2) 骨密度
投与12及び24ヵ月時における腰椎(L1-L4)、大腿骨近位部、大腿骨頸部のベースラインからの骨密度変化率は表4のとおりであった。
2. 男性骨粗鬆症を対象とした国際共同第III相試験成績
男性骨粗鬆症患者を対象とした国際共同プラセボ対照二重盲検比較試験9, 10)において、ロモソズマブ群(163例、うち日本人18例)及びプラセボ群(82例、うち日本人9例)にそれぞれロモソズマブ210mg又はプラセボを1ヵ月に1回12ヵ月間投与した。血清25(OH)ビタミンD濃度が20ng/mL以上40ng/mL以下の被験者にはロモソズマブ又はプラセボの初回投与1週間以内に50,000IUから60,000IUのビタミンDの投与を行い、また試験期間を通じて全被験者に毎日少なくとも500mgのカルシウム及び600IUのビタミンDを補充した。なお、血清25(OH)ビタミンD濃度が20ng/mL未満の被験者は除外された。
骨密度
投与12ヵ月時における腰椎(L1-L4)、大腿骨近位部、大腿骨頸部のベースラインからの骨密度変化率は表5のとおりであり、主要評価項目とされたベースラインから投与12ヵ月時までの腰椎骨密度変化率について、プラセボ群に対する有意な増加が認められた。
3. 閉経後低骨密度患者を対象とした海外第II相試験成績
骨吸収マーカーである血清中I型コラーゲン架橋C-テロペプチド濃度は、本剤投与中は投与前より低値で維持されたが、本剤治療終了3ヵ月目、6ヵ月目及び12ヵ月目(最終投与から4ヵ月目、7ヵ月目及び13ヵ月目)にはそれぞれ投与前の1.8倍、1.9倍及び1.6倍(中央値)であった11)。
臨床成績の表
表3 閉経後骨粗鬆症患者を対象とした二重盲検試験の結果(骨折発生率)
発生率a
プラセボ→
デノスマブ 発生率a
ロモソズマブ→
デノスマブ リスク比
又は
ハザード比 P値b
新規椎体骨折
(12ヵ月時) 1.8%
[59/3322] 0.5%
[16/3321] 0.27(0.16, 0.47)c <0.001
新規椎体骨折
(24ヵ月時) 2.5%
[84/3327] 0.6%
[21/3325] 0.25(0.16, 0.40)c <0.001
臨床骨折d
(12ヵ月時) 2.5%
[90/3591] 1.6%
[58/3589] 0.64(0.46, 0.89)e -
臨床骨折d
(24ヵ月時) 4.1%
[147/3591] 2.8%
[99/3589] 0.67(0.52, 0.87)e -
a:上段:発生率(%) 下段:[発生例数/評価例数]
b:年齢、既存椎体骨折の有無で調整したロジスティック回帰モデルを用いた。
c:リスク比(95%信頼区間):マンテル-ヘンツェル検定法により年齢、既存椎体骨折の有無で調整し算出した。
d:臨床骨折は、非椎体骨折及び自覚症状のある椎体骨折を含む全ての症候性骨折を含む。
e:ハザード比(95%信頼区間):年齢、既存椎体骨折の有無で調整したcox比例ハザードモデルを用いた。
表4 閉経後骨粗鬆症患者を対象とした二重盲検試験の結果(骨密度)
プラセボ→
デノスマブ ロモソズマブ→
デノスマブ プラセボ→
デノスマブ
との差
腰椎
ベースライン値のTスコアa -2.71(1.04)
[3481] -2.72(1.04)
[3498] -
12ヵ月時点におけるベースライン値からの変化率(%)b 0.4 (0.2, 0.5)
[3148] 13.1(12.8, 13.3)
[3151] 12.7(12.4, 12.9)
24ヵ月時点におけるベースライン値からの変化率(%)b 5.5 (5.3, 5.7)
[2877] 16.6(16.3, 16.8)
[2861] 11.1(10.8, 11.4)
大腿骨近位部
ベースライン値のTスコアa -2.46 (0.47)
[3590] -2.48(0.47)
[3589] -
12ヵ月時点におけるベースライン値からの変化率(%)b 0.3 (0.1, 0.4)
[3210] 6.0(5.9, 6.2)
[3197] 5.8(5.6, 6.0)
24ヵ月時点におけるベースライン値からの変化率(%)b 3.2(3.1, 3.3)
[2918] 8.5(8.3, 8.7)
[2903] 5.3(5.1, 5.5)
大腿骨頸部
ベースライン値のTスコアa -2.74(0.29)
[3590] -2.76(0.28)
[3589] -
12ヵ月時点におけるベースライン値からの変化率(%)b 0.3(0.1, 0.5)
[3210] 5.5(5.2, 5.7)
[3197] 5.2(4.9, 5.4)
24ヵ月時点におけるベースライン値からの変化率(%)b 2.3(2.1, 2.6)
[2918] 7.3(7.0, 7.5)
[2903] 4.9(4.7, 5.2)
a:上段:平均(標準偏差)下段:[評価例数]
b:上段:最小二乗平均(95%信頼区間)下段:[評価例数]
投与群、年齢、既存椎体骨折の有無、投与前値、測定機器の機種、投与前値と測定機器の機種の交互作用で調整した共分散分析にて算出した。
表5 骨粗鬆症男性患者を対象とした二重盲検試験の結果(骨密度)
プラセボ ロモソズマブ プラセボとの差
腰椎
ベースライン値のTスコアa -2.33(1.41)
[82] -2.22(1.19)
[163] -
12ヵ月時点におけるベースライン値からの変化率 (%)b 1.2(0.2, 2.2)
[79] 12.1(11.2, 13.0)
[157] 10.9c(9.6, 12.2)
大腿骨近位部
ベースライン値のTスコアa -1.92 (0.65)
[82] -1.92(0.59)
[163] &nbs