びカルシウム濃度を投与量依存的に低下させた。
(4) 骨障害抑制効果
二次性副甲状腺機能亢進症では、血清PTH濃度の上昇による骨障害が発症する。本剤は、部分腎摘ラットへの反復経口投与により血清PTH濃度の上昇による骨障害の症状である骨髄線維化、皮質骨粗鬆化、皮質骨骨密度低下及び骨強度低下を抑制した。
2. 作用機序20~22)
本剤は、副甲状腺細胞表面のカルシウム受容体を介して作用を発現する。カルシウム受容体はPTH分泌に加え、PTH生合成及び副甲状腺細胞増殖を制御している。本剤は、カルシウム受容体に作動し、主としてPTH分泌を抑制することで、血清PTH濃度を低下させる。また、反復投与では本剤の副甲状腺細胞増殖抑制作用も血清PTH濃度低下に寄与すると考えられる。
有効成分に関する理化学的知見
一般名:
シナカルセト塩酸塩 (Cinacalcet Hydrochloride) (JAN)
化学名:
N -[(1R )-1-(Naphthalen-1-yl) ethyl]-3-[3-(trifluoromethyl) phenyl]propan-1-amine monohydrochloride
分子式:
C22H22F3N・HCl
分子量:
393.87
構造式:
性状:
白色~帯微黄白色の結晶性の粉末である。N , N -ジメチルホルムアミド、メタノール又はエタノール (99.5) に溶けやすく、水に溶けにくく、ヘキサンにほとんど溶けない。
融点:
約181℃
包装
レグパラ錠25mg 100錠 (PTP)
レグパラ錠75mg 100錠 (PTP)
主要文献及び文献請求先
主要文献
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社内資料: 本剤の薬物動態に及ぼす食事の影響に関する検討
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社内資料: 本剤の薬物動態に対するセベラマー塩酸塩の影響に関する検討
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