p; 女 5.31 20.79 0.89 4.03
6 100 68 男 5.96 31.92 0.99 5.78
7 100 50 女 6.72 28.08 0.79 4.82
表2 薬物動態パラメータ
Cmax(μg/mL) AUC0-24(μg・hr/mL) T1/2α(hr) T1/2β(hr)
総白金濃度 6.72 28.08 0.79 4.82
遊離型白金濃度 6.50 22.77 0.90 2.71
臨床成績
承認時までに実施された第2相臨床試験2)~9)での有効性評価対象例418例における疾患別奏効率は下表のとおりであった。
表3 臨床成績参照
臨床成績の表
表3 臨床成績
疾患名 奏効(CR+PR)例数/有効性評価対象例数 奏効率(%)
頭頸部癌2),3) (11+27)/90 42.2
肺小細胞癌4) (0+9)/22 40.9
肺非小細胞癌4),9) (1+16)/103 16.5
食道癌5) (0+15)/29 51.7
膀胱癌6) (2+6)/21 38.1
精巣(睾丸)腫瘍6) (6+6)/15 80.0
卵巣癌7) (4+18)/59 37.3
子宮頸癌7),8) (8+24)/79 40.5
CR:complete response(著効)
PR:partial response(有効)
薬効薬理
1. 抗腫瘍作用
(1) マウス腫瘍細胞株(Lewis肺癌)並びにヒト腫瘍の培養細胞株(肺大細胞癌株Lu-99,肺扁平上皮癌株RERF-LC-AI)に対する50%増殖抑制濃度はいずれも1μg/mL以下,ヒト肺腺癌株A549に対しては1.6μg/mL,ヒト正常肺及び羊膜の細胞株各2株に対しては6.5~12.5μg/mLであった。(in vitro)
(2) 可移植性動物腫瘍株に対する最高ILS%注1及び化学療法係数注2は,下表のとおりであった。(in vivo)
表4 可移植性動物腫瘍株に対する効力参照
(3) ヌードマウス(BALB/c-nu/nu)に移植したヒトの肺癌株(6株),頭頸部癌株(3株),食道癌株(1株),子宮頸癌株(2株)に,LD50の1/2量(29.6mg/kg)を単回静脈内投与した場合に,肺癌株(4株),食道癌株(1株),子宮頸癌株(1株)に対して腫瘍増殖抑制作用を示した。(in vivo)
2. 作用機序
ネダプラチンは細胞内に入った後,グリコレート配位子のアルコール性酸素と白金の結合が切れて,白金に水が付加したイオン種(活性種,すなわちアコ錯体)を生成する。次に,一方が外れたグリコレート配位子は不安定になって脱離し,種々のイオン種に変化し,これらのイオン種がDNAと結合する。
このように本薬はシスプラチンと同様の経路でDNAと結合し,その結果,DNAの複製を阻害することにより抗腫瘍作用を示すと考えられる。
なお,本薬あるいはシスプラチンとDNAとの反応においても,結合塩基の種類は完全に一致していることが確認されている10)。
薬効薬理の表
表4 可移植性動物腫瘍株に対する効力
動物 腫瘍
(移植部位) 投与法,経路 最高ILS%注1 化学療法係数注2
マウス Lewis肺癌
(皮下) 連続5日,
腹腔内 >53 2.2(78/35)
注1:ILS%(increased life span%:延命率)=〔(投与群の平均生存日数-対照群の平均生存日数)/対照群の平均生存日数〕×100
注2:化学療法係数=最高ILS%時の総投与量/ILS30%時の総投与量
有効成分に関する理化学的知見
一般的名称:ネダプラチン(JAN)
Nedaplatin
化学名:cis-Diammineglycolatoplatinum
分子式:C2H8N2O3Pt
分子量:303.18
化学構造式:
性状:白色~淡黄色の結晶性の粉末である。
水にやや溶けにくく,エタノール(95)又はジエチルエーテルにほとんど溶けない。
融点:昇温により,着色,発泡等の変化を伴い分解し,明確な融点は認められない。
分配係数:0.006[pH7,クロロホルム/緩衝液]
包装
アクプラ静注用10mg:1瓶
アクプラ静注用50mg:1瓶
アクプラ静注用100mg:1瓶
主要文献
〔文献請求番号〕
1)
尾熊隆嘉ほか:社内資料(癌患者における点滴静注時の白金の体内動態,1992)〔199201728〕
2)
犬山征夫ほか:癌と化学療法,1992,19(6),863〔199200724〕
3)
犬山征夫ほか:癌と化学療法,1992,19(6),871〔199200723〕
4)
古瀬清行ほか:癌と化学療法,1992,19(6),879〔199200728〕
5)
田口鐵男ほか:癌と化学療法,1992,19(4),483〔199200265〕
6)
Akaza,H.et al.:Cancer Chemother.Pharmacol.,1992,31,187〔199201900〕
7)
加藤俊ほか:癌と化学療法,1992,19(5),695〔199200340〕
8)
野田起一郎ほか:癌と化学療法,1992,19(6),885〔199200727〕
9)
Fukuda,M.et al.:Cancer Chemother.Pharmacol.,1990,26,393〔199001803〕
10)
小原収ほか:社内資料(白金化合物と核酸の反応特異性に関する検討,1993)〔199302374〕
文献請求先
主要文献に記載の社内資料につきましても下記にご請求ください。
塩野義製薬株式会社 医薬情報センター