率が高いため、血液透析による除去は有効ではない。
適用上の注意
薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。)
その他の注意
因果関係は明らかではないが、アムロジピンによる治療中に心筋梗塞や不整脈(心室性頻拍を含む)がみられたとの報告がある。
薬物動態
1. 生物学的同等性試験2)
●イルアミクス配合錠LD「武田テバ」
イルアミクス配合錠LD「武田テバ」は、「含量が異なる経口固形製剤の生物学的同等性試験ガイドライン(平成24年2月29日 薬食審査発0229第10号)」に基づき、イルアミクス配合錠HD「武田テバ」を標準製剤としたとき、溶出挙動が等しく、生物学的に同等とみなされた。
●イルアミクス配合錠HD「武田テバ」
イルアミクス配合錠HD「武田テバ」と標準製剤を、クロスオーバー法によりそれぞれ1錠[イルベサルタン100mg、アムロジピンベシル酸塩13.87mg(アムロジピンとして10mg)]健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
○イルベサルタン
○アムロジピン
2. 溶出性3)
イルアミクス配合錠LD「武田テバ」及びイルアミクス配合錠HD「武田テバ」の溶出性は、日本薬局方に定められた規格に適合していることが確認されている。
薬物動態の表
イルアミクス配合錠HD「武田テバ」(イルベサルタン) 絶食単回経口投与
薬物動態パラメータ (平均±標準偏差、n=24)
投与量
(mg) AUC0-48
(ng・hr/mL) Cmax
(ng/mL) Tmax
(hr) T1/2
(hr)
イルアミクス配合錠HD「武田テバ」 100 5840.06±2760.66 1587.42±671.78 1.12±0.74 12.34±8.27
標準製剤(配合錠) 100 6223.30±2191.80 1488.77±662.13 1.58±0.96 12.68±6.32
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
イルアミクス配合錠HD「武田テバ」(アムロジピン) 絶食単回経口投与
薬物動態パラメータ(平均±標準偏差、n=24)
投与量
(mg) AUC0-120
(ng・hr/mL) Cmax
(ng/mL) Tmax
(hr) T1/2
(hr)
イルアミクス配合錠HD「武田テバ」 10 215.83±56.29 5.01±1.07 6.29±1.04 39.14±7.84
標準製剤(配合錠) 10 225.72±63.82 5.27±1.40 6.21±1.10 38.10±7.22
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
薬効薬理
●イルベサルタン4)
アンジオテンシンII受容体のサブタイプAT1受容体の拮抗薬。内因性昇圧物質のアンジオテンシンIIに対して受容体レベルで競合的に拮抗することにより降圧作用を現す。
●アムロジピンベシル酸塩4)
ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬としての作用を示すが、作用の発現が緩徐で持続的であるという特徴を有する。
ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗薬は膜電位依存性L型カルシウムチャネルに特異的に結合し、細胞内へのカルシウムの流入を減少させることにより、冠血管や末梢血管の平滑筋を弛緩させる。
有効成分に関する理化学的知見
●イルベサルタン
一般名
イルベサルタン(Irbesartan)
化学名
2-Butyl-3-{[2'-(1H-tetrazol-5-yl)biphenyl-4-yl]methyl}-1,3-diazaspiro[4.4]non-1-en-4-one
分子式
C25H28N6O
分子量
428.53
性 状
白色の結晶性の粉末である。酢酸(100)に溶けやすく、メタノールにやや溶けにくく、エタノール(99.5)に溶けにくく、水にほとんど溶けない。結晶多形が認められる。
構造式
●アムロジピンベシル酸塩
一般名
アムロジピンベシル酸塩(Amlodipine Besilate)
化学名
3-Ethyl 5-methyl(4RS)-2-[(2-aminoethoxy)methyl]-4-(2-chlorophenyl)-6-methyl-1,4-dihydropyridine-3,5-dicarboxylate monobenzenesulfonate
分子式
C20H25ClN2O5・C6H6O3S
分子量
567.05
融 点
約198℃(分解)
性 状
白色~帯黄白色の結晶性の粉末である。メタノールに溶けやすく、エタノール(99.5)にやや溶けにくく、水に溶けにくい。メタノール溶液(1→100)は旋光性を示さない。
構造式
取扱い上の注意
1.
使用期限内であっても、開封後はなるべく速やかに使用すること。
2. 安定性試験結果の概要5)
加速試験(40℃、相対湿度75%、6ヵ月)の結果、イルアミクス配合錠LD「武田テバ」及びイルアミクス配合錠HD「武田テバ」は通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。
包装
●イルアミクス配合錠LD「武田テバ」
PTP包装:100錠(10錠×10)、500錠(10錠×50)
バラ包装:500錠
●イルアミクス配合錠HD「武田テバ」
PTP包装:100錠(10錠×10)、500錠(10錠×50)
バラ包装:500錠
主要文献
1)
Naito T. et al.:J. Hum. Lact., 31(2), 301, 2015
2)
武田テバファーマ(株)社内資料(生物学的同等性試験)
3)
武田テバファーマ(株)社内資料(溶出試験)
4)
第十七改正 |