ト)等に基づき投与量を決定し、治療域を逸脱しないように、血液凝固能管理を十分に行いつつ使用すること。
2.
プロトロンビン時間及びトロンボテストの検査値は、活性(%)以外の表示方法として、一般的にINR(International Normalized Ratio:国際標準比)が用いられている。INRを用いる場合、国内外の学会のガイドライン等、最新の情報を参考にし、年齢、疾患及び併用薬等を勘案して治療域を決定すること。
3.
成人における維持投与量は1日1回1〜5mg程度となることが多い。
使用上の注意
慎重投与
(次の患者には慎重に投与すること)
1.
肝炎、下痢、脂肪の吸収不全、慢性アルコール中毒、うっ血性心不全、敗血症、遷延性低血圧症のある患者及び新生児のビタミンK欠乏時等[本剤の作用が増強することがある。]
2.
ビタミンK摂取時等[本剤の作用が減弱することがある。]
3.
悪性腫瘍の患者[悪性腫瘍の患者では、血液凝固能の亢進により血栓傾向となる一方で、腫瘍関連出血を生じることがある。また、全身状態や摂食状況の変化に伴う血液凝固能の変動を生じることがある。]
4.
産褥婦[出血しやすく、出血量が多くなることがある。]
5.
甲状腺機能亢進症、又は甲状腺機能低下症の患者[甲状腺機能異常の患者では、病態の変化又は治療過程で甲状腺機能が正常化し、血液凝固能が変化することがある。その結果として本剤の作用が見かけ上減弱、又は増強するおそれがある。]
6.
新生児(「重要な基本的注意」及び「小児等への投与」の項参照)
重要な基本的注意
1.
併用注意の薬剤との併用により、本剤の作用が増強し、重篤な出血に至ったとの報告がある。本剤の作用増強が進展あるいは持続しないように十分注意し、適切な治療域へ用量調節すること。一方、本剤の作用減弱の場合も同様に作用減弱が進展あるいは持続しないように十分注意すること。
2.
急に投与を中止した場合、血栓を生じるおそれがあるので徐々に減量すること。
3.
*出血等の副作用のため本剤の抗凝固作用を急速に減少する必要がある場合には投与を中止するとともに、ビタミンK製剤の投与を要することがある。なお、脳出血等の重篤な出血を発現した場合には、必要に応じて、プロトロンビン複合体の静注又は新鮮凍結血漿の輸注等の適切な処置も考慮すること。これらの場合にも血栓再発に対し十分注意すること。
4.
ビタミンK製剤を投与中の患者には本剤の効果が発現しないので、本剤の治療を要する場合は、止血目的以外のビタミンK製剤を投与しないこと。
5.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。また、妊娠する可能性のある婦人に投与する場合には、事前に本剤による催奇形性、胎児の出血傾向に伴う死亡、分娩時の母体の異常出血の危険性について十分説明すること。(「妊婦、産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
6.
小児に本剤を使用する場合、小児の抗凝固薬療法に精通した医師が監督すること。
7.
新生児への投与に関する安全性は確立していないので、新生児には、有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
相互作用
他の薬剤との相互作用は、可能な全ての組合せについて検討されているわけではない。抗凝固薬療法施行中に、新たに他剤を併用したり、休薬する場合には、血液凝固能の変動に注意すること。なお、本剤(光学異性体のS体)は、主として肝薬物代謝酵素CYP2C9によって代謝される。
併用禁忌
(併用しないこと)
1.
薬剤名等
骨粗鬆症治療用ビタミンK2製剤:メナテトレノン(グラケー)
臨床症状・措置方法
本剤の効果を減弱する。患者が本剤による治療を必要とする場合、本剤による治療を優先し、骨粗鬆症治療用ビタミンK2製剤の投与を中止すること。
機序・危険因子
ビタミンKが本剤のビタミンK依存性凝固因子の生合成阻害作用と拮抗する。
2.
薬剤名等
イグラチモド(ケアラム、コルベット)
臨床症状・措置方法
本剤の作用を増強することがある。患者が本剤による治療を必要とする場合、本剤による治療を優先し、イグラチモドを投与しないこと。
機序・危険因子
機序不明
3.
薬剤名等
**ミコナゾール(ゲル剤・注射剤・錠剤)(フロリードゲル経口用、フロリードF注、オラビ錠口腔用)
臨床症状・措置方法
**本剤の作用を増強することがある。また、併用中止後も、本剤の作用が遷延し、出血やINR上昇に至ったとの報告もある。
患者が本剤による治療を必要とする場合、本剤による治療を優先し、ミコナゾール(ゲル剤・注射剤・錠剤)を投与しないこと。
機序・危険因子
ミコナゾールが本剤の肝薬物代謝酵素を阻害する。
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬効分類
催眠鎮静剤
1-1薬剤名等
バルビツール酸系及びチオバルビツール酸系薬剤:フェノバルビタール等
臨床症状・措置方法
本剤の作用を減弱することがあるので、併用する場合には血液凝固能の変動に十分注意しながら投与すること。
機序・危険因子
相手薬剤が本剤の肝薬物代謝酵素を誘導する。
1-2薬剤名等
抱水クロラール、トリクロホスナトリウム
臨床症状・措置方法
本剤の作用を増強することがあるので、併用する場合には血液凝固能の変動に十分注意しながら投与すること。
機序・危険因子
相手薬剤の活性代謝物が本剤の血漿蛋白からの遊離を促進する。
2. 薬効分類
抗てんかん剤
2-1薬剤名等
カルバマゼピン
臨床症状・措置方法
本剤の作用を減弱することがあるので、併用する場合には血液凝固能の変動に十分注意しながら投与すること。
機序・危険因子
相手薬剤が本剤の肝薬物代謝酵素を誘導する。
2-2薬剤名等
プリミドン
臨床症状・措置方法
本剤の作用を減弱することがあるので、併用する場合には血液凝固能の変動に十分注意しながら投与すること。
機序・危険因子
相手薬剤が本剤の肝薬物代謝酵素を誘導する。
2-3薬剤名等
フェニトイン、ホスフェニトインナトリウム水和物
臨床症状・措置方法
本剤の作用を減弱又は増強することがある。
また、フェニトインの作用を増強することがある。
併用する場合には血液凝固能の変動及びフェニトインの中毒症状又は血中濃度の上昇に十分注意しながら投与すること。
機序・危険因子
相手薬剤が本剤の肝薬物代謝酵素を誘導し、本剤の作用を減弱する。
相手薬剤が本剤の血漿蛋白からの遊離を促進し、本剤の作用を増強する。
本剤が相手薬剤の肝薬物代謝酵素を阻害し、相手薬剤の作用を増強する。
2-4薬剤名等
エトトイン
臨床症状 |