、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1 重大な副作用
11.1.1 静脈塞栓(頻度不明)
11.1.2 ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)
血圧低下、意識障害、呼吸困難、チアノーゼ、悪心、胸内苦悶、顔面潮紅、そう痒感、発汗等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.2 その他の副作用
5%以上
0.1~5%未満
頻度不明
過敏症
そう痒感、発疹等
消化器
悪心
腹痛、下痢、食欲不振、口渇、嘔吐
循環器
血圧降下、頻脈、頻呼吸、胸部不快感、動悸等
呼吸器
呼吸困難
肝臓
肝機能異常
肝障害
AST、ALT、Al-P、総ビリルビンの上昇
大量・
急速投与
脳浮腫、肺水腫、末梢の浮腫、高カリウム血症、水中毒、アシドーシス
代謝
高血糖、低ナトリウム血症
その他
注射部位静脈炎
注射部位浮腫、注射部位腫脹
出血傾向、発熱、悪寒、顔面潮紅、顔面浮腫、異臭感、胸部圧迫感、血管痛、熱感、頭痛
12. 臨床検査結果に及ぼす影響
12.1 本剤は、アスコルビン酸を含有しているため、尿糖の検出を妨害することがある。また、各種の尿検査(潜血、ビリルビン、亜硝酸塩)・便潜血反応検査で、偽陰性を呈することがある。
12.2 本剤は、リボフラビンリン酸エステルナトリウムを含有しているため、尿を黄変させ、臨床検査値に影響を与えることがある。
14. 適用上の注意
14.1 全般的な注意
14.1.1 本剤は、含有する脂肪が目詰まりするため、除菌用ファイナルフィルターを使用できない。外観で細菌汚染・配合変化を確認できず、また、細菌が混入すると増殖しやすいため、以下の点に注意すること。
末梢静脈カテーテル等刺入部位及び輸液ラインの接合部は常に清潔にしておくこと。輸液ラインは閉鎖式輸液ラインなどを使用することが望ましい。
連日投与する場合は輸液ラインを24時間毎に交換すること。
本剤に他の薬剤を混注しないこと。
本剤の輸液ラインの側管から他の薬剤を投与しないこと。
14.1.2 輸液セットのびん針は、ゴム栓の刻印部(○印)に垂直にゆっくりと刺すこと。斜めに刺すと、ゴム栓や容器内壁の削り片が薬液中に混入するおそれや、容器を刺通し液漏れの原因となるおそれがある。また、輸液セットのびん針は同一箇所に繰り返し刺さないこと。
14.2 薬剤調製時の注意
14.2.1 調製手順
(1) 用時に外袋を開封し、バッグを取り出す。
(2) 必ず下室を両手で押して隔壁を開通させる。
(3) 隔壁開通後は上室と下室を交互に押して両液を十分に混合する。
14.3 薬剤投与時の注意
14.3.1 上室液又は下室液は単独で投与しないこと。
14.3.2 発熱などカテーテル感染が疑われた場合は、末梢静脈カテーテルを抜去するなど適切な処置を講じること。
14.3.3 血管痛があらわれた場合には、注射部位を変更すること。また、場合によっては投与を中止すること。
14.3.4 アミノ酸・糖・電解質製剤、アミノ酸・糖・電解質・ビタミンB1製剤及び脂肪乳剤において血管外漏出が原因と考えられる皮膚壊死、潰瘍形成が報告されているので、点滴部位の観察を十分に行い、発赤、浸潤、腫脹などの血管外漏出の徴候があらわれた場合には、直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと。
14.3.5 可塑剤としてDEHP〔di-(2-ethylhexyl)phthalate;フタル酸ジ-(2-エチルヘキシル)〕を含むポリ塩化ビニル製の輸液セット等を使用した場合、DEHPが製剤中に溶出するので、DEHPを含まない輸液セット等を使用することが望ましい。
14.3.6 本剤は脂肪乳剤を含有しているため、接合部がポリカーボネート製の輸液セット等を使用した場合、その接合部にひび割れが生じ、血液及び薬液漏れ、空気混入等の可能性があるので注意すること。
14.3.7 ビタミンの光分解を防ぐため、遮光カバーを用いるなど十分に注意すること。
14.3.8 原則として、連結管を用いた2バッグ以上の連続投与は行わないこと。輸液セット内に空気が流入するおそれがある。
14.3.9 容器の目盛りは目安として使用すること。
14.3.10 残液は決して使用しないこと。
15. その他の注意
15.2 非臨床試験に基づく情報
イヌにデキストラン40を2時間持続投与し、投与終了直後から本剤を4日間持続投与した結果、本剤の投与終了翌日の病理組織学的検査において肺の脂肪塞栓を認めたが、その程度は軽微で周囲の組織に変性・壊死等は認められなかった。[8.3 参照]
17. 臨床成績
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第Ⅲ相試験
消化器術後患者110例を対象とした非盲検並行群間比較試験1) において、OPF-105注)(被験薬)又は市販のアミノ酸・糖・電解質・ビタミンB1液と脂肪乳剤の組合せ(対照薬)を投与した。術後1日目又は2日目から7日目までは1日当たり2200mLを目安に投与し、術後8日目以降は、1日当たり1100mL~2200mLを目安に、経口摂取のみ、あるいは投与量が1日当たり1100mL未満で栄養管理が可能になった日(最長で術後14日目)まで投与した。
有効性解析対象症例99例(被験薬群52例、対照薬群47例)において、主要評価項目とした術後8日目の栄養指標(総蛋白、アルブミン、プレアルブミン、レチノール結合蛋白及びトランスフェリン)の血中濃度は両群で同様であった。副次的評価項目とした術後8日目の脂肪酸分画(リノール酸、α-リノレン酸、オレイン酸、パルミチン酸及びステアリン酸)並びに水溶性ビタミン(B1、B2、B6、B12、ニコチン酸、パントテン酸、葉酸、ビオチン及びC)の血中濃度について、脂肪酸分画の血中濃度は両群で同様であり、水溶性ビタミンの血中濃度は両群で配合量を反映した推移が確認された。
副作用発現頻度は、被験薬群で19.6%(11/56例)、対照薬群で31.3%(15/48例)であり、被験薬群の主な副作用は、注射部位静脈炎8.9%(5/56例)、肝機能異常5.4%(3/56例)であった。
注)OPF-105は、アミノ酸、糖、電解質、脂肪及び水溶性ビタミンの組成が本剤と同一であり、本剤には配合していない脂溶性ビタミン(A、D、E及びK)を含有する。