れることがあるので,観察を十分に行うこと.これらの病態を疑わせる持続する腹痛,嘔吐等の異常が認められた場合には,投与を中止し,腹部の診察やCT,腹部X線,超音波等を実施し,適切な処置を行うこと.
2. 消化管出血,消化管潰瘍
(頻度不明)
吐血,下血及び胃,十二指腸,結腸等の潰瘍があらわれることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には,腹部の診察や内視鏡,腹部X線,CT等を実施し,投与を中止するなど,適切な処置を行うこと.
その他の副作用
次のような副作用が認められた場合には,必要に応じ,減量,投与中止等の適切な処置を行うこと.
消化器
5%以上
嘔吐,悪心,便秘
消化器
1~5%未満
胃不快感,腹痛,下痢,逆流性食道炎,腹部膨満感,食欲不振,消化不良
消化器
1%未満
腹部不快感,放屁増加,胃潰瘍,胃炎
過敏症
1%未満
発疹,そう痒
肝臓
1%未満
AST(GOT)上昇,ALT(GPT)上昇
血液
1~5%未満
貧血
血液
1%未満
好酸球増多
内分泌
1~5%未満
副甲状腺機能亢進症
その他
1~5%未満
Al-P上昇
その他
1%未満
胸痛,背部痛,けん怠感,めまい,高カルシウム血症,低リン血症
その他
頻度不明
低カルシウム血症
*注1)発現頻度は透析中の慢性腎不全患者及び保存期の慢性腎臓病患者を対象としたチュアブル錠による国内臨床試験に基づく
*注2)頻度不明:国内外の自発報告等に基づく
高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので,患者の状態を観察しながら慎重に投与すること.
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1.
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には,投与しないことが望ましい.[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない.]
2.
授乳中の婦人に投与することを避け,やむを得ず投与する場合には授乳を中止させること.[ヒトにおいてランタンの乳汁への移行が報告されている2).]
小児等への投与
小児等には投与しないことが望ましい.[小児等に対する安全性は確立していない.]
その他の注意
1.
本剤服用患者の腹部X線撮影時には,ランタンが存在する胃腸管にバリウム様の陰影を認めることがある.
2.
動物における薬物動態試験において,本剤の反復経口投与により,他の組織に比べて特に骨,消化管及び肝臓でランタン濃度が高く推移し,消失も遅延していた.
薬物動態
1. 吸収・排泄
日本人健康成人男子8例に本剤★)250及び1,000mgを単回投与した際のランタンの薬物動態学的パラメータを表に示した.単回投与時における尿中ランタン濃度はほとんどの被験者で定量下限未満であった3).
(下表参照)
日本人健康成人男子9例に本剤★)1,000mgを1日3回10日間反復投与した時の定常状態における血漿中ランタン濃度は,投与後6時間目に最高値に達し,Cmax及びAUC0-8はそれぞれ0.558ng/mL及び3.67ng・h/mLであった.最終投与後48時間までにすべての被験者から平均で投与量の0.0000164%が尿中に排泄され,投与したランタンの59.8%が糞中から回収された4).また,本剤★)1,000mg単回経口投与時の絶対的バイオアベイラビリティーは0.002%未満であった(外国人の成績)5).
日本人透析患者に本剤★)を最大4,500mg/日投与した国内長期投与試験における投与開始後28,52及び156週目の平均血漿中ランタン濃度はそれぞれ0.406ng/mL,0.463ng/mL及び0.558ng/mLであった6).
(注:本剤の承認された最高用量は1日2,250mgである.)
*日本人の保存期慢性腎臓病患者に本剤★)を最大2,250mg/日投与した国内長期投与試験における投与開始後32及び60週目の平均血漿中ランタン濃度(幾何平均値)はそれぞれ0.564ng/mL及び0.797ng/mLであった7).
2. 分布
高リン血症を呈する血液透析患者15例を対象として本剤★)を1日750mgから投与を開始し,1日4,500mgまで適宜増減して最長3年間投与した国内骨生検試験において,投与開始前及び投与開始3年後に骨生検を行った結果,骨中ランタン濃度は投与開始前の57.3±33.5ng/gに対して,投与3年後には4100.6±2297.2ng/gと,血漿中ランタン濃度の0.60±0.41ng/mL(投与開始前:検出感度以下)よりも高く,骨に蓄積する傾向が認められた8).また,血液透析患者1,359例を対象として本剤★)を1日3,000mgまで2年間投与した海外長期投与試験においても,測定が可能であった28例における骨中ランタン濃度は投与開始前80.9±59.8ng/g,投与開始2年後1855.3±1338.3ng/gであり,同患者の血漿中ランタン濃度(投与開始前:0.0±0.07ng/mL,投与開始2年後:0.5±0.65ng/mL)よりも高かった9).
(注:本剤の承認された最高用量は1日2,250mgである.)
3. 代謝
本剤は体内で代謝を受けない.in vitro代謝試験において,ランタンは1A2,2C9/10,2C19,2D6及び3A4/5の各CYP分子種に対して阻害作用を示さなかった10).
4. 血漿蛋白結合率
in vitro試験において,ランタンのヒト血漿蛋白結合率は高かった(>99.7%)11).
★)チュアブル錠
日本人健康成人に本剤250及び1,000mgを単回投与した際のランタン薬物動態学的パラメータ(n=8,幾何平均値)
投与量 Cmax
(ng/mL) tmax※
(h) t1/2
(h) AUC
(ng・h/mL) 糞中回収率※※
(%)
250mg 0.156 4.00 7.8 1.56 59.5
1,000mg 0.192 5.25 19.2 3.69 66.9
※中央値 ※※算術平均値
臨床成績
1. 透析中の慢性腎不全患者を対象とした試験
(1) 比較試験
高リン血症を呈する血液透析患者259例(本剤★)126例,沈降炭酸カルシウム133例)を対象とした比較試験において,本剤を1日750mgから投与を開始し,1日2,250mgまで適宜増減した.その結果,血清リン濃度(Mean±SD)は,投与開始時8.35±1.38mg/dLから投与終了時5.78±1.44mg/dL |