塩群に対する本剤群の非劣性が示された。(表3参照)
副次評価項目である血中ヘモグロビン量において、投与12週後の血中ヘモグロビン量のベースラインからの変化量の平均値は、本剤40mg群(129例)で1.38g/dL、リュープロレリン酢酸塩群(140例)で1.31g/dLであった。
2.
疼痛症状を有する子宮筋腫患者を対象とした国内第III相試験(二重盲検比較試験)16)
月経周期の1~5日目から本剤40mgを1日1回朝食前に12週間経口投与した時、主要評価項目である投与終了前28日間における子宮筋腫を伴う疼痛のNRS(numerical rating scale)スコア最大値が1点以下である症例の割合は、プラセボ群と比較して本剤群で有意に高かった。(表4参照)
表3 投与6週後から12週後までのPBACスコア合計点が10点未満である症例の割合
投与群 PBACスコア注4)合計
点が10点未満である
症例の割合(%) 投与群間差注5)
本剤40mg 82.2(111/135)
リュープロレリン
酢酸塩注3) 83.1(118/142) -0.9
[-10.098, 8.346]
p=0.0013注6)
( )はPBACスコア合計点が10点未満の例数/評価例数
注3)4週に1回1.88mgを投与(体重の重い患者、子宮腫大が高度の患者では3.75mgを投与)
注4)ベースラインにおけるPBACスコア合計点の平均値:本剤群254.3、リュープロレリン酢酸塩群263.7
注5)本剤群とリュープロレリン酢酸塩群の投与群間差の点推定値[両側95%信頼区間]
注6)非劣性マージンを15%とした、Farrington-Manning法による非劣性検定
表4 投与終了前28日間におけるNRSスコア最大値が1点以下である症例の割合
投与群 NRSスコア最大値注7)
が1点以下である
症例の割合(%) オッズ比
[両側95%信頼区間]
本剤40mg 57.6(19/33) 42.071
[5.113, 346.181]
p<0.0001注8)
プラセボ 3.1(1/32) -
( )はNRSスコア最大値が1点以下の例数/評価例数
注7)ベースラインにおけるNRSスコア最大値の平均値:本剤群6.64、プラセボ群6.28
注8)Fisher’s exact test
薬効薬理
1.作用機序17~21)
レルゴリクスはGnRHアンタゴニストである。ヒト下垂体GnRH受容体に対する選択的な拮抗作用を示し、GnRHの作用を遮断する。それにより、下垂体からの性腺刺激ホルモン(LH及びFSH)分泌を阻害することで、卵巣からのE2(エストラジオール)やプロゲステロン等の性ホルモン分泌を阻害する。
2.
ヒトGnRH受容体親和性18)
レルゴリクスのヒトGnRH受容体に対する125I-リュープロレリン酢酸塩との拮抗作用のIC50値は0.12nmol/Lであり、ヒトGnRH受容体に対する親和性はGnRH(IC50値:31nmol/L)に比べて約260倍高かった(in vitro)。
3.GnRH受容体拮抗活性19)
レルゴリクスは、サル又はヒトGnRH受容体を発現したChinese Hamster Ovary(CHO)細胞において、GnRH誘発[3H]アラキドン酸遊離を濃度依存的に抑制した(in vitro)。
4.視床下部-下垂体-性腺軸に対する作用20)
ヒトGnRH受容体を発現する雌性の遺伝子改変マウス(ヒトGnRH受容体ノックインマウス)において、レルゴリクスの投与により卵巣及び子宮重量の低下がみられた。また、低下した卵巣及び子宮重量の回復は、レルゴリクス休薬後14日以内に認められた。
5.LH、FSH、E2濃度抑制作用21)
閉経前健康成人女性(9例)に月経周期の3~7日目から本剤40mgを1日1回14日間反復経口投与時、LH(黄体形成ホルモン)、FSH(卵胞刺激ホルモン)、E2の血清中濃度は投与1日以内に低下し、プラセボ群と比較して低く推移した。E2の血清中濃度推移は下図のとおりであった。(本剤の承認用法及び用量は【用法・用量】の項参照)
有効成分に関する理化学的知見
化学構造式
一般名
レルゴリクス(Relugolix)〔JAN〕
化学名
1-(4-{1-(2,6-Difluorobenzyl)-5-[(dimethylamino)methyl]-3-(6-methoxypyridazin-3-yl)-2,4-dioxo-1,2,3,4-tetrahydrothieno[2,3-d]pyrimidin-6-yl}phenyl)-3-methoxyurea
分子式
C29H27F2N7O5S
分子量
623.63
性状
レルゴリクスは、白色~帯黄白色の粉末である。ジメチルスルホキシド及びベンジルアルコールに溶けやすく、テトラヒドロフランにやや溶けにくく、メタノール、アセトニトリル及びエタノール(99.5)に溶けにくい。塩酸(0.1mol/L)にやや溶けやすく、pH3.0ではやや溶けにくく、pH5.0では溶けにくく、pH7.0~11.0ではほとんど溶けない。また、水にはほとんど溶けない。
承認条件
医薬品リスク管理計画を策定の上、適切に実施すること。
包装
100錠(10錠×10)
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
レルゴリクスの薬物動態試験成績(1)(社内資料)
2)
レルゴリクスの薬物動態試験成績(2)(社内資料)
3)
レルゴリクスの食事の影響試験成績(社内資料)
4)
レルゴリクスの吸収に関する検討(1)(社内資料)
5)
レルゴリクスの吸収に関する検討(2)(社内資料)
6)
レルゴリクスの分布に関する検討(社内資料)
7)
レルゴリクスの代謝に関する検討(社内資料)
8)
レルゴリクスの排泄に関する検討(社内資料)
9)
レルゴリクスの腎機能障害患者における薬物動態試験成績(社内資料)
10)
レルゴリクスの肝機能障害患者における薬物動態試験成績(社内資料)
11)
レルゴリクスの薬物間相互作用に関する検討(1)(社内資料)
12)
レルゴリクスの薬物間相互作用に関する検討(2)(社内資料)
13)
レルゴリクスの薬物間相互作用に関する検討(3)(社内資料)
14)
レルゴリクスのDDI Cocktail試験成績(社内資料)
15)
レルゴリクスの臨床試験成績(1)(社内資料)
16)
レルゴリクスの臨床試験成績(2)(社内資料)
17)
レルゴリクスの薬理試験成績(1)(社内資料)
18)
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