の発現割合はアレンドロン酸ナトリウム群に比較して本剤群で高い傾向が認められた(心血管系事象による死亡:本剤群17例(0.8%)及びアレンドロン酸ナトリウム群12例(0.6%)、心筋梗塞:本剤群16例(0.8%)及びアレンドロン酸ナトリウム群5例(0.2%)、脳卒中:本剤群13例(0.6%)及びアレンドロン酸ナトリウム群7例(0.3%))。一方、国際共同第III相プラセボ対照比較試験3)(7157例:日本人489例を含む)の二重盲検期(12ヵ月間)では、心血管系事象による死亡、心筋梗塞、及び脳卒中の発現割合はプラセボ群と本剤群で同程度であった(心血管系事象による死亡:本剤群17例(0.5%)及びプラセボ群15例(0.4%)、心筋梗塞:本剤群9例(0.3%)及びプラセボ群8例(0.2%)、脳卒中:本剤群8例(0.2%)及びプラセボ群10例(0.3%))。
2.
本剤210mgを1ヵ月に1回投与された閉経後女性5914例において、抗ロモソズマブ抗体が1072例(18.1%)に、中和抗体が50例(0.8%)に認められた。本剤210mgを1ヵ月に1回投与された男性162例において、抗ロモソズマブ抗体が28例(17.3%)、中和抗体が1例(0.6%)に認められた。
薬物動態
1. 血清中濃度
(1) 単回投与
閉経後健康成人女性にロモソズマブ1、3又は5mg/kg注4)を単回皮下投与したときの血清中ロモソズマブの濃度推移及び薬物動態パラメータは下記のとおりであった4)。
注4)本剤の承認用法・用量は210mgを1ヵ月に1回、12ヵ月皮下投与である。
図1 閉経後健康成人女性にロモソズマブを単回皮下投与したときの血清中ロモソズマブの濃度時間推移(平均値±標準偏差)
(表1参照)
(2) 反復投与
閉経後骨粗鬆症患者にロモソズマブ70、140又は210mg注4)を1ヵ月に1回反復皮下投与したときの血清中ロモソズマブ濃度は表2のとおりであった5)。すべての用量群で、おおむね投与後3ヵ月に定常状態となった。
注4)本剤の承認用法・用量は210mgを1ヵ月に1回、12ヵ月皮下投与である。
2. 吸収
国内外の健康被験者、低骨量の被験者及び閉経後骨粗鬆症患者を対象にロモソズマブ210mgを1ヵ月に1回皮下投与したときの血清中ロモソズマブ濃度を用いて実施した母集団薬物動態解析の結果6)から、バイオアベイラビリティは81%と推定された。
3. 腎機能障害患者(外国人)
腎機能正常者(eGFR:80mL/min/1.73m2以上)、重度腎機能障害者(eGFR:15~29mL/min/1.73m2)及び血液透析を必要とする末期腎不全患者(ESRD患者)(eGFR:15mL/min/1.73m2未満)にロモソズマブ210mgを単回皮下投与したときの腎機能正常者に対する重度腎機能障害者及びESRD患者のCmax及びAUClastの幾何平均値の比(腎機能障害者/腎機能正常者)とその90%信頼区間は、重度腎機能障害者では1.31[0.95, 1.82]及び1.42[1.05, 1.93]、ESRD患者では0.90[0.64, 1.26]及び0.99[0.72, 1.35]であった7)。
薬物動態の表
表1 閉経後健康成人女性にロモソズマブを単回皮下投与したときの薬物動態パラメータ
用量 例数 tmax
(day) Cmax
(μg/mL) AUClast
(μg・day/mL) t1/2β
(day) t1/2γ
(day)
1mg/kg 6 5.0
(5.0-8.0) 4.06
(1.45) 64.0
(27.0) NA 5.82
(1.05)
3mg/kg 6 5.0
(3.0-12) 17.1
(4.7) 344
(90) 15.1
(NA) 6.31
(1.14)
5mg/kg 6 5.0
(5.0-7.0) 33.8
(8.1) 804
(320) 16.2
(4.1) 7.19
(1.55)
tmax:中央値(最小値-最大値)Cmax、AUClast、t1/2β、t1/2γ:平均値(標準偏差)
NA:算出していない
表2 閉経後骨粗鬆症患者にロモソズマブ70、140又は210mgを1ヵ月に1回反復皮下投与したときの血清中ロモソズマブ濃度
用量 1週後 1ヵ月後 3ヵ月後 6ヵ月後 12ヵ月後
70mg 7150(2070)
[63] 815(567)
[62] 845(681)
[54] 911(756)
[54] 884(772)
[54]
140mg 16500(4410)
[63] 3730(2210)
[61] 3780(2500)
[58] 4450(2920)
[61] 4500(3580)
[62]
210mg 25600(6570)
[62] 6060(2670)
[61] 8090(5770)
[56] 9040(6190)
[55] 10400(6620)
[57]
上段:血清中濃度(ng/mL)、平均値(標準偏差)、下段:[例数]
臨床成績
1. 閉経後骨粗鬆症を対象とした国際共同第III相試験成績
閉経後骨粗鬆症患者を対象とした国際共同プラセボ対照二重盲検比較試験3, 8)において、ロモソズマブ群(3589例、うち日本人247例)及びプラセボ群(3591例、うち日本人245例)にそれぞれロモソズマブ210mg又はプラセボを1ヵ月に1回12ヵ月間投与し、その後、両群ともデノスマブ60mgを6ヵ月に1回12ヵ月投与した。血清25(OH)ビタミンD濃度が20ng/mL以上40ng/mL以下の被験者にはロモソズマブ又はプラセボの初回投与1週間以内に50,000IUから60,000IUのビタミンDの投与を行い、また試験期間を通じて全被験者に毎日少なくとも500mgのカルシウム及び600IUのビタミンDを補充した。なお、血清25(OH)ビタミンD濃度が20ng/mL未満の被験者は除外された。
(1) 骨折抑制効果
投与12及び24ヵ月時における新規椎体骨折の発生率及び臨床骨折の累積発生率は表3のとおりであり、主要評価項目とされた新規椎体骨折の発生率について、いずれの時点でも有意な骨折発生率の低下が認められた。
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