るおそれがある。]
5.脳梗塞等の脳血管障害のある患者[急激な血圧低下があらわれた場合,脳血流量が減少し症状が悪化するおそれがある。]
6.重度の肝機能障害のある患者[本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。(「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照)]
7.重度の腎機能障害のある患者[本剤の血中濃度が上昇する可能性がある。(「用法・用量に関連する使用上の注意」及び「薬物動態」の項参照)]
8.抑うつ状態の患者[本剤の鎮静作用により,症状が悪化するおそれがある。]
重要な基本的注意
1.本剤を投与する医師又は医療従事者は,投与前に患者及び保護者又はそれに代わる適切な者に対して,本剤の治療上の位置づけ及び本剤投与による副作用発現等のリスクについて,十分な情報を提供するとともに,適切な使用方法について指導すること。
2.本剤を長期間投与する場合には,定期的に有用性の再評価を実施し,漫然と投与しないよう注意すること。
3.高度な血圧低下及び脈拍数減少が認められ,失神に至る場合があるので,本剤の投与開始前及び用量変更の1~2週間後には,血圧及び脈拍数を測定すること。至適用量の決定後にも4週に1回を目途に血圧及び脈拍数を測定すること。また,本剤の投与による脱水に十分注意し,脱水の症状があらわれた場合には,補液等適切な措置を講じること。
4.心血管系への影響(高度な徐脈,低血圧,QT延長等)があらわれる可能性があるので,本剤投与開始前及び投与中は以下の点に注意すること。
(1)本剤投与開始前には心電図異常の有無について確認すること。心電図異常が認められた場合は,投与の可否を慎重に判断すること。
(2)心血管疾患若しくはその既往歴がある場合又は本剤投与開始前に心電図異常が認められた場合は,定期的に心電図検査を行うなど,患者の状態を慎重に観察すること。
(3)本剤投与中は心血管系の状態に注意し,心血管系への影響を示唆する症状(徐脈,失神,ふらつき,動悸等)があらわれた場合には心電図検査等を行い,適切な処置を行うこと。
5.自殺念慮や自殺行為があらわれることがあるので,患者の状態を注意深く観察すること。また,患者及び保護者又はそれに代わる適切な者に対し,これらの症状・行為があらわれた場合には,速やかに医療機関に連絡するよう指導すること。
6.攻撃性,敵意はAD/HDにおいてしばしば観察されるが,本剤の投与中にも攻撃性,敵意の発現が報告されている。投与中は,攻撃的行動,敵意の発現又は悪化について観察すること。
7.本剤の投与により体重増加を来すことがあるので,定期的に体重を測定し,肥満の徴候があらわれた場合は,食事療法,運動療法等の適切な処置を行うこと。
8.眠気,鎮静等が起こることがあるので,本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう注意すること。
相互作用
相互作用の概略
本剤は,主に肝代謝酵素CYP3A4及びCYP3A5で代謝される。
併用注意
(併用に注意すること)
1. 薬剤名等
CYP3A4/5阻害剤
イトラコナゾール,リトナビル,クラリスロマイシン等
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が上昇し,作用が増強するおそれがあるので,本剤を減量するなど注意すること。[「用法・用量に関連する使用上の注意」の項参照]
機序・危険因子
これらの薬剤により,本剤の代謝が阻害される可能性がある。ケトコナゾール(経口剤,国内未発売)との併用により,本剤のAUCが3倍増加した。[「薬物動態」の項参照]
2. 薬剤名等
CYP3A4/5誘導剤
リファンピシン,カルバマゼピン,フェノバルビタール,フェニトイン等
臨床症状・措置方法
本剤の血中濃度が減少し,作用が減弱するおそれがある。
機序・危険因子
これらの薬剤により,本剤の代謝が促進される可能性がある。リファンピシンとの併用により,本剤のAUCが約70%減少した。[「薬物動態」の項参照]
3. 薬剤名等
中枢神経抑制剤
鎮静剤,催眠剤,抗精神病薬,フェノチアジン誘導体,バルビツール酸誘導体,ベンゾジアゼピン誘導体等
アルコール
臨床症状・措置方法
相互に作用を増強することがある。
機序・危険因子
これらの薬剤により,本剤の鎮静作用が増強される可能性がある。
4. 薬剤名等
バルプロ酸
臨床症状・措置方法
バルプロ酸の血中濃度が増加したとの報告がある。
機序・危険因子
機序不明
5. 薬剤名等
降圧作用を有する薬剤
β遮断剤,Ca拮抗剤,ACE阻害剤,アンジオテンシンII受容体拮抗剤,降圧利尿剤等
臨床症状・措置方法
相互に作用を増強し,失神を起こすことがある。
機序・危険因子
これらの薬剤により,本剤の降圧作用及び徐脈作用が増強される可能性がある。
6. 薬剤名等
心拍数減少作用を有する薬剤
ジギタリス製剤等
臨床症状・措置方法
相互に作用を増強し,失神を起こすことがある。
機序・危険因子
これらの薬剤により,本剤の降圧作用及び徐脈作用が増強される可能性がある。
副作用
副作用等発現状況の概要
承認時における安全性評価対象症例254例中,副作用(臨床検査値異常変動を含む)は190例(74.8%)に認められた。主なものは,傾眠146例(57.5%),血圧低下39例(15.4%),頭痛31例(12.2%)であった。
重大な副作用
1.血圧(5%以上),徐脈(5%以上):高度な低血圧,徐脈があらわれ,失神に至る場合があるので,血圧及び脈拍数を定期的に測定するとともに,患者の状態を注意深く観察し,このような症状があらわれた場合には減量,休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
2.失神(頻度不明注1):失神が起こることがあるので,観察を十分に行い,異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
3.房室ブロック(0.5%未満):房室ブロックがあらわれることがあるので,異常が認められた場合は減量,休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
その他の副作用
次のような副作用があらわれた場合には,必要に応じて,減量,休薬又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
過敏症
頻度不明注1
過敏症,発疹,そう痒
循環器
1~5%未満
起立性低血圧
循環器
1%未満
血圧上昇
循環器
頻度不明注1
頻脈,洞性不整脈,蒼白,高血圧性脳症
精神神経系
5%以上
傾眠,頭痛,不眠,めまい
精神神経系
1~5%未満
易刺激性
精神神経系
1%未満
悪夢,感情不安定,激越,鎮静,無力症
精神神経系
頻度不明注1
不安,うつ病,嗜眠,痙攣,過眠症
消化器
5%以上
腹痛
消化器
1~5%未満
食欲減退,悪心,便秘, |