ての化学療法によって寛解に到達しなかった治療抵抗例を除く、急性型、リンパ腫型又は予後不良因子(LDH高値、BUN高値及びアルブミン低値)を有する慢性型のCCR4陽性の再発・再燃ATL日本人患者27例を対象に、本剤1mg/kgを1週間間隔で8回、点滴静注を行った。有効性解析対象26例を対象とした奏効率は50.0%(95%信頼区間:29.9~70.1%)であった。26例の内訳は、急性型14例、リンパ腫型6例、予後不良因子を有する慢性型6例であり、病型別での奏効率は、急性型42.9%(6/14例)、リンパ腫型33.3%(2/6例)、予後不良因子を有する慢性型83.3%(5/6例)であった。
第II相臨床試験において、本剤8回投与を完遂し奏効に至った後に再燃した1例に本剤が再投与され、部分寛解を認めた。また、副作用は、Infusion reaction、リンパ球減少、白血球減少、頻脈、AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、発熱及び体重増加であった。
なお、本試験では造血幹細胞移植実施例は対象から除外した。
対象被験者数 完全寛解 不確定完全寛解 部分寛解 奏効被験者数 奏効率
(95%信頼区間)
26 8 0 5 13 50.0%
(29.9~70.1%)
薬効薬理
1. 作用機序4)5)
モガムリズマブは、主に抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性を介して、CCR4陽性細胞を傷害すると考えられる。
2. 抗腫瘍作用
(1) in vitro 試験4)5)
1)
モガムリズマブは、CCR4陽性のヒトATL由来細胞株(TL-Om1、ATN-1及びATL102)(ターゲット細胞)に対して、ヒト末梢血単核細胞(エフェクター細胞)存在下でADCC活性を示した。
2)
モガムリズマブは、ATL由来患者のCD3陽性細胞※(ターゲット細胞)に対して、同一患者由来のCD3陰性細胞(autologousなエフェクター細胞)存在下でADCC活性を示した。
※:CCR4陽性細胞を含む。
(2) in vivo 試験6)
モガムリズマブは、CCR4陽性のヒトATL由来細胞株(TL-Om1)を皮下移植した重症複合免疫不全マウスモデルにおいて腫瘍増殖抑制作用を示した。
有効成分に関する理化学的知見
一般名
モガムリズマブ(遺伝子組換え)
Mogamulizumab(Genetical Recombination)
分子量
約149,000
本質
ヒトCCケモカイン受容体4に対する遺伝子組換えヒト化モノクローナル抗体である。チャイニーズハムスター卵巣細胞により産生される449個のアミノ酸残基からなる重鎖2分子及び219個のアミノ酸残基からなる軽鎖2分子で構成される糖タンパク質である。
承認条件
国内での治験症例が極めて限られていることから、製造販売後、一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること。
包装
ポテリジオ点滴静注20mg:1バイアル
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
社内資料:国内第I相臨床試験の薬物動態
2)
Ishida T., et al. : J Clin Oncol., 30, 837(2012)
3)
社内資料:薬物動態試験(分布:カニクイザル組織分布試験)
4)
社内資料:薬理試験(抗体依存性細胞傷害(ADCC)試験)
5)
Ishii T., et al.:Clin Cancer Res., 16, 1520(2010)
6)
社内資料:薬理試験(抗腫瘍効果試験)
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