盲検比較試験5）
対照薬を用いた二重盲検比較試験の結果、有用性が認められた。
臨床成績の表
表1
疾患名 有効率（％）
（中等度改善以上）
パーキンソン病 52.9
（166/314）
表2
疾患名 L-dopa/DCI投与量
（L-dopaとして、mg/日）（n=299） L-dopa/DCI投与量
（L-dopaとして、mg/日）（n=299）
疾患名 開始時 終了時
パーキンソン病 430±29 407±28
（平均±標準誤差）
表3
疾患名 治療例 有効率（％）
（中等度改善以上）
パーキンソン病 1年未満 34.2
（13/38）
パーキンソン病 1年以上 51.4
（126/245）
＊症例数の分母には判定不能例を含まない。
表4
疾患名 治療例 L-dopa/DCI投与量
（L-dopaとして、mg/日）（n=298） L-dopa/DCI投与量
（L-dopaとして、mg/日）（n=298）
疾患名 治療例 開始時 終了時
パーキンソン病 1年未満 425±11 382±22
（n=55）
パーキンソン病 1年以上 425±11 423±12
（n=243）
（平均±標準誤差）
薬効薬理
本剤は線条体におけるシナプス後ドパミン受容体を直接刺激することによりパーキンソン病に対する治療効果を発現すると考えられている6）。
1. 薬理作用
(1) 常同行動の誘発作用7）
ラットにおいて用量依存的に常同行動の誘発作用を示す。
(2) 回転運動の誘発作用8）、9）
黒質線条体片側破壊ラット（Ungerstedtモデル）において強い持続性の反側回転運動の誘発運動を示す。
また、同処置ラットにおいてα-methyl-paratyrosineの前処置を行っても、本薬による反側回転運動は軽度しか抑制されない。
(3) 抗振戦作用10）
腹内側被蓋野（VMT）を障害したサルにおいて生じる体位性振戦に対し、強い抗振戦作用を示す。
(4) 自発運動量に及ぼす影響
ラットへの低用量投与では、総自発運動量を低下させ、高用量で運動促進作用を示す。
(5) 黒質線条体ドパミン神経に及ぼす影響11）
ラットへの長期投与（2年間）により、黒質線条体ドパミン神経の加齢に伴う変性の防止作用を示す。
(6) ドパミン代謝回転率に及ぼす影響12）
ラットの脳内3,4-dihydroxyphenyl acetic acid（DOPAC）含量を減少させ、ドパミン代謝回転率を減少させるが、セロトニン、ノルアドレナリンの代謝に対する影響は弱い。
2. 作用機序
ウシ脳より抽出した脳線条体膜において、脳内ドパミンD1及びD2両受容体に親和性を有する6）。
有効成分に関する理化学的知見
一般名：
ペルゴリドメシル酸塩（JAN）
Pergolide Mesilate
化学名：
(－)-8β-[(Methylthio)methyl]-6-propylergoline monomethanesulfonate
分子式：
C19H26N2S・CH4O3S
分子量：
410.59
構造式：
性 状：
白色～微黄白色の結晶又は結晶性の粉末である。
N,N-ジメチルホルムアミド又はメタノールにやや溶けにくく、水又はエタノール（99.5）に溶けにくく、ジエチルエーテルにほとんど溶けない。
融 点：
258～260℃（分解）
分配係数：
6.14（pH2、緩衝液-クロロホルム系）
119.6（pH4、緩衝液-クロロホルム系）
包装
錠剤50μg：100錠PTP（10錠×10）
錠剤250μg：100錠PTP（10錠×10）
主要文献及び文献請求先
主要文献
1)
Yen T.T. et al.：Life Sciences, 25（3）, 209（1979）
2)
Rubin A. et al.：Clin. Pharmacol. Ther., 30（2）, 258（1981）
3)
楢林博太郎 他：臨床医薬, 7（1）, 151（1991）
4)
楢林博太郎 他：医学と薬学, 27（2）, 471（1992）
5)
楢林博太郎 他：医学と薬学, 27（1）, 147（1992）
6)
Wong D.T. et al.：Arz-Forsch., 43, 409（1993）
7)
Koller W. C. et al.：Neuropharmacology, 19, 831（1980）
8)
Clemens J.A. et al.：Arz-Forsch., 43, 281（1993）
9)
Duvoisin R.C. et al.：Neurology, 32, 1387（1982）
10)
Goldstein M. et al.：Adv. Neurol., 24, 247（1979）
11)
Felten D.L. et al.：Neurobiol. Aging, 13, 339（1992）
12)
Fuller R.W. et al.：Life Sciences, 24, 375（1979）
**文献請求先・製品情報お問い合わせ先
協和発酵キリン株式会社 くすり相談窓口
〒100-8185 東京都千代田区大手町1-6-1
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