敏症等について十分な問診を行うこと。
5.
小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、性腺に対する影響を考慮すること。
6.
本剤の使用に際しては、「注射液の調製・保存方法」に従い、調製すること。
7.
本剤の添加物であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を含有する医薬品でショックの発現が報告されているので、上記注意事項に留意すること。また、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を含有する他の製剤で高脂血症がみられたとの報告がある。
相互作用
併用注意
(併用に注意すること)
薬剤名等
他の抗悪性腫瘍剤
臨床症状・措置方法
骨髄機能抑制等の副作用が増強することがある。
機序・危険因子
副作用が相互に増強される。
副作用
副作用等発現状況の概要
承認時及び使用成績調査における総症例3,007例中1,893例(63.0%)に副作用がみられた。主な副作用は悪心857例(28.5%)、嘔吐584例(19.4%)、食欲不振627例(20.9%)、肝機能障害468例(15.6%)、貧血418例(13.9%)、発熱407例(13.5%)等であった。
重大な副作用
1. ショック
(0.4%)
ショックを起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
2. 重篤な過敏症
(0.1%)
胸部圧迫感、発疹、皮膚の潮紅等の重篤な過敏症状があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
3. 血液障害
(頻度不明)
汎血球減少、白血球減少、血小板減少、貧血、また、骨髄に巨赤芽球様細胞を認めることがあるので、定期的に血液検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量、休薬等の適切な処置を行うこと。
その他の副作用
1. 消化器
10%以上
食欲不振、悪心・嘔吐
2. 消化器
1~10%未満
下痢、腹痛、腹部膨満感、口内炎
3. 精神神経系
1~10%未満
けん怠感、頭痛
4. 精神神経系
1%未満
腰痛、眩暈、しびれ感
5. 肝臓
10%以上
ビリルビン、AST(GOT)、ALT(GPT)、Al-Pの上昇
6. 泌尿器
1~10%未満
BUN、クレアチニンの上昇
7. 泌尿器
1%未満
蛋白尿、頻尿
8. 皮膚
1~10%未満
脱毛
9. 皮膚
1%未満
紅斑、そう痒
10. その他
10%以上
発熱
11. その他
1%未満
浮腫、心悸亢進
高齢者への投与
高齢者では、一般に生理機能(造血機能、肝機能、腎機能等)が低下しているので、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[動物実験(ラット、ウサギ)の催奇形作用(胎児の骨格異常・外形異常)が報告されている。]
2.
授乳中の婦人に投与することを避け、やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること。[動物実験(ウサギ)で母乳中へ移行することが報告されている。]
小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していないので、慎重に投与すること。
適用上の注意
1. 注射液の調製・保存方法
本剤は、可溶化剤としてポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60を使用しており、下記の調製・保存方法を必ず守ること。
(1) 調製方法
1)
エノシタビン10mgに対し、日局注射用水を1mLの割合で加える。
2)
バイアルを溶解ラックに入れ、あらかじめ沸騰させた水浴中で約10分間加熱する。その間、3回沸騰水浴中から取り出し、強く振り混ぜる(各回10秒間に10~15回程度)。
注意
本剤溶解操作時に溶解鍋の空焚きをしないこと。[空焚きによりバイアルが破裂し、内容液とガラス片が飛散するおそれがある。]
3)
沸騰水浴中から取り出し、小さな塊あるいは透明なゲル状物のない均一な乳白色の液が得られたことを確認する。
注意
乳白色の液が得られない場合は、再度上記(2)の操作を行う。
4)
バイアルを熱い溶解ラックごと、好ましくは氷水中(流水中でも可)で約3分間振り混ぜながら急冷すると無色澄明な液が得られる。この溶液1.1mLには約10mgのエノシタビンが含まれる。
注意
無色澄明な液を得るためには、急冷することが最も重要なポイントであるため、放置しないこと。(急冷操作前にバイアルを放置する等により冷ましたような場合には、再度沸騰水浴中で加熱後、ただちに急冷操作を行う。)
5)
本剤の水溶液を輸液で希釈する際には、泡立ちを極力抑え、注入後の撹拌は穏やかに行う。(輸液容器の液中に本剤の水溶液を注入する針を浸けて注入するか、または壁を伝わせてゆっくり注入する。)
<詳細は別添「サンラビン点滴静注用の調製方法」を参照>
(2) 保存方法
本剤の水溶液(輸液希釈前)をやむを得ず保存する場合は、5℃以下で保存し、48時間以内に使用すること。
注意
輸液希釈前に、無色澄明であることを確認する。無色澄明でない場合は「1.調製方法(2)~(4)」に準じて再度調製すること。
2. 投与時
(1)
静脈内投与により、ときに静脈炎等を起こすことがあるので注射部位、注射方法等に十分注意すること。
(2)
静脈内投与に際し、薬液が血管外に漏れると、注射部位に疼痛、発赤、腫脹等の炎症を起こすことがあるので、慎重に投与すること。
3. その他
ポリ塩化ビニール製の点滴セット、カテーテル等から、可塑剤であるDEHP〔di-(2-ethylhexyl)phthalate:フタル酸ジ-(2-エチルヘキシル)〕が溶出するので、ポリ塩化ビニール製の点滴セット、カテーテル等の使用を避けること。
その他の注意
1.
本剤と他の抗悪性腫瘍剤を併用した患者に、急性白血病(前白血病相を伴う場合もある)、骨髄異形成症候群(MDS)が発生したとの報告がある。
2.
マウスに静脈内投与した小核試験において、変異原性が認められている。
薬物動