19.46
88.87
19.57
AUClast(ng・hr/mL)
単独
28.82
14.64
62.56
24.80
115.0
28.67
併用
26.69
12.87
82.77
13.83
75.59
20.43
注1)ボルテゾミブ単独投与時:n=6、メルファラン及びプレドニゾロン併用時:n=5
注2)ボルテゾミブ単独投与時:n=4、メルファラン及びプレドニゾロン併用時:n=3
16.1.3 単独投与
前治療歴のある多発性骨髄腫患者に、ボルテゾミブ1.3mg/m2を単独で、1日1回、週2回、2週間(1、4、8、11日目)皮下投与(n=17)及び静脈内投与(n=14)したとき11日目における血漿中ボルテゾミブ濃度を検討した。その結果、ボルテゾミブ皮下投与時のCmaxは静脈内投与時の約1/10であったが、AUClastは両投与間で大きく異ならなかった。11) (外国人データ)
前治療歴のある多発性骨髄腫患者にボルテゾミブ1.3mg/m2を皮下投与及び静脈内投与したときの血漿中ボルテゾミブの薬物動態パラメータ(解析法:ノンコンパートメントモデル)
薬物動態
パラメータ
皮下投与(n=17)
静脈内投与(n=14)
平均値
SD
平均値
SD
Cmax(ng/mL)
20.4
8.87
223
101
tmax(hr)注)
0.50
(0.08~1.00)
0.03
(0.03~0.08)
AUClast(ng・hr/mL)
155
56.8
151
42.9
注)中央値(最小値~最大値)
16.2 吸収
16.2.1 血漿蛋白結合率
ヒトにおけるボルテゾミブの血漿蛋白結合率は78.9~85.7%であった(in vitro、限外ろ過法、10~1000ng/mL)12) 。
16.4 代謝
ヒトにおけるボルテゾミブの主な代謝経路は脱ホウ素化であり、ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro試験より、ボルテゾミブが主にチトクロームP450 3A4、2C19及び1A2の基質であることが示されている。チトクロームP450 2D6及び2C9の寄与は小さい。また、ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro試験より、ボルテゾミブによるチトクロームP450 1A2、2C9、2D6及び3A4への阻害能は弱いが(IC50=>30µmol/L、>11.5µg/mL)、チトクロームP450 2C19に対する阻害能(IC50=18µmol/L、6.9µg/mL)が示されているため、本酵素の基質である薬剤の血中濃度を上昇させる可能性がある。初代培養ヒト肝細胞を用いたin vitro試験より、ボルテゾミブによるチトクロームP450 1A2及び3A4の明確な誘導能は認められなかった。
代謝物の活性の有無:脱ホウ素化された代謝物は活性を示さない。13) ,14)
16.5 排泄
ヒトにおけるボルテゾミブの排泄経路は特定されていない。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害
クレアチニンクリアランス値(CrCL)で分類した様々な程度の腎機能を有する患者を対象に、ボルテゾミブの薬物動態試験を実施した。また、透析後にボルテゾミブを投与した透析患者も本試験に組み入れた。ボルテゾミブ0.7~1.3mg/m2を週2回静脈内投与したときの8日目のボルテゾミブのクリアランス(CL)は以下の通りであった。15) (外国人データ)
腎機能の程度別の血漿中ボルテゾミブのCL(8日目)
腎機能の程度
(CrCL)
≧60
mL/min/1.73m2
40~59
mL/min/1.73m2
20~39
mL/min/1.73m2
<20
mL/min/1.73m2
透析群
n注)
12
9
9
3
8
平均値
30.5
29.6
28.9
27.7
24.7
SD
10.0
18.5
13.5
13.4
10.1
注)薬物動態評価対象例数
16.6.2 肝機能障害
ビリルビン値で分類した様々な程度の肝機能を有する患者を対象に、ボルテゾミブ0.5~1.3mg/m2を週2回静脈内投与したときのボルテゾミブの用量で規格化したAUCは以下の通りであった16) 。(外国人データ)[9.3 参照]
肝機能の程度別の血漿中ボルテゾミブの用量で規格化したAUC(8日目)
肝機能の程度
(ビリルビン値)
施設基準値
以下
施設基準値の
>1.0~1.5倍
施設基準値の
>1.5~3倍
施設基準値の
>3倍
n注)
11
9
8
14
幾何平均値
52.2
51.9
85.0
83.2
変動係数(%)
25.7
90.7
26.6
57.1
注)薬物動態評価対象例数
17. 臨床成績
17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈多発性骨髄腫〉
17.1.1 海外第Ⅲ相比較試験(039試験)
再発又は難治性の多発性骨髄腫に対する海外第Ⅲ相比較試験(039試験)における成績概要は以下のとおりであった。
1~3回の前治療歴を有する患者を対象とする無作為化非盲検群間比較試験のボルテゾミブ群では1.3mg/m2を静脈内投与した。腫瘍増殖抑制期間(TTP)は、デキサメタゾン群の3.5ヵ月(中央値)に対して、ボルテゾミブ群で6.2ヵ月(中央値)であった。生存期間のハザード比は、0.57(95%信頼区間0.40, 0.81;p<0.05)であった。なお、生存期間中央値は、全患者のボルテゾミブ群で16.6ヵ月であった以外は、追跡期間が短くすべて評価不能であった。17)
海外第Ⅲ相比較試験(039試験)における有効性解析の要約
全患者
前治療回数1回のみ
前治療回数>1回
ボルテゾミブ
デキサメタゾン
ボルテゾミブ
デキサメタゾン
ボルテゾミブ
デキサメタゾン
評価項目
n=333
n=336
n=132
n=119
n=200
n=217
TTP
イベント数(%)
14